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2910.報道比較2017.3.7

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もはや機能していないアメリカの政治、久しぶりのスキャンダルで機能停止の日本。3月は震源になりそうなリスク満載。騒がしい春の予感。

人民網日本語版
中国経済は「速度鈍化」から「クオリティ向上」の段階へ (2017.3.6)

中国国務院発展研究センターの李偉・センター長は人民日報の取材に対して、「昨年、経済は安定した成長を見せ、生産者物価指数(PPI)はマイナスからプラスへ、企業の費用対利益は下降から上昇へ向かい、都市部と農村部の就職も予想以上で、これらは、経済成長のクオリティと効率が少しずつ改善されていることを示している。成長の速度が一気に鈍化する危険は低くなった」と中国の現在のマクロ経済の動向について説明し、「経済の構造転換は、速度鈍化の段階から少しずつクオリティ向上の段階へと向かっている」との見方を示した。先進エコノミーの需要が低迷していることが足かせとなり、2016年に中国の物品輸出はドル建てで7.7%減となり、2年連続のマイナス成長だった。製造業における外資直接投資の減少が輸出減少の主な原因の一つである一方、中国の対外投資は現在、急増している。17年、中国の経済は依然として下ぶれ圧力に面しているものの、李センター長は、「国際経済の課題を前に、中国は自国の改革と発展をまずしっかり遂げなければならない。中国国内の供給側の構造改革は重要な任務で、システミックリスクが発生するレッドラインにさえ達しないようにすれば、今年の中国経済は安定して成長するだろう」と予測している、としている。

Wall Street Journal
中国全人代、経済政策に影差す政治分裂リスク (2017.3.6)

李克強・首相は5日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、今年の経済運営方針を発表し、経済成長が下り坂に入っていることを認めた。中国指導部は数年からこの状態を「新常態(ニューノーマル)」と称している。李首相は、今年の経済成長率目標を昨年の「6.5〜7%」から「6.5%前後」に引き下げた。中国は国内総生産(GDP)比160%の債務を抱えているが、李首相は、同国には「システミックリスクを未然に防ぐ自信、能力、手だてがある」と述べ、こうした債務への懸念を退けた。また、今年の融資の伸び率目標を12%に設定した。今回の政策運営方針は、今年は改革より経済成長を優先する姿勢を浮き彫りにした。中国共産党は今秋の党大会で今後5年間の最高指導部人事を決める。習近平国家主席の2期目続投を妨げる恐れのある社会情勢の不安定化は許されない。李首相は政府活動報告で習主席の名前を8回挙げた。この回数を上回る中国の最高指導者は、40年ほど前の政府活動報告で17回登場した毛沢東だけだ。習主席の2期目続投はほぼ保証されている。だが、シンガポール国立大学のホアン・ジン政治学教授は「中国では権力が強まるにつれて負うリスクも増える。もし何かに失敗したら、習主席はその責めを負うことになる」と述べた、としている。

毎日新聞・社説
中国全人代 世界安定の責任自覚を

中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)が始まった。李克強首相は政府活動報告で、秋の中国共産党の第19回党大会やトランプ米大統領の誕生を意識し、内外情勢を安定させる重要性を強調した。「安定を保ちつつ、前進を求める」ことが今年の政府活動の基調だ。成長率目標は昨年を下回る6・5%前後。低成長が「新常態」となった現実を受け入れたものだ。内需拡大が持続的な成長を実現するカギだ。そのためには農村の生活向上で都市との格差を縮小し、社会保障の充実で将来への不安を取り除くことが必要になる。李首相は脱グローバリズムや保護主義の傾向が強まり、世界経済の不安定性が増していると警告した。米国と並ぶ貿易大国である中国が自由貿易体制を擁護するのは当然だ。李首相は習近平国家主席の突出した地位を示す「核心」の言葉を5度使った。党大会に向け、結束を示す狙いだろうが、内外に安心感をもたらすような政策が実現できなければ、真の求心力にはつながるまい、としている。

Wall Street Journalや毎日が、しきりに出てくる単語の登場数を数えているのが奇妙だ。本質を語らない中国の政治から深層を得る努力のつもりだろうが、あまり有益な手段とは思えない。
6.5%に設定した経済成長率の目標は、改竄してでも達成される。だからコンテナの数や交通量で真実を測ろうとする。中国政府はこのバカバカしい虚構からいつ脱却するだろう?こんな作業のために使っている資金で、環境問題や貧困の10%くらいはサポートできるのではないだろうか。
マーケットはいつまで中国の偽りを許容するのだろう?

産経新聞・社説
北朝鮮のミサイル 国民守る全ての策講じよ 日米は「核抑止」強化へ協議を

北朝鮮が弾道ミサイル4発を日本海に向けて発射し、うち3発が日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾した。操業中の漁船などを危険にさらす重大な敵対行為を、容認することはできない。米韓両軍が今月1日開始した定例の合同軍事演習にぶつけたものであり、北朝鮮は事前に「容赦なく粉砕する」などと主張していた。同時に注目すべきは、中国で年1回の全人代(国会)の開会中だったという点である。中国は経済制裁として北朝鮮からの石炭輸入の年内禁止に踏み切った。これは中国が今後の対米関係を考えての措置だったとみることができる。ミサイル発射には中国への反発もうかがえる。領土への着弾など国民の生命が脅かされそうな場合には、ためらわずに迎撃しなければならない。その際、自衛隊に防衛出動を命ずることも政治の責任である。事態が起きてからゆっくり考える時間はないのである。弾道ミサイル防衛の強化を進めるのと並行して、敵基地攻撃能力の保有が必要だ。安倍首相が決断し、自衛隊への巡航ミサイルなどの導入を進めてほしい。北朝鮮が米本土を核攻撃する能力を持てば、日米安保条約に基づく「核の傘」に破れが生じる。近く開く外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で、核抑止の態勢強化の協議を始めるべきだ、としている。

日本経済新聞・社説
軍事挑発を重ねる北朝鮮に強力な圧力を

日本の安全保障を揺るがす深刻な脅威といえる。北朝鮮が弾道ミサイル4発を日本海に向けて発射し、このうち3発が日本の排他的経済水域(EEZ)に落下した。断じて容認できない暴挙だ。米国では金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏の殺害事件などを受け、北朝鮮をテロ支援国家に再指定すべきだとの議論が浮上している。さらにトランプ政権が北朝鮮への武力行使を選択肢として検討しているとの情報もあり、こうした動きをけん制する狙いもうかがえる。北朝鮮がトランプ政権下でも軍事挑発を続ける意思を誇示したのは確かだ。北朝鮮の暴走にどう歯止めをかけるか。日米韓を中心に国際社会が結束して圧力を一段と強め、北朝鮮に対する強力な包囲網を築いていくことが肝要だ。北朝鮮は中国による石炭輸入停止措置に反発し、度重なる自制要求も聞き入れなくなっている。北朝鮮の核・ミサイル開発が中国の安保を脅かす可能性も完全には否定できない。中国はこうした現実も直視し、日米韓との協調に軸足を置くべきではないか、としている。

読売新聞・社説
北ミサイル脅威 日米韓の協調で抑止力高めよ

北朝鮮が北西部から日本海に向けて、弾道ミサイル4発をほぼ同時に発射した。このうち3発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。北朝鮮には、1日に始まった米韓合同軍事演習に対抗する狙いがあったのだろう。2日には軍総参謀部が「超強硬対応措置で立ち向かう」と恫喝してみせた。日本にとっては、弾道ミサイルへの対処能力を拡充させる取り組みが重要だ。ミサイル防衛の強化が柱となるが、多数のミサイルで同時に攻撃された場合、すべてを打ち落とすのは容易ではない。自衛隊が巡航ミサイルなどによる敵基地攻撃能力を持つことも、本格的に検討すべきだ。核ミサイルをちらつかせて揺さぶりをかける北朝鮮に対峙するには、日米韓の協調が最も効果的で現実的な選択肢だ。韓国では、その認識が薄弱なのではないか、としている。

北朝鮮問題のもっとも大きな問題は、北朝鮮の異常な行動に世界が慣れてしまったことだ。無関心で、慢心している。本当の戦争など想定している人はわずかで、形式的な調査、批判、手続きをしているに過ぎない状況に、少なくとも日本の社会は慣れきっている。おそらくアメリカも、中国も、考えたくないが、韓国もだ。リスクは、意識していない時がもっとも被害が甚大になる。各国との連携も判るが、国内の準備はどうなのだろう?最初にミサイルが飛んでから、日本政府は機密といって国民と情報を隔離した。それが社会の緊張感を忘れさせている。やり方は正しかったのだろうか?知らなくていいのではなく、説明できないだけではないのか。対策がないだけではないのか。

朝日新聞・社説
安倍昭恵氏 公的立場の説明責任を

首相夫人は公人か、それとも私人か――国会でそんな論争が交わされている。昭恵氏は2015年9月、学園の幼稚園で講演し「こちらの教育方針は大変、主人も素晴らしいと思っている」と語った。首相は、国会で野党から学園理事長と昭恵氏の関係を説明するよう求められると、「妻は私人なんです」と反論。菅官房長官も「首相夫人は私人だ。国家公務員としての発令を要するものではない」と述べた。政府の説明によれば、昭恵氏の行動は外務、経済産業両省の職員計5人が「サポート」しており、うち2人は常駐だ。首相の出張に同行した際には、国家公務員旅費法に基づき交通費が昭恵氏に支払われる。昭恵氏は第2次安倍内閣以降の日当は辞退しているというが、第1次内閣以降、約145万円が支払われている。昭恵氏と森友学園や理事長との関係はどのようなものだったのか、疑念を呼んでいる。公的立場にある者として、昭恵氏には「私人」を盾にすることなく、国民が納得できる説明をする責任がある、としている。

森友学園スキャンダルの騒がしさ、不信感、上がってくる名前の数は異様なスピードで増殖中だ。産経、読売がどこまでとぼけられるかで、安倍政権が情報統制をどれだけ仕込んでいるかも見えてくる。会長が不適格でも、NHKはまだ公共のジャーナリズムが生きている。産経、読売は魂を売ったというよりは、最初から自民党に寄り添っている。人民網を読むつもりで接するべきだろう。
スキャンダルのきっかけが共産党からはじまったからか、ゴールは政府、与党の支持率低下と機能停止にむかっている。もはや機能していないアメリカの政治よりは落ち着いているが、いつもの三流の日本の政治に戻ってしまった。国会は法案どころではなくなった。だが、やるならとことんやって欲しいと感じている人は多いのではないか?ごまかしようがないほど不明点が多く、異常な点が多いからだろう。

Financial Times
ルペンとトランプと大西洋の「反」革命 (2017.2.28)

フランスと米国はともに、自分のことを例外的な国だと思っている。しかし、両国の歴史は同様なパターンをたどっていることが多い。例えば、米国の独立革命(1775~83年)が起こると、程なくフランス革命(1789~99年)がこれに続いた。そのため歴史家の中には、18世紀の終わりごろを「大西洋の革命」の時代と呼ぶ向きもある。トランプ氏の運動とルペン氏の運動との間には思想的な共通点が多い。イスラムへの敵意、ナショナリズム、ポピュリズム(大衆迎合主義)、保護主義、ブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)への支持、親ロシア、主流派メディアに対する憎悪などがそれに当たる。つい最近まで、極右勢力への支持は自ずと頭打ちになるという見方は、フランス政界の主流派にかなりの安心感を与えていた。ところが最近実施されたいくつかの世論調査では、ルペン氏が決選投票で40%を超える票を獲得するとの見方が示されている。2月下旬に行われたある調査に至っては、決選投票でフィヨン氏と対決すればルペン氏が45%を得るとの結果が出ていた。また、マクロン氏と争う場合では42%を取るとする調査も2件あった。選挙運動がまだ2カ月以上続くことを考えれば、これはまさに鼻の差だ。加えて、仮に左派勢力が団結して候補を一本化し、決選投票がルペン氏と極左候補の対決になったりすれば、ルペン氏にとってはさらに有利な状況になるかもしれない、としている。

フランスの政治には疎いが、今年の選挙の話題は、昨年からマーケットがずっと注目しているトピックだ。自然と耳に入ってくる。ヨーロッパにとって、北朝鮮リスクがアジアの株や為替にどれだけの影響があるかくらいにしか感じられないように、フランス国民やヨーロッパのリスクも、遠い日本ではユーロのリスクをどう捉えるか、場合によってはどう儲けるか、という発想に行き着いてしまう。残酷で申し訳ないが。
フランス国民がルペン氏を選んだら、ユーロの未来はほぼ破滅、EUの国境も再び、言葉通りの境界になるだろう。NATOはロシアの存在から辛うじて延命するかもしれないが、ヨーロッパの結束はもはやなくなる。20世紀末に見た夢は、半世紀も持たずに途絶える。
これだけ冷静に語れるのは、ブレグジットを経て、トランプ大統領が生まれた現実を知っているからだ。私はギリシャ危機の前にすべてのユーロは手放したが、金利もない、リスクだけ増えるユーロを持ちたがる人はいない。ユーロがなくなると言われても、私はブレグジットより大きなショックにはならない気がする。
合意に至れない交渉ばかり繰り広げるヨーロッパが、アメリカや中国より魅力的な経済圏に見えることは、ここ10年はなかった。すでに寛容さをつづける余裕もなく、隣人の借金の始末にも意見が合わない。最近、ドイツの政治家の言動も乱れてきた。EUの未来に期待を込める人が減りはじめている。すでに終末を意識しているかのようだ。

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