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2825.報道比較2016.12.16

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昨年、何度も予告して利上げしたFRBは、その後1年を要した。今年は、クラッシュ・タイマーの話題は、まるで見かけない。もし、熱狂で忘れているなら、いよいよ危ない。

Wall Street Journal
トランプ「熱狂」と距離を置くFRB (2016.12.15)

中央銀行は政治と距離を置くべきものだが、11月の米大統領選以降、連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーらは政治を意識してきただろうか。大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利すると、株価と債券利回りは急上昇し、経済が活気を取り戻し始めた。それでも連邦準備制度理事会(FRB)は14日、金融政策の正常化に向けたスローモーションのような足取りをほとんど変えることはなかった。現在のFRB理事・職員は、減税や規制緩和の景気押し上げ効果は限定的と考えるケインズモデル(需要重視モデル)を信奉している。そのため、トランプ氏と議会の政策ミックスに対するFRB理事らの高揚感は、投資家の高揚感ほどではないのかもしれない。事実、イエレン議長は14日の記者会見で、大統領選後に見通しを調整したFOMCメンバーは少数だったと強調した。こうしたFRBと市場の食い違いによって、FRBの政策の(少なくとも短期的な)重要性が薄れつつあることが明るみに出た。何年も前から投資家はFOMCが発する一語一句に熱心に耳を傾けてきた。それが今では立場が逆転した。FRBは1年間も利上げに踏み切れず、満期を迎えた保有債券の償還金再投資を続けてきたが、市場は長期金利を押し上げた。投資家の注目は、トランプ次期政権での企業投資や雇用創出の促進を狙った政策に移っている。これは朗報だ。だが、経済成長率が年3%にさえ届かない期間が10年続いた後では、金融政策主導ではない「熱狂」という危険を喜んで冒すというものだ、としている。

産経新聞・社説
米金融政策 利上げペースには注意を

米国が1年ぶりの利上げに踏み切った。連邦準備制度理事会(FRB)が雇用改善や物価上昇を踏まえて判断した。米国の金融政策の変更は、世界の資金の流れにも大きく影響する。利上げが新興国の通貨安や資本流出を加速させて悪影響を及ぼさないか、警戒を続ける必要がある。トランプ氏は巨額のインフラ投資や大幅減税を掲げる。これを受けて市場では株高やドル高、金利の上昇が進んだ。今回、FRBが想定する来年の利上げ回数が従来の2回から3回に増えたのも、次期政権下でインフレ圧力が高まる可能性を踏まえたためだろう。しかし、「トランプ相場」は期待先行の面が強く、実際の政策運営は予断を許さない。財政赤字の拡大や保護主義的な政策が米経済の重しになる恐れもある。FRBはこれらを見極めて柔軟に政策を展開しなければならない。輸出重視のトランプ氏がドル高を放置し続けるのかという問題もある。為替の変動に一喜一憂するのではなく、これに左右されない収益基盤を築くことが肝要だ、としている。

日本経済新聞・社説
米利上げは超低金利時代の転機となるか

米連邦準備理事会(FRB)は14日開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、大方の予想通り政策金利を0.25%引き上げた。米国経済の着実な改善を映した決定だ。今後の金融政策運営はトランプ次期米大統領が実施する経済政策によって変わりうるが、緩やかな利上げが続く公算が大きい。米国への資金流入が加速するとの見方もあり、海外資金に依存する新興国は十分な備えが必要だ。米国の成長回復やドル高傾向が続けば、マイナス金利政策を採用している日欧の金融政策にも影響を及ぼすだろう。金融危機以降、先進国で続いてきた超低金利時代が転機を迎える可能性もある。今後の金融政策や金利動向は、トランプ次期政権の経済政策によって影響を受ける。金看板に掲げている大型減税やインフラ投資がある程度実現すれば、成長を加速させ、米長期金利やドルのさらなる上昇に結びつく可能性がある。注目されるのは日本や欧州など超低金利国への影響だ。マイナスに沈んでいた日欧の長期金利はすでに底打ち傾向を見せているが、米国の金利上昇や経済回復が続けば上昇圧力が高まるだろう。保護主義的な姿勢などトランプ氏の政策運営には不安もあり、その意味では米国経済やドル相場の行方はまだ不透明だ。日米欧の金融政策当局者は様々な角度からリスクを見据えていく必要がある、としている。

利上げはクラッシュ・タイマーのスイッチを押すようなもの…とは、マーケットに関わる人たちが良く言う言葉。昨年、何度も予告して9か月後にこのスイッチを押したFRBは、次のステップまで1年を要した。今年は、このクラッシュ・タイマーの話題は、まるで見かけない。トランプ・ラリーが影響しているのだろう。もし、熱狂で忘れているなら、いよいよ危ない。だが、まだ最後のセリフは聞こえてこない。「今回は、特別。」トランプ氏を好む人たちが言いそうだ。私は、今年1年、ベアを積み上げてきた。おかげで今はすごい赤字。今のところ、公開したことはない。最後の仕上げに、この年末の20,000ドルの声と共に買おうと思う。投機よりは投資。どっちだ投機だ?と言われそうだが…世界の投資家は今、みな同じ悩みを抱えている。

自分が投資家それとも投機家かを知ろう by Wall Street Journal

朝日新聞・社説
カジノ法成立 課題の解決策を示せ

カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備を政府に促す議員立法のカジノ解禁法が国会で成立した。刑法が禁じる賭博にあたるため日本で認められてこなかったカジノの合法化に対し、国民の抵抗感は強い。自民党と日本維新の会を中心とする推進派が異論を押し切り、法成立を急いだことは極めて残念だ。カジノ解禁法は、施行後1年以内をめどに、規制基準や必要な対策を盛り込んだ実施法の策定を政府に義務づけている。課題の解決も丸投げした格好だ。最も懸念されるギャンブル依存症に関し、推進派は国会答弁で、競馬、競輪などの公営競技やパチンコといった既存ギャンブルの弊害であり、カジノ解禁を機に政府に対策強化を求めると繰り返した。IR事業者から国や自治体が徴収する金の一部を対策に充てる考えも示した。公営競技と異なり、純民間業者が営むカジノをどんな論理で賭博罪の例外にするのか。やはり民営のパチンコは「脱法」のギャンブルでいいのか。こうした難題も積み残されたままだ。今後の法整備を、政府は性急に進めてはならない。一つひとつの課題について、解決策をじっくり考えるべきだ、としている。

読売新聞・社説
カジノ法成立 深刻な副作用踏まえ再考せよ

統合型リゾート(IR)の整備を推進するためのカジノ解禁法が成立した。自民党、日本維新の会などが賛成した。参院審議で、議員立法の法案は修正された。だが、カジノの悪影響としてギャンブル依存症を例示し、5年後の見直し条項を追加する、小手先の修正にすぎない。カジノには、マネーロンダリング(資金洗浄)や、暴力団の関与、青少年への悪影響、風紀の悪化など、様々な問題点が指摘される。これらにきちんと向き合わないのは、立法府として無責任だ。カジノは、パチンコ、競馬・競輪より高額の金が動くという。借金を重ねた末、犯罪や自殺に走り、家族離散を招く人が増える。それを承知しながら、なぜカジノを導入せねばならないのか。推進派が主張する経済効果も、慎重な吟味が必要だ。海外には、観光・地域振興への貢献は一過性にとどまり、衰退した事例がある。アジアでは、マカオ、韓国、シンガポールなど競争相手も多い。新たな付加価値を生むこともなく、客の負け分に依存する。そんな不健全な成長戦略に安易に期待することは慎まねばならない、としている。

朝日は連日批判、自民党に肩入れする読売さえ批判するカジノ。経済効果が出て税収増になった瞬間に手の平を返さなければいいが。日本の国民性にもっとも親和性の高いギャンブルは宝くじだと思うが、競馬やパチンコより遊ぶのにカネが必要なカジノにどんな事業としての称賛があるのか、期待している経営者、投資家にはぜひ聞いて見たい。外資の参入、観光客ニーズ、富裕層の娯楽…私はどれも懐疑的だ。暴力団の関与は日本の特殊事情になるだろうが、もし現実化したら、国際的な非難を浴びる最悪のシナリオだ。カジノがオリンピックとどうつながるのか、地方の観光になぜ貢献すると思うのか、この点さえ疑問を感じる。いずれにしても、昨日のとおり。気に入らなければ近づかなければ、商行為で税を投じるわけでもないなら、ニーズがなければ数年で消える。ここに税を投じるとなれば別問題だが、その一線を死守するなら、TPPより時間の無駄になる法案だろう。ここまで嫌うなら、カジノを担ぐような広告や記事をメディアが拒否することを期待している。

毎日新聞・社説
オスプレイ大破 住民を危険にさらすな

沖縄で米軍の新型輸送機オスプレイによる重大事故が起きた。事故機は沖縄県・米軍普天間飛行場に配備されているもので、名護市沖約80メートルに落ち、機体は大破した。米軍によると、事故は夜間の空中給油訓練中に起き、オスプレイのプロペラが給油ホースを切断した影響で損傷したことから、陸地を避けて浅瀬に「不時着」したのだという。「機体の問題ではない」と説明し、「墜落」ではないと強調している。同じ日の夜、別のオスプレイが機体脚部の不具合により、普天間に胴体着陸したことも明らかになった。オスプレイは、沖縄だけの話ではない。米軍横田基地(東京都)にも配備される計画で、陸上自衛隊も導入を進める。日本全体の問題だ。今回の事故では、日米地位協定が壁となり、日本側が捜査できないことが改めて浮き彫りになった。米軍だけの調査で片づけられ、日本側は追認するという仕組みの問題は明らかだ。日本側も捜査できるよう地位協定を見直す必要がある、としている。

沖縄でなければ、アメリカもここまで神経質にならなくて良かっただろう。沖縄とアメリカの相性は、最近どんどん悪くなるようなタイミングの悪い不幸がつづいている。これがただの偶然なら、今の日米関係なら、再発防止で住む話で終われる。だが、通常、こういう事故は、表にでないレベルのトラブルが潜んでいる。それが沖縄の近くで行われているなら、神経質な今の時期は危うい。地位協定の話題まで超越するのは難しいだろうが、情報が共有できる体制は必要だ。特に、緊張のつづく沖縄では。

人民網日本語版
日本の中国を「市場経済国」と認めないあからさまな態度の理由は? (2016.12.15)

日本の経済産業省は8日、中国の世界貿易機関(WTO)での立場について、引き続き「市場経済国」と認定せず、高税率の反ダンピング関税を課しやすい仕組みを維持する方針を発表した。日本の姿勢は、欧米が最近、各ルートを通じて表明している立場と本質的に同じであるものの、欧州連合(EU)や米国がストレートではなく遠まわしにその姿勢を示しているのと正反対に、あまりにもあからさまだ。その姿勢は、日本の政治が自立しておらず、戦略の目に欠けているという、根本的な問題を映し出している。日本が同問題をめぐってあまりにあからさまな態度を示しているのは、保護貿易の手段でもある。世界経済がなかなか回復の兆しを見せない中、各主要エコノミーは、貿易の低迷という苦境にほぼ例外なく直面している。日本の税関の統計によると、2015年、日本の輸出入は前年比15.3%減の1兆2736億4千万ドル(1ドルは約115円)で、貿易赤字は235億6000万ドルに達した。しかし、日本は積極的に円安誘導政策を展開し、貿易の状況は昨年以降、改善が続いている。日本の関連政策を見ると、中国や外部の世界と日本経済を関連付けることやウィンウィンの共存を無視する選択をしている本当の姿が見える。15年、中国と日本の二国間貿易額は計2698億6000万ドルで、日本の年間貨物輸出入総額の約21%を占めていた。一方、中国の年間貨物輸出入額に占める割合は7%に満たなかった。つまり、中国と日本の間に貿易摩擦が発生すると、どちらにとってより一層不利な状況になるかは目に見えている、としている。

関税率の話題では、ずいぶん挑発するようだが、この話題と発展途上国という認識での援助は日本にしてみればトレード・オフだ。フェアにしたいなら、何もかもフェアがいい。突然、レア・アースを売らないとか、いきなり韓国の会社に撤退を強いるようなことも控えてくれるなら、こういう挑発でも日本側が反省すると思うが、今の状況ならお互い様だ。

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