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2845.報道比較2017.1.4

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年始から全紙に共通しているトランプ恐怖症。トランプ氏がメディアの取材に応じない限り、この状況は変わらない。それでも困ったことなど特にない。マス・メディアの必要性が問われる。

朝日新聞・社説
分断される世界 民主社会の価値観守ろう

世界は深い霧の中で新年を迎えた。未来を見通せない、不確実性という霧である。国際秩序は、経済や軍事というパワーを背景に競い合う弱肉強食の世界になるのか。国と国の関係は、ルールや原則よりも損得に基づく取引と化すのか。曲折はあったとはいえ、戦後の国際社会は国を超えた協力関係や相互依存を深めることで安定と繁栄を追求してきた。その土台を築いた米国で、自国中心主義を掲げるトランプ氏がまもなく大統領に就く。孤立を選択した英国の欧州連合(EU)離脱交渉も春に始まる。不確実な未来に、ただひるんでいるわけにはいかない。米国も欧州諸国も成熟した民主国家であり、政治が一方に傾いても、振り子のように復元する歴史を繰り返してきた。過度の悲観は禁物だ。穏健で民主的な価値観の担い手になってきた中間層を守り育てる必要がある。彼らを「没落」から救うのはトランプ氏の掲げる富裕層減税や保護貿易ではない。職業訓練の充実をはじめ、グローバル化の激変を生き抜くためのきめ細かい政策だ。民主社会の価値観の防波堤として、日本が果たすべき役割は重い。狭い国益に閉じこもらず、いかに国際協調を支える責任を果たすか。問われているのはその自覚である、としている。

年始からずっとトランプ恐怖症。自分に言い聞かせるように「ひるんでいるわけにはいかない」と言いながら、策はまるで思い浮かばず、不確実性ばかりを強調する。なぜ不確実なのか?トランプ氏がメディアの取材に応えてくれないだけだ。今までとは違う情報の伝達チャネルができあがってしまい、マス・メディアが右往左往しているだけとも言える。落ち着いてみよう。メディアを経由しなくとも、トランプ氏が気になるならTwitterをフォローすればいい。解説は、今までどおり、ネットにいくらでも蔓延している。どれが真実か判らない?ならばマス・メディアは真実を伝えただろうか?アナリストの予想の正解率は?なにひとつ当てにならなかった。選挙が終わり、就任前に騒いでいるのもメディアだけだ。株価や金利を見れば、たしかに奇妙な動きをしている。トランプ氏のつぶやきもまるで変わらずつづいている。メディアが相変わらず答えを見つけられず、自分たちの仕事がまるで役に立っていないことに苛立っているだけとも言える。メディアが言うことを無視して、トランプ氏のTweetを、自分の感覚で読み解いてみよう。他のざわつくつぶやきや、感情的なノイズを無視して。朝日が言うような不確実など、消えてなくなっている。元々、メディアが報じれば確実度が上がったと誤解する感覚が間違っていたのだ。脅える必要は、なにもない。メディアと私たちが対等になっただけだ。

Wall Street Journal
トランプ次期大統領がツイートを続ける理由 (2017.1.3)

論理的な方法なのか、それとも狂気なのか──。ドナルド・トランプ次期米大統領は選挙運動中の型破りな情報発信の習慣を今も変えていないが、それを目の当たりにして世界は当惑している。トランプ氏は手当たり次第にツイッターに投稿しているようであり、容易に避けられる話題にあえて首を突っ込んだり、けんかを吹っかけたりしている。それは危険なアプローチだ。大小さまざまな問題で論争に加わることで、トランプ氏はすでに大統領にとって最も重要な資産、つまり「傑出した公権力」の価値を下げてしまっている可能性がある。トランプ氏の中国に対するアプローチはその最たる例かもしれない。同氏は貿易や南シナ海での軍事行動に関して中国とは数々の厳しい交渉を行うことになると考えている。同氏の最初の一手は、中国政府を確実に怒らせると分かっていた台湾の蔡英文総統からの電話を受けるという決断だった。その後の一連のツイートで同氏は、米国をいら立たせることをするとき、中国はいちいち許可を取らないと指摘。中国に対するご機嫌取りもトランプ新政権には期待しないで欲しいと伝える意図も見え隠れする。確かに、どのメッセージを文字通り受け取るべきかで世界を困惑させておくこと、核兵器戦略のような慎重さを要する話題をその場の判断で扱おうとすることには危険が伴う。しかし、トランプ氏がそうしたことを分かった上でツイートしているという可能性も高いのだ。、としている。

そこまで考えて、トランプ氏のツイートはつくられているのだろうか?数人のチェックを経由してあの内容。意図的に下品にするにしても…キャラクターが優先され過ぎている。これが新しいスタンダードだというなら、私は古い人間のままでいる方を選ぶ。

日本経済新聞・社説
揺れる世界と日本(3)中間層が希望を失わない社会に

グローバル化や産業のIT(情報技術)化の流れに乗れず、未来への希望を描けない。暮らし向きはよくならず、富裕層との所得格差は開くばかり。そう感じる人が中所得層でも増え、エスタブリッシュメント(支配層)や現政権への批判票となって示された。程度の差はあれ、多くの先進国に内在する課題だろう。必要なのは、質の高い教育や職業訓練などを通じて機会の平等を確保することだ。あわせて、働く低所得層を税制措置などで支援し、弱者への安全網を整える。規制緩和や投資を通じて、新しい技術やビジネスモデルの創造と普及を促し、成長力を高めることも欠かせない。地味なようでも、こうした取り組みを着実に進めることが大事だ。それが安定して活力のある中間層を増やすことにつながる。日本でもいまのところグローバル化に反対する声や大衆迎合的な政治の動きは目立っていないが、取り組むべき課題は多い。正規社員と非正規社員との待遇格差是正や、新しい技術や知識を学んで技能を向上できる機会の提供など、働く意欲を高め、中間層を分厚くする工夫が大切だ。豊かで活力あふれる国であり続けるために重要なのは、開放的な経済であり、中間層が希望を持てる社会だ。欧米社会の揺らぎは日本にも警告を発している、としている。

毎日新聞・社説
歴史の転機 グローバル経済 保護主義には戻れない

反グローバル化の声は、欧州連合(EU)離脱を決めた英国はじめ、欧州でも強まりつつある。グローバル経済の負の側面にも目を配り、持続可能性を高められるか。保護主義の台頭を好機に変える知恵が問われている。トランプ氏は、日米など12カ国による環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について、「就任初日に離脱の意思を通知する」と表明した。カナダ、メキシコとの3カ国による北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉も明言した。中間層は、グローバル経済のひずみの大きさに怒っているのだ。工業化の進展で国民の所得水準を高めた途上国や新興国でも富の偏在が強まり、格差拡大が問題になりつつある。まず富裕層から中間層以下への所得再分配を進める必要がある。しかし、「パナマ文書」問題で明らかになったように富裕層は課税回避に策を巡らし、再分配を妨げている。適正な課税を実現し、そこから得られた財源で、失業対策や職業訓練などを充実させるべきだ。そうした企業にとどまっている労働者が、生産性の高い企業に転職しやすくする必要がある。コスト競争で太刀打ちできない分野からの受け皿として、新興国と競合しない新しい産業を興すための技術革新も欠かせない。実現するには、強力な支援の仕組みを整備する必要がある。グローバル経済の下、政府に求められるのは、そうした政策であろう、としている。

反グローバルと格差問題は、完全にイコールなのだろうか?中間層の不遇と課税回避に関連はあるのか?あらゆる問題をひとまとめにする毎日の考え方は、私には相当な違和感だ。重なっている部分はあるだろうが、それぞれの問題は関連を求めるほど解決は複雑になり、難しくなる。ひとつずつ解決していったら、少しずつ見えていくことがあるのではないだろうか?
教育のチャンスを提供するという日経の主張の方が、私には理解できる。ただ、日経の社説は文中でどんどん問題点を拡散している。気が滅入るほど懸念を羅列し、悲観している。そんな中でもカナダに注目すべきとの提案をくれた点はすばらしい。移民政策、中国との関係では、懸念も露呈しているが、モデル・ケースに注目したい国だ。今後、注目していきたい。

産経新聞・社説
出生数100万割れ 首相は「非常事態」宣言を

日本の人口減少はすでに加速し始めた。安倍晋三首相はいまこそ「非常事態」を宣言し、早急に少子化対策の強化に乗り出すときである。次世代が生まれなければ、社会は機能しない。国家が成り立たなくなるのだ。人口減少に耐えうる社会への作り替えも同時に急がなければならない。今年は「対策元年」と位置付けるべきだ。少子化がさらなる少子化を呼び起こす悪循環に日本は陥っている。出生数減少に歯止めがかかるには、相当に長い年月を要することを覚悟しなければならない。100万人を割った年間出生数は今後40年ほどで50万人を割り、100年後には25万人にすら届かなくなると予想されている。本当にこんなペースで減り続ければ、社会の混乱は避けられない。少子化社会を乗り越える上で重要となるのは「未来への希望」である。将来不安が強すぎては、結婚や出産の機運は芽生えず、社会の活力もそがれる。生まれてくる子供たちを迎える未来の日本はどんな社会なのか。日本を発展させ、豊かな暮らしを実現する方策について、首相にはより具体的に語ってほしい。多くの人々が家庭を築き、子孫をつなぐ喜びを再認識してこそ、少子化の流れは変わり始める、としている。

昨年12.30の毎日の宿題を産経が少しは解いてくれるかと思ったが、残念ながら産経流の精神論ばかりだ。提案も強引な自説とのリンクが目立つ。外国人での穴埋めを非現実的と決めつけるが、割合の問題だ。100万人のすべてを外国人で埋めるのは非現実的だろうが、今の出生率から考えれば、1万人上積みするのでさえ苦労している。その労働力の穴埋めをロボットや人工知能というのは、かなり短絡的は発想だに感じる。その研究開発に従事できる人材さえ減っているというのに?これからの学生も減るのに?海外から調達するコストが、この先の産業で賄えるだろうか?
出生の原点は、将来への希望という点は同意する。それにしては、産経の提案はどれも希望が見えない。外国人を少しずつ受け入れると希望はさらに減るだろうか?私には希望に感じるのだが。

人民網日本語版
拡大し続ける「一帯一路」 (2017.1.3)

「一帯一路」(the belt and road)建設は3年余りで無から有へ、点から面へと発展し、その進度と成果は予想を上回り、次第に中国にとって3つの取っ掛かりとなってきた。第1に、中国の夢の取っ掛かりだ。「一帯一路」は中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に役立つだけでなく、中国の夢と沿線各国の夢を通い合わせ、人類の共同繁栄、恒久平和という世界の夢を成就する。第2に、中国が国際的影響力を拡大するための取っ掛かりだ。「一帯一路」を通じて、中国は制度的国際発言力を積極的に高める。第3に、グローバル化、グローバル・ガバナンスの取っ掛かりだ。「一帯一路」を通じて、中国は包摂的グローバル化の旗手となる。習主席は「一帯一路」を通じた人類運命共同体の建設というすばらしいビジョンを中国と世界に示し、国際社会の広範な賛同を得た。2016年5月に北京で開催された中国・欧州政党ハイレベルフォーラムでラトビアのラトビア・中国友好協会会長は「これほど壮大な協力イニシアティブは歴史上見たことがない。われわれ欧州人の想像力を超えている。欧州人は中国の素晴らしい願いをくれぐれも無駄にしてはならない!」と感慨を催した。2017年に「一帯一路」は必ずや発展を加速し、拡大していくと信じる、としている。

中国が掲げてきた一帯一路が、徐々に拡張主義と結びつきはじめた。もしそうなら、世界はノーと言うだろう。どれだけ正論のつもりでも、南シナ海でさえ中国の思ったとおりには進まない。21世紀に認められる考え方ではない。

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