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2908.報道比較2017.3.5

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地ならしを着実に進めるFRBの面々。Fed Chairmanのゲームを思い出した。

Wall Street Journal
FRBのタカ派的発言、まだ読み取れない投資家 (2017.3.4)

イエレンFRB議長は3日、FRBが3月14‐15日に開く公開市場委員会(FOMC)での利上げ実施を目指しているとの考えを明確にした。それが1週間前なら驚きもあっただろう。他のFRB当局者による一連の講演が下地を作った後だったので、市場は軽く受け流した。奇妙なことに、投資家はFRBが利上げのペースを速めるだろうと認めているにもかかわらず、FRBが示唆してきた利上げ回数には依然として疑念を抱いている。昨年12月に公表されたFOMCメンバーの政策金利予想では、2017年の利上げが3回となっていたが、フェデラルファンド(FF)金利の先物市場は3度目の利上げの確率を約50%と見込んでいる。投資家は4回目の利上げの可能性も考えるべきなのだ。FRBはおそらく雇用やインフレの目標達成が迫っていると受け止めており、トランプ大統領と議会共和党が財政支出や減税に関する計画を実行に移すことができれば、経済の過熱が起こらないような方針転換を迫られるかもしれない。投資家はFRBが今月に利上げを実施する可能性が高いというニュースを驚くほど冷静に受け止めた。FRBが利上げのペースを加速させているというニュースはそれよりも受け入れ難い可能性がある、としている。

ひさしぶりにFed Chairmanのゲームを思い出し、遊んでみた。いまのイエレン氏の気分を味わえる。

FRB利上げ近し?Chair the Fed: A monetary policy gameで、イエレン氏の気持ちをゲームで味わってみよう

私は、このゲームで再任してもらえたことは、ほとんどない。とんでもないインフレになるか、失業率を上昇させてお役御免になる。短期金利だけで失業率とインフレ率をコントロールするのがどれだけ困難か、手を打つタイミングと金利差だけで、どれだけ社会に影響が及ぶのかが判る。観測気球を上げて様子を見たり、何もせずに失業率が下がってくれるのを期待する感覚が理解できる。
無論、その数字の裏では、人が本当に職を失い、借金を返せずに路頭に迷い、報酬が増えずに困っている。最近のマーケットは反応が鈍く、ユーフォリアとは違う散漫さを感じる。何かが起きれば、FRBや政府の支援を期待する依存症の雰囲気。世界の中央銀行が量的緩和でつくってしまったのがバブルでないなら、この中毒のような量的緩和依存症だろう。株は上がって当たり前。為替は政治が都合でレンジを上下させるもの。クラッシュしても10年すれば再生し、規制も消える。自己責任の場に、執拗に権力が介入して統制すると、人は責任を放棄する。もしいま、マーケットが傾いたら、依存症の人たちは正気でいられるだろうか?

朝日新聞・社説
米国とWTO 自由貿易を壊すのか

貿易相手国ともめごとが生じた際、好き勝手に制裁措置をとれるとすれば、制裁が報復を招き、泥沼の紛争があちこちに広がりかねない。自由貿易をゆるがせ、世界経済を混乱に陥らせる危機が迫る。議会に提出した通商政策の報告書は、WTOについて「米国に不利な決定がされた場合、それは米国の法律を自動的に変えるものではない」と明記した。さらに、通商法301条を「適切に使えば強力な武器になる」と評価した。日米経済摩擦が激しかった1980年代以降に米国が使い、今はWTO違反の可能性があるとされている一方的な制裁措置である。「米国第一」を掲げるトランプ政権は、環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱するなど多国間から二国間の交渉に軸足を移し、自国に有利な枠組みを目指す姿勢を鮮明にしてきた。だが、すでに定着している国際ルールをふみにじる危うさは、はるかに大きい。各国は協力して米国に翻意を促さなければならない。日本はその先頭に立つべきだ。安倍首相は首脳会談を通じて築いたと誇るトランプ氏との良好な関係を生かし、直言してほしい、としている。

日本経済新聞・社説
質の高いアジアの経済連携を主導せよ

日中韓豪、ニュージーランド、インドに東南アジア諸国連合(ASEAN)を加えた計16カ国が経済連携協定(EPA)を結ぶ構想がある。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)だ。16カ国は3日まで神戸市で交渉会合を開いた。日本政府関係者は「着実な進展があった」と述べたものの、新たに合意した分野はなかった。環太平洋経済連携協定(TPP)は日米が主導した。これに対しRCEPは、中国やインドのほかミャンマーなど後発の途上国も加わっているのが特徴だ。トランプ米政権は多国間から2国間の通商協定にカジを切る構えだ。米国が参加しておらず中国が参加しているRCEPをどう受けとめているかは、判然としない。それでも日本がRCEPを前進させれば米国が圧力を感じ、長い目でみて米国がTPPへの復帰を検討するきっかけにできるかもしれない。RCEPを軽視してはならない、としている。

朝日は、機能の産経、毎日と同じ論調。1日遅れた分だけ価値が低い。
日経は、戦略的な提案をしている。今のアメリカ迎合型の日本政府が戦略的にRCEPにも着手する可能性は低いが、日経の提案は、ソフトバンクの孫氏がトランプ・タワーに乗り込んだような意外性があり、かつ有機的な結論を見出せそうなものだ。中国との直接交渉はできないだろうが、RCEP経由ならできる。TPPが叶わず、アメリカが2国間の通商交渉を望むなら、他国の協定は別のグループで、というスタンスは、アメリカとの交渉にも緊張感と、TPPへの刺激、もしアメリカが戦略シフトする際の先行者になれる。
アメリカ・ファーストは、アメリカ単独で決断し、推進するものだ。同盟国だからすべて付き合う必要はない。今のままでは、日本はアメリカに出せるカードをほとんど持っていない。中国とは交渉さえ進展していない。日経の提案はすばらしい。

毎日新聞・社説
森友学園 検査院任せは筋違いだ

政治家が関与した疑いがある以上、政府・与党は会計検査院任せにはせず、国政調査権に基づく真相の解明を進めるべきである。学園の籠池泰典理事長が自民党の鴻池祥肇参院議員の事務所に、小学校開校を巡り役所への口利きを依頼していた記録が発覚した。依頼は、2013年8月から昨年3月にかけて15回に上る。理事長の要望に応じて財務局や航空局がルールを次々と変更した経過が見て取れる。財務省は「政治家から不当な働きかけはない」と答弁しているが、判明した事実とは大きく食い違う。検査院の検査は、売却価格が適正だったかどうかという外形的なチェックにとどまる。交渉過程で不正がなかったかどうかを解明することまでは期待できない。安倍晋三首相の昭恵夫人は小学校の名誉校長に就任し、問題発覚後に辞退した。学園の寄付集めには首相の名が一時使われており、首相は全くの第三者ではない。首相がもし「利用された」と考えるのであれば、理事長らの国会招致で事実の解明を図ることが自らの利益にもなるのではないか、としている。

週末は、東京都と森友学園ばかりかと邪推していたが、意図的に話題を避けているのか、新聞の意識が変わったのか、今のところ1本目で取り上げたのは毎日のみ。他紙は、2本目かスルーしている。が…無視できる状況よりは、むしろ政府の支持率に影響を与えそうなほど、森友学園スキャンダルは政府も行政も対応が手ぬるい。言われるがままに失態を晒しつづけている。4月に開校できない可能性も徐々に高まり、被害者が生まれる確率は上がりつづけている。埋めた土壌に、ごみどころか有害物質が存在するとの話題、異様な校風…むしろ入学したくない人が多いかもしれないが、認可に関わった行政は補償という悪夢が待ち受ける。こんな話題で安倍氏が追い込まれるとは…小さい。日本の政治は。

産経新聞・社説
自民党と憲法改正 今こそ有言実行が必要だ

自民党が「憲法改正原案の発議に向けて具体的な歩みを進める」と明記した平成29年の運動方針案を5日の党大会で採択する。政党の運動方針は、これもまた国民との約束にほかならない。期待するのは有言実行である。日本が主権を失っていた占領期に作られた現行憲法において、9条をめぐる解釈や政策判断と、現実との乖離がますます大きくなっているという意味である。日報には現地政府軍と反政府勢力の「戦闘」の記述があった。自衛隊派遣を認めない「法的な意味での戦闘」にはあたらないが、両者を混同させた議論が続いた。尖閣諸島の守りにも支障がある。「グレーゾーン事態」で海上警備行動が発令されても、憲法上、軍隊でない自衛隊には十分な武器使用ができない。首相や自民党議員は国民の中に分け入り、今よりも日本や国民の役に立つ新しい憲法を持つ意味について、語りかける努力を重ねてほしい、としている。

読売新聞・社説
地銀再編 顧客本位の戦略を練り上げよ

三井住友フィナンシャルグループとりそなホールディングスの傘下にある関西の地銀3行が、来年4月にも経営統合することになった。三井住友とりそなが共同出資して持ち株会社を設立し、その下に関西アーバン銀行、みなと銀行、近畿大阪銀行の3行が入る。資産合計は11兆円を超えて、関西で最大の地銀グループとなる。肝心なのは、再編を顧客と地域の利益につなげることだ。地元企業を金融で下支えして地方活性化に貢献するという、地銀本来の役割を強めるものにしたい。拠点統廃合などの合理化も、顧客の利便性を損なわぬよう配慮して進める必要がある。担保や保証に頼った融資審査を改め、将来性のある企業を見いだす「目利き力」を高める。顧客の多様な要望に応えられるように、専門性に磨きをかける。こうした取り組みに資する統合戦略を練り上げることが大事である、としている。

このトピック選出は、不自然さが際立っていないだろうか?産経の2本目の宅配便は理解できるとしても、読売は天守閣再建。地域復興の話題としても、散漫で取材はしているようには感じられない。森友学園には、まだ掘り下げられる闇がある前兆として受け止めたい。

人民網日本語版
全人代記者会見「17年の国防費増加幅は約7%」 (2017.3.4)

傅報道官は「財政部(財務省)が提供した正確なデータによると、2017年の中国の国防費の増加幅は7%前後で、国内総生産(GDP)に対する割合は1.3%前後になる」とした。毎年、中国政府は国防建設の需要と国民経済の発展水準を踏まえて国防費の規模を確定しており、2017年の国防費の増加幅は7%前後になる。国防費のGDPに対する割合は1.3%前後になる。ここ数年はずっとこの水準だ。それに対して、北大西洋条約機構(NATO)は加盟各国に国防費の対GDP比を2%に引き上げる必要があると強調している。中国はこれまでどの国にもどのような損害も与えていない。中国の周辺に存在する一連の領土主権や海洋権益をめぐる紛争で、中国は対話による平和的な解決を主張すると同時に、自国の主権と権利を防衛する能力を保有する。軍隊と軍隊の間に脅威が生まれるか、警戒心が必要かどうか、カギはその戦略的意図をみることにある。つまり、共同の安全保障を追求するか、排他的な安全保障を追求するかだ。習近平国家主席が提起した中国の理念は共同の安全保障を維持するというものであり、これはアジアの多くの国々の共通認識でもある、としている。

緊張の温床ではあっても、深刻な衝突には至っていない。まるでアメリカのような論理を展開しはじめた中国。隣国としては、あまり素直に受け止められない。だが、反論はできない。脅威を感じるなら、できることはひとつ。稼いで肩を並べることだ。

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