ORIZUME - オリズメ

2818.報道比較2016.12.9

2818.報道比較2016.12.9 はコメントを受け付けていません。

安全保障も、税制も、手法はいっしょ。小さなことをいじり回している。キャッチフレーズほどの法案は、いつも出てこない。

朝日新聞・社説
所得税 「再分配」へ抜本改革を

政府・与党が来年度の税制改正大綱をまとめた。所得税について、今回仕組みの変更を決めた配偶者控除を第1弾として、来年度から各種控除を見直していくとうたった。所得税は消費税や法人税とともに基幹税の一つだ。安倍政権は、消費税と法人税については大きな政策変更を実施してきたが、所得税では部分的な手直ししかしていない。単身・独身世帯が増え、非正規労働が広がる。暮らし方や働き方が様変わりし、賃金が伸び悩む中で、国民には格差拡大への不安や不満が高まっている。ところが、配偶者控除の見直しではそうした観点は素通りした。それどころか、パートで働く配偶者が就業時間を増やしやすくする目先の対応が優先され、仕組みを温存・拡大することになった。改革は出だしからつまずいた。政府・与党はいま一度、理念と目標を確認してほしい、としている。

産経新聞・社説
税制改正大綱 活力ある社会に資するか

自民、公明両党がまとめた来年度の税制改正大綱からは、いかにして活力ある社会を構築していくか、という明確な意思が伝わってこない。たとえば、「女性の社会進出を促す」と安倍晋三首相が意欲をみせた所得税改革は、配偶者控除の見直しにとどまった。パートの優遇税制にすぎないとの指摘さえある。小手先の改革に終始せず、所得再配分につながる抜本改革に政府与党はもっと踏み込むべきだ。税制大綱は改革の大きな方向性も示さないまま、「今後数年間をかけ、控除見直しに取り組む」とした。社会の活性化だけでなく、格差を是正する観点からも所得の再配分は不可欠だ。高所得層の公的年金等控除の縮小なども、避けて通れない課題である。少子高齢化に対応し、子育て支援を拡充するには、安定した社会保障財源の確保が重要だ。消費税増税の必要性は変わらず、税と社会保障の一体改革の議論も含め、思考停止に陥ってはならない、としている。

日本経済新聞・社説
働き方改革への決意が見えぬ税制改正

与党が2017年度の税制改正大綱をまとめた。日本経済活性化のカギを握る働き方改革を、本気で税制面から後押ししようという決意が見えない内容だ。焦点の所得税の配偶者控除は小手先の見直しにとどまった。政府・与党は速やかに所得税の抜本改革や、社会保障と税の一体改革の検討に入るべきだ。主に専業主婦世帯の所得税を軽くする配偶者控除は、2018年1月から見直す。38万円の所得控除を受けられる配偶者(妻)の年収の上限をいまの103万円から事実上150万円に引き上げる。年収を103万円以下に抑えようと就業を調整する「103万円の壁」があるため、150万円に上げることで今より長く働きやすくするという。しかし、単に壁を高くするのは安易な対応だ。日本では人口減が進み、人手不足が広がっている。生産性を高めつつ、意欲のある人がもっと働きやすくする改革を断行しないと、日本経済の実力である潜在成長率は高まらない。IT(情報技術)化やグローバル化が進み、これから働き方はもっと多様になるだろう。それを阻むことがないように所得税の控除のあり方も総点検するときだ、としている。

読売新聞・社説
与党税制大綱 社会保障財源の視点に欠ける

2017年度与党税制改正大綱が決定した。焦点だった所得税の配偶者控除の見直しは、満額が控除される配偶者の年収上限を103万円から150万円に引き上げる。財源を捻出するため、世帯主が高所得者の場合は制度の対象から外す。パート労働の就労時間を年収103万円に抑える「103万円の壁」は崩したが、新たに「150万円の壁」を築いただけで、本格的な女性の働き方改革にはつながるまい。フルタイムの共働き世帯の不公平感も残されたままだ。社会保障・税一体改革の財源となる消費税の増税が19年10月に延期された。大綱は確実な引き上げと軽減税率の導入を確認した。増税は財政健全化の狙いを示すにとどまり、実施までの代替財源の必要性には触れていない。税と社会保障の将来像が見えてこなければ、国民の不安は払拭されないだろう。消費を喚起してデフレ脱却を果たすためにも、政府・与党は、現実的な一体改革の姿を示すべきである、としている。

毎日を除いて、国内各紙の話題は税制改正。一紙も評価しない、小手先の改革で終わったという印象は、国民全体の感覚だろう。来年度に所得税をやると宣言したのが、今回の作業の一番の要点かもしれない。いずれにしても、遅い。何をしたいのかは、未だに見えない。アベノミクスは、いつまでたっても絵に描いた餅さえ出てこない。安全保障や憲法論をようやく止め、ずっと放置していた経済に1年使っても、大した成果はなかった。アベノミクスはすでに3年以上経過。日銀が決めたインフレ・ターゲットは、原油が上がり、海外の金利が上がりはじめれば、外的要因で目標は達成されるだろう。いま、インフレになると思うだろうか?ならない。スタグフレーションになる。3年間で、まるで新たな産業の息吹も、注力したい分野も見えてこない。オリンピックと建設系の公共事業では、一時的に景気が高揚するだけで、賃上げにも雇用にもつながらない。借金だけが積み上げるだけで、何年やっても結果は同じだ。そんな中、税の話は過半数を得ても暴走はできない。安倍政権の実力は、こんなものだろうか?期待を裏切ってくれる日は来るだろうか?

毎日新聞・社説
国際学力テスト 基礎になる豊かな言葉

経済協力開発機構(OECD)の2015年の学習到達度調査(PISA)で、日本の「読解力」が前回4位から8位に落ちた。一方、他の2分野、「科学的応用力」は4位から2位へ、「数学的応用力」は7位から5位へ上昇した。文部科学省は、2分野の上昇は授業時間増加など「脱ゆとり」課程の成果とする。読解力の成績低落については「今回導入されたコンピューター利用の出題・解答方式に不慣れなのが一因」と推論するとともに、まとまった長文を読み解き、自分の言葉で表現する力や語彙(ごい)の不足もあるのではないかとみる。それは専門家や学校教育現場からも指摘されるところだ。今回PISAは日本の読解力に課題があることを示した。語彙の不足に対し多様で豊かな言葉を身につけるという課題を示したともいえる。工夫された読書計画や実りあるディベートなど、先進校の取り組みや研修の成果を共有したい、としている。

毎日の方針の主張には賛成するが、こどもとともに大人を何とかして欲しい。今の大人は、議論さえまともにできない人ばかりだ。彼らが相手では、こどもは模範さえイメージできない。素直に「いまの大人は議論ができない」と言い切って、題材は海外に得るべきだ。世界には多様な表現が存在する。型をはめることも少ない。それが、新たな表現を生む。日本のシステムでは、それがお気にくいが、これを変えるには時間がかかる。その間、さらに議論できない大人を増やすのは無駄だ。変わるために、いまの大人が反省しなければならない。

人民網日本語版
外交部、第6回中日高級事務レベル海洋協議が開催 (2016.12.8)

中国外交部(外務省)ウェブサイトによると、外交部の陸慷報道官は7日の定例記者会見で「中日双方は第6回高級事務レベル海洋協議を開催する」と表明した。
 陸報道官は「双方の協議により、第6回中日高級事務レベル海洋協議が12月7日から9日まで海南省海口市で行われる。双方の外務、防衛、海上法執行、海洋管理当局などの関係者は会議に参加する。中日高級事務レベル海洋協議制度は、海洋問題に関わる双方の総合的な意思疎通と調整の制度だ。中国側は今回の協議で日本側と関心を共有する海洋関連の問題について十分に意見交換し、相互理解と相互信頼を深めることを期待する」と表明した、としている。

アメリカの変容は、日本と中国の関係にも当然影響を与える。緊張してもいいが、できれば理解し合い、信頼できる関係を取り戻したい。牽制よりは、対話だ。

Wall Street Journal
ECB総裁、テーパリングは否定 量的緩和延長も4月から減額で (2016.12.9)

欧州中央銀行(ECB)は8日に開いた定例理事会で、量的緩和策の期限を9カ月延長し2017年末までとすることを決めた。政策金利は全て据え置いた。ドラギ総裁は記者会見で、今回の決定はテーパリング(量的緩和の段階的縮小)への動きではないとの考えを示した。「テーパリングはきょう議論されなかった」とし「ECBは市場に長い間存在し続ける」と述べた。ドラギ総裁は9カ月延長の必要性を説明するにあたり、ユーロ圏の「緩やかな」景気回復は「固まりつつある」ものの、インフレ圧力が依然として「抑えられている」ことに触れた。域内の物価上昇率はECBの2%弱との目標を4年近く下回り、11月も0.6%にとどまった。ECBのエコノミストの経済見通しでは、物価上昇が17年と18年に加速するものの、19年時点でも1.7%で目標水準に満たないとされている、としている。

ECBは陶酔している今のアメリカの雰囲気に流された決断をすることはなかった。年明けに、がらっと変わった風景が広がっているかもしれない。今年の年明けを忘れた人は、金融業界にはいない。ヨーロッパ経済は、まだ出口を探せる段階にはない。経済だけでなく、来年の政治リスクを勘案しなければならないほど、雰囲気も悪い。ECBが言う「来年の想定外の悪材料」の材料になる選挙も多い。明るく見えているのは、今のマーケットだけ。その参加者さえ、来年早々には現実が待っていることを意識しながら踊っている。

Comments are closed.