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2855.報道比較2017.1.13

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トランプ氏は不変。アメリカ全体が、もう変容をはじめている。これは、トランプ氏より恐怖だ。

Wall Street Journal
トランプ氏初会見 6つの重要ポイント (2017.1.12)

ドナルド・トランプ次期米大統領が11日、当選後初の記者会見を行った。質疑応答のテーマはロシアとの関係や自身のビジネスの利益相反、そしてメキシコとの国境に建設する新たな壁などについて多岐にわたった。以下に主な要点をまとめる。
・米民主党へのサイバー攻撃について「ロシアだったと思う」
・トランプ氏を脅迫できる情報をロシアが把握との報道は「いんちき」
・ファミリー企業の経営権は息子たちに
・製薬価格決定の仕組みを批判〜〜「製薬については入札も少ない。われわれは世界で最も多くの製薬を購入しているが、正しい入札は行われていない。これからは入札手続きを行い、一定期間の間に数十億ドルの支出を削減する」とした。製薬会社の株価は11日に下げに転じた。
・最高裁判事の決定は就任後速やかに
・メキシコとの国境の壁について〜〜「1年や1年半も待つ気はない。すぐに建設を始めることを望んでいる」と続けた、としている。

朝日新聞・社説
トランプ氏 危うい自分中心の政治

トランプ米次期大統領が、当選から2カ月にして、ようやく初の記者会見にのぞんだ。米国の繁栄と世界の安定をいかに目指すのか。経済政策や同盟関係などをめぐる数々の疑問にどう答えるのか。トランプ氏の肉声の説明に期待していた人々も少なくなかっただろう。だがその口から出たのは、雇用増など「業績」の自賛と、自らへの批判や疑惑に対する容赦ない反撃の数々だった。情報機関の見解に懐疑的だったトランプ氏は初めてロシアの関与を認めた。一方、「プーチン氏が(私を)好きならば、資産と考える」とも述べた。トランプ氏がむしろ問題視したのは、ロシアがトランプ氏をめぐる「不名誉な情報」も入手していたとする疑惑の報道だった。報じた米メディアに非難の矛先を向け、その記者の質問も拒んだ。記者会見で浮き彫りになったのは、説明責任を果たさず、政治倫理に無頓着なまま、「自分」にとって得か損かを基準にするトランプ氏の考え方だ。そんな「自分第一主義」からの決別を促すために、議会やメディアが果たすべき責任は重い、としている。

産経新聞・社説
トランプ氏会見 保護主義加速を懸念する

「米国第一」の看板を掲げて乱暴な物言いを繰り返す。トランプ次期米大統領による当選後初めての記者会見に、自らの政策への理解を国内外に求める真摯さが見られなかったのは残念だ。特に心配されるのは経済である。1週間後には正式就任するというのに、保護主義的な言動を改める変化はみられない。むしろその傾向に拍車がかかっているようにも映る。会見では、米国に巨額の損失を与える貿易相手国として、中国やメキシコとともに日本を名指しで挙げた。貿易摩擦が深刻化した1980年代から90年代の発想に凝り固まっているかのようだ。極めておかしいのは、トランプ氏が自由貿易の意義を認めないまま、損得勘定による「取引」を進めようとしている点である。民主主義などの普遍的価値や国際秩序の維持よりも、近視眼的な実利を優先させていないか。真の「得」になるとも思えない。ツイッターを通じて一方的な情報発信を繰り返し、ほぼ半年ぶりの会見となった。気に入らない報道機関の質問は無視する。大国の指導者にふさわしい態度でないのはもちろん、資質に疑いを抱かせかねないことに気付くべきだ、としている。

日本経済新聞・社説
トランプ氏は疑問にきちんと答えよ

言いたいことをまくし立てるだけならば、ツイッターと同じだ。トランプ次期米大統領が当選後初の記者会見を開いたが、世界の人々の疑問はほとんど解消されなかった。相手を疑心暗鬼にさせ、心理戦で優位に立つのは権力者の常とう手段だが、振り回される側はたまったものではない。会見の中身もお粗末だった。事業を続けつつ、公職に就くと公私混同、利益相反が起きるのではないか。その疑問に答えるはずが、経営を長男らに任せると述べたにとどまった。日ごろのツイッター発言の繰り返しだった。トランプ氏の口先介入に屈して外国移転をやめた企業を称賛する一方、「好き放題やっている企業には高い国境税をかける」と脅しをかけた。これで本当に「最も多くの雇用をつくり出す大統領」になれるのか。統制経済は成長を阻害する。日本は相変わらず米国に貿易赤字をもたらす国として、中国やメキシコと同列に扱われた。これでは、安倍晋三首相がいの一番に会った意味がない。日米同盟の価値をどうやって理解させるのか。月末に見込まれる日米首脳会談は極めて重要になる。トランプ氏の本質は当選後も変わらない。初会見でそれはわかった。激動への備えが必要だ、としている。

毎日新聞・社説
トランプ会見 メディア差別は許されぬ

米国のトランプ次期大統領が当選後初の記者会見を開いたのはいいが、挙手した米CNNの記者に対し、CNNは「偽ニュース」を流したとして質問を拒否した。この記者がトランプ氏に「あなたは(ツイッターでも)我々を攻撃している。質問の機会を与えるべきだ」と食い下がったのは理解できる。事の起こりは、米大統領選を標的としたサイバー攻撃に関して、トランプ氏の弱みになりうる個人・金融情報をロシアが握った可能性があるとCNNなどが報じたことだ。この報道をトランプ氏が否定するのはかまわないが、報道したメディアの質問を拒む権利はない。「偽ニュース」ならなおさら、質問させて堂々と答えた方が、あらぬ疑いを持たれずに済むはずだ。トランプ氏はまもなく超大国の最高権力者になる。この際、権力者批判を含めた「報道の自由」の価値を、しっかり認識してほしい、としている。

読売新聞・社説
トランプ氏会見 事実誤認に基づく対日批判だ

トランプ次期米大統領が昨年11月の当選後初の記者会見で、「米国の貿易は最悪だ」と述べ、中国、メキシコ、日本に対する貿易赤字を問題視する立場を示した。日米経済関係は、日本が輸出攻勢をかけ、貿易不均衡の是正が両国間の大きなテーマだった1980~90年代から様変わりした。今月初めにトランプ氏の標的にされたトヨタ自動車は、米国に10工場と1500の販売店を持ち、13万6000人を雇用する。理解し難いのは、日本を中露と同列に挙げて、「すべての国は、歴代米政権に対するよりも、ずっと大きな敬意を我々に払うようになる」と語ったことだ。同盟国と潜在的な脅威である国を無造作に並べ、強硬策によって一律に従わせられるという傲慢な思想は受け入れられない。トランプ氏は歴代大統領と異なり、当選後すぐに記者会見を行わず、ツイッターで攻撃的な発信を続けてきた。自らを批判するメディアとの対決姿勢も強める。目標に掲げる「国民の団結」や「世界に尊敬される米国」は、これでは実現できまい、としている。

日本国内紙のトランプ恐怖症は、ひどくなる一方だ。注目された記者会見ではあるが、内容はひどいものだった。ひどいとは「日本にとっては意味が感じられるほどでもない」お粗末なもの。持論の展開に固執し、気に障れば噛みつき、事実さえねじ曲げる。Twitterと同じことが繰り広げられただけだった。判ったことはひとつ。この人は、変わらない。変わる気もない。きっと4年間、このままだ。
もう、恐怖を乗り越えて対策を練る時期だ。類推で悲観しても疲れるだけ。同じ次元で吠えも、彼は人の話を聞かない。自分の話したいことしか話さない。都合の悪い事は忘れ、自分の思ったとおりに解釈する。しかも最高権力者。アメリカが、彼に合わせて国全体で変化していく中、私はアメリカとどうやって距離を取るか、再考しはじめている。
恐ろしいことに、アメリカ社会で、平然と抗議しているのはハリウッドとデモだけだ。シリコンバレー、ウォールストリート、自動車産業、投資家…呆れるほど沈黙し、迎合している。メディアさえ、未だに自分を取り戻せていない。抵抗だけが戦い方ではないし、批判するには時期が早い。ただ…私にはイヌのような従順さと、言葉を失った敗北者にしか見えない。トランプ氏は不変。アメリカ全体が、もう変容をはじめている。これは、トランプ氏より恐怖だ。トランプ氏のようなアメリカに、今まで信じていた人たちも変わっていくのか?と。テロの後、自信を失い、信じるより疑うのが前提になったアメリカ。あの時の暗さを思い出す。
横暴で自己中心的な発想なら、少しでも距離を取りたい。だが、残念ながらIT産業で生きている私にとって、アメリカとの断絶は簡単ではない。それでもサーバーをAmazonから移すくらいは、もう動きはじめた。Dropboxがなくても生きていけるか?….真剣に考えている。なるべくオープンソースかを意識し、サーバーに残ったログは今まで以上に集められ、突然遮断される前提で契約する。バックアップ・サービス?信じない。無料のサービス?その終わりが来ることを想定しよう。スノーデン氏の言葉が現実味を帯びることなど、考えたこともなかったが…トランプ氏の記者会見以上に無意味な妄想で済むことを願いながら、私は真剣に対策を練りはじめた。まるで地震や戦争に備えるような失望を感じながら。

人民網日本語版
新年を迎え外交にも新たな1ページ (2017.1.12)

新年を迎え、外交も新たな時期に入っている。習近平国家主席は15~18日にスイスを公式訪問し、スイス・ダボスで開催される世界経済フォーラムの2017年度年次総会に出席し、国連のジュネーブ本部、世界保健機関、IOCも訪問する。国際情勢は複雑で変化に富み、国際構造には深い調整が行われている。世界経済は回復力が足りず、経済グローバル化は曲折を経ており、国際貿易・投資は低迷し、保護主義が台頭している。世界経済フォーラムの創始者シュワブ氏が述べたように「様々な試練が勢いを増し、様々な業種に影響を与えている。世界の全ての利害関係者が責任を担い、包括的協力を展開することが求められている」。国際的影響力を持つ新興市場大国である中国がスイスでどのような新年の外交の歩みを踏み出すのかに、世界は注目している。習主席の今年初の外遊は、平和・発展事業に対する中国の変わらぬ追求を担っており、重大かつ深い意義を持つ。中国の特色ある大国外交が全面的推進の中でたゆまず新たな1ページを開くことを世界は目にする。世界も、中国の外交活動の中に、第13次五カ年計画の着実な推進の中に、中国の知恵、中国の案が世界に与える新たなチャンスをさらに目にすることを期待している、としている。

形式的な習氏称賛で、中身は特にない。中国の国家主席がダボス会議に出席するのは初めて、タイミングがトランプ大統領誕生の前日。意識した内容になっている。記者会見でも判ったが、トランプ氏が重視しているのは正論よりは、現実的な現状の好転。アメリカ経済は良好、株価は割高、ほぼ完全雇用と言われても、支持者となった白人の低賃金層といわれている人たちが報われなければ、いつでも吠える。ここから先は、ディールだ。支持者が、雇用の代わりに極度のインフレや、国産になって暴騰する日用品や消費財が増えれば、トランプ氏は平然とやり方を変えるだろう。
ダボスは経済のための場だ。台湾、シナ海、北朝鮮といった話題より、まずは経済からキックオフできるのは、少しは安心できる。トランプ氏に一矢報いるチャンスを、習氏はどう使うだろう?あまりこういう舞台をうまく使える人という記憶はないが…

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