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2906.報道比較2017.3.4

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利上げの地ならしを進めるFRB。週末を過ぎても、マーケットは忘れたように平静。またギリギリに揺れる?

Wall Street Journal
米FRB議長、3月利上げの可能性高いと示唆 (2017.3.4)

米連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長は3日、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げする可能性が高く、経済が予想通りに推移すれば年内に複数回の追加利上げが実施される公算が大きいと示唆した。景気改善やインフレ上昇、さらにドナルド・トランプ政権による歳出拡大と減税の見通しを受け、FRB関係者は3月14・15日の政策会合での利上げに抵抗を感じなくなっているようだ。イエレン氏は「経済は実質的にわれわれの雇用面の責務を満たしており、インフレも2%の目標に近づいている」と指摘した。FRBが目標達成に相当近いことや、「経済見通しを著しく悪化させかねない新たな展開はないことを踏まえれば、金融緩和の縮小プロセスは2015〜16年ほど時間がかからない公算が大きい」としている。

トランプ氏の議会演説後、一気に地ならしをはじめたFRBの利上げ。トランプ氏の政策に適合するには、利下げ余地を早めに確保したくなったのだろうか。イエレン氏がここまで言うならマーケットは再考を迫られる。
「次の利上げが、危機のはじまりになる可能性は高い」と見るアナリストは多い。警鐘を鳴らして来た人たちは、昨年のトランプ氏の登場以降、狼少年の扱いを受けている。来るといわれたクラッシュは、逆に歴史的な上昇の現実に失笑されている。だが、私はそれでも危機感を持ちつづけるつもりだ。私は、まだ昨年に持ったベアのポジションを手放していない。いまの上昇の裏付けは期待だけ。もし、期待どおりの好景気が来たら、自分がバカだと笑って損切りすればいい。期待に裏切られて大金を失うのは耐えられない。
もちろん、こう言いながら一部はトランプ相場に乗っている。最近も、アメリカの金融株を少し買ってみた。買ってすぐに、トランプ・ラリーで儲けている人の感覚が判った。恐くて今にも逃げ出したい。今週中には、もう退散しようかと思っている。

産経新聞・社説
米の通商政策 貿易戦争を仕掛けるのか

「米国第一」のためならば、貿易戦争も辞さないということか。米通商代表部(USTR)が議会に提出した通商政策の報告書は、他国に対する問答無用の恫喝だと断ぜざるを得ない。米国の都合を強引に押し通そうとする手法は、WTOが築いてきた世界の貿易秩序を崩す危うさをはらむ。米国に対する他国の報復を誘発して泥沼の貿易戦争に陥れば、世界の貿易は停滞しよう。トランプ政権のUSTR代表がまだ議会承認を受けていない段階で、USTRがこれほどの政策転換を打ち出すことにも首をかしげる。それが政権の意向だとしても、乱暴すぎないか。他国に市場開放を迫る「強力な手段となり得る」として通商法301条を持ち出したことで、日米経済摩擦の再燃がさらに現実味を帯びるようになった。日本はこれを断じて許さない姿勢を貫くべきだ。4月にも開かれる経済対話で厳しくただすべきである、としている。

毎日新聞・社説
トランプ税制 公正な競争ゆがめるな

トランプ米大統領が「歴史的な税制改革」を目指している。就任後初の議会演説では詳細に踏み込まなかったが、法人税改革と中間層向けの減税に意欲を見せた。米国内外で特に注目を集めているのが「国境調整税」と呼ばれる措置だ。企業が米国製品を輸出して得た所得は法人税を免除する一方、輸入された製品や部品には高率の税金を課す。税の形をした事実上の輸出補助金であり、輸入制裁金と言える。世界一の大国が、国際秩序に背を向け、なりふり構わぬ輸出優遇や輸入排除に走れば、WTOなど多国間の約束が空洞化する一方、対抗措置の広がりにより、世界経済が収縮することにもなりかねない。ムニューシン米財務長官は米メディアのインタビューで、大規模な税制改革案を「近い将来」とりまとめ、8月までに関連法を成立させる意向を明らかにした。米国の税制とはいえ、世界に大きな影響を与える可能性がある。日本政府は他国と協調し、米国に公正な制度やルール順守を促していく必要がある、としている。

日米首脳会談の安心は束の間だった。中国への敵対心を増やし、日本は同盟国だから仲間という提案は、経済には適応しそうもない。産経や毎日の意見はいつもの正論だが、トランプ氏の手法には抵抗できないのは何度も経験済み。対案を準備する方が理想的だろう。
トランプ政権が求めているのが、アメリカ国内の雇用、アメリカ国内での製造で合意形成できるなら、アメリカが求めるのは投資、企業の進出、現地人の雇用になる。ソフトバンクの孫氏や中国政府がしきりに投資をアピールしている。このスキームなら、今までのトヨタとも変わらないが、アメリカ国内にキャッシュが残り、現地採用の比率が多ければ、ゆたかさはアメリカ国内のものになる。孫氏が言い出したファンドは、カネが欲しければ提供する、現地に経営も委ねるさらに踏み込んだものだ。そこまでアメリカがマネーに困っているとは思えないが、ルール順守の精神で対抗しようという発想よりは価値がある。社説がビジネス視点になるべきとは思わないが、正論で争ってはいけない相手に、この社説は犠牲者を増やすだけだ。

人民網日本語版
サービス業の有効な供給が増加、中国経済にメリットを発揮する (2017.3.3)

国家統計局が2月28日に発表した公報によると、産業構造別にみて、2016年にはサービス業の生産額が38兆4千億元(1元は約16.6円)に上り、前年に比べた実質増加率は7.8%に達した。国内総生産(GDP)に占める割合は51.6%、国民経済の成長への貢献度は58.2%だった。サービス業の占める割合が長年にわたり上昇しているのは、主にサービス業発展に関わる政策が次々に打ち出されたためで、これは経済発展が一定の水準に達すると必ず出現する現象でもあり、とりわけインターネットが各分野にさらに浸透し、サービス業の規模が拡大を続けた結果だといえる。これと同時に、農業の構造も調整と最適化とバージョンアップを絶えず繰り返し、工業の構造も技術の進歩に後押しされてグレードアップとバージョンアップを続けている。専門家は、「これからの中国はサービス業の供給側構造改革を引き続き積極的に推進し、サービス業の国内開放と対外開放を拡大し、サービス業の有効な供給を増やし、サービス業の改革によるメリットを発揮することが必要になる」との見方を示す、としている。

共産主義国家なので、政策が円滑に機能して社会が変わっていくのは理想的なのだろう。民主主義から見ると、国家主導の産業構造変化には、異様さと危うさを感じる。いつも政治に頼り切っている日本が言える話ではないが…。
中国がサービス業中心の産業にシフトした時、製造業で世界をリードするのはどこだろう?世界で最も安く、ベストなリードタイムで提供できるプレーヤーが勝者だ。このチャンスをアメリカが狙っているなら、かなり戦略的で驚かされる。今のところ、トランプ氏の発言から、そんな印象を受けたことは一度もない。中国の改革に、そんな戦略が見えたことも、一度もない。アメリカがIndustry 4.0を忘れるなら、前のめりだったのはドイツとサウジアラビアが残る。日本は?何度か言葉は持ち上げていたが、具体策を聞いた事は、一度もない。果たして…?

朝日新聞・社説
経産省の施錠 密室化は不信を招く

今週初めから、経産省が各部署の執務室の扉に原則としてカギをかけ、開閉のたびに職員がカードなどで解除する運用を始めた。訪問者とは面談専用のスペースで応接する。「情報管理の必要性が高まる中、行政の信頼性を確保するため」という。情報公開法はその第1条で「国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進」をうたっている。国民に開かれ、「知る権利」に応えることが原則だ。それこそが、行政への信頼性につながる。官庁に集まる膨大な情報の中に秘密保持を要するものはあるだろう。だが、部屋にカギをかけ、部外者を入れないという「密室化」が不可欠とは思えない。警察庁や国税庁でも施錠は一部の部屋にとどまる。他省庁と比べて自由な気風で知られた経産省が、今回のように突出した対策をとれば、同様の動きが広がりかねない。折しも、南スーダンへの自衛隊の派遣や、国有地払い下げをめぐって、官庁の記録の短期間での「廃棄」が問題になっている。「知らしむべからず」の傾向が助長されてはならない。経産省には施錠の再検討を求める。取材対応マニュアルについては、記者会の抗議を受けて「改善」するとの姿勢を示しているが、明確な撤回が必要だ、としている。

これだけを話題にすると、個別の事象を取り上げて新聞が批判しているだけに見える。行政が隠蔽に向かっていると主張するには弱い。知る権利に応えることと、鍵を設置することの意味は違う。むしろルール違反ではないと強弁して記録を廃棄する方が、鍵の設置よりずっと危機的だ。政府や与党が防戦になっている状況に、朝日の攻めは下手だ。

日本経済新聞・社説
採用ミスマッチ解消へ丁寧な企業説明を

採用活動の早期化で、企業の仕事内容を理解する時間が十分確保できないまま就活を進める学生も多い。入社しても早く辞めてしまう人の増加の一因にもなっていよう。企業は学生に、具体的な日常業務などを含め、自社について丁寧に説明すべきだ。厚生労働省によれば大学新卒者で卒業後3年以内に離職した人の割合は、13年の卒業者で31.9%あった。30%を超えるのは4年連続だ。「採用のミスマッチ」は企業にとっても損失になる。放置はできない。仕事内容はもちろん、自社の特色や社風なども含め、企業は学生と十分なコミュニケーションをとる必要がある。効果が見込める手立てのひとつは、新卒者の採用を4年生の秋や冬にも選考する通年型とし、学生に企業研究などの時間を確保しやすくすることだ。何より大事なのは経営者が明確な企業戦略を持ち、どんな会社になろうとしているか、学生と接する幹部や社員が語れることだ。ある時期に横並びで採用活動をする「新卒一括」方式が定着してきたため、企業は学生とのコミュニケーションをとる力が磨かれなかった面があろう。学生との意思疎通を重視し、双方が納得のいく採用を進めてほしい、としている。

いま、新卒採用者を戦力として育てる方針を持っている企業はどれくらいあるのだろうか?中途採用が即戦力、社長さえヘッド・ハンティングでお願いする時代だ。新卒を育てるのが間違っているとは思わない。むしろ、そんな長期視点の企業が多い方が日本の社会風土には合っていると思う。だが、安定を求めて必死に新卒採用から入社し、わずかな数の育成対象者と、それを支える多数の費正規雇用という図式があったら、それは持続可能だろうか?3年離職率が30%というのが、日本の現実ではないかと思う。
3年で学び、他の企業にステップアップする。起業する。若いうちに再チャレンジする。私は、悪くはないと思う。入社する会社が、本当に正社員を育成するつもりなのか。ずっといつづけたいと思って入社するのか。お互いが言い合える社会になるといいのだが。
ちなみに、世界はそれくらいのことは、平然と面接で語られる。

26歳の起業家が語る、グーグル入社時に 「2年後に辞める」 と宣言した理由 by BUSINESS INSIDER JAPAN

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