ORIZUME - オリズメ

2892.報道比較2017.2.18

2892.報道比較2017.2.18 はコメントを受け付けていません。

そろそろトランプ騒ぎにも飽きてきた頃。America Firstとトランプ氏が言うなら、America Passingを考えたい。

Wall Street Journal
米国防長官、NATOへの警告は愛のムチ (2017.2.17)

ジム・マティス米国防長官は15日、ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)の国防相会議に出席し、加盟国による応分の負担をはっきりと求めた。このメッセージは有益であり、退役大将の同氏はそれを伝達するのに適役だった。ただ、ワシントンの新勢力である対ロシア強硬派が、ドナルド・トランプ米大統領が西側の同盟関係を弱めようとする新たな兆候だと批判を浴びせるのは覚悟すべきだろう。マティス長官は「米国の政治的現実について明確にし、わが国の国民からの公正な要求を具体的な形で伝えたいと思う」とし、「米国は自らの責務を果たすつもりだ。しかし米国が関与を抑制するのを見たくないなら、加盟国それぞれが共同防衛体制への支援を示す必要がある」と述べた。さらに、全てのNATO加盟国は、対国内総生産(GDP)比2%という防衛支出目標を達成すべきだと続けた。マティス氏の指摘は正しい。NATO加盟28カ国のうち、この水準を達成できているのは現在5カ国(英国、エストニア、ギリシャ、ポーランド、米国)にとどまる。米国は対GDP比3.6%と突出し、NATOの防衛支出全体の約3分の2を負担する。同長官はNATOを「時代遅れ」と批判したトランプ氏の過激な言い回しを避け、米国中心のNATOの戦略を維持すると強調した。マティス氏の放った愛のムチがNATO加盟国の行動を促すことを願うばかりだ、としている。

産経新聞・社説
米政権の外交 同盟通じ国際平和を守れ

トランプ米政権の要となるティラーソン国務長官とマティス国防長官が欧州入りし、各国との協議を本格化させた。ティラーソン氏は、ドイツ・ボンで開かれた20カ国・地域(G20)外相会合が実質的なデビューとなった。マティス氏はブリュッセルでの北大西洋条約機構(NATO)国防相理事会で、欧州諸国との同盟を「米国の根幹」と呼んだ。トランプ外交の全体像は依然不鮮明である。だが、国際社会の平和と安定を保つため、両氏が既存の重要な枠組みを維持する姿勢を示した点は歓迎したい。トランプ大統領は「米国第一」を掲げる一方、「世界の警察官」であることを否定してきた。NATOに対し「時代遅れ」と発言して同盟国の不安もかきたてた。マティス氏の呼びかけは一定の安心感を与えたろう。日米首脳会談では、同盟強化やアジア太平洋地域への米国の関与継続の方向性が再確認された。力による現状変更の試みを繰りかえす中国やロシアには、米国が同盟国との関係を保ちながら対処する。そうした路線を確立してもらいたい、としている。

読売新聞・社説
トランプ外交 現状では対露融和に動けない

トランプ大統領は「プーチン大統領を尊敬する」と公言し、対露批判を避けてきた。その野放図な融和路線は政権の不祥事を招き、早くも壁にぶち当たっている。外交・安全保障政策のとりまとめ役で、米露協調の先頭に立っていたフリン大統領補佐官が更迭された。就任後、1か月足らずでの交代は前代未聞だろう。政権発足前に、駐米ロシア大使と電話で話し、制裁見直しを密約したとされる。疑惑の発覚後、ペンス副大統領に釈明した際、虚偽の報告を行っていた。懸念されるのは、外交・安保担当の高官ポストの多くが、いまだに空席であることだ。トランプ氏を批判した共和党系の元政府高官が人選から排除されている。これでは適材適所の人事は難しい。黒海を航行中の米駆逐艦に対するロシア軍用機の接近が確認された。欧州を射程に入れる露の新型巡航ミサイルの実戦配備も報道された。米露は、軍制服組のトップ会談を踏まえて、偶発的な衝突の防止に努めるべきだ。ロシアが今後も、硬軟両様で揺さぶりを続けるのは間違いない。トランプ氏に求められるのは、冷静な対露戦略である、としている。

ティラーソン氏のNATOでの振る舞いには、トランプ政権にもまともな人間がいると納得させられた。約1か月。選挙戦、当選後、就任前…いつでもトランプ氏はトランプ氏のままで、落ち着きのないアメリカに世界が振り回されているが、こんなドタバタに付き合えるのは、良く言われるハネムーン期間の100日、あと2か月くらいだろう。見限られれば、その前にアメリカを外しはじめる。たとえ超大国でも、ナンバーワンでも、残念だが信頼できなければ付き合いは疎かになる。アメリカ第一を、一国で演じることになる可能性も、トランプ政権なら十分ある。アメリカを無視して、どこまでできるかというシナリオも考えはじめた方がいい。インターネットや、通貨のように、完全に握られているパワーには抗しがたいが、代替手段を考えるのは危機管理には重要な考察になる。そろそろトランプ騒ぎにも飽きてきた頃だ。America Firstとトランプ氏が言うなら、America Passingを我々は考えるべきだ。

毎日新聞・社説
サムスン疑惑 財閥不信の強さ見せた

サムスン電子の李在鎔副会長が、崔順実被告による国政介入疑惑を捜査している特別検察官に逮捕された。崔被告に多額の賄賂を渡した疑いなどが持たれている。特別検察官は、朴大統領と崔被告は経済的に一体とみなせるので民間人である崔被告への贈賄が成立すると主張している。大統領を追及する足がかりにする考えだろう。サムスン電子は韓国の年間輸出額の2割を占め、昨年の営業利益が3兆円に迫る巨大企業だ。トップの逮捕で大きなイメージダウンは避けられず、韓国経済にも影響が出かねない。国策への資金協力を財閥に求めるスタイルは韓国の歴代政権と変わらない。それにもかかわらず、国民の怒りはこれまでとは比べものにならないほど強い。深刻な財閥への不信が一因であろう、としている。

日本は自浄能力が低い、馴れ合いで罪と罰を不問にしても成立する特有の社会構造があるが、韓国も負けていない。賄賂を必要悪と認める社会は、崩れた時に総崩れになる。基幹産業がカネを使って成立しているのだから。新しいルールをつくることさえ苦労する。外圧を使わなければ困難かもしれない。韓国には通貨危機というチャンスがあったのだが、あの失敗をまるで活かせなかったようだ。
日本の失った30年も、最初の10年のロスは似たようなものだ。闇で決める意思決定は、未だにこの国から消えず、自民党政治はその文化を巻き戻しているようにさえ見える。日本もまた、韓国のようなスキャンダルで国が揺れるだろうか?東芝には、似た臭いがする。

日本経済新聞・社説
現実を直視した帰還困難区域の復興を

帰還困難区域の復興に向けてはまずこの地域の現実を直視する必要がある。帰還を望む住民が減っているなか、復興拠点を地域の再生にどうつなげるのか、政府はその道筋を示すべきだ。除染への国費投入についても、その理由を丁寧に説明することが欠かせない。2011年の福島原発の事故後、双葉町や浪江町など7市町村が帰還困難区域に指定され、この地域だけでいまも2万人以上が避難を続けている。政府の方針では、市町村が特定の地区を選んで復興拠点とし、国が認定して除染やインフラ再建に取り組むとした。復興拠点がコミュニティーとして機能するには、もともとの居住者が戻るだけでなく、拠点の外から移り住む人を集められるかがカギを握る。商店や医療機関などを呼び戻し、産業や雇用をどのように再生するかも大きな課題だ。東電の負担だけでは福島の除染や復興が進まない現実を包み隠さず説明し、国民の理解を得るべきだ。市町村が立てた計画を国が認定する際にも、国民から幅広く意見を募るなど、透明性の高い手続きが欠かせない、としている。

5年後とは、2022年。安倍氏が「フクシマは制御下にある」と言って怪訝な顔をされたオリンピックを経て2年後。まるで制御できていないどころか、復興も進行過程が終わらない。原因を原発事故にあるとするなら、どう考えても原発をベース・ロード電源に据える発想とは、どこかで決別しないと日本は永遠にリスクと隣り合わせの国になる。なし崩しでここまで再稼働を進めてきたが、その度に裁判が起き、点検で止まり、被災者は忸怩たる思いを抱きつづける。数年で道筋が見える事故にできなかった政府は、復興以外にも考えるべきことは多い。課題は6年を経てもなお減らない。この生産性の悪さは何だろう?

朝日新聞・社説
民進党 「脱原発」の旗を鮮明に

次の衆院選に向けて、蓮舫代表の執行部が検討する「2030年原発ゼロ」をめぐり、党内から賛否両論が出ている。従来の民進党の原発政策は、あいまいさが指摘されてきた。将来的な原発ゼロを目標とするものの、「30年代原発ゼロに向け、あらゆる政策資源を投入」という幅のある表現を使ってきた。背景には、党内に「脱原発派」と、電力などの労働組合出身議員ら「原発容認派」が共存する実情がある。目標達成への道筋として、稼働期間を限る「40年廃炉」をどう徹底するか。核燃料サイクルや原発輸出はどうするのか。再生可能エネルギーの普及や節電をどう促していくか。「原発に頼らない社会」の青写真を実現可能な選択肢として描き、説得力あるかたちで国民に示すことが求められている。民進党はどこに立脚し、何をめざす政党なのか。そのことが厳しく問われている、としている。

なぜ今、民進党?自民党型のなんでもありの政党はひとつでたくさん。素人なりの潔白でシンプルな主張が核にあればチャンスもあるだろうが、ブレていては議席は減るばかりだろう。もはや誰も期待していない。野党は全体で再編が必要だ。

人民網日本語版
教科書で歴史を歪曲しようとするのは愚かな挑発行為 (2017.2.17)

日本の文部科学省は14日、小中学校の新「学習指導要領」案を発表し、小中学校の社会科授業で「釣魚島(日本名・尖閣諸島)は日本の固有の領土である」ことを生徒に説明し、中日間には「領土問題は存在しない」ことを生徒に強調するよう、初めて明確に要求した。このような荒唐無稽な振る舞いは、領土問題で黒を白と言いくるめ、世の中を欺いて名誉を得ようとする日本政府の姿を一層明らかにするものだ。だが歴史の事実は日本側の歪曲によって変わるものではない。第二次世界大戦が終わると、「カイロ宣言」および「ポツダム宣言」の規定と精神に基づき、釣魚島及びその付属島嶼の主権は戦後に中国に帰属することになった。1972年9月の「中日共同声明」第3項には、「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」と規定され、78年8月に締結された「中日平和友好条約」では、「(日本国及び中華人民共和国は、)前記の共同声明(中日共同声明)に示された諸原則が厳格に遵守されるべきことを確認」すると規定される。日本が歴史教科書の問題でねつ造した虚言は、そのすべてが道理と正義に対する挑発行為だ。国際社会はこれに対し、厳しく非難するとともに、高度な警戒を保ち続けなければならない、としている。

私は日本人で、中国の主張にも恣意的な部分があるという情報も聞いたことがある立場として思うことは、ふたつ。教科書で歴史を歪曲するのは、確かに過ちだ。文部科学省が書いた「領土問題は存在しない」は、要綱が案の時点で、海外からクレームが出る異例のものになっている。これで授業になるだろうか?先生はどう説明し、親はどう説明すべきなのだろう?似た手法を中国も迷わず使っていることを伝えるべきなのか?それは明らかに中国との対立を招く結果になる。日本の教育がフォーカスすべき点は、中国との対話ではないだろうか?
もうひとつ。もし問題が存在するなら、解決は両国が納得いく形で進めるべきだが、そのやり方さえ2国は決められずに揉めている。このバカバカしい状態を、いまの大人たちがつくっていることは、両国の大人はこどもたちにぜひ教えるべきだろう。教えなくても、やがてどこかで事実を知り、政治が蔑まれるのが嫌ならば。

Comments are closed.