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2813.報道比較2016.12.4

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週末も、世界は止まらずに動きつづける。このギャップをうまく使う人は進み、無駄にすると引き離される。新聞と同じになってはならない。日本の新聞は、週末、完全に時間が止まっている。

人民網日本語版
習近平国家主席がキッシンジャー元米国務長官と会談 (2016.12.3)

習近平国家主席が2日、北京の人民大会堂で、中米関係シンポジウムのために訪中しているキッシンジャー元米国務長官と会談した。習国家主席は、キッシンジャー氏が長年、中米関係の発展に積極的な貢献してきたことに賛辞を送り、「長期的かつ健全で安定した中米関係は両国民の根本的な利益に合致し、アジア太平洋地域や世界の平和、安定、繁栄にもつながる。国交が正常化して以降、両国関係が発展してきたことは、中米間の共同利益は、相違よりはるかに大きいことを証明してきた。現在、米国は政権交代の段階にある。我々は米国と共に努力し、中米関係を新たな出発点から安定した発展を継続させ、新たな段階へと押し上げることを願っている」と述べた。一方、キッシンジャー氏は、「中国とは古くからの友人である私と、習国家主席が再び会談してくれたことに感謝する」とし、「米中関係の発展に貢献できることは大変光栄だと思う。米中関係は両国や世界にとっても非常に重要である。米国の新政権も、米中関係の安定した持続的発展の推進を願っていると信じている。米中の相互理解や交流・連携を促進するために、引き続き積極的に取り組んでいきたい」と応じた、としている。

日本の社説は、週末は時間が止まっているのだろう。トランプ氏が台湾の総統と電話会談して話題になっている。オバマ氏のような鮮やかさはないが、世の中のインパクトを与えたい場所に、何をすればどんな結果が得られるかは、トランプ氏もしっかり判っている。日本でこの手の演出をできる人は、政治にも経済界にも少ない。強いて言えばソフトバンクの孫氏がセンスは持っている。
中国政府は相当神経を逆なでされた反応を示した。ただ…このキッシンジャー氏との会談が、トランプ氏を意識させたのでは?という気もする。トランプ氏は中国と対話する意志はあるが、主導権は絶対に自分のもの。その挑発をしたように見える。中国は柔和姿勢を演出したいのだろうが、「無条件で笑顔で握手するような関係ではない」というのがトランプ氏の回答のようだ。トランプ氏は本気で中国を挑発し、何かの利益を得るまで引き下がらないだろう。その結果が、日本にとってメリットになるように振る舞うのは…アメリカの後ろで狡猾に動くことではない。中国をなだめ、アメリカをなだめる仲介をすることだ。安倍氏にそれができるだろうか?おそらくできない。結果、中国とはさらに距離ができる。それは日本にとって、相当ネガティブな未来だ。本当に保護主義を嫌うなら、アメリカに迎合するだけでは最悪の結末になる。いま対話しなければならないのはアメリカではなく、中国だ。

Wall Street Journal
ムニューチン氏の発言にウォール街が安心できる理由 (2016.12.2)

ドナルド・トランプ次期米大統領が第77代の財務長官に指名したスティーブン・ムニューチン氏のことを、金融サービス業界は最近まであまり詳しく知らなかった。だが、同氏がウォール街の話に耳を傾けてくれる可能性を示す証拠がある。ムニューチン氏は、2010年に成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)に批判的な多くの人々と同様に、同法は複雑すぎて銀行融資の減少を招いていると批判した。一方、ドッド・フランク法が「大きすぎてつぶせない」銀行の問題解決につながっていないことには言及しなかった。米下院金融サービス委員会のジェブ・ヘンサーリング委員長をはじめとする他の財務長官候補はこの点を批判していた。もしムニューチン氏がこの批判に疑いを抱いているとすれば、ドッド・フランク法が一段と厳しい規制に取って代わられることを心配している大手銀行にとって朗報だろう。トランプ政権は、ウォール街との関係が深いムニューチン氏や投資家を要職に指名したことで、すでに批判にさらされている。マンハッタン連邦検事のプリート・バララ氏によると、こうした批判を受けてトランプ氏は11月30日、同検事に現職にとどまる意思があるかどうか尋ね、バララ氏は留任に同意した。同氏はウォール街の不正行為を厳しく追及することで知られている。時間がたてば分かるだろうが、トランプ氏の規制政策チームは規制縮小に向けてまとまりつつある、としている。

私が情報源にしているPodcastやマーケット情報のサイトでは、トランプ氏が人材の選ぶ時の状況を、冷徹に分析している。
誰も、トランプ氏の政権に入ったというキャリアは求めていない。だから著名な有能人材は政権に登場しない。
トランプ氏は、自らが大統領を辞任するまで、自分のビジネスが損するような法は作らないし、作らせない。だから不動産、富裕層、法人にネガティブな法は骨抜きになる。
ムニューチン氏がどんな人かは、まるで知られていないし、的確な主義・主張を持った人材なのかも不明だ。ただのトランプ氏の犬かもしれない。大統領ひとりでは何もできない。アメリカには議会があり、有能な人材がいくらでもいるというのが、トランプ政権のリスクを軽視する主張の核だったが、こうして人選が決まっていくにつれて、リスクは決して小さくなっていない、むしろ暴君化を助長していないかが気になる。大統領候補を選ぶ時、共和党はトランプ氏を止めることさえできなかった。同じ図式がこの先起きた時、議会が大統領を適切に止められるとは、とても思えない。Wall Street Journalは悠長に見過ぎていないだろうか?

日本経済新聞・社説
トランプ氏の政策で市場は安定するか

米国の次期大統領に共和党ドナルド・トランプ氏の就任が決まって以来、米国の長期金利が上昇し、外為市場ではドル高・円安が進んでいる。日米ともに株価も上昇基調を強めてきた。最大の懸念の一つは、トランプ氏の保護主義的な姿勢が実際に表れ始めた点だ。自国の空調大手に働きかけメキシコへの生産移転をやめさせたうえ、北米自由貿易協定(NAFTA)を「まったくの災害」と批判した。政治権力が民間企業の投資にここまで介入するのは、米国では極めて異例だ。多くの企業が米国に拠点を構える日本としても看過できるものではない。いずれにせよトランプ氏の経済政策は中期的に見て、世界の経済や市場を不安定にする要素を多分に含むと考えられる。財務長官や商務長官など、米次期政権の経済閣僚の顔ぶれが固まってきた。知日派とされる人物も含まれる。日本の政府や企業は円安・株高に安心するのではなく、次期政権との人的つながりを築き、トランプ氏の経済政策の分析を急ぐべきだ、としている。

私なら、アメリカに今さら人的なつながりなど作らない。むしろ中国に関係を強化する。トランプ氏の経済政策?ないと思う。いま、思い付きで言った部分と、実行できること、できないこと、その効果とリスクを模索しているだろうが、ブラフをかけて、世が驚き、効果が出ているうちにサインさせる。支持率が落ちればアメをばらまく素振りを見せる。もともと、ご都合主義といわれるアメリカが、さらに思い付きで大統領が行動するようになる気がする。たとえば、株価が上がって喜んでいるが、ドル高がまずいとなれば、いつ牽制するかを狙う。うまくドルが下がった時に交渉する準備を整えて吠える。アップルの社長と話した、ビル・ゲイツと話したと言いながら、メキシコに移転を狙う会社を聞きつけたら、電話する。目的は、止めるためよりは、注目を集め、記事に書かせ、騒がせるためだ。騒いでいるうちにメキシコ政府と協議する。脅し、なだめ、サインさせたら終わり。思い通りになれば放置され、効果が出なければ怒りの連絡が不意打ちで届く。扇動家の典型的なスタイルだ。
そういう相手と、どれだけ関係をつくっても意味がない。思い通りにならなければ、平気でクビにするボスだ。周りにはイヌと傭兵ばかりが集まる。それなら、トランプ氏が目をつける相手と、すべてつながる方がいい。ロシアも、中国も、台湾も、フィリピンも。日本がアメリカより信頼できると思ってもらえれば、それでいい。世界中がトランプ氏に困り果てるのは目に見えている。

朝日新聞・社説
配偶者控除 働く「壁」を残す罪深さ

政府・与党が固めた所得税の配偶者控除の見直し案である。いまの仕組みでは、配偶者の年収が103万円以下なら、世帯主は年収から38万円を引いて所得税額を計算でき、負担が軽くなる。配偶者の年収が103万円を超えると、差し引ける金額が段階的に減っていく。配偶者控除を廃止し、年収に左右されない「夫婦控除」の導入が当初、検討された。しかし終着点は、「103万円」を「150万円」に引き上げる配偶者控除の延命・拡大である。そもそも、社会保険の「130万円の壁」がすでにある。配偶者の年収がこれを境に増えると、世帯主の扶養家族からはずれ、自ら厚生年金保険料などを負担することになる。高所得層の負担を増やし、中・低所得層の負担を軽くする「再分配」は所得税改革で欠かせない視点だ。だが、目標はあくまで、好きなだけ働けるようにすることだったはずだ。安倍政権が言う「だれもが活躍できる社会」は、「パートがもう少し働ける社会」なのか、としている。

毎日新聞・社説
酒税の見直し 簡素なのは度数比例だ

政府・与党が、ビール類への税を2020年度から6年かけて段階的に統一する方針を固めた。ビールは減税し、発泡酒と第3のビール、さらにチューハイ類を増税する。醸造酒の税額をそろえるために日本酒の減税とワインの増税も実施し、「酒税全体の簡素化」を図るという。日本ではビールの税額が突出して大きい。350ミリリットルあたり77円と、ドイツの19倍、米国の9倍という。同じ度数に換算すると焼酎などの4倍以上の税額をかけている。輸入品や高級品に高い税金を課してきた名残が、ビールだけに生きていると言われる。業界は重い負担を回避するため、1990年代以降、技術開発を重ねてきた。麦芽の比率を下げたり、他のアルコール分を加えたりし、税金が350ミリリットル47円の発泡酒や同28円の第3のビールを生み出した。その度に税務当局は、工夫の芽を摘むように抜け道をふさいだ経緯がある。簡素で明快なのは、欧米が基本とするアルコール度数に比例した税額設定だ。この考えでウイスキーや焼酎など蒸留酒は97年から段階的に、度数が同じ場合、同じ税額になるようにした。これにならえばビールなどは最も税額が小さくなり、ビールは350ミリリットル15円程度で、チューハイ類は度数8度のものは同30円程度である、としている。

読売新聞・社説
医療・介護改革 経済力に応じた負担は妥当だ

厚生労働省が、医療保険と介護保険の改革案の大枠をまとめた。一定の所得がある高齢者の負担増が柱で、年内にも改革案を正式決定する。医療保険では、70歳以上の自己負担の上限額を引き上げ、70歳未満と同水準にそろえる。年齢にかかわらず、高所得者はより多く負担する仕組みにする。膨張する医療費を賄うには、やむを得ない措置と言えよう。75歳以上の保険料を本来より軽減する特例も段階的に廃止する。特例の対象は、低所得者と、家族の医療保険の被扶養者だった人で、全加入者の過半数を占める。その多くが月380円程度の保険料しか支払っていない。介護保険の軽度者向けサービスを縮小し、重度者への給付を増やす方向性は間違っていない。自治体は、NPOやボランティアなど生活援助の担い手を積極的に育成し、こうした事業を引き受ける基盤整備を急ぐべきだ。政府もしっかりと後押ししたい、としている。

日本の経済政策、財政政策は不思議だ。議論すると、こんなに微に入り細に入り、結果は誰が考えるものより情けないほど小さい。これを決めるために、臨時国会まで開かないと決められない。決める前には、いつまで経ってもはじまらない。大風呂敷を拡げ、あれもこれも詰め込んで、いつまでに何を決めるのかも考えずに、政治家も、専門家も、メディアも議論を発散させる。
決めるまで、永遠のような時間が流れる。動きはじめると、どれだけ問題が起きても破綻するまで止まらない。これは自民党型?日本人型?いずれにしても、ついていく気にはなれない。
配偶者控除を考えるくらいなら、自営業を検討した方がいい。ポイントは、自分の好きなことを仕事にできているか?だが。それができていれば、自分の事業に使うカネは、すべて経費になる。103万円が150万円になるのを気にするくらいなら、好きなことを仕事にしたらどうだろう?雇用がいまどき、どれだけ安全で保証のあるものなのか。パートやバイトと言われる仕事と同様の業務を自分でしたら、どれくらい対価を得られるか、考える方がいいと思う。
酒税や介護で不公平感で溜め息をつく人がどれくらいいるだろう?冷静に考えて、今でも借金漬けの国に住んでいる。国家が破綻して、IMFが救済に乗り出したら、無条件に消費税は25%を超えるだろう。年金も一時停止。介護や医療保険も、手厚いといわれる部分は、一度すべて削られる。死なない程度の状態で、国の借金を返したらリセットしてやり直し。それが現実だ。他の国と比べたり、他の人との不公平感をどう説いても、私はつらい人から順にラクになるシステムになっていれば、それでいいと思う。隣の芝生の話もいいのだが、稼ぐための経済政策はいつはじまるのだろう?それがTPP、カジノと言われると…さすがに笑えない。

産経新聞・社説
高速実証炉 「もんじゅ」の轍を踏むな

高速増殖原型炉「もんじゅ」より一段階上の高速実証炉を開発するための工程表が2018年をめどに作成される運びとなった。資源貧国の日本にとって、原発の使用済み燃料から得られるプルトニウムを燃やして発電する高速炉や高速増殖炉の開発は、エネルギー安全保障上、必須である。だが、この開発戦略には大きな見落としが含まれている。1兆円もの国費を投入しながら、20年以上にわたってほとんど稼働していない、もんじゅの敗因の解明が全くなされていない点である。この検証をなおざりにして、実証炉の開発に進めば、もんじゅと同じ轍を踏むことは火を見るよりも明らかだろう。2050年には、高速炉が原子力発電部門で重要な位置を占めるというのが国際的な観測だ。主要国がそのゴールを視野に入れている中で、日本はもんじゅで自ら20年の遅れを来している、としている。

産経に同意する。反省もせずに次の話をされたので、一斉に批判が起きた。当然のことだ。ただ、反省ができない国民性は、戦後からずっと言われている失敗だ。これが日本型なら、私は占領されてでもこの意識を捨てた方が、地球のためにはいいと思う。それくらい罪深く、人間として間違っている。他の国でもなし崩しも、ご都合主義もあるが、間違ったまま止まらずに突き進むのは日本以外、独裁国家しかない。歴史を学ぶ限り、戦争よりも前にこの環境があったのはか判らないが、敗戦の失敗の原因が反省できない組織、空気で突き進む社会だというのに、未だにこの問題を私たちは打破できない。
中国は何度も革命を繰り返しながら、適切に人民は強さを育んでいる。ドイツは失敗から徹底して学び、やり直している。アメリカは両極に揺れつづけながら、自由だけは手放さない。日本は?せめて集団自殺するような社会を、止められる方法を学ぶべきだ。

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