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2900.報道比較2017.2.26

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メディアとの対立は、トランプ政権のもっとも危険な兆候。拡散スピードだけがどんどん上がり、何も信じられなくなる。

Wall Street Journal
ホワイトハウス、会見から一部のメディア排除 (2017.2.25)

ニューヨーク・タイムズ、CNNなど一部の大手報道機関の記者が24日、ホワイトハウスの記者会見から締め出された。この異例の措置により、トランプ政権とメディアの緊張関係が一段と高まっていることが露呈した。 少人数での会見を開くこと自体は珍しくない。しかし、トランプ大統領と政権幹部から報道内容を批判されてきたニューヨーク・タイムズ、CNN、政治情報サイトのポリティコ、新興ネットニュースメディアのバズフィードなどの記者をこの会見から排除することで、ホワイトハウスは慣例を破った。AP通信、タイム誌の記者らはこの措置に抗議して会見をボイコットした。ニューヨーク・タイムズのディーン・バケット編集主幹は声明で「ホワイトハウスでは、異なる政党の多くの政権を長く取材してきたが、このようなことが起きたことはなかった」と指摘。「透明性がある政府への自由なメディアアクセスが極めて重要な国益に叶うということは明白だ」と強調した。スパイサー報道官はこの会見で、「一部のメディアの参加が許可されなかったのは大統領に批判的な報道をしていることへの懲罰的な措置なのか」との質問に対し、トランプ政権はメディアアクセスの向上に取り組んでいると反論した、としている。

トランプ氏の行動でもっとも危険なのが、このメディアとの対立だと思う。世界はトランプ氏の発言も、メディアの記事のどちらも信じられなくなる。断絶はさらに進む。インターネットによる情報の伝播スピードの速さと、制御不能の状況は、さらに状況を悪化させる。
トランプ氏は行動、言動、ともに一貫してきた。これからもブレは少ないだろう。ならばメディアとの対立はつづき、アメリカ国内の分断はより深刻になる気がする。アメリカは多様な価値観を、経済は資本とリーダーシップで、政治は大統領の強力な権限と才能で牽引してきたのだが…大統領が震源になるアメリカは近づきにくい危うさを持ち始めた。

人民網日本語版
WTO貿易円滑化協定が発効 中国の貿易と経済発展に好影響期待 (2017.2.25)

ルワンダ、オマーン、チャド、ヨルダンの4国がこのほど、世界貿易機関(WTO)に加盟する国・地域の間での関税手続きの簡素化などを盛り込んだ「貿易円滑化協定」を受諾し、受諾国数が112カ国という発効に必要な加盟国・地域の数の3分の2に達した。そして、同協定は正式に発効し、受諾国の間で実施が始まった。専門家は、「世界経済が疲弊し、保護貿易主義が台頭しているのを背景に、同協定が発効し、貿易の手続きが簡素化し、各国の経済貿易が促進され、世界経済の成長促進にもつながる」と期待を寄せている。世界最大の物品貿易国である中国にとって、安定した貿易と経済の一層の発展を実現する点で、非常に有利な事実となることに疑問の余地はない。中国商務部(省)の関連の責任者は、「同協定の実施は、中国の港が体系を総合的に改善し、現代化を進める助けとなる。そして、中国の商品の競争力向上や貿易を呼び込むための環境の改善につながる。その他、中国の多くの貿易パートナーの貿易円滑化が進み、中国が商品を輸出し税関を通過する点で、円滑な環境が整い、多くの企業が恩恵を受けるだろう」との見方を示している、としている。

これは、アメリカの保護主義への対抗戦略だろうか?WTOを使い、自国の息のかかった国とともに必要な数を握る。かなり周到な手法。中国は世界でどう主導権を得るか、手段を学びはじめている。アメリカが国際的な舞台で中国から攻撃され、醜態をさらす可能性は高まった。日本は中国との貿易自由化は進めているだろうか?

朝日新聞・社説
共謀罪 「テロ対策」が隠すもの

犯罪が実際に行われる前の段階で摘発・処罰できるようにする本質に変わりはない。危うさをはらむ法律に、テロ対策という見栄えのいい衣をまとわせたため、そもそも何のための立法かという原点が見えにくい図になっている。問われているのは、人権擁護と治安保持のふたつの価値を、どう調整し両立させるかという難しい問題である。イメージに頼らず、流されず、実質に迫る審議を国会に期待したい。政府は一貫して、条約に加盟するには600超の犯罪に広く共謀罪を導入する必要があると訴えてきた。それへの疑義として「各国の事情に即した対応が認められており、現にそうしている国がある」との指摘を受けても、頑として譲らなかった。ところが一転、対象犯罪を減らすことも可能と言い始めた。絞り込み自体は結構だが、ずいぶん都合のいい話である。こうした誠実とは言い難い対応をしながら「一般市民に累は及ばない」と言われても、説得力に欠ける。議論できる環境をまず整えるのが政府の責務だ、としている。

政治で一貫性が重要なのは自明だが、現実に一貫した主張を見ることは少ない。今回の共謀罪も同様。長年、成立しない理由はブレるのが原因でないか?ブレは賛成に傾いていた心理を、不愉快な感情とともに一瞬で逆転させる。今回も強行採決か?

毎日新聞・社説
五輪費用の分担 国は何をしているのか

約3年半後に迫った2020年東京五輪・パラリンピックの開催費用分担問題が難航している。東京都、大会組織委員会、関係自治体などの思惑や利害が絡み合っているためだ。混乱続きの東京大会への信頼を取り戻すためにも国がリーダーシップを発揮しなければならない。東京都外につくる仮設の競技会場の整備費約500億円について、小池百合子都知事は「都も負担することを排除せず、検討する」と述べた。開催都市としての責任を踏まえた発言で、10自治体(6道県4政令市)はおおむね歓迎の意向を示した。今回の費用分担問題でも国が火中のクリを拾おうという姿勢は乏しい。複数の組織にまたがる課題の調整役として位置付けられている丸川珠代五輪担当相の存在感は一貫して薄い。費用分担の話し合いは東京都、組織委員会、国、自治体の4者協議で行われる。最終的な責任を担う国はもっと前面に出なければならない、としている。

政治的な計算で政府は小池氏の東京から距離を置いている。小池氏が実績を重ねられれば、政府はどこかで従うことになる。小池氏がミスをすれば、立場は逆転する。もちろん理想は小池氏がうまくやる事だ。いい仕事をじっくり待つことにしよう。

読売新聞・社説
著作権料徴収 音楽教室は「聖域」と言えるか

ピアノなどの音楽教室での楽曲演奏に対して、日本音楽著作権協会(JASRAC)が、来年1月から著作権料を徴収する方針を決めた。対象となる教室を運営するヤマハ音楽振興会や河合楽器製作所などの団体・企業は、反発を強める。「音楽教育を守る会」を結成し、ネットに公開質問状を掲載するなど、反対運動を展開している。JASRACは、音楽教室だけを対象外にするのは不公正だ、と主張する。著作者保護を重視し、利用者から広く薄く使用料を徴収したい、というJASRACの考えは理解できる。音楽教室側は、指導のための演奏は、聞かせることを目的にしたものではないと訴える。既に楽譜代などの著作権料は支払っているとも主張する。著作権法の立法趣旨は「著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与すること」だ。音楽文化の発展を願うという点で、意見の相違はあるまい。双方が歩み寄り、折り合える解決策を見いだしてもらいたい、としている。

素直に法廷に判断を任せるのが適切ではないか。どちらの言い分にも説得力はある。
なぜ今までJASRACは黙認して、突然の徴収なのだろう?同じような突如の権利主張が各所に発生する可能性もある。公正取引委員会からの独占禁止法違反、排除命令からJASRACの変容が感じられる。音楽教室という、権利を主張するには神経を使う場所に取り組んだということは、JASRACは相当追いつめられている気がする。

産経新聞・社説
北とASEAN 友好から圧力へ転換せよ

北朝鮮の金正男氏暗殺事件は、犯行グループを組織した国家犯罪としての態様が、日ごとに明らかになっている。マレーシアの警察当局は、すでに在マレーシア北朝鮮大使館の2等書記官らを重要参考人に挙げ、北朝鮮国籍の男1人を逮捕した。平壌に逃げたとみられる4人の男の身柄引き渡しも求めている。北朝鮮とビザ(査証)なし渡航が可能なマレーシアはじめ、ASEAN10カ国は北朝鮮と国交があり、友好な関係を維持してきた。このうち3カ国が事件に巻き込まれたのは、偶然ではあるまい。北朝鮮はASEAN諸国の国境管理の甘さを突き、外貨調達のために合法、非合法の経済活動をしている。工作活動の拠点も置いているようだ。国連安全保障理事会の対北制裁の「抜け穴」になっていることもかねて指摘される。暗殺事件を契機に、北朝鮮の異常性、危険性についてASEANが認識を共有すべきだ。同時に、核・ミサイル開発の阻止や拉致問題解決に向けて積極的な役割を果たすことを求めたい、としている。

ASEANとひとまとめに語るのは乱暴だろう。中国に近い価値観も、共産主義の国家もある。事件で利用された感の強いマレーシアやインドネシアが態度を硬化させるのは判るが、国が違えばまるで認識は違うだろう。まとめるような発想が、むしろ足並みを乱す原因になっている。

日本経済新聞・社説
賃金が力強く上がる基盤を築こう

経済界は安倍政権の要請に応えるかたちで賃上げを進めてきたが、基本給を増やすベースアップ(ベア)は大手企業でも力強さを欠く。経団連の会員企業などを対象にした集計では、14年0.3%、15年0.44%、16年は0.27%と、2%以上のベアがざらだった1980年代などと差がある。賃金の低迷にはいくつかの要因が絡み合っている。まず、1人あたりで生み出す付加価値がこの20年ほどの間、ほとんど伸びていないことだ。内閣府によると、1人あたり名目国内総生産(GDP)は12年度から増え続けているが、15年度実績(419万1千円)は90年代後半からほぼ変わっていない。賃金の伸びも鈍って当然だろう。賃金上昇のために何をしなければならないかは明らかだ。企業が付加価値を高めるための生産性の向上と、労働市場改革、社会保障改革の3つが欠かせない。人工知能(AI)など企業の競争力のカギを握る技術にたけた人材や外国人を採りやすくするために、企業は成果に見合った処遇を徹底する必要もある。あわせて政策面で、企業がより収益を上げられる環境をつくっていかなければならない。社会保障は費用が高齢化で膨らまないよう効率化を急がなくてはならない。子育て支援は充実させながら、医療や介護費用は必要なものに絞るなど、メリハリのきいた改革が要る。賃金を継続的かつ安定的に上げていくための改革は、一朝一夕ではできないものばかりだ。腰を据え、着実に進めたい、としている。

賃金が上がる基盤?国ならインフレにすることだろう。日銀の政策はまるで目標を達成できそうもない。値下げに慣れた社会もインフレを許容できるかは疑わしい。働いていない人たちが増えるほど、抵抗は強くなるに違いない。
仕事をする人は生産性向上に尽きる。GDP増加の本質は生産性向上に尽きると主張する経済学は多い。遊ぶため、もっと稼ぐためにもっと時間が欲しいなら、早く仕事を済ませる。そのシンプルな問いを、毎日繰り返していれば知恵は出る。あきらめないで、つづけていれば。

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