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2914.報道比較2017.3.11

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3.11を振り返る話題の中心は、原発に集約。6年経ってもなお、進まないまま、さらに被害を増やしつづける災害。戦争同様、二度と起こしてはならない人災だ。

朝日新聞・社説
大震災から6年 「分断の系譜」を超えて

いまも約8万人が避難する福島で広がるのは、県内と県外、避難者とその他の県民、避難者同士という重層的な「分断」である。朝日新聞と福島放送が2月末におこなった世論調査で、福島県民の3割は「県民であることで差別されている」と答えた。原発、放射線、除染、避難、賠償……。これらは福島を語るうえで避けて通れない。そして語る者の知識や考えを問うてくるテーマでもある。福島問題は「難しくて面倒くさい」と思われ、多くの人にとって絡みにくくなっている――。社会学者の開沼博さんが2年前に指摘した「壁」はいまもある。県内では、沿岸部の3万2千人への避難指示がこの春、一斉に解除される。一方、2万4千人はいまだ帰還のめどがたたない。自主避難者への住宅無償支援は打ち切られる。戻る。戻らない。戻りたくても戻れない。福島沿岸部の復興は、まさに始まったばかりだ。ともに長い道のりを歩き、寄り添い続ける。そういう心を持ちたい、としている。

産経新聞・社説
東日本大震災6年 今ある痛みを共にしたい 実情に合った支援が必要だ

6年がたった。何年たとうが、鎮魂の念を持ち続けたい。犠牲になるいわれの何もなかった人々である。その遺志を継ぎ、東日本大震災で被害を受けた東北に尽くすことは、私たちの責務にほかならない。新しい家に入った人がいる。一方で、岩手、宮城、福島の3県では2月末現在、それぞれ1万人以上の人がなお、応急仮設住宅での暮らしを余儀なくされている。広い被災地の各地で、異なる現実がある。実情に合わせた支援が必要なのは、いうまでもない。
2月末、平日の午前中。福島県内の仮設住宅から、50代の男性がふらつきながら出てきた。朝から飲酒していた。被災者を支援する集いに連れて行こうと、「相馬広域こころのケアセンターなごみ」の職員が肩を支えた。午後、改めて訪ねた。布団は敷いたままで汚れ、床に菓子パンが無造作に置いてあった。男性は、東京電力福島第1原発事故で避難指示が出た飯舘村から家族で仮設に入った。父親は震災の約1年後に病死したという。「もう一回やり直さないと。父ちゃんとやってた農業やりたい」。前を向く気持ちを、なくしてはいない。被災者の心の傷は、年月とともに見えにくくなった。しかし震災が人々になお精神的な影響を与えていることに、敏感でいたい、としている。

日本経済新聞・社説
険しさ直視し震災復興たゆまずに

東日本大震災からきょうで6年になる。東京電力福島第1原子力発電所の事故が重なり大きな被害が出た福島県では、なお8万人近くが避難を続ける。宮城、岩手県などの津波被災地でも、復興住宅が完成したのに入居が進まないといった課題が浮かんでいる。福島第1原発から20キロ圏にある福島県楢葉町。2015年9月に避難指示が解かれたが、約7千人いた町民のうち戻ったのは1割にとどまる。役場近くにできた仮設商店街は、復旧工事の作業員が立ち寄るほかは人影は少ない。政府は4月1日までに川俣町、飯舘村など4町村でも避難指示を解除する。事故直後に比べると、避難指示が出ている地域の面積や対象人口は約3分の1に減る。残った帰還困難区域についても「拠点地区」を定めて除染を始め、5年後をめどに避難指示の解除をめざす。だが、この区域でも帰還を望む住民が少ないうえ、拠点地区以外の地域が切り捨てられるのではという懸念も出ている。被災地の共通点は、元から人口減少や高齢化に直面し、震災が追い打ちを掛けたことだ。政府は16年度から5年間で6兆5千億円の復興財源を確保している。被災地が持続可能な地域として再生できるように事業を再点検し、無駄のないよう予算を使ってほしい、としている。

読売新聞・社説
大震災6年 きめ細かな復興支援が大切だ

1万8000人を超える死者・行方不明者を出した東日本大震災から6年を迎えた。岩手、宮城、福島県などを襲った大津波は、沿岸部の人々から住居を奪った。安定した生活拠点の回復のために計画された復興住宅の完成率は、今月末で83%に達する。高台などの集団移転地の造成も、70%近く完了する。暮らしの基盤再生は、ようやくヤマ場を越したと言えよう。住宅再建がスムーズに進んでいる地域ばかりではない。岩手県大槌町では、今も人口の2割近くが不自由な仮設住まいを余儀なくされている。従来に増して、復興の進捗度に応じたきめ細かな支援を実践すべき段階に入ったと言える。町は子育てのしやすさをPRする。転入した新婚夫婦らに対して、最大300万円を補助する定住促進事業も打ち出している。住宅再建が優先される中で、市街地再生が遅れ、テナント施設が不足していることが一因だという。にぎわいの創出は、街を魅力的にする重要な要素だ。原発事故に伴う避難指示の大幅な解除で、福島は復興の正念場を迎えた。子供たちのためにも、支援を強化せねばならない、としている。

3.11から6年。復興の遅さの原因は、誰が見ても原発事故に集約される。未だに合意形成の端にさえたどり着いていない。建設的な議論さえ進まない。その遅過ぎる状況を反省している印象は、国からも、電力会社からも見えない。残念だが、民間や個人ができることはない。ずっと待たされるか、明確にならない回答を腹立たしげに見守るだけ。だから、さらにストレスは増える。再稼働を求める人たちも、廃炉を望む人たちも、苦々しく待たされている。分断は一層深まる。これは、完全に間違った復興アプローチだ。
昨今、東芝が原発事業で大きな損失を隠蔽していたことが発覚した。儲からないのに、儲かるように見せたかった理由は何だろう?アメリカの原発会社は、破産の可能性がさらに高まっている。まだつづけたいと東芝が言うには、株主への説明責任だけでは済まなくなってきている。事業としてつづけられなくなった時、日本の原発は誰が、どうやって面倒を見るのだろう?
今までの復興は、力を合わせて、困難を乗り越える活動だった。時間がかかっても、目を反らしたくなる悲劇も、何とか堪えて乗り越えられた気がする。だが、原発事故は違う。決断をせずに保留した課題が、今でも放射能と同様、被害を増大させている。いじめの問題も、避難民が残されている現状も、電力会社がブレる経営をつづけるのも、決められないのが原因だ。これなら、国民投票でもして結論を出した方がスッキリ進めた。6年経ってもなお、進まないまま、さらに被害を増やしつづける災害。戦争同様、二度と起こしてはならない人災だ。

毎日新聞・社説
朴大統領罷免 挫折乗り越え安定望む

韓国の朴槿恵大統領がきのう憲法裁判所の決定によって罷免された。憲法裁は、親友である崔順実被告の私益を図るために大統領の権力を乱用し、真相究明を妨げたことで法治主義の精神を毀損したと断じた。憲法裁は、財閥に巨額の出資をさせて設立した財団の事業などを通じて崔被告が不当な利益を得たと認定した。崔被告に公文書を見せていたことも違法だと判断した。公的な立場にない崔被告が大統領に大きな影響を与えていたことは韓国社会に大きな衝撃を与えた。崔被告との不透明な関係は、大統領として適切なものだったとは言えない。重要な隣国が激動に見舞われている中、日本の長嶺安政駐韓大使は現場に不在である。慰安婦問題を象徴する少女像の問題で政府が一時帰国させたものだが、ソウルに帰任させる時期ではないか。次期大統領には、深く分断された韓国社会を再びまとめる取り組みが求められる。大きな挫折を乗り越え安定した社会を再建してほしい、としている。

先に震災を2回ほど社説で取り上げていた毎日は、先んじるように朴氏罷免を取り上げたが、3.11という節目を考えると、効果的だったかは不明。震災への主張も特色があったわけでもなく、今回の韓国へのメッセージも…言葉だけの軽さ、空虚さが臭う。いつから毎日には信念がなくなってしまったのだろうか。

Wall Street Journal
FRB、複数回利上げへ確信得る 堅調な雇用統計で (2017.3.11)

2月の米雇用統計は堅調で、連邦準備制度理事会(FRB)がこのところ示していた楽観的な景気認識を裏付けるものとなった。来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げする構えは変わらない公算が大きく、数カ月内に追加利上げする可能性もある。2月の大幅な雇用増と失業率の低下、さらに賃金上昇の加速は、先週ジャネット・イエレン議長が3月14・15日のFOMCでの利上げへ向け設定したかに見えた条件をクリアした。FRBは昨年4回の利上げを見込んでいたが様々な理由で見送りが続き、12月に1回実施したのみだった。2月の雇用統計で一段と鮮明になった最近の動向から、FRBが今年こそ見通しに沿って利上げを実行する可能性がうかがえる、としている。

マーケットは、金曜で利上げを折り込んだ気配。事前に準備を固めるイエレン氏の行動は、混乱を招く可能性は低い。アメリカの連邦債務上限の問題、オランダの選挙、イギリスのユーロ離脱へのEUへの回答、香港行政長官の選挙…イベントつづきの3月。FRBは、震源になるのは賢明に避けた。日銀は最近、影が薄くなっているが備えは十分だろうか?

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