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2832.報道比較2016.12.23

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日本の財政は無能さを表現している。これをバブルとは呼ばないのだろうが、借金膨れが止まらない。アメリカと中国は経済でも戦争をはじめそうな予感。

朝日新聞・社説
財政再建 税収増頼みの危うさ

費用対効果の意識を徹底して歳出を抑制・削減する。税制改革を実行し、増税する。経済成長によって税収を増やす。借金まみれの財政を立て直すには、この三つを怠らず、地道に取り組んでいくしかない。だが、安倍政権は成長による税収増によりかかった財政運営を続けている。それで2020年度に基礎的財政収支(PB)を黒字化する再建目標を達成できるのか。政府が決めた予算案を見ると、不安と疑問が募る。国の来年度の一般会計当初予算案は総額97兆4500億円に達し、当初予算としては5年続けて過去最大を更新する。少子高齢化に伴う社会保障費の増加が大きいが、全ての分野を対象に、より少ない予算で政策効果を高める検討を尽くしたとはとても言えまい。安倍政権は、消費増税を2度にわたって延期するなど、本格的な負担増を避け続けている。一方で法人税は減税し、企業を元気にすれば税収も増えて財政再建が進むとの立場をとる。しかし、財政再建を着実に進める観点からは、それが甘い「期待」にすぎないことを、今回の予算が示している。それでも旗は降ろさないと、首相は繰り返す。どうやって達成するのか、語る責任がある、としている。

日本経済新聞・社説
3党合意の次の一体改革の検討に入れ

先進国で最悪の財政状態であるにもかかわらず、歳出が膨らむ主因である社会保障費の効率化はなお道半ばだ。政府が決めた2017年度予算案である。経済成長と両立させつつ、財政と社会保障を持続可能な状態にしなければならない。そのために政府は新たな社会保障と税の一体改革の検討に速やかに入るべきだ。安倍晋三政権は経済成長に伴う税収増をアベノミクスの実績として強調してきたが、やはり税収増に過度に依存した財政健全化は危うい。社会保障費を中心に歳出にしっかり切り込む必要がある。17年度予算案では、医療や介護で高齢者の負担増に踏み込んだ。たとえば、70歳以上の外来医療費の上限を引き上げたり、介護サービスでは一部の利用者の自己負担を3割に引き上げたりする。12年の自民、公明、民主(現・民進)の3党合意を何とか維持しようと四苦八苦していたり、次の消費増税の是非を議論したりするだけでは不十分だ。社会保障を効率化しつつ、真に支援が必要な人や子ども・子育て向けの支援を強化する。その財源確保を含めて社会保険と税制のあり方を一体で見直す。そんな抜本改革に今から着手するのが政府・与党の責務だ、としている。

毎日新聞・社説
来年度予算案 漫然と借金に頼る怖さ

政府は2017年度予算案を閣議決定した。一般会計総額は97兆円台と5年連続で過去最大を更新した。膨張に歯止めをかけられず、巨額の借金を抱える財政への危機感が感じられない。新規国債の発行額はわずかに減らしたが、国債依存度は35%と依然高い。発行残高は865兆円に膨らみ、「借金漬け」に変わりない。代表的なのは5年連続で増加して6兆円近くを計上した公共事業費だ。これまで公共事業の多くはばらまきに終わった。厳しい財政の中、上積みする余裕はなかったはずだ。農業の公共事業である土地改良事業費は、16年度当初予算比で200億円増の4020億円を計上した。民主党政権が減らしたが、自民党は増額圧力を強めた。政府は16年度第2次補正予算でも1752億円を盛り込んでおり、大盤振る舞いだ。政府の危機感が乏しいのは、日銀の金融緩和で金利が歴史的な低水準にあるためだ。だが、金利上昇を抑え込む日銀の国債購入も限界がある。改革が手つかずのままの財政はいずれ行き詰まるはずだ、としている。

読売新聞・社説
17年度予算案 「未来への投資」となり得るか

政府が2017年度予算案を決定した。一般会計総額は97・5兆円と、5年連続で過去最大を更新した。新規国債発行額は16年度当初より抑え、歳入中の借金の割合である国債依存度も小幅改善した。政府は「経済成長と財政再建の両立を図った」と説明する。だが、社会保障費の膨張で財政の硬直化が進み、メリハリに欠ける。借金依存も変わらない。安倍首相が掲げる「未来への投資」に十分応えたものとは言い難い。高齢化の進行により、社会保障費が予算全体を圧迫する構図は今後さらに強まる。一方、財源となる消費税率10%への引き上げは19年10月まで延期された。医療、介護、年金各分野で持続力を高める制度設計への練り直しが求められる。国民が痛みを分かち合う議論が避けられまい。アベノミクスの果実である税収増はブレーキがかかっている。16年度の税収は、円高などで企業業績が頭打ちとなり、当初見込みを大幅に割り込む。17年度の税収は、景気の改善を見越して、7年連続増の57・7兆円を見込んでいる。ただ、前提となる名目成長率は2・5%で、大方の民間予想を上回っている。政府の見立ては強気に過ぎるのではないか。景気変動にも耐えられる財政運営へ向け、歳入歳出両面で不断の改革を進めていくべきである、としている。

産経だけは誕生日と皇位継承の話題が出た年だけに予算の話を見送ったようだが、他の新聞が祝える雰囲気ではないと財政を語る感覚が国民の大半だろう。放漫な財政をやめる気配もなく、成長戦略とやらは、未だに影も形もない。マイナンバーのような締めつけの準備を進めるが、本質的な税収増策もない。私は自己防衛に少しずつ動いているが、全体にはどうなのだろう?中国で見られるような国富流出の現象は、今のところ日本では見られない。これが安倍政権への新任なのか、日本の経済や財政を過信しているのかは不明だ。個人的には、地震で生きられるだけの備蓄と同じレベルの対策は、国家破綻にも配慮した方がいいと思う。それが杞憂で終わっても、資産が消えるわけでもない。このまま日本の財政が破綻しない方が私だっていいが…いくら考えろと言っても放蕩をやめない親を、いつまで放置して信じられるだろう?私はとっくに見捨てているし、期待もしていない。ただ、諦めてもいない。生き残るための準備を、些細なりにつづけるだけだ。

人民網日本語版
「国際情勢黄書」発表 「南中国海紛争は来年に緩和の見込み」 (2016.12.22)

中国社会科学院世界経済・政治研究所と社会科学文献出版社は20日に北京で、「国際情勢黄書:グローバル政治・安全保障報告(2017年)」の発表会を共同開催した。同黄書によると、南中国海での紛争が2017年に緩和の軌道に入る見込みだ。フィリピンのドゥテルテ大統領は10月18日、中国の招待に応じて中国を公式訪問した際、二国間の対話を通じて南中国海問題を解決する方針を堅持し、他国の干渉に反対し、南中国海問題の「軟着陸」を実現するとの態度を明確に表明した。分析によれば、フィリピン政府の政策の方向転換は南中国海紛争がこれで終わったことを意味するわけではないが、少なくともコストと利益の理性的なバランスの前では、協力と対話によって国の利益をよりよく維持し、ウィンウィンの結果を実現することができるということを説明している。同黄書は世界の構造と国際安全保障情勢を分析し、中国・米国・ロシアの3大国の関係には変化がみられないとする。2016年に中露関係は新たなステージに進んだが、米露の地縁政治的な問題が際だち、3大国の関係には変化がなく、「新常態」(ニューノーマル)に入ったという、としている。

黄書とやらにどれだけ効力があるのか判らないが、フィリピンとだけ沈静化すれば南シナ海問題が解決するとは到底思えない。埋め立てて、アメリカ大統領に軍事化しないと国家主席が約束した場所に、どんどん軍事施設ができ上がっている。それをアメリカだけでなく、21世紀の国際社会が許容するとは思えない。ロシアでさえ中国を牽制するだろう。着地点も見出さずに拡張主義をつづけても、良い結果にはならない。自国の論理をどれだけ調査、研究しても無駄だ。

Wall Street Journal
中国、ドル高が試練に-国債急落が伝える警告 (2016.12.22)

中国の国債市場では15日、利回りの急騰(価格の急落)を受けて先物取引が一時停止された。その後、中国人民銀行(中央銀行)が沈静化のため短期金融市場に約220億ドル(約2兆5800億円)の資金を供給したことを受け、取引は再開された。人民銀行は金融機関への緊急融資も行い、取引を続けるよう促した。15年6月の株価暴落後に株式取引を停止して余計に混乱を拡大させた当局が、当時の失態から教訓を学んだしるしだ。だが、社債の利回りは上がり続けており、起債は中止されている。人民銀行は今年、信用引き締めに努めてきたが、その力には限界がある。人民銀行、中国銀行業監督管理委員会(CBRC)、中国証券監督管理委員会(CSRC)の3機関が金融機関の監督を担っているため、銀行などは資産をあちこち動かして当局の目を欺くことができる。また、政府内の強力な既得権益勢力は、経済成長目標を達成するために金融緩和を維持したいと考えている。だが、このような成長が持続可能なのかどうか、疑問が深まりつつある。金融緩和のせいで生産性は悪化した。企業は資本統制を巧みに回避し、資金を海外に持ち出してドルに転換する。中国の外貨準備は依然として巨額だが、月ごとに減少している。人民元の急落を防ぐには国内金利の引き上げが必要だろうが、利上げすれば経済成長が損なわれ、破綻する企業も出てくるだろう、としている。

アメリカにとっての為替政策とFRBの利上げ、中国にとっての米国債保有と人民元レートは、南シナ海での緊張、サイバー攻撃のような目に見えない戦争とともに、アメリカと中国の経済衝突の様相を見せはじめている。自国経済を守りながら、本音と建前、牽制発言での混乱情勢や、非公開な大量取引で混乱をつくる…まさに争いだ。まだ、両国は自国の都合で、相手に配慮しながら動いている。アメリカは中国に警戒を促しながら利上げしてきたし、中国は人民元が下がるアクションの前には言い訳を並べていた。だが、トランプ氏になってからの雰囲気は違う。中国は自国の都合で手放したいはずのアメリカ国債を「経済的な攻撃手段として戦略的に売っている」と言い出した。今までの感覚ならあり得ない。経済で闘争するなら、アメリカは1月にはすぐに中国を為替操作国に認定するだろう。
中国は、アメリカだけでなく、自由経済がつくり出したルールの恐さを忘れている。ロシアが原油安でどれだけ追い込まれたか、日本がプラザ合意でどれだけ打ちのめされて現在に至るかを見逃しているようだ。すべてがアメリカの思うままにはならないが、世界の中でシーソーに重りを乗せる権利を誰が持っていて、その重りをどのタイミングで載せると相手が転がり落ちるか。その計算をもっともしたたかにできるのがアメリカだ。
来年、アメリカと中国が経済でも争うなら、ボラティリティはさらに高まる。その波をうまく使って儲けられるうちはいいが、やがて、どこかで手に負えない被害が出る。その兆候は、もう見えはじめている。

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