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2831.報道比較2016.12.22

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エリートに暴利を得られるのは、目立ちたがり屋に賭けて失敗するより腹が立つ。そんな結果を、何度も見てきた1年だ。いまだにエリートは学んでいないし、変わる気もない。エリートは、トランプ氏以上に変わらなければならない。

朝日新聞・社説
もんじゅ廃炉 失敗認め、現実を見よ

高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を廃炉にし、代わりに新たな高速炉の開発を進めて核燃料サイクルは堅持する。政府のこの方針をたとえて言えば、こんなところか。ばかばかしい、では片付けられない。国民の貴重な税金がこれまで大量につぎ込まれ、さらにつぎ込まれようとしている。もんじゅは明らかに失敗だ。廃炉にし、所管する文部科学相が給与を自主返納すれば済む話ではない。1兆円以上かけながら20年余りの間、ほとんど動かせず、さらに廃炉に4千億円近くかかるという。問題の総括が不可欠だ。廃炉の決断が遅れたのは、核燃料サイクルのなかで原発の使用済み核燃料の再処理問題に波及し、原発稼働に影響することを政府が恐れたからだろう。もんじゅ廃炉を契機に、現実を直視し、開かれた議論を通じて、国民が納得する原子力政策を再構築しなければならない。それなしに次の開発に進むことは国民への背信である、としている。

産経新聞・社説
もんじゅ廃炉 総括経て実証段階に進め

政府は福井県敦賀市に立地する日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」(出力28万キロワット)の廃炉を正式に決めた。もんじゅには1兆円を超える国費が注ぎ込まれてきたが、それに見合う成果は挙がっていない。21年前のナトリウム漏れ事故以来、ほとんど動いていない状態が続いている。国は、もんじゅで得られたデータを生かすなどして、次の高速実証炉の開発に進むとしている。日本の将来のエネルギー安全保障を確かなものとする方向なので、それは是である。だが、もんじゅの敗因解明の手を抜けば、実証炉も同じ袋小路に迷い込む。それを防ぐ方策のひとつが評価システムの確立だ。世の中の尺度に合わせた評価が組織内で機能していれば、無責任の連鎖は起きなかったはずだ。実証炉の開発に当たっては、各年の事後評価だけでなく、目標設定が安易に流れるのを防ぐための事前評価と合わせた複合評価システムの導入を提案したい。廃炉工程にも適用し、安全と効率の両立を目指すべきだ。もんじゅを廃炉にしても日本の核燃料サイクル政策は変わらない。日米原子力協定への影響を防ぐためにも、国際社会への正確で速やかな情報発信が望まれる、としている。

毎日新聞・社説
もんじゅ廃炉 サイクル断念が本筋だ

「高速炉ありき」「核燃料サイクルありき」の結論だった。政府は高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を正式決定する一方で、使用済み核燃料を再処理し取り出したプルトニウムを再び燃やす核燃料サイクルの継続も改めて打ち出した。「もんじゅ」は1兆円を超える国費を投入しながら、相次ぐトラブルや不祥事により22年間で250日の運転実績しかない。運営主体である日本原子力研究開発機構は原子力規制委員会から「運営能力がないので交代を」とまで指摘された。福島第1原発の事故から5年9カ月を経て、いまなお仮設住宅や避難先で年を越そうとしている人たちがいる。政府は膨れあがる事故処理や廃炉の費用、賠償費用の負担を広く国民に転嫁しようとしている。そうした現実を思えば、政治が取り組むべき優先課題が高速炉開発でないことは明らかだ。サイクルは断念し、その費用を福島対策に振り向けてほしい、としている。

読売新聞・社説
もんじゅ廃炉 後継開発に失敗の教訓生かせ

政府が、長期停止している日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」を廃炉にする方針を決めた。並行して、後継の高速炉を官民で開発するという。エネルギー資源に乏しい日本の安全保障上、原発の安定利用と、使用済み核燃料を活用できる核燃料サイクルの実現は不可欠だ。長期的なエネルギー戦略を堅持するために、高速炉の開発目標を揺るがすことはできない。経済産業省は来年、関係省庁やメーカー、電力業界と作業部会を設け、実現への行程表をまとめる。もんじゅで得たデータを生かせば、後継炉は実現可能という。廃炉作業も着実に進めねばならない。政府が、関係省庁や電力業界、メーカーとの議論で廃炉方針を決めたことに、福井県の西川一誠知事は「原子力機構が安全に廃炉にできるのか」と不信を募らせる。組織刷新も求めている。政府は、もんじゅ後の地域振興のため、新たな試験研究炉の建設などを福井県に提案中だ。立地する自治体との信頼関係なしに、原発利用は進まない。政府には丁寧な対話が求められる、としている。

産経と読売は、日本の資源がないことを理由に、エネルギー安全保障として原子力への開発の未来に、まだ期待を寄せている。22年間で250日しか動かせなかったのは、日本に、仮に技術力はあると仮定しても、マネジメント能力は原子力を制御するには到底足りないことは明らかだ。これは、おそらく世界もそう見ている。プルトニウムの存在を許容してきたアメリカも、核を保有しながら、外交で大きな利害を持つ中国やロシアも。フクシマの失態…それは地震や津波、そこから派生した原発事故ではなく、事故を政治も、会社も、専門家さえ判断能力を持たず、人災として未だに被害を拡散し、結末を遠のかせている、このマネジメント不在の様だ。この問題を未解決のまま、さらにまだ進みたいとは…政治力だけで進んでいい判断とは思えない。

日本経済新聞・社説
五輪は費用の協議を急ぎ理念の明確化を

国と東京都、組織委、国際オリンピック委員会(IOC)の4者協議で、大会の総経費は最大1兆8千億円と示された。このうち組織委が負担できるのはチケット代金やスポンサー収入など5千億円程度とされ、残る1兆円以上を都や国の公費で分担することになる。不断に経費を圧縮する努力と同時に、納税者への丁寧な説明が求められよう。巨費を投じたかいがあった、と国民やアスリートが納得できる大会運営に知恵を絞るべきだ。8月に就任した小池百合子都知事は、費用分担のあり方よりもボート・カヌーの会場など3つの施設の見直しに注力してきた。今ふり返れば、この作業は必要以上に長引いた観がある。最後まで残ったバレーボール会場も結局は、予定通り東京・有明アリーナを新設することで決着した。知事が主張した横浜アリーナの活用案は、すでに11月下旬の4者協議の段階で困難だったとみられるだけに、時間を空費した印象はぬぐえない。巨額の経費を考えると、招致の時に掲げた「コンパクト五輪」のスローガンは色あせたと言わざるを得ない。財政難から開催に手をあげる都市が減るなか、人類の遺産である五輪のバトンをどうつないでいくのか。明快で骨太の理念が求められている、としている。

いつの話をしているのか?という程、今までの計画は白紙になり、これから4年で起きることはまるで見えない。これでは、ますます日本人はオリンピックに冷めていくだろう。盛り上がるのは、いつも不祥事の話ばかり。いまだ未定ばかりなのだから、盛り上がれと言う方が難しい。今後、さらにこのお荷物感、無駄を痛感させられるのではないか。期待しているのは政治ばかり。オリンピックの価値とは何なのだろう?

人民網日本語版
中国・ノルウェー関係の立て直しは国家関係の発展において守るべき規則を示す (2016.12.20)

ノルウェーのブレンデ外相が19日に中国を訪問し、両国は両国関係の正常化について声明を発表した。これはノルウェー側が対中関係を将来どう処理するかについて明確な約束をした上で、両国関係が正常な道に戻ったことを意味する。2010年、ノルウェーのノーベル委員会は中国の法律を犯し、中国の司法機関によって懲役刑を言い渡された劉暁波氏に平和賞を授与した。中国の法律を無視し、中国の内政に干渉するこの粗暴なやり方に、中国の政府と国民は直ちに断固として反対し、国際社会も幅広く批判した。まいた種は自ら刈り取れ。現在、ノルウェー政府は過去の過ちについて深く省察し、問題解決の誠意を示し、中国側と同じ方向に向かうことを選択し、両国関係に新たな1ページを開くための可能性をもたらした。中国・ノルウェー関係の立て直しは、ノルウェーが将来の対中関係をどう扱うかについて明確で重要な約束をしたことが前提だ。19日発表の両国関係正常化に関する中国とノルウェーの声明は、ノルウェー政府が「1つの中国」政策を堅持し、中国の主権と領土の一体性を十分に尊重し、中国の核心的利益と重大な懸念を大きく重視し、中国側の核心的利益と重大な懸念を損なう行為を支持せず、両国関係が今後損なわれないよう全力を尽くすと明記している。未来を展望すると、ノルウェーが約束をしっかりと順守し、中国側と共に両国協力の推進に尽力し、両国民に幸福をもたらし続けさえすれば、両国関係には大きな発展の展望が開ける、としている。

欧米も含めて、中国の経済力に屈するように関係を改善する国がしばしば見られる。ただ、オーストラリア、カナダ、イギリスも以前は経済優先だったが、今は中国外交にはしたたかさと厳しさを見せはじめている。移民の受け入れは制限し、資源系への投資は却下がつづく。経済協力や投資も、期待ほど大きく増えてはいない。もう潮目は変わったようにも感じる。ノルウェーが何を前提に関係改善を言い出したのかは不明だが、今後、中国の経済力が低下すれば、高圧的な態度はさらに通用しなくなる。いつまで中国は、こんな態度の外交をつづけるだろう?

Financial Times
オーストラリア経済、25年の不況知らずも終わり? (2016.12.20)

オーストラリア政府が経済成長予想を下方修正した。向こう4年間で財政赤字が従来予想より大きくなると予想しており、誰もがうらやむトリプルA格付けをオーストラリアが失うのではないかとの懸念が高まっている。国内総生産(GDP)成長は今年2%になると予想し、従来予想の2.5%から引き下げられた。政府の報告書は、財政収支が2019/20年度に100億豪ドル、GDPの0.5%相当の赤字になると予想している。それでもオーストラリア政府は、2020/21年度までに財政均衡を図る目標へのコミットメントを繰り返した。鉱業投資ブームの終焉からの逆風に見舞われているオーストラリア経済は、今年第3四半期に縮小しており、景気後退が1度もない25年連続の経済成長の記録が危うくなっている。マルコム・ターンブル首相率いる政府は、上院の野党と無所属議員との予算節減の交渉でまちまちの成果しか収めておらず、およそ132億豪ドルの予算是正措置が阻止された。中間見通しは、向こう4年間で、累計の赤字が5月予算での予想と比べ104億豪ドル拡大することを示している。純債務は2018/19年度にGDP比19%でピークを付けると予想されている、としている。

オーストラリアは、為替以外では、旅行と中国関連の資源国、くらいしか縁がない。つまり、為替がもっとも付き合いが深い。今回のFinancial Timesの記事を見て、真っ先に考えたのが、為替と金利はどう動くか?だ。
先進国にして、高金利。安定した政治。世界が超低金利になる中、豪州の金利は魅力だった。資源国としての将来は、中国の低迷で魅力は薄れている。長い目で見れば通貨価値は下がる可能性が高い。金利は、インフレになるか、格下げを相殺するための利下げがあるかで変わる。その反応は、さらに通貨価値を下げるだろう。FXはいいとしても、外貨預金は金利と魅力的なレートの時に、別の通貨にシフトも想定した方が良さそうだ。

Wall Street Journal
米国は停滞する運命にあるのか (2016.12.21)

オバマ政権下で全ての数字が悪化したわけではない。例えば納税にかかる時間はやや短くなっている。だが大勢は明らかであり、それは現在の米国での、そして米国に関する、最も重要な議論の中心に関わってくる。米国は誰が大統領かにかかわらず、日本と欧州が見舞われているような長期的な経済停滞に追い込まれるのだろうか。それとも、1980、90年代のような成長を再現できるのだろうか。停滞を示す例はマクロ経済から見て取れる。労働力はかつてのようには拡大していない。技術革新は過去と同じようには生産性を押し上げていない。貯蓄は多すぎ、投資は足りない。悲観論者によれば、広範な指標は全て下を指している。ジョージ・メイソン大学マルカタス・センターによる最近の試算によれば、80年以降、規制は年間国内総生産(GDP)を0.8%押し下げており、失われたGDPの累計は4兆ドルに上る。低成長という謎の解明に努める経済学者は、この試算をとっかかりにするのがよかろう。言葉作りの世界に住み、なぜ人々が怒っているのか当惑し、米国政治で何が起きたのか理解しようとしている私たちも同様だ、としている。

この記事を書いたWall Street Journalの上級職の人物も含め、エリートと呼ばれる層がなぜ嫌われているのか、ヒラリー・クリントンがなぜ大統領になれなかったのか…この記事に匂う傲慢さに触れれば判る気がする。エリートと呼ばれる人たちは、何ら生産していない。邪魔するだけのルールを作り、自分の作った仕事でカネを稼いでいる。そのルールが邪魔だと文句を言って人気を集め、そのルールを壊してまたカネを稼ぐ。マッチ・ポンプを繰り返し、収入があるのはエリートだけ。この様に、ほとほと嫌気が差している民衆は、人種や民族に関係なく、世界中に存在する。
これを変えられる資格があるのは、エリートではない。トランプ氏はその役目を期待されて当選した。たしかに今までのエリートではないが富裕層。自らの首を絞める法を作れる誠実さは、感じたことはない。ただ、今回、またエリートの原稿を読んで、そして、日本のもんじゅへの対応を見て、さらに痛感した。エリートに誠実さを求め、改心を期待する人はいない。そして、期待してはいけない。彼らは、自らの懐しか見ていないし、すべての国民の利益など考える気はない。考えたら…もんじゅの次に原子炉を作るなど、考えるはずがない。エリートの方々には申し訳ないが、あなた方よりは、馬鹿を見てもいいからアウトサイダーに賭けるというのが人間の性のようだ。エリートにさらに暴利を得られるのは、目立ちたがり屋に賭けて失敗するより腹が立つ。そんな結果を、何度も見てきた1年だ。
いまだにエリートは学んでいないし、変わる気もない。それだけは判った。彼らのやり方に未来はないというのに。エリートは、トランプ氏以上に変わらなければならない。

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