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2848.報道比較2017.1.7

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脅しが通じちゃう日本人というイメージを、トヨタは跳ね返せる。武器は、抵抗ではなく、ウィットがいい。

毎日新聞・社説
トヨタにも圧力 世論の力で阻止したい

今度はトヨタ自動車がトランプ次期米大統領の標的となった。同社がメキシコで進めている新工場建設についてトランプ氏が、「工場は米国に造れ。さもなくば高い関税を支払え」とツイッターで圧力をかけた。「トランプ流」の問題点は、事実関係や歴史的経緯、詳細に及ぶ議論などを飛び越えて、一方的批判を展開するところにある。過激かつ単純な短文のメッセージをツイッター上で発信し、相手に圧力をかける。攻撃の対象は自分の都合で選ぶ。大統領となる人のなすべき行為ではない。影響力では圧倒的に有利な立場にある。実際、トランプ氏のトヨタ批判が伝えられただけで、同社の株価は一時、3%以上下落した。トランプ氏の一方的な圧力発言に対抗するうえで有効なのは、世論の応援だ。企業経営者も政府も、事実や経緯、ルールを市民にわかりやすく説き、民間活動の自由を守るという原則に対し、支持を獲得していく必要がある、としている。

読売新聞・社説
トヨタ工場批判 現実を無視したトランプ発言

トヨタ自動車がメキシコで進める工場新設に対し、トランプ次期米大統領が撤回を求めた。「米国に作らないなら巨額の国境税を払え」と批判した。大統領が個別企業と「密約」を交わすようでは、不透明な経営環境を嫌う外資の米国離れを招きかねない。米国のカントリーリスクを意識する企業が増大し、世界経済の停滞にもつながろう。トランプ氏の言う「国境税」は国際協定違反ではないのか。米国の立地競争力を高めたいのなら、企業が安心できる透明な投資環境を実現する努力を着実に積み重ねるほかあるまい。1980年代の日米自動車摩擦の教訓から、日本勢は現地生産を加速し、米国内に150万人の雇用を生んだ。トランプ氏は、四半世紀にわたる日本車メーカーの努力と貢献を直視すべきである、としている。

トランプ氏のやり方は、日本には効果てきめん。新聞をここまで騒がすことができるなら、これからもトランプ氏はつぶやきつづけるだろう。就任後、中国やアメリカ国内に事例があったのだから、半月くらいは対策を練る時間はあった。トヨタは想定していた余裕を見せたが、新聞はまるでダメ。浮き足立った姿は同盟関係のある国にも、先進国にも見えない。こんな対応なら、無視する方がまだいい。できれば、ユーモアで返す余裕が欲しいのだが。「国境税を払う義務分だけ値上しても、ハイブリッド・カーなら、原油価格が55ドルの前提なら、3年で取り返せます」と広告するウィットはトヨタにあるだろうか?デトロイトでショーをするより、ずっと話題を得られるのだが。

朝日新聞・社説
韓国との外交 性急な対抗より熟考を

政府が、駐韓大使と在釜山総領事を一時帰国させると決めた。釜山の総領事館前に慰安婦問題を象徴する少女像が設置されたことへの対抗措置という。そのほかにも、緊急時にドルなどを融通しあう日韓通貨スワップの協議の中断や、ハイレベル経済協議の延期、釜山総領事館職員の地元行事への参加見合わせも発表した。しかし、ここまで性急で広範な対抗措置に走るのは冷静さを欠いている。過剰な反発はむしろ関係悪化の悪循環を招くだろう。日本政府はもっと適切な外交措置を熟考すべきである。韓国はいま、朴槿恵大統領の進退で揺れている。日韓の応酬が続けば、次期大統領選にも影を落とす。これまで慰安婦問題に関心を示さなかった候補予定者らも対日強硬姿勢をとることが予想され、少女像問題の解決はさらに遠のく恐れがある。日韓合意は、元慰安婦らの心の傷をいかに癒やせるかを双方が考え、知恵を出し合った結果であり、いまの両政府の関係を発展させる出発点でもある。両政府は合意の精神を着実に実践し、両国民の理解を深めるよう心を砕いてもらいたい、としている。

産経新聞・社説
釜山の慰安婦像 反日では墓穴掘るだけだ

韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦像が不法に設置された問題で、政府が駐韓大使の一時帰国などの措置をとった。遅きに失した感は否めないが、当然の対応だ。法を守らず、事態の悪化を放置する国を信頼することはできない。ソウルの日本大使館前に置かれた慰安婦像も未撤去だ。新たな像の設置は、慰安婦問題の最終的解決をうたった一昨年末の日韓合意をさらに踏みにじるものだ。韓国政府が「基本的には当該機関で法令に基づき判断しなければならない事案だ」としながら、傍観する姿勢をとったことは看過できない。韓国の法治とは、情緒的に法を曲げるものなのか。バイデン米副大統領は6日の安倍晋三首相との電話協議で、日韓合意が「双方によって着実に履行されることを強く期待する」と述べた。安倍首相は「逆行することは建設的ではない」と応じた。大統領失脚で国内が混乱しているときだからこそ、真の敵を見失ってはならない、としている。

いま、韓国が弱っているのは誰の目にも明らか。相手が弱いタイミングで叩くのは、敵対心がある時の対応。日本政府の韓国への心証は、明らかになった。弱体化している時に、民衆が日本への対応を避難する行動に出たということは、日韓の合意は、やがてまたトラブルの元になるだろう。すでに払い込んだ10億円のカネをうまく使えばいいのだが、いまの政府の発想は、この件さえ脅しに使うようだ。本気で仲良くなる気は、どちらにもない。これは朝鮮半島有事の際にはマイナスだ。

日本経済新聞・社説
仕事と介護の両立へ働き方改革を急ごう

仕事と介護を両立しやすくしようと、改正育児・介護休業法が施行された。介護休業を分割してとれるようになったほか、介護休暇も半日単位で使うことができる。改正法は1日に施行された。介護休業は介護が必要な家族1人につき原則1回だったが、3回に分けることができる。家族が最初に倒れたとき、状況が変わったとき、終末期というように使え、負担軽減になる人は多いだろう。日数の上限は93日間で変わらない。避けたいのは、制度はあるが働き方改革が進まないという状況だ。働き手が最初から利用をあきらめて離職したり、職場で十分に力を発揮できなかったりすることになりかねない。本人はもちろん企業にとっても大きな損失だ。労働力不足に直面する日本経済にとっても足かせになる。75歳以上の後期高齢者になると介護が必要な人の割合が増える。団塊の世代が全員75歳以上になるのは2025年で、もう10年を切っている。改正法の施行を、働き方改革を急ぐきっかけとしてとらえたい、としている。

正社員のための制度なら、格差で不利益を被っている人には、これが何の恩恵になるのだろう?私のような自営には、まるで意味をなさない。これから先も正社員という働き方を推進するつもりなら、同一労働同一賃金の取り組みの意味も薄れる。それなら、非正規という仕事を法で禁止すればいいのだから。全体像を見定めて行政を進める能力がないのは、まるで変わらない。役に立つ可能性は低い。

人民網日本語版
「中国の年」に入るBRICS協力 (2017.1.6)

今年1月1日、中国は正式にBRICS議長国を引き継ぎ、BRICS協力は「中国の年」に入る。今年9月、第9回BRICS首脳会議が中国の厦門で開催される。新年早々、習近平国家主席はBRICS各国に書簡を送り、議長国就任中のBRICS協力推進の構想を説明した。「中国側は各加盟国と共に、『BRICSパートナーシップを深化し、より明るい未来を開く』とのテーマをめぐり、協力の共通認識を形成し、協力のビジョンを計画することを期待している」。新たな10年、BRICS諸国は経済的には新たなグローバル化のエンジンとなる。国際経済の「下押し長周期」の底がまだ見えなく、深いレベルの影響がまだ続いている中、BRICS諸国は試練に直面すると同時に、新たなグローバル化をリードする機会も迎えている。BRICS諸国の経済は相互補完性が高く、ブラジル、南アフリカなどの資源型国家もあれば、インドという「世界の事務室」と中国という「世界の工場」もあり、新興国としてBRICS諸国は経済成長期にある。同時に、BRICS諸国は創設以来一貫して国際金融秩序の改革者であった。今後10年間、BRICS開発銀行及びBRICS外貨準備基金の制度の下、BRICSは新たな世界経済発展のリーダー、新たなグローバル化のエンジンとなる。2017年、BRICS協力は今後10年間の発展の新たな段階へ入り、途上国の声を一層全世界に発する、としている。

ヨーロッパが各国の政治問題で揺れる可能性の高い2017年。アメリカはどこよりも不安定な政治体制がはじまる。BRICSが中国の期待どおりの役割を担ってくれるなら、素直にすばらしい。ブラジルやロシアは原油価格が上がりはじめれば息を吹き返すだろう。南アフリカも資源価格次第。インドは追い風の中にいる。中国は、改革次第だろうか?BRICSでは、もっとも経済リスクが懸念されているのが中国。議長としてのリーダーシップを期待している。

Wall Street Journal
人民元が方向急転換、引き締め強化で緊張高まる (2017.1.6)

中国人民銀行(中央銀行)が投機的な人民元売りを抑えつける姿勢を示したことを受け、人民元は4日と5日の2営業日に対ドルで急反発し、2日間の上げ幅としては過去最大に達した。中国の見通しを巡り、外国為替市場で緊張が高まっていることが浮き彫りになった。人民銀行は5日、中国の銀行に資金を留保するよう指示し、香港市場の流動性を引き締めた。人民銀行の動きは世界の市場に波紋を引き起こした。長らく低迷していた人民元が上昇したことを受け、昨年11月の米大統領選以降人気を集めてきた投資商品の多くが売られ、このところ不人気の商品が買われる展開となった。ダウ工業株30種平均は前日比0.21%下落し、10年物の米国債利回りは2.37%に低下(価格は上昇)した。一方、ドルはユーロと円に対して下落した。人民銀行は今週、人民元の日々の基準値(中間値)を予想以上の高値水準に設定している。プラサド教授は「市場原理と人民銀行との戦いが続くことは間違いない」と語った、としている。

マーケットには、どんな思惑も、最終的には破綻する。自然の摂理に抗うようなものだ。世界一の借金と相場操作で国家予算を使っている日本から言えることではないが、マーケットに手を入れる前に法で対応するのが政治のはず。すべき仕事が違う。中国政府は何をしたいのかさえ、判らなくなってきた。きっと本人たちも判らなくなっているのだろう。

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