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2909.報道比較2017.3.6

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任期延長は、責任を取ってもらう意味では理想的だと思っている。森友学園くらいで逃げ出されるわけにはいかない。2021年まで、もっと重い責任が残っている。

朝日新聞・社説
自民党大会 異論なき1強の危うさ

自民党はきのうの大会で、党総裁の任期を「連続2期6年」から「連続3期9年」に延長することを正式に決めた。これで安倍首相は1期目をあわせれば通算10年、3500日超、政権を担うことが可能になる。大会では党員が8年ぶりに100万人を回復したことが報告され、安倍氏はあいさつで憲法改正発議に強い意欲を示した。「1強」ゆえのおごりや緩みも目につく。昨年の臨時国会では、首相の所信表明演説中に若手議員らが「スタンディングオベーション」で応えた。今国会では、森友学園の国有地売却問題で参考人招致に難色を示すなど、解明に後ろ向きと言われても仕方がない。「1強」の背景には、1990年代の衆院への小選挙区制や政党交付金の導入と、首相への権力集中の積み重ねがある。異論や批判に耳を傾け、常に自省する。そんな姿勢がなければ権力は腐敗する。その影響は広く国民に及ぶ。歴史が教える権力の危うさを自民党はいま一度、胸に刻むべきだ、としている。

日本経済新聞・社説
自民総裁3選を狙う首相は何をすべきか

自民党が5日に党大会を開き、安倍晋三首相の総裁3選を可能とする党則改正を決めた。安倍政権の下で雇用や企業収益は改善したが、景気の足取りはなお力強さを欠いている。首相がさらに長期政権を目指すのであれば、成長力底上げや財政健全化といった中長期的な課題への取り組みをもう一段加速していく必要がある。首相は肝煎りの安全保障関連法などを成立させ、政界は「安倍1強」が際立っている。ただ日本を取り巻く状況は順風満帆とは言いがたい。足元の景気は底堅さも一部に見えるが、個人消費などは伸びを欠いたままだ。安倍政権は消費税率の10%への引き上げを2度にわたって延期した。財政均衡と社会保障制度の改革という難題に正面から取り組まなければ、国民の根強い将来不安は解消できない。規制改革や働き方の見直しなどを通じて生産性を向上し、日本の潜在成長力を引き上げていく必要がある。自民党は短命内閣の負の連鎖を断ち切り、安定した政治を回復した。だが長期政権の緩みやおごりが目立つようだと有権者の信頼は一気に揺らぐ。与えられた力を何に使うのか。その選択と結果が厳しく問われる時期に入っている、としている。

読売新聞・社説
自民党大会 長期的課題に果敢に取り組め

自民党が定期党大会を開いた。総裁任期の「連続2期6年まで」から「連続3期9年まで」への延長を正式決定した。首相は、来年9月の総裁選で信任されれば、任期は2021年9月まで延びる。20年の東京五輪をまたいで、歴代1位の長期政権が視野に入る。国際会議の経験や人脈を首脳外交に生かしたい。19年10月に延期した消費税率10%への引き上げにも直面する。アベノミクスは道半ばだ。消費増税に耐え得る経済状況の実現は簡単でない。規制緩和などを通じて、成長を底上げせねばならない。同時に、財政健全化、社会保障改革など、国民の痛みを伴う政策からも逃げてはなるまい。党大会では、「憲法改正原案の発議に向けて具体的な歩みを進める」とする17年運動方針を採択した。首相は、憲法改正を「自民党の歴史的使命」と位置付け、「発議」の明記を主導した。衆院憲法審査会は16日に議論を再開する。具体的な改正項目の絞り込みへ、自民党は、公明党、日本維新の会と連携し、民進党の建設的な対応を促すべきだ、としている。

私は、安倍氏が任期を延長するのは、責任を取ってもらう意味では理想的だと思っている。自分で決めた消費増税延期。アベノミクスが今のペースなら2020年までに、日本はアメリカの連邦債務上限のような、またはギリシャの財政難のような、世界が日本の財政に注目するような危機に晒されるはずだ。オリンピックと、今の財政と景気回復のペースでは、2019年には帳尻が合わなくなる。その前に世界が驚くような紛争や危機が起きれば、危機に乗じて先送りを狙えるかもしれないが、借金が増えることはあっても減ることはない。やはり安倍氏の任期中に、自民党型のバラマキ政治、終わらないバブル経済以降の低迷、ペテンのようにつづけてきた医療と年金の構造改革に取り組むことになる。森友学園くらいで逃げ出されるわけにはいかない。2021年まで、もっと重い責任が残っている。

毎日新聞・社説
敵基地攻撃能力 専守防衛を超える恐れ

北朝鮮の核・弾道ミサイル開発の進展を受け、攻撃される前に敵のミサイル基地などをたたく敵基地攻撃能力の議論が進んでいる。安倍晋三首相は検討に前向きな考えを示し、自民党の弾道ミサイル防衛に関する検討チームも議論を始めた。2019年度からの次期中期防衛力整備計画をにらんだ動きだ。敵基地攻撃能力を持つことが、憲法に反しないかどうかについて、政府は法理論的には可能としてきた。いざという時、在日米軍による報復攻撃という手段がありながら、自衛隊が敵基地攻撃をすることは、日米の役割分担の枠組みを超える。防衛費は大幅に増え、逆に安全保障環境を悪化させかねない。そもそも、移動式発射台や潜水艦から撃たれるミサイルの発射場所をどう把握し、正確にたたくことができるのか。実効性や費用対効果への疑問も尽きない。課題はあまりに多いのに、軍事的な対抗策に議論が偏り過ぎていないだろうか。そんな状況で首相が前のめりに検討する姿勢を示していることに懸念を覚える、としている。

この話題を新聞が取り上げたのは産経につづいて毎日が2紙目。産経が触れたのは2.21だから、2週間ほど経過している。何度でも警鐘を鳴らしてもいいほどの危うい方針を、安保法制では騒いだメディアも、野党も、デモも途絶えている。抵抗を放棄した?現実として認識するには早過ぎる?気が取られる別の話題があったわけでもない。違和感を覚える。

Wall Street Journal
ここで生活する以外考えられない 不法移民の訴え (2017.3.6)

先週、記者会見を行った直後に逮捕され、国外退去手続きのために勾留されている22歳の不法移民(証明書類のない移民)の女性は3日、「この国のためなら何でもする」「ここで生活すること以外考えられない」と述べた。ダニエラ・バルガスさんの事例は先週、全米的に注目された。バルガスさんは1日にミシシッピ州ジャクソンで開かれた記者会見の帰り、友人と車に乗っているときに米連邦移民・関税執行局(ICE)の職員に身柄を拘束された。バルガスさんはその会見で国外退去処分への不安を訴えていた。バルガスさんは米軍に入隊しようとしたことがあり、チャンスを与えられれば米国で豊かな生活が送れる可能性があるという。「優秀なトランペット奏者」なので、音楽教師にもなれると主張した。数学が得意で、英語のスペイン語の2カ国語を話せるという。ICEの当局者は暴行、殺人、麻薬密売などの罪で有罪判決を受けた不法移民に的を絞ってきたと述べた。その一方でICEは、そうした強制捜査のなかで他の犯罪歴がない、連邦移民法だけに違反した移民たちについても一部拘束してきたということも認めている、としている。

裁判で敗訴し、上訴をアピールしながら礼状を変えて行動を優先したトランプ政権の移民政策は、確実に閉じたアメリカの顔を見せはじめている。弁護士を雇える資金を持ち、または持っていないなら確実に勝訴して弁護士の手柄にできるシチュエーションでなければ、話題に上らずに見えないまま祖国に送還される人もいるはずだ。北朝鮮がマレーシアで起こしたような事件によって、追い風までは至らなくても、人は外国人に寛容になることをリスクと感じる雰囲気ができあがっている。
なぜ、閉鎖的なアメリカにしたいのか、トランプ氏の意図は未だに判らない。今までのオープンなアメリカを否定するような事件は起きていないし、デメリットも、拒絶反応も大きかった。支持率に直結するとも思えない。振り子のように、右と左で揺れているだけだろうか?

人民網日本語版
政府活動報告 中国の特色ある大国外交が著しい成果 (2017.3.5)

第12期全国人民代表大会(全人代)第5回会議が5日午前9時、人民大会堂で開幕した。国務院の李克強総理が政府活動報告を行った。李総理は活動報告の中で、「過去一年間、中国の特色ある大国外交が著しい成果を上げた。習近平国家主席をはじめとする国の指導者がたくさんの国を訪問して、アジア太平洋経済協力(APEC)非公式首脳会議、上海協力機構首脳会議、BRICS首脳会議、核安全保障サミット、国連総会ハイレベル会合、アジア欧州会議(ASEM)首脳会議、東アジア協力指導者シリーズ会議などの重要な活動に出席した。瀾滄江–メコン川協力の第1回指導者会議の開催を成功させた。主要な大国との協調協力が力強さを増し、周辺諸国との全面的協力が持続的に推進され、発展途上国との友好協力が絶えず深化し、国連をはじめとする国際機関との連携がより密接になった。グローバルガバナンスシステムの改革と制度整備を積極的に推進した。『パリ協定』の発効を推進した。経済や外交、人的・文化的交流が豊富な成果を上げた。国の領土主権と海洋権益を断固として守った。中国は責任ある大国として、国際・地域問題において建設的な役割を発揮し、世界の平和と発展のために重要な貢献を行った」と指摘した、としている。

様式に則った全人代がはじまった。中国政府関係者以外、気にしているのは資料の隅々に埋め込まれた深慮だ。習氏の政権がもう5年目になる。彼が何を成し遂げたのかを見ると、表面に見えてくるのは汚職撲滅という名の抵抗勢力撲滅くらい。チャイナ・ショックを比較的小さく抑え込んだ以外は、領土領海の拡張、アメリカとの緊張ばかりが目立つ。中国のリーダーは、下手を打てば命がなくなるほど、緊張に満ちた立場らしい。その重さは不憫に思えるが、息が詰まるほどの締めつけに見合う価値を、中国の人たちは感じているのだろうか?隣国の日本は、まるで感じないのだが。
もう少し、仲良くできる雰囲気をつくれないだろうか?これは、習氏だけの問題ではないのだろうが…

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