ORIZUME - オリズメ

2911.報道比較2017.3.8

2911.報道比較2017.3.8 はコメントを受け付けていません。

日本もアメリカも政治がスタック。3月に入ってから騒々しさが増している。来週、マーケットはイベントつづき。さらに揺れそうな気配。

毎日新聞・社説
原発事故から6年 巨大な負債との闘いだ

東京電力福島第1原発の過酷事故からまもなく6年がたつ。この月日を象徴するのは、飯舘村などに一斉に出される避難指示の解除、そして2号機で初めて垣間見えた「溶融核燃料」らしきものの姿だろう。福島第1原発の構内を訪れると、廃炉作業の困難さをひしひしと感じる。全面マスクが必要なエリアは大幅に減り、労働環境は改善したとはいえ、廃炉に欠かせない難関である「溶融燃料の回収」がクリアできるめどはまったく立たない。原発事故が日本社会にもたらした負担は、膨れあがる事故処理費からも浮かぶ。経済産業省は福島第1の廃炉や賠償、除染などの費用の試算を、これまでの見積もりの2倍に当たる21・5兆円に引き上げた。ここには溶融燃料の処分費用などは含まれず、さらに増えることは間違いない。事故を二度と繰り返さないためにも原発依存から脱することを決め、その方向に歩む。それが最も強い支えになるはずだ、としている。

6年を経る3.11にむけて、徐々に復興と原発の話題が増えはじめそうだ。今年、新たに顕在化したのは東芝の問題だろう。森友学園以上に政治の思惑が絡んでいるはずの東芝の原子力への異常な傾注、その後の迷走は、経営が悪質だっただけではない闇がありそうだ。東京電力の体質は、未だに改善しない。自民党に配慮を見せる弱腰の原子力規制委員会さえ批判する隠蔽の文化は、3.11のショックと6年の時間を経ても変わらない。ならば、日本の電力会社が、原子力を国民が納得する形で運営するには、3.11以上の被害か、廃炉に相当する永遠のような時間を必要とする。これは、明らかに現実的でははい選択肢だ。これ以上の時間を電力会社に与える必要はないと思う。

読売新聞・社説
ヤマト宅配便 日本流サービスは限界に近い

宅配便最大手のヤマト運輸が、宅配事業の抜本的見直しに向けた検討を進めている。インターネット通販の拡大で取扱量が急増しても、人手不足で運転手を十分確保できず、現場の疲弊が深刻化したことが要因だ。労組が今春闘で、総取扱量の抑制などを求めた。昼食を取る暇もなく、夜間まで長時間労働を強いられる配達現場の実態を思えば、理解できる。運転手など7万6000人に残業代未払いの可能性があることも明らかになった。利用者は即日配達・送料無料という利便性を求め、事業者も、顧客囲い込みにしのぎを削る。通販の過剰サービスを前提とする現状の宅配ビジネスは限界に近い。デジタル社会の進展で注文方法が格段に便利になっても、配達現場は、あくまで人の手で品物を届けるアナログの世界である。日本の物流業界は「ムリ、ムダ、ムラ」が生産性の低下を招き、その解消が課題となっている。宅配便に限らず、消費者が求める利便性を見極めながら、雇用問題の解決と質の高い顧客対応をどう両立させるかが問われよう、としている。

私は、物流に関わる人たちが努力不足だとは思わないし、関わる人たちの過酷な環境の改善は急務だと思うが、雇用や顧客対応という読売の発想に留まっていたら、アマゾンは物流を自社でやりはじめると思う。実際、アメリカではその動きが見えはじめている。
ヤマト運輸の物流は変革の歴史そのものだ。だから国民も、ライバルも、おそらく郵政や行政さえ、ヤマト運輸に尊敬の思いがある。今回も、国民が期待しているのはイノベーションだ。信書とメール便の時も、ヤマト運輸は防戦に回った。イノベーションの限界だろうか?

日本経済新聞・社説
系列こえた地銀再編で地域の活性化を

地方銀行の再編が全国で加速している。先行した九州などに続き関西でも域内最大の地銀連合が誕生する。地方経済の地盤沈下や人口減という構造問題に加え、日銀のマイナス金利政策による収益悪化が背中を押す構図だ。バブルの崩壊後、関西の金融はとりわけ深刻な混乱に陥った。大小の金融機関が乱立するオーバーバンキング(銀行過剰)の状況下で、融資の担保とした不動産の価値が東京並みに急落し「金融の火薬庫」の様相を呈した。統合する3行の前身には、かつて破綻した銀行が複数含まれる。3行のうち近畿大阪と関西アーバンは将来の合併を検討する。約40支店が重複しており、早急に統合効果を生む努力を求めたい。関西には東大阪市をはじめ分厚い中小企業群が存在する。金融面から活性化を側面支援してほしい。注目は持ち株会社に過半を出資するりそなの役割だ。これまでメガ銀と地銀の中間で存在価値を示す「スーパーリージョナルバンク構想」を掲げてきた。今回の再編は、ようやく構想の具体化に動いた一歩といえる。地銀が単独で開発するには負担の重い先端的なシステムの提供などを通じて、主導権を発揮してほしい、としている。

現場に近い人の社説だろうか?主張は少ないが、取材から得た現状への意見はリアリティがあって参考になる。日経の社説が、このスタイルになっていくなら、私は賛成。経済紙としての本質を追求して欲しい。

朝日新聞・社説
森友学園問題 国会招致が欠かせない

大阪の学校法人「森友学園」による小学校予定地の取得問題で、与党が関係者の国会招致に後ろ向きだ。だが連日の審議でも、財務省などから納得のいく説明があったとはとてもいえない。もはや当事者に直接、事情をただすべき段階だ。国有地の鑑定価格から値引きされた「ごみ撤去費8億円余」の根拠は何なのか。売却価格を公表しなかったことや、学園がごみ撤去をしたか国が確認しなかったことなどとあわせ、いつ、誰が、なぜそう決めたのか、証言が不可欠だ。小学校設置をめぐっては、学園が大阪府に報告した内容に、事実と異なる点が次々と見つかっている。愛知県内の中等教育学校に推薦枠があるという話や、校舎の建築費の記載にも虚偽があった疑いが出ている。申請に偽りがあるなら、不認可の判断もあり得る。新年度はもう間近だ。府教育庁は速やかに結論を出すべきだ、としている。

政府が口癖のように使う「粛々と」に相当するセオリーどおりの詰問を進める野党。特に予測から外れたことはしていないが、安倍氏の答弁は防戦のみで落ち着きがない。明らかに準備不足、無防備なサンドバッグと化している。開校が困難になったようで、被害者が出て、虚偽があれば警察、検察が動くことになる。国会に呼ぶのと検察が問題を検証するのと、どちらが国民にとって有益だろう?刑事事件になれば、賛同者も離反しはじめる。安倍政権にとっては大きな失点。まだ当分収まりそうにない。

Wall Street Journal
ウィキリークス、CIAの「ハッキング計画文書」を公開 (2017.3.8)

告発サイト「ウィキリークス」は7日、米中央情報局(CIA)がスマートフォン、パソコン、メッセージアプリなどのハッキング(不正侵入)に使用したツールを暴露するとして、大量の文書を公開した。ウィキリークスはこれをシリーズ第1弾と位置付け、CIAの世界的なハッキングプログラムの範囲と方向性、マルウエア(悪意あるソフト)群、欧米企業の幅広い製品を標的とする兵器化ツールを紹介すると述べた。この不正な情報開示を「過去最大規模のCIAに関する機密文書の公開」と呼んだ。ウィキリークスによると、CIAサイバー情報センターの文書とファイルの計8761点の一部を第1弾で公開した。CIAがスマートフォンのハッキングや、インターネットテレビを盗聴器に転じることなどに利用したマルウエアやツールを暴くとしている、としている。

アサンジ氏の身動きが取れなくなってからのウィキリークスは、行動の指針が見えない。無様な政争ばかりの政府と議会、さらにメディアと対立し、行政機関と政府にも行き違いがある。ウィキリークスがこのタイミングで動く意味は何だろう?さらに事態が混乱し、不信が蔓延するだけだ。誰も信じられない社会ができつつある。扇動の情報に揺れない冷静さが求められる。

人民網日本語版
将来の行方、外資流出…注目される17年の中国経済をめぐる疑問に回答 (2017.3.7)

世界第2位のエコノミーで、世界経済の成長に対する1年当たりの寄与率が30%以上の中国。その経済に世界中の注目が集まっている。中国経済の動向は今後どうなるのだろう?不動産価格は上がるのだろうか?それとも下がるのだろうか?中国から外資が大量に流出しているのだろうか?人民元のレートの動きは正常な範囲なのだろうか?中国国内外が注目するこれら中国経済をめぐる疑問の答えは、5日に全国人民代表大会の審議に提出された政府業務報告から見つけることができる。中国は今後も「安定を保ちつつ経済成長を促す」という原則を堅持し続け、金融リスクの予防・防止を重要な位置に据える。全国政協委員を務める、大唐西市集団の呂建中・董事局主席は、「つまり、本物の成長を一層追求しなければならないということ。経済成長はそれほど速くないかもしれないが、企業家の予測は安定する」との見方を示す。全国政協委員を務める、中国国家為替管理局の潘功勝・局長は、「為替市場で波が生じるのは普通のこと。波も短期的なものばかりで、最終的に通常の範囲に戻る。為替市場は安定しており、良い方向へ向かっていることが日に日に際立つようになっている」と強調する、としている。

求められる本当の成長。中国が冷静に自問できているなら、心配は減る。アメリカが挑みつづけているイノベーション。日本が立ち向かい、勝利したとは言えない本当の成長。中国がいま、その挑戦をはじめる気概にあふれているなら、いくつかの果実は確実に得られる。とともに、勝率は半減する。コピーではなく創造。改善ではなく刷新。簡単なはずはないが、挑戦すればいくつかは結実する。
成功すれば、中国はライフスタイルさえ提案できる。そのベースは、いまの中国には十分にある。その前に、バブルの清算は必要だろうし、一党独裁が守られるべきかは別にして、自由が制限され、翌日には国家の意向でルールが変わったり、人が消えたりする社会は、どこかで終わりにしなければならない。今のままでは、マネー流入の限界値は低いし、チャイナ・マネーのパワーを求める自由な国があれば、中国人は国を平気で捨てて移住する。その自由さとバイタリティこそが中国の強さの源泉なのだから。

Comments are closed.