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2905.報道比較2017.3.3

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おとなしくなったトランプ氏と、国会で苛立つ安倍氏。少し前にしたゴルフなど、遠い過去のようだ。季節の変わり目か。

Wall Street Journal
トランプ氏演説、金融規制に言及せず-その意味とは (2017.3.2)

ドナルド・トランプ米大統領は初の施政方針演説で、税制、貿易、移民問題、ヘルスケア(医療保険)、エネルギー政策、外交政策、薬物、教育などに言及した。一つ抜けていたものがある。金融規制だ。トランプ氏は選挙戦中の遊説で金融規制政策にはたまにしか言及しなかったが、この上下両院合同本会議での演説もそれを踏襲するものだった。商業銀行業務と投資銀行業務を分離させる大恐慌時代のグラス・スティーガル法の「21世紀版」はトランプ氏の選挙戦中の公約の一つだったが、同氏が議会演説でこれに触れなかったことを一部の金融関係者らが喜んでいることは間違いない。スティーブン・ムニューシン米財務長官は1月、上院の指名承認公聴会で「21世紀版グラス・スティーガル法」を支持する考えを示している。共和党議員らは金融当局に対し、トランプ氏が指名した候補が就任するまで規制変更を一切提案しないようくぎを刺している。大統領の議会演説が終わったいま、指名候補者らの重要性は一段と増しているようだ。そして、金融規制緩和を巡る攻防はこれからどうやら主に議会の外で繰り広げられる可能性が高くなってきた、としている。

日本経済新聞・社説
米政権のWTO軽視は貿易戦争に道開く

米通商代表部(USTR)による報告書は、世界貿易機関(WTO)が海外の不公正な貿易措置に甘く、米国が不利益をこうむってきたと指摘。不公正な措置には米国の国内法に基づく対抗措置を取るとし、米国の利益を損なうようなWTOの決定には従わない姿勢を明らかにした。最大の経済国である米国がこの手続きを無視して、高関税などの対抗措置を取るようになれば、世界の貿易秩序は乱れ、報復措置が相次ぐ貿易戦争につながりかねない。そうなれば世界だけでなく米国経済にも大きな害をもたらす。新政権が中国に対し、「為替操作」を理由に報復措置を取る可能性が取り沙汰されているが、実施されればWTO協定違反となるのはほぼ間違いない。今回示した方針通りなら、こうしたWTOの判断を米国は無視しかねない。この問題は、WTOでの粘り強い議論や説得を通じて是正すべきものだ。自国の利益を損なうルールは従わなくてよいとの姿勢を米国が見せれば、世界に悪い前例を残す。悪影響は経済だけでなく、安全保障秩序にも及びかねない、としている。

アメリカ経済の次のイベントは、3.15のFOMCと、債務上限引き上げ期限の到来。FRBが利上げを3月にも行うのではとの観測が高まっている。しばらくはトランプ氏から、経済への影響力が薄らぐかもしれない。
アメリカ経済に低迷の兆しは見えない。むしろ、世界でもっとも安定している。冷静に見れば、アメリカがすべきことは国内の格差を是正したり、産業構造の変化に乗り遅れた地域、産業、人材が抱える問題の解決だろう。解決策に保護貿易や財政出動を選ぶのは、未だに批判が多いが、止める術が少ない。それでも、議会が強力なブレーキとして機能しそうなことは証明された。働きかける相手は、政府だけでなく、アメリカ議会かもしれない。彼らにはセオリーが通じる。正論も通じる。対峙するには理想的だ。

産経新聞・社説
森友学園問題 不適切な働きかけ検証を

学校法人「森友学園」(大阪市)の小学校用地取得問題で、学園側から政治家への働きかけが表面化した。自民党の鴻池祥肇参院議員が、学園理事長夫妻から用地取得をめぐる陳情を受けていたことを明らかにしたもので、謝礼を渡されそうになったことも紹介した。小学校は4月開校予定だが、これほどの問題が解消するのだろうか。認可の是非を検討する大阪府私立学校審議会(私学審)は、冷静に再考する必要があろう。開校の前提として、適正に学校の運営を続けるため、学校法人の財務状況にも信頼性が置かれることが必要だろう。財務状況の弱さがあることは、私学審でも指摘されていた。学校を信じて入ってくる子供や保護者らにどう説明するのか、としている。

毎日新聞・社説
森友学園 教育機関と言えるのか

学園が運営する幼稚園の運動会で「安倍(晋三)首相がんばれ。安保法制、国会通過よかったです」などと園児に選手宣誓をさせていた。この映像を見て異様さを感じた人は少なくないはずだ。教育基本法は思想が偏らないよう教育の政治的中立を求めている。園児にこうした宣誓をさせることが法を逸脱しているのは明らかだ。学園は4月の小学校開校を予定しており、大阪府の審議会が認可を検討してきた。しかし、申請時から学園の財政状況や教育内容を不安視する意見が多く、「思想教育のよう」と懸念を示した委員もいる。大阪府が認可を延期する方向で検討に入ったのは当然だ。学園を巡る疑念を拭い去ることができない限り、認可はすべきではないだろう。学園の国有地取得を巡っては政治家に口利きを依頼していた疑いも浮上した。自民党参院議員の鴻池祥肇元防災担当相が理事長夫妻と面談していたことを明らかにした。鴻池氏本人は財務省や国土交通省への働きかけを否定している。しかし売却の経緯に不可解な点が多く、国民の関心も極めて高い。安倍内閣として厳格に真相を究明するよう改めて求める、としている。

森友学園の話題は、豊洲市場以上に淀み、いくつもの問題が雑然と入り交じっている。野党の狙いは、この混沌で安倍政権や自民党の総合的な信任を落とすことだろうか?今のところ、十分に機能している。あと数週間、安倍氏を疲れさせれば支持率に影響力が出るだろう。これで小学校の入学に影響が出れば、問題はさらに混沌としてくる。本質的な政策論争ではないが、自民党への攻撃としては機能している。
この攻撃の後、野党はすることがイメージできているだろうか?相手を叩くだけでは、自分たちが票を獲ることにはならないのは、何度も思い知っているはずだ。奇妙な連立も機能しなかった。政府の足を引っ張るだけのネタを見せつけたのは評価するが、政治の実力を次は見せて欲しい。

朝日新聞・社説
長時間労働 是正の決意を労使で

「働き方改革」で焦点となっている残業時間の上限規制をめぐり、経団連と連合のトップが会談した。3月末の政府の実行計画策定に向けて協議を重ね、合意を目指す。政府は、脳・心臓疾患の労災認定の基準である「1カ月100時間超」などのいわゆる「過労死ライン」を上回らないようにするとの考えで、経団連も受け入れる姿勢だ。一方の連合は「到底あり得ない」と反発し、100時間を下回る水準にするよう求めてきた。だが、月100時間の残業といえば、月20日働くとして毎日午前9時から深夜23時まで仕事をする状態だ。過労死で家族を失った人たちなどからは、「過労死ぎりぎりまで働かせることにお墨付きを与えるようなものだ」との声が出ている。長時間労働が当たり前という職場環境が、仕事と家庭の両立を難しくし、女性の活躍や、男性が育児などを担う妨げとなってきた。こうした現状を改めなければ日本が少子化から抜け出すことも難しい。改革は日本の将来のためでもあるということを、いま一度確認したい。どのような社会を目指すのか。その覚悟が試されている、としている。

2日前に読売が伝えた話題だ。私の意見は、残業をベースアップとトレード・オフにして得た方がいいと書いたとおり。朝日や読売の残業は、どれくらいなのだろう?

人民網日本語版
中国国民がTHAADの韓国配備に強い不満を表明 (2017.3.2)

韓国のロッテグループと韓国国防省は28日、「THAAD」の用地提供合意を正式に締結し、星州ゴルフ場をミサイル防衛システムTHAADの配備に提供することで合意した。中国国民はこれに強い不満を抱いている。一部のSNSでは、中国のネットユーザーがロッテ製品ボイコット活動を自発的に起こしている。環球時報のネット調査では、95.3%の回答者がTHAAD配備に土地を提供したロッテグループに制裁を行う必要があると答えた。中国外交部(外務省)の耿爽報道官は2月28日の定例記者会見で、中国政府の立場を改めて明らかにした。「われわれは韓国側が中国側の利益上の懸念を顧みず、執拗に米側と協力してミサイル防衛システム『THAAD』の配備を急いでいることに、断固たる反対と強い不満を表明する。耿報道官は「中国側は外国企業の対中投資、中国での事業展開を歓迎し、外国企業の中国での合法的権益を常に尊重し、保護する。同時に中国側は、こうした企業の中国での経営は合法・合規でなければならないということも強調する。外国企業の中国での経営が成功するか否かは、中国の市場と消費者が決定することだ」と述べた、としている。

中国らしい攻撃。日本は何度も受けているので慣れている。それでも欲しいものなら、中国人は政府が止めても買ってくれる。韓国も中国の攻撃には慣れていることだろう。ロッテにも、その気概はあるはずだ。

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