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2857.報道比較2017.1.15

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アメリカ全体が「すべての問題は他人にある、自分が正義」の主張を繰り返している。不幸が重なれば、アメリカの悲惨なメルトダウンを見ることになるかもしれない。

Wall Street Journal
トランプ氏と「ロシア文書」、問われる報道姿勢 (2017.1.14)

バズフィードは10日夜、ロシアがドナルド・トランプ次期大統領に関する不名誉な情報を入手したとされる文書をサイトに掲載した。こうした真偽不明な情報の配信または報道をジャーナリズム的見地から擁護する場合、最終的には「読者」が判断するだろう、という言い方がよくされる。それなら、竜巻の報道についても同じことが言えるだろう。トランプ氏はいつも決まって「不誠実なメディア」とあざける。その言い分には一理あるが、問題は不誠実さにあるのではない。メディアにとって麻薬であるインターネットが問題なのだ。ウェブ時代の前に存在していた報道基準は失われつつある。ロシアがトランプ氏をコントロールしていると指摘する非現実的で裏付けのないメモが過熱報道を招いた一因は、トランプ氏がプーチン氏を支持するツイートや発言を広く行っていたことにもある。そのことについてトランプ陣営からは140文字以上の説明は得られないため、最も邪悪な説明が熱に浮かされたウェブの表面にわき出たのだ。大統領を含め、米国の主要な政治機関は自らが作り出した刺激に満ちた世界に身を投じつつある。それは傍観している普通の米国民とはかけ離れた世界だ。そして、そのシステムをたたくのをやめるすべを誰も分かっていないようだ、としている。

産経新聞・社説
露のサイバー攻撃 開かれた社会への挑戦だ

オバマ政権は昨年12月、ロシアの情報機関員らを米国から追放する制裁に踏み切った。攻撃を指揮したとして、露情報機関幹部の氏名や生年月日を公表した。ロシア政府は全面否定しているが、米政府は高度なサイバー戦能力を持っており、裏付けには自信があるのだろう。米国家情報長官室は、ロシアのサイバー攻撃はプーチン大統領が指示したと結論づける報告書もまとめた。今回の経験に基づき、ロシアが米国の同盟国など各国の選挙に干渉することにも懸念を示した。選挙に信頼をおくことができなくなれば、正統な政府の構築も困難である。ロシアの行為は、民主主義の根幹に打撃を与えようとする極めて敵対的な行動であり、到底、容認されるものではない。国際社会で責任ある一員として存在すること自体を疑わせる。日本の備えは今のままで十分か、官民挙げての徹底した点検がまず必要だ、としている。

産経はアメリカ政府がやることなら、間違っているはずはないと認識しているようだ。そのアメリカの経済紙は、自国の政治もメディアも傾いていると警告している。分断が起きているのは、アメリカ市民の思想だけではない。政治が機能不全に陥ったのはいつからだろう?次に大統領選挙が機能不全に陥り、メディアも分裂症だ。
これをすべてロシアのせいにして丸く納めようというのは、プーチン氏は嗤って許容するかもしれないが、あまりに都合が良過ぎる。たしかに情報操作は国家紛争の手段のひとつだ。対策は、私が良く進めるのは「民間防衛」というスイスの書籍をベースにした良書がある。この中にもある。信じられないと思ったら、メディアの情報も、国家の情報も閉ざせ、侵略国がプロパガンダで国家を混乱させる時、すぐに操られるのが情報、とある。日本国民は、あまりに無防備で、なすすべなく操られそうだと思っていたが、アメリカほどの安全保障に労力を割く国が、ここまで無造作に自滅するのを見ると、強固に見えて、あまりに脆いアメリカの脆弱さを認識する。この分裂の原因は自らにあり、自らの義務で修復すると言い出さない限り、アメリカはやばい。Wall Street Journalの言うとおり、たとえロシアが関与していたとしても、いま勝手に炎上し、罵倒し合い、自滅しているのはアメリカ単独の現象だ。付け加えるなら、それを最も煽っているのが次期大統領という、最悪の状態。いまアメリカ全体が「すべての問題は他人にある、自分が正義」の主張を繰り返している。
不幸が重なれば、アメリカの悲惨なメルトダウンを見ることになるかもしれない。不信は、あらゆる不幸の起因だ。団結はほど遠い。まずは不信の芽を摘まなければ。

日本経済新聞・社説
効果的な金融規制づくりへ国際協調を保て

国際金融システムを安定させるルールづくりに不透明感が強まってきた。銀行の自己資本規制を定めるバーゼル銀行監督委員会が、信用リスク評価の新規制案の合意を延期したのだ。最終合意の時期ははっきりしない。すでに国内基準でリスクの見積もりを厳しくしている米国と、厳格化に慎重な欧州や日本との隔たりが大きかったという。リーマン・ショックのような危機の再発を防ぐという本来の目的に立ち返り、各国は妥協点を見いだす努力をすべきだ。金融システムのいたみが相対的に小さい日本は、国際規制づくりで影響力を高める余地がある。金融庁は国際会議などの場で、積極的に意見を表明すべきだ。大手金融グループのトップが有力メディアで見解を表明する、といった手立ても考えられる。監督当局は視野を広げ、新しいリスクへの対応も急がなければならない。内向きになることなく、グローバルな金融取引の隅々にまで目配りしてもらいたい、としている。

示唆に富んだ意見だと思う。金融業界で日本が標準化で主導権を持った事例は聞いた事がない。いつも受動的で、国際ルールに同調を越えて翻弄されている印象だった。財政と、稼げる能力を除外すれば、日本の金融の安定度は高い方だろう。金融市場でリーダーシップを握れる人材が、トップレベルにいるのかはイメージできないが、生真面目さとエンジニアリングとしての金融なら、先進国でも安定した評価は得られるだろう。日経の言うとおり、これから今までと違う価値観を打ち出しそうなアメリカの代替案として、日本がリーダーシップを握れるチャンスは増える。金融業界だけでなく、あらゆる業界で、この発想で日本が主導権を提案できれば理想的だ。

朝日新聞・社説
軍事研究 大学をゆがめかねない

防衛省の安全保障技術研究推進制度をめぐって大学・学術界がゆれている。兵器など装備品の開発につながりそうな基礎研究に資金を提供するものだ。15年度に3億円で始まり、16年度は6億円だったが、自民党国防部会の強い主張を背景に新年度予算案で一挙に110億円に増やされた。研究費の慢性的な不足と厳しい獲得競争に悩む大学研究者に、潤沢な資金をちらつかせる格好だ。大学・学術界には「防御的な研究ならば良いではないか」との声もある。だが、攻撃・防御の区別は困難なことが少なくない。米国など同盟国に技術が輸出されれば、用途を限ることはさらに難しくなる。学術会議は1950年と67年に「軍事目的の科学研究はしない」という声明を出した。その土台には、研究資金や就職機会の増加などと引き換えに戦争準備に協力した過去への痛切な反省があったという。原点を見失わぬ結論が望まれる、としている。

ぞくっとする内容ではある。報道でなければ警告し難い内容。これからも情報を期待している。また、固定観念や感情が先行するのなら、時期を改め、じっくりウラを取ってからリリースして欲しい。従軍慰安婦の時と同じ攻撃に晒されないためにも、朝日は完全な防御を固める必要がある。国家権力に抗うとは、そういうことだ。感情ではなく真実で対決して欲しい。

読売新聞・社説
首相比豪歴訪 海洋安保で対中連携を緊密に

安倍首相が東南アジア3か国と豪州を歴訪している。フィリピンでは、ドゥテルテ大統領と2日連続で会談し、海洋安全保障面の連携強化で一致した。5年間で官民合わせて1兆円の経済協力を行うことも表明した。南シナ海での中国の主権主張を明確に否定した昨年7月の仲裁裁判所判決に関して、ドゥテルテ氏は、「国際法に基づき、平和的に解決したい」と語った。首相はターンブル豪首相との会談で、日豪両国が米次期政権と密接に協力する方針で一致した。中国を念頭に、南シナ海での「拠点の軍事化を含む、緊張を高め得る行動」の自制も求めた。トランプ次期大統領の外交政策が不透明な中、米国が政治、経済両面でアジアを重視する意義について、関係国が結束して米国に訴える必要がある。特に、日本が果たすべき役割は重い。首相は近く訪米し、トランプ氏と首脳会談を行う。今回の歴訪の成果を踏まえ、アジア情勢に関する認識をトランプ氏とすり合わせて、共有することが肝要だ、としている。

読売の主張に沿えば、今回の安倍氏のアジア訪問の目的は、中国の海洋進出への対抗のようだ。この件でもTPP同様、アメリカにはしごを外されそうな心配が。動かずにいられないほど切迫しているなら、足下が揺らいだ時の瓦解ペースは大きい。フィリピンのドゥテルテ氏の言動でさえ揺れた時、その脆弱さを思い知ったはず。中国と外交戦略とのバランスは悪い。強硬柔和の両方で進めるセオリーから逸脱している。2016年は経済に重点を置いたが、今年は安倍氏の趣味に逆戻りだろうか?

人民網日本語版
変動の激しい国際社会において、リーダーシップ発揮する中国 (2017.1.13)

2017年の年明け早々から、習近平主席は世界経済フォーラムのダボス会議に出席するほか、国連ジュネーブ本部や世界保健機関(WHO)、国際オリンピック委員会(IOC)を訪問する。中国の国際連合ジュネーブ事務局およびスイスの他の国際機関の中国代表部大使を務める馬朝旭氏は13日に人民日報に署名入りの文章を発表し、「習主席の今回の訪問は世界に向けて自信に溢れ、開放的で、責任感の強さとプラスのエネルギーに満ちた中国の声を届け、『穏中求進(安定を保ちつつ経済成長を促す)』という中国の外交イメージをアピールし、長期的に安定した社会と持続可能な発展、共同の繁栄を実現する中国の智慧とプランを世界と分かち合おうとするものだ」とした。中国は中国と世界の人々の福祉に弛まぬ努力を続けている。中国は率先して世界各国を動かし、持続可能な開発のための2030アジェンダ(2030アジェンダ)実施を積極的に推し進め、中国の五大発展理念と「十三五(第13次五カ年計画:2016-2020年)」を国際アジェンダと目標に有機的に統合させている。中国は公共衛生と健康事業の発展を非常に重視し、エイズと結核病に対し有効な対策を行っているほか、オリンピックを通じて世界平和と発展を促進させていくことを力強くサポートしている、としている。

習氏礼賛の記事の品質は、もう読むに値しない。中国がどれだけ習氏を神格化しているか知るためだけの用途だ。美辞麗句の作文は中国内政には意味があるのだろうが、日本語化して伝える意味は見えない。

毎日新聞・社説
オバマ政権8年 経済政策 金融危機は克服したが

リーマン・ショック後の米経済が、不況から大恐慌へ突き進むのを阻止し、息の長い回復へと導いたオバマ大統領の功績は大きい。連邦準備制度理事会(FRB)による大規模な金融緩和も金融安定化の助けとなり、米経済は2009年半ばには不況を脱した。一時、10%まで悪化した失業率は4%台に改善している。それではなぜ、多くの米国民がオバマ路線の継続を意味するクリントン氏ではなく、トランプ氏に変化を求めたのだろう。経済状況だけが理由ではないはずだが、国民の不満は、最悪期からの回復が均等に起こらなかったことと関係ありそうだ。暴落した株式や不動産の急回復で富裕層の資産価値や所得は大きく好転した。半面、多数の一般の人々は、V字回復から取り残された。求職活動そのものをあきらめてしまった人、二度と持ち家に住めなくなった人も少なくない。危機の収束から、多数の人々の実感を伴う質的な経済回復に移るのは時間を要するものだ。日本は金融危機の最悪期から約20年が経過した。トランプ政権の誕生により、改革が道半ばで逆戻りするとしたら、あまりにも残念だ、としている。

2日連続でオバマ氏の話題をつづけたが、気づかされる内容はゼロ。まるで役に立たない。トランプ氏のせいで日本景気が低迷したら困る、とは?他国依存の日本経済なら、その根本から見直さなければならない大問題だ。まだ正月がつづいているような怠慢さを感じる。

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