ORIZUME - オリズメ

2901.報道比較2017.2.27

2901.報道比較2017.2.27 はコメントを受け付けていません。

原発関連の違う話題が並んだ。ふたつともブレーキに近い。推進派の産経、読売は無視している。ネガティブな話題を反論できる裏付けは、6年経っても出てこない。

毎日新聞・社説
原発の検査体制 質量ともに転換を図れ

原子力規制庁の検査官が、原発にいつでもどこでも自由に立ち入ることができる「抜き打ち検査」や、国が検査結果などを原発ごとに総合評価して公表する仕組みを導入する。政府は、こうした改革を盛り込んだ原子炉等規制法改正案を国会に提出した。2020年度からの実施が見込まれる。原子力規制委員会は、検査官の能力や人員の増強を図り、法改正が原発の安全性向上につながるよう努めてもらいたい。設備などが基準に適合していることの確認義務は、電力会社に一元化する。国は検査状況や電力会社の安全対策全般を監視し、総合評価する。そのために抜き打ち検査などを導入し、評価結果は次の検査内容に反映させる。原発の総合評価は、国民にも分かりやすい形で公表してほしい。結果に応じて、事故に備えた損害賠償保険の保険料を変えるといった活用法も検討されるべきだ、としている。

日本経済新聞・社説
審査待ち原発の安全対策を引き締め直せ

再稼働に向けて審査中の原子力発電所で、安全対策の不備が相次いで見つかった。東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)では事故対応の拠点となる免震棟の耐震性が不足していた。中部電力浜岡原発(静岡県)でも非常時に使う設備で欠陥工事が明らかになった。規制委の田中俊一委員長が「組織として信頼できるのか、疑義を持たざるを得ない」と述べたように、東電の安全への意識が根底から疑われる問題といえる。これらの原発の大半は運転停止が5年以上に及び、作業員らの士気が低下していないかも心配だ。工事や検査の記録を社内で共有して改善策を助言しあうなど、組織として安全への意識を高めていく取り組みが欠かせない。沸騰水型の審査の長期化について、規制委は「多くが地震リスクの高い地域に立地するためで、必要以上に時間をかけているわけではない」としている。念入りに審査するのは当然だが、どの原発に審査員を重点配置するかや審査の順番は、見直す余地がある、としている。

原発関連の違う話題が並んだ。ふたつともブレーキに近い。推進派の産経、読売は無視している。推進派が規制や厳密な検査に前向きになった時、はじめて安心して推進できる。電力会社や政府も謝罪ではなく原因を明確に説明するようになったら、管理は適切に行われていると言い切れる。その状況に、6年経ってもまだ到達しない。再稼働は実現できるのだろうか?

読売新聞・社説
北朝鮮石炭輸出 中国の制裁履行は緩すぎる

国連安全保障理事会の制裁委員会は、北朝鮮が昨年11月末から1か月間に輸出した石炭の量が、制裁決議で定めた上限の約2倍、金額は約3・5倍に上ると発表した。輸出先は明示していないが、ほぼすべてが中国とみられる。中国政府は昨年12月上旬、年末までの輸入停止を公表していた。輸入が増えたことについて、国内法との調整や企業への伝達のため、決議に従うまでに「時間差があった」と釈明している。安保理常任理事国として決議作成に当たった中国が自ら蔑ろにするようでは、制裁実施の意思を疑われても仕方があるまい。金政権の暴走に歯止めをかけるには、北朝鮮経済の生命線を握る中国が重大な役割を担っていることを忘れてはならない。そもそも、中国が北朝鮮の体制不安定化につながる制裁に消極的で、その内容を骨抜きにしてきたことが核・ミサイル開発を許している主な要因ではないのか、としている。

やはり。2.22に指摘したとおりだった。中国が戦略転換する可能性もあるが、もう少し朝鮮半島のリスクを明確に、できるだけ小さくしないと動きそうもない。促進するなら、統一に先行者利益を感じさせることだが、まだ投資家くらいしかこの発想を持っていない。トランプ政権にもこの発想はないだろう。内部から崩壊する方が、制御不能に陥る可能性は高いのだが…

産経新聞・社説
人工島のミサイル 「中国の海」にはさせない

南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島の3つの人工島で、中国が長距離地対空ミサイル用とみられる格納施設を建設している。その数はおよそ20カ所に達し、完成間近だという。そもそも人工島の造成自体が国際法違反である。中国は撤収すべきであり、地対空ミサイル配備などは到底認められない。米海軍は南シナ海で今月18日から、空母カール・ビンソンを中心とする艦隊(第1空母打撃群)による定期哨戒(パトロール)を始めた。航行の自由を守る上で適切な行動である。中国は主権侵害だと反発したが、「力による現状変更」をはかっているのは中国である。それに最も効果的に圧力をかけられるのは、米軍の存在である。トランプ政権はアジア太平洋での米軍の前方展開を維持する方針だ。それには日本など地域の同盟国、友好国の協力が不可欠だ。南シナ海での緊密な日米協力が、東シナ海での尖閣諸島防衛に資することも言うまでもない、としている。

これも想定内。トランプ政権がアクションを起こす体制が整う前に、後戻りが困難なところまで既成事実をつくろうとしている。アメリカが本気で中国を止めたければオバマ政権時代にもっと強烈な手を下していただろうし、トランプ氏も初期のブラフを一気に沈静化させた。アメリカは、別のテーマに時間をかけたいようだ。

朝日新聞・社説
豊洲百条委 都議会も問われている

東京・豊洲新市場で次々と起こる問題の元をたどると、なぜ築地市場の移転先を東京ガスの工場跡地としたのか、汚染対策に巨額の費用がかかることが明らかになるなか、立ち止まることはできなかったのか、という疑問にいきつく。東京都議会が、市場の移転問題について調べる百条委員会を設置した。議会に求められるのは、偽証した場合の刑事罰など百条委がもつ強い権限を背景に、これまでの経緯を丁寧にときほぐすこと、そして、本来その時どきに果たすべきだったチェック機能をいまこそ発揮して、都民の関心にこたえることだ。「なぜ豊洲に決めたのか」という問いが向けられる先には、計画を認めた都議会も含まれる。その自覚なしに、勢いに乗る小池知事と共同歩調をとることを競う姿を見せられても、都民は鼻白むばかりだ。独自の調査力、真相を引き出す質問力、過去への責任。都議会もまた、問われる場となる、としている。

問題の根源は気になるし、できるなら解明して欲しい。ただ、本当に求めているのは問題の解決策であって、「なぜ」はいいが、「誰」に興味はない。犯人探しなら時間の無駄だ。議会はそのバランスを維持できるだろうか?小池氏が、この騒動を自身のアピールに使いはじめたら、メディアは適切に指摘できるだろうか?

Wall Street Journal
働き盛りの中国人男性、長生きできない理由 (2017.2.26)

これは中国から届いた気の滅入るニュースである。同国の保険規制当局は最近、10年以上ぶりに生命表(死亡率表)を更新した。重要なのは、生産年齢人口の3分の1近くを占める41歳から60歳の中国人男性の間での死亡率が2013年までの10年間(入手可能な直近のデータ)で12%も増加していたという結果である。金銭的な余裕が健康に悪い習慣をもたらしている可能性もある。1人当たり可処分所得は過去6年間に90%も増加しており、政府の公式データは少ないが過去10年間ではおそらくそれ以上だろう。中国での酒類の消費――男性が女性の1.6倍の量を消費する――は過去15年間にわたって毎年5%ずつ増加してきた。バーンスタインのアナリストによると、これは世界標準に照らしても急増と見なされるという。より豊かな食事は中国人男性のあいだで肺や心臓の病気の多発も招いている。働き盛りの男性の減少は中国の生産性の伸びを抑制する可能性がある。コンサルティング会社マッキンゼーによると、中国の時間当たり労働生産性の伸びは2010年以来減速しており、経済協力開発機構(OECD)加盟国よりも33%ほど低いままになっているという。中国経済がサービス業中心の経済への移行を進める今、労働生産性の重要度はさらに増している。中国の生産年齢人口はすでに縮小傾向にある。中国はこの数十年間に生活水準の向上で目覚ましい前進を遂げてきた。とはいえ、急速に発展する経済には犠牲者も付き物なのだ、としている。

景気が良い時、所得の上昇とともにストレスがそれなりにかかるのは理解できる。その消費先が「酒」というのが、中国らしい。アメリカの中年男性の「絶望死」には、さらなる暗さを感じるが。
アメリカの繁栄が約束されたものでないのは当然だし、中国の成長が永遠につづくこともない。行き過ぎた無理を強いるのは、むしろ勝利を遠ざけるだろうが、座して待つ人にはチャンスは来ない。世界一の経済大国も、世界一を牽引する成長率の国も、それぞれにストレスと敗者を生みながらがんばっているのだから。彼らは幸運だけで勝利を手にしているのではない。

人民網日本語版
シリア危機めぐるジュネーブ和平協議 人民日報「各方面が私利を放棄するべき」 (2017.2.25)

シリア危機めぐるジュネーブ和平協議がスイスのジュネーブで23日から始まった。人民日報が掲載した中国の解暁岩・シリア問題特使の署名付き文章によると、今回の協議では実質的な進展を得るためには、シリア政府と反政府勢力間、反政府勢力と別の勢力間に、国家と国民の利益を優先し、歩み寄り、協力する精神が一層必要で、民族の和解のために努力しなければならない。中国の習近平国家主席は国連のジュネーブ事務局で、「中国は2億元(約33億円)を提供して新たな人道援助を行い、シリアの難民と国内避難民の支援に充てることを決定した」と発表した。この点、同文章も、「中国は、シリアで私利はない。シリアの国民の利益が中国の利益。中国はシリア問題の政治的解决のために、常に努力し、知恵と力を提供している」と再度強調している、としている。

中東の平和に中国が率先して貢献すると人民網が言っていたのはいつだっただろう?言葉ほどの目立った成果を見たことがない。今回もカネを出すだけの支援。核兵器を持ち、常任理事国でもある中国が日本そっくりの外交を行っているのは理由があるのだろうか?

Comments are closed.