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2870.報道比較2017.1.28

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アメリカは決定的なものを失いはじめている。ブランドと彼らが呼ぶ、憧れ、羨望、尊敬。就任からわずか10日で、信頼度はすでにゼロ。アメリカに抱く印象から、愛情や信頼が消えた。

Wall Street Journal
トランプ氏、英国との緊密な関係強調 米英首脳が共同会見 (2017.1.28)

ドナルド・トランプ米大統領は27日、テリーザ・メイ英首相との会談後に共同会見し、両国の緊密な関係を強調した。トランプ氏は「両国の特別な関係は、正義と平和を目指す歴史の中で大きな力の1つとなっている」と述べた。また、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を決定した国民投票について、米国は「英国の国民主権に敬意を払う」とし、「自由かつ独立国家の英国は世界にとって素晴らしい」と付け加えた。米国と英国の最優先課題は貿易で、英国がブレグジットの準備を進める中、両首脳は両国関係のかじ取りに努めている。メイ首相は、今後の貿易協定について、トランプ大統領と建設的な協議を行ったと述べた。「今こそわれわれは、より強力で特別な関係を築き上げる時に立たされている」とメイ首相は語った、としている。

朝日新聞・社説
米の強圧外交 おごりが目に余る

メキシコとの国境での壁の建設を巡って同国のペニャニエト大統領と対立し、首脳会談が中止された。トランプ氏が一方的に建設を決め、その費用負担を迫っただけに、ペニャニエト氏が猛反発したのも当然だろう。米国の強圧的な姿勢にさらされる恐れは、メキシコだけではない。トランプ氏は演説で、貿易交渉は二国間で行うと改めて強調した。相手国に不満があれば期限を区切った通知書を送りつけるとし、「その国は『交渉を打ち切らないでほしい』と懇願してくるだろう」と語った。来月には主要20カ国・地域(G20)の外相会議が予定されている。対メキシコの課税構想は、世界貿易機関(WTO)のルールに触れる恐れがある。トランプ氏が為替問題に不当な口出しをすれば、関連する国際協議の場で取り上げるべきだ。冷静さを失わず、しかし毅然と対応する。日本にも米国からの要求が予想されるが、他国と連携する姿勢が欠かせない、としている。

産経新聞・社説
トランプ外交 「恫喝」で威信は示せない

「国境の壁」をめぐるトランプ米大統領の強硬姿勢である。メキシコにその建設費を払う気がなければ、ペニャニエト大統領との首脳会談は中止した方がいいと、一方的にツイッターに投稿した。メキシコ側が反発し、31日に予定された会談が中止になったのは当然の結果だろう。トランプ氏は、不公正な貿易相手と名指しした国に日本も入れており、ひとごととは思えない。まずやるべきなのは自動車貿易をめぐる誤った批判に反論し、偏見がうかがえる対日観をただすことである。それ抜きに日米交渉に臨むのは早計だ。常識の通じない相手に、どのような通商姿勢であたるのか、腹固めが先決である。前のめりの対応では相手に足元をみられる。安倍首相は、トランプ氏について「信頼できる指導者」だと繰り返している。ならば、他国の都合を顧みず米国第一主義を貫く米国に対し、同盟国として苦言を呈する場面も必要だろう、としている。

日本経済新聞・社説
目に余るトランプ政権のメキシコたたき

メキシコとの国境に築く壁の建設費を100%メキシコに払わせるとの主張を続けているほか、高関税の賦課や北米自由貿易協定(NAFTA)からの撤退をちらつかせて同国から米国への輸入を減らそうとしている。主張が理不尽であるのはもちろん、こうした攻撃によってメキシコ経済が危機に陥る懸念もある。都合の良い「取引」につなげるための手口かもしれないが、友好国に対するこうした仕打ちは新政権への警戒感を世界的に高める可能性がある。トランプ政権が進めるべきなのはメキシコとの冷静な対話だ。NAFTAについては、撤廃は論外だが、労働・環境基準の導入や原産地規則の見直しなどの余地はあるかもしれない。不法移民は最近はメキシコ以南の国々からの増加が目立っており、両国が対応策で協力する道はあろう。メキシコへの対応から浮き上がるのは、相手の弱みにつけこみ、強引に要求を突きつけて成果を得ようとするトランプ流の手法だ。仮に一時的な利益を得ても、相手国や世界の不信感を高めれば、外交政策上は敗北になりかねない。そのことに早く気づくべきだ、としている。

人民網日本語版
TPP離脱後の米国貿易政策はどこへ向かうか? (2017.1.26)

米国のトランプ大統領は23日、環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱するとした大統領令に署名した。アナリストは、「これは米国の貿易政策が全く新しい時代に入ったことを意味する。未来のトランプ政権の貿易政策が国際協力から距離を置いたものになるかが各方面の注目点となっている」と話す。昨年2月、TPP交渉に参加する12カ国が協定文書に調印したが、TPPが正式に発効するには参加国の立法機関による承認が必要だった。現在、日本だけが国会での承認手続きを終えている。ホワイトハウスのサイトで明らかにされたトランプ政権の貿易戦略プランをみると、米国はTPPからの離脱後、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉の推進に力を傾けるとしている。トランプ大統領もこれに先だって、「カナダとメキシコ両国の首脳と会談し、NAFTAの再交渉について話し合う」と述べている。こうしたことから、TPP離脱は米国の貿易政策が国際協力から距離を置いたものになることを暗示していないか、未来のグローバル協力にどのような影響を与えるかといった点が、グローバル化時代の今、各国が特に関心を寄せる問題となっている、としている。

メキシコには恫喝。英国とは親密さを強調。中国や日本は戦々恐々でトランプ氏の思考回路と打開策を練っている。
今まで、トランプ政権への対処で、腑に落ちた明晰さを見せてくれたものは、残念ながらひとつもない。ナポレオンやヒトラーを研究したり、過去の過ちから学ぶべきと人は過去を見てきたが、これがポピュリズムなら、知識はまるで無力だ。トランプ氏は過去の暴君とは違う。
トランプ氏に、世界が感じている不安は、無計画に、短絡的に重大な決断をしていることだ。思慮はまるでない。ブレーンと言われる人たちが右往左往しているのを見れば判る。それをやったら、ひどいことになると言われても躊躇しない。プーチン氏に似た機動力は驚きを与えるが、無計画さが生むのは、魂胆が見えた時の恐怖ではなく、いつまでも釈然としない苛立ちだ。
価値観の軸もない。安倍政権や習政権も不透明だが、ナショナリズムという予測可能な価値観からは外れないから、抵抗感はあっても予測はできる。すべてがマネー、ディールの方がまだ判りやすい。メキシコに行く企業を止めるまではディール、壁を作るのは…ビジネス・ディールではない。アメリカの発展とも無関係だ。安全保障にも、支持率にも貢献しそうにない。
その後、発せられた移民政策を見ると、どれだけアメリカへの依存感、トランプ氏への期待を持っていても、半分は「見限るべきか?」の思考をシミュレートした方が、危機管理としてはプラスだ。シリコンバレーは確実に後悔と混乱の中にいる。ハリウッドのような毅然さを持った方が良かった。ウォール・ストリートは、この1週間でトランプ氏がサインした内容を見てもハイでいられるだろうか?
アメリカは決定的なものを失いはじめている。ブランドと彼らが呼ぶ、憧れ、羨望、尊敬。アメリカ国債も、アメリカ企業の株も、USDも、アメリカ・ブランドが決定的に棄損していく。少なくとも、就任からわずか10日で、信頼度はすでにゼロだ。アメリカに抱く印象から、愛情や信頼は消えた。利用できる時に、利用すべき相手。いついなくなってもいい関係。人は好きだが、国は嫌い。中国のような感覚で付き合うのが適切なようだ。こんな感覚は、素直に残念だが、変わったのはアメリカだ。私たちではない。
日本は、似た経験を民主党政権で経験している。脇の甘さは、すぐに行動を生む。国債の格付けが下がり、マーケットからマネーが退く。外交が回らなくなり、平然と国境が侵され、欲しい原料や人材が手に入れにくくなる。アメリカには起きない?かもしれない。似たような根拠なき信託を中国にも与える人はいる。超大国だから、すべてがうまくいくというのは間違っている。暴君ひとりで国を壊すことなどできないというのも幻想だ。アメリカ国民が暴走を許すなら、いくらでも国は崩れる。大好きなアメリカ国民に期待して、少し距離を置きたい。

毎日新聞・社説
旧宮家復帰論 国民の理解得られまい

天皇の血統をどう守るのか。安倍晋三首相が、戦後に皇籍を離脱した旧宮家の皇籍復帰も選択肢になるという考えを示した。連合国軍総司令部(GHQ)による皇室財産の国庫帰属の指令もあって1947年、11宮家(51人)が皇室典範に基づき皇籍を離脱した。旧宮家は天皇陛下と親戚関係にある。ただし、血筋をたどると共通の祖先は約600年前の室町時代にさかのぼるとされる遠い関係だ。皇室典範は、女性が皇族男子と結婚する場合などを除いて、旧宮家など皇族でない民間人は皇族になれないと規定している。復帰を制度化するには根本的な法改正が必要だ。2005年には政府の「皇室典範に関する有識者会議」が旧宮家復帰案について、国民の理解や支持が得られないなどとして「採用することは極めて困難だ」と結論付けている。現実的なアプローチで検討されたこうした案に耳を傾けるべきだ、としている。

読売新聞・社説
対馬仏像判決 韓国は法治国家の常識を守れ

韓国の大田地裁が、長崎県対馬市の観音寺から盗まれた仏像を、韓国中部の浮石寺に引き渡すよう政府に命じた。浮石寺に所有権があると認めたものだ。判決は、高麗時代に制作された仏像が対馬に渡った経緯について「盗難や略奪などで運搬されたとみられる」と推定した。14世紀に倭寇が仏像を奪った、という浮石寺の見解に沿った判断だ。韓国では、日本による植民地支配を不法な収奪だと、一方的に決めつける歴史教育が実施されてきた。判決は、これにより醸成された国民の反日感情に迎合した面があるのだろう。日本は韓国に再三、早期返還を求めており、仏像の扱いは日韓の外交問題になっている。菅官房長官は判決について、「極めて残念だ。韓国政府側に適切な対応を求めていきたい」と強調した。観音寺は、仏像は友好の証しとして朝鮮半島から伝来したと説明する。数百年の間、信仰の対象となり、長崎県の有形文化財にも指定されている。仏像が返されないなら、日本国民の嫌韓感情が高まることは避けられまい、としている。

この2紙の選んだトピックの意味が理解できない。トランプ氏の感覚以上に。

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