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2846.報道比較2017.1.5

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騒ぐ、揺れる、見えない。ならば…パラシュートをつけて、自分が安全だと思う時だけ、勇気を持って自分の意志で飛ぼう。飛べと言われたからでもなく、飛んだ方がいいと誰かに言われたからでもなく。

朝日新聞・社説
未来への責任 逃げぬ政治で国民合意を

安倍首相はきのう伊勢神宮に参拝し、年頭の記者会見で「未来への責任を果たさなければならない」と語った。目先のことに振り回されず、将来を腰を据えて考える。そんな政治は望めないのか。民主党政権だった5年前、野党の自民党、公明党と3党で合意した「社会保障と税の一体改革」に、その芽はあった。不安定な雇用、貧困・格差の拡大、子育ての不安などさまざまな社会保障の課題に対応するために、必要な財源を消費税を引き上げて確保する。給付と負担を一体で考え、国民に不人気とされる増税に向き合ったことは政治の貴重な一歩だった。超高齢化に伴って膨らむ費用を、国民合意のもとで、どう分かち合っていくか。それは、どの党が政権を担っても逃げられない課題だ。「社会保障費のピーク時にどうお金を工面するのか。ポスト『社会保障と税の一体改革』のような議論を始めよう」自民、公明両党にも同じ考えの議員は少なくないはずだ。衆院議員の任期は18年12月まで。次の参院選は19年夏だ。衆院解散がなければ、与野党が選挙を離れて議論するかなりの時間がつくれる。長妻氏の提案は小さなボールだ。だがそれを大きく弾ませることは、首相の判断でできる。自ら年頭に誓った「未来への責任」の本気度が問われている、としている。

産経新聞・社説
経済再生 保護主義の阻止へ覚悟を 民間も「稼ぐ力」を競い合え

年明け気分もいまひとつ晴れない。景気がまだまだ力強さに欠けていることが理由の一つだ。「失われた20年」で染みついたデフレ心理から、企業も家計も抜け切れない。世界には反グローバリズムと保護主義の高波がみえる。「本年も経済最優先だ」と首相は年頭会見で語ったが、脱デフレが遅れ、消費税増税の再延期に追い込まれた昨年までとの違いを見いだせたか。アベノミクスは多くの点で岐路に差し掛かっている。中でもTPPの誤算をどう挽回するか。米国に批准を働きかけることは今後も必要である。同時に、米国が抜けても発効させる手立ての検討を急ぎたい。交渉で得られた成果を無にしないよう、他の加盟国との連携を密にすべきだ。グローバル化の旗手だった米英で真っ先に反動が出たのは必然的な流れとの見方もある。経済再生は民間の底力に依拠する部分が大きい。魅力的な製品やサービスを開発し、製造工程の効率化、独自の販売手法などで創意工夫を競い、「稼ぐ力」を高めなければならない。縮み思考を排して前向きな経営を追求し、設備投資や賃上げを実現する。今年こそ、そうした動きの広がりに期待したい、としている。

毎日新聞・社説
年頭会見 首相自ら「変化」する年

安倍晋三首相は年頭の記者会見を行い、米トランプ政権誕生などの国際情勢を踏まえ「変化の一年が予想される」と強調した。外部環境の急変への対応はもちろん大切だ。ただ、政権に復帰してから5年目を迎え、安倍内閣も政策を再点検する時期を迎えている。経済政策に関し首相は「(先が見えない時こそ)大切なことはぶれないことだ」と述べ、経済最優先を継続して金融緩和、積極財政など従来路線を維持すると強調した。だが、デフレ脱却に向けて掲げた2%の物価上昇率などの目標は、達成には遠い状況にある。だからこそ、首相自らも「変わる」ことが必要になる。首相が野党の主張に聞く耳を持たないような場面が昨年は多かった。野党の力も生かして政策判断に厚みを持たせられるよう、変化の年こそこころがけるべきだ、としている。

読売新聞・社説
安倍政権5年目 「安定」から成果をどう生むか

政権復帰から5年目に入った安倍内閣は、60%前後の高い支持率を維持する。政界で自民党が1強、党内では安倍首相が1強という構図で、政権基盤は安定している。首相は、この貴重な政治資源を有効活用し、日本経済の再生、財政健全化、成長と分配の好循環の実現などの重要課題を着実に前進させねばならない。自民、公明両党は国政選で、4回連続圧勝している。経済政策アベノミクスへの評価というより、野党第1党の民進党(旧民主党)に対する国民の根強い不信感に助けられている面がある。内需主導の景気回復、「働き方改革」「1億総活躍社会」などで具体的な成果が求められよう。憲法改正に前向きな自民党や日本維新の会にも、どの項目を優先し、いかに合意形成を図るかについて具体的な戦略がない。自民党は、他党との信頼醸成だけでなく、執行部と審査会の委員が意見交換し、改正に向けた基本方針を定めるべきだ、としている。

新聞は経済最優先ではなく、政治最優先。マーケットに一喜一憂せよとは思わないが、首相の会見にここまで集中するのは、国家主義に近い。産経は、会見の言動よりは政治が取り組む経済の課題に力点を置いている分だけ現実的だ。TPPへの対応、経済再生への取り組み自体の戦術が、相変わらず精神論中心なのは残念だが、首相の言葉から未来を予測するくらいなら、自分たちの仕事に取り組む方がいい。
いま取り組むべきテーマは、稼ぐことだと思う。
どこから?答えられるだろうか?海の向こうという人もいれば、内需という人もいる。
なにで?ここに明確に応えられるなら、どうやって?に進める。なにで?に答えられないなら、致命的だ。他のことはどうでもいいから、少しでも早く探すべきだ。自信がないなら、これが「時代とのミスマッチ」にあたる。ニーズに合わせて変えられるものなのか、変えられないなら新しいことをはじめる準備がいるし、変えられるなら時間と作業を見積もる。
どうやって?は、日本人が精神論や、意味不明な広告活動に逃げ込む、残念な領域だ。ここは知性で大きく補える。やっていると楽しくなる分野だ。
首相の話を聞いて、待っているだけで食えると信じるなら、それをつづければいい。他のことに時間を使った方が、生産的に思える人は、自分のために時間を使った方がいい。さて、新聞は?

日本経済新聞・社説
車の生産網寸断招くトランプ流の手法

政治権力者が個別企業の工場立地にまで口をはさんで、産業や経済は混乱しないのだろうか。そんな懸念を覚えざるをえない。米フォード・モーターはメキシコでの工場新設計画を取りやめ、代わりに米ミシガン州の工場を増強すると発表した。「米国第一」を掲げるトランプ次期大統領が同社のメキシコ生産を強く批判してきた経緯があり、その意に沿う決定となった。トランプ次期大統領のふるまいで気になるのは、自由貿易に否定的な保護主義的性向だけではない。個別企業の経営に気ままに介入し、アメとムチで言うことを聞かせる政治スタイルは、経営者に「何をしていいか、何をしてはいけないか」の予見可能性を低め、様子見を強いることになる。企業が投資などを決める際に、大統領個人の了解を要するような国になれば、自由で起業家精神に満ちた米国経済の強みは失われるだろう。それはトランプ氏の掲げた「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン(米国を再び偉大に)」のスローガンにも逆行する、としている。

たしかにトランプ氏を非難したくなるが、冷静に考えれば批判したいのはフォードだ。トヨタがこれでいじめられるなら、トヨタは平然とトランプ氏を批判し、関税分だけ値上げを享受する現実を受け止める方が評価される気がする。長くて8年。トヨタにしてみれば、十分に耐えられる。利益も減るだろう。それを知恵で越える努力の方が、ずっと自らを強くする。
大統領は権力者だが、絶対服従する義務があるとはどこにも書いていない。まして、外国企業の私たちは、アメリカを批判してもできることは限られる。トランプ氏に提案するチャンスくらいは、トヨタなら得られるだろう。メキシコと併存できるアイディアは、きっとみつかる。
抵抗も、服従も、ビジネスの世界では敗北であり、ゼロサムの結果になる。トランプ氏の言うディールにはウィン・ウィンも存在する。ビジネスで大きな価値が生まれるのは、ウィン・ウィンの時だ。

Wall Street Journal
FRB、トランプ次期政権による経済への影響を議論 (2017.1.5)

米連邦準備制度理事会(FRB)が4日公表した12月13・14日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、名前こそ挙げなかったもののドナルド・トランプ氏の大統領選勝利による経済への影響に関して活発な議論が交わされたことが明らかになった。FOMC参加者のほぼ全員が、インフラ支出や減税など、今後予想される財政刺激策が経済成長を促進する可能性があるとの認識を示した。金利をどのように調整するかに関しては、トランプ氏が大統領就任後に提案する諸策の時期や規模、そして内容が不確定要素であることを強調した。大半の参加者は、11月の会合後から12月の会合までの金融情勢の「大きな変化」は、財政刺激策に対する投資家の期待が原因だとする見解を示した。一方、多くの参加者は、今後どのような政策が打ち出され、世界の経済・金融情勢がどのような展開をたどるのか不透明感が漂うことを考慮して、経済見通しに対する市場の影響を評価する際には「注意が必要だと述べた」としている。

FRBがトランプ次期大統領に対して、恐怖に慄くこともなく、称賛迎合してもいないのを安心した。オバマ氏が議会との対立で決めきれなかった2人のFOMC理事の空席に、トランプ氏と共和党は早々に誰かを送り込んでくる。そこからのFRBに注目だ。フォードのようにならないことを願っている。

人民網日本語版
「一帯一路」の輝きを共に築く中国と中央アジア (2017.1.4)

今年1月初め、中国はウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、トルキスタンの中央アジア5カ国との国交樹立25周年を迎える。新たな歴史的出発点において、中国国民は中央アジア各国の人々と共に、友好的交流の歴史を共に振り返り、素晴らしい協力の未来を展望する。25年間の発展を経て、中国と中央アジア諸国との関係はすでに新型の国家関係、地域協力の模範となった。政治分野では、中国と中央アジア諸国は戦略的パートナーシップの「全カバー」を実現した。中国は中央アジア諸国への外部勢力の内政干渉に断固として反対し、中央アジア各国が自国の国情にあった発展の道を歩むこと、独立、主権、領土の一体性の維持に向けた努力を支持している。2013年に習近平国家主席は重大なイニシアティブ「一帯一路」の共同建設を打ち出し、中国と中央アジア諸国の協力発展に新たな力強い原動力を注ぎ、中央アジア諸国から熱烈な賛同と積極的な参加を得た。各国は道路、鉄道、港湾、パイプライン、通信ネットワーク、航路の整備を加速し、陸海の連絡輸送を積極的に展開し、近代化「立体シルクロード」の構築に努めている。歴史上、中国と中央アジア諸国はかつて古代シルクロードの輝きを共に築いた時代がある。今や、「一帯一路」共同建設の東風に乗り、中国と中央アジア諸国の千年続いた友情はますます輝きを放っているだろう、としている。

昨日も一帯一路。さらに情緒的な表現は、北朝鮮のようだ。この話題に習氏の名前が出ると、さらに拡張主義の強さが増す。かなりの威圧感を近隣国としては感じる。

Financial Times
2017年に世界を形作る9つの出来事 (2016.12.30)

政治的な地震が相次いだ年の後、2017年が楽な1年になる可能性は低い。ドナルド・トランプ氏の権力掌握からゆっくりとしたブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)、中東で自称カリフ制国家「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」が終わりを迎える可能性まで、向こう1年間、世界で注目すべき出来事の手引きを用意した。
1月:ドナルド・トランプ氏の米大統領就任
 その振る舞いから判断すると、第45代米国大統領は足跡を残すことを急ぐだろう。就任演説での新大統領の言葉遣いと就任当初数日間の行動がトランプ政権の基調を定めることになる。
3月:英国のEU条約第50条発動
 半世紀に及ぶ英国の外交・経済政策を事実上廃棄した国民投票から9カ月を経て、英国政府は3月末までに正式な2年間の離脱プロセスを始動することになっている。現時点では、旅路の方向性は完全にははっきりしていない。だが、テリーザ・メイ首相率いる英政府は、EU条約の第50条に基づく離脱手続きを始動する前に一定の計画を示すことを約束している。
4~5月:フランスの大統領選挙
ルペン氏は第1回投票で勝利を収める可能性があるが、一騎打ちの決選投票では、穏健な有権者が反ルペンの旗印の下に結集し、敗北すると広く見られている。本命は、保守・共和党の大統領候補、フランソワ・フィヨン氏だ、としている。

こういうまとめの方が、感情的な主張よりはずっと役に立つ。私は、この記事のいくつかからリマインダーを登録して、投資のヒントにする。今年の経済を予測したアナリストは皆無。トランプ氏当選とその後を見極められなかった人たちが、たとえ予測しても意味はなかっただろうが。それでも、確実なのは「ボラティリティが大きい1年になる」こと。ならば…と、トレーダーが教えてくれたヒントを。

  • レバレッジは小さくていい。賭け金も大きくなくていい。
  • 焦って先頭を切る必要はない。後から相場に入っても十分に間に合う。
  • 大きく儲けられるチャンスであり、大きく失敗してしまう危険もある。ならば、ストップ・ロスを置けば恐くなくなる。
  • いつものことだが、予測は無意味。いつ入って/どれだけ賭けて/いつ出るか、がすべて。

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