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2812.報道比較2016.12.3

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日本の新聞に失望したのは初めてではないが、今日の状況には相当な違和感。いまの社説の有り様は老害に値する。

朝日新聞・社説
OPEC減産 脱石油を冷静、着実に

石油輸出国機構(OPEC)が8年ぶりに原油の減産に合意した。この2年間で大幅に値下がりした原油価格を押し上げる狙いがある。OPECに加盟していないロシアなども一定の協調をする見通しだ。合意通りに減産が実行されるかどうか、不透明さは残るが、直後の市場は値上がりで反応した。今回の減産合意を受け、市場では原油だけでなく株価なども上昇基調にある。産油国の経済の好転や、市況の安定で投資しやすい環境になることへの期待からだ。世界経済にとって好ましい循環が続けば、日本にもプラスに働くだろう。とはいえ、日本経済はエネルギーの4割を石油に頼り、そのほぼ全量を輸入している。ガソリン価格に表れる通り、原油の値上がりそのものは基本的にはマイナス要因だ。今のところ大幅な価格上昇を予想する声は少なく、慌てる必要はないが、それでも冷静、着実に石油への依存を減らしていく必要がある。様々に手を打ち、原油価格の変動にふりまわされない経済・社会を作っていきたい、としている。

産経新聞・社説
OPEC減産 相場安定へ監視の強化を

原油価格が急落した2014年以降、OPECが価格回復に向けて具体的な行動を講じるのは初めてだ。各国は合意を着実に履行し、市況の安定化につなげなければならない。世界経済を持続的に成長させるためにも重要なことである。行き過ぎた相場の変動は金融市場の動揺を誘い、日本を含む世界全体に悪影響を及ぼすからだ。合意を受けて原油相場は上昇傾向を示し、日本では円安が進行した。先進各国で軒並み株高を記録するなど金融市場はおおむね好感している。世界経済にとっても追い風といえよう。これを持続させるには、OPEC各国が割り当てられた減産量を順守することが不可欠である。相場が持ち直したからといって「抜け駆け増産」に走る国が出るようでは、効果は期待できない。その点は米国も同様である。トランプ次期大統領は国内石油開発の規制緩和を訴えてきた。米国は今後、シェールガス・オイルの増産に乗り出す可能性があるが、それにより市場が再び混乱することがないよう努めるべきである、としている。

毎日新聞・社説
OPECの減産 原油高は歓迎できない

中東の産油国などから成る石油輸出国機構(OPEC)が、原油の減産計画に合意した。世界的なだぶつきを是正し、低迷が続く原油価格を引き上げる狙いがある。9月の臨時総会で減産の大枠は固まっていたが、国別の削減量が決まっていなかった。欧米からの経済制裁中に市場シェアを落としたイランが、例外的に増産を認めるよう求め対立したが、最大の産油国、サウジアラビアが合意を優先し譲歩した。実はエネルギー輸入国の消費者にとっては、価格が産油国の思惑通りに管理されない方がありがたいと言える。特に賃金がなかなか増えない状況下にあって、原油の減産でガソリンや灯油、電気料金などがどんどん値上がりすれば、日本の消費者は大きな打撃を受ける。トランプ氏が米大統領選挙に勝利して以来、円安が進行している。輸入物価高をもたらす円安と原油高が重なれば、日本の消費者は二重の負担増に見舞われる。エネルギー価格の上昇は、日本の消費者にとって見返りなき増税に等しい。原油高につながる減産は、決して歓迎できるものではないのである、としている。

読売新聞・社説
OPEC減産 原油相場の安定へ協調深めよ

石油輸出国機構(OPEC)が8年ぶりに減産を決めた。加盟国全体の1日の生産量を10月時点の3364万バレルから約120万バレル減らす。9月の総会で基本合意した3300万~3250万バレル程度の下限まで減らす思い切った措置だ。OPEC内外の産油国を巻き込んだ協調態勢で、原油価格の安定を目指すことが重要である。2年前に1バレル=100ドルを超えていた原油相場は一時、20ドル台まで落ち込み、最近は40ドル台の安値圏で推移していた。産油国の財政悪化がオイルマネーによる投資を冷え込ませ、世界の金融資本市場を激しく揺さぶってきた。減産で原油価格の上昇が見込まれる。価格高騰は日本などの消費国には不利益が大きいが、一方的に原油高が進む展開は予想しにくいとの見方が強い。相場が一定の水準まで上昇すれば、採掘コストの高い米国のシェールオイル生産が増加して、値上がりが抑えられるためだ。OPECは、加盟3か国と非加盟2か国による異例の閣僚級組織を作り、各国が合意内容を守っているかどうかを確認する。大がかりな減産を有効にするため、しっかり機能させることが必要だ、としている。

今日は、完全に新聞の感覚に疑問を持った。OPEC減産合意は11.30の夜に決まった。Wall Street Journalは翌朝の12.1にはいくつも記事を提供し、日経も1日遅れの12.2には取り上げている。怠慢な新聞の社説が12.1に間に合わないのは理解できるとして、12.2に何を新聞は書いていたか?突然出てきたカジノ法案の審議への批判だ。そして、採決は12.2に行われた。そして本日。カジノ法案の話はどこにもない。拙速な審議より、さらに粗雑な採決だった。決まってしまったらスルー?そして3日も前の話題を取り上げ、どれも役に立たない内容に終始している。
報道比較は2011年の震災前にスタートしているが、ここまで新聞が堕落したことは残念でならない。40代の私は、インターネットのない時代、就職活動で「社説くらいは読め」と言われてきた。いまの社説とは何なのか?予定調和にさえなっていない。老害に値する。
内容は、昨日の日経の方が的を得ている。今までの安値がシェール革命と、中東の戦略による原油安だった。それ以上の原油安を、適切に利用したのは中国くらいだ。すさまじい備蓄を増やし、産油国と長期の契約を格安で結び、製油所を余剰するほど作った。アメリカでさえ徹底的に備蓄を増やした。日本は何をしただろう?悲観しただけだ。そして、上昇に転じても悲観する。原発の推進が進み、我慢を強いるような省エネという発想しか出なくなってしまったのだろうか?
経済は呼吸のように波打っている。金利も、株価も、商品の値段も、景気も。金利は上下で乗り換えるべきものだ。賢者は底値で株を買う。景気さえ低迷した時の利用価値はある。悪い面ばかり見ずに、良い面を見れば、いくらでも利用できる。国家とは、それだけの資金を預かり、国民のために動くものだ。いまの日本に借金が増えるはずだ。信頼して預ける気にもならないし、預ければもっとも高い時に買い、安い時に売っている。カモと呼ぶのがもっとも相応しい。

日本経済新聞・社説
数合わせを超え骨太な社会保障論議を

国の2017年度予算の編成作業が大詰めを迎えている。焦点の社会保障制度では、医療・介護の負担増や給付削減のさまざまな案が検討されている。先進国で最悪の財政事情を踏まえると、最大の歳出である社会保障費の伸びを抑えるのは当然だ。しかし、もっと大事なのは、2020年代を見据えた骨太な社会保障制度改革に着手することだ。これまでの政府・与党の調整の結果、介護保険では、健康保険組合などの加入者の収入に応じ保険料を定める「総報酬割」というしくみにする方向が固まった。収入の高い大企業の社員らの保険料負担は増え中小企業の社員の負担は減ることになる。またぞろ「とりやすい所からとる」というやり方だ。本来望ましくない。一方で、現役並みの所得がある高齢者の自己負担割合を1~2割から3割に引き上げる。高齢者医療費では、一定の収入がある70歳以上が高額の医療を受けたときの自己負担の上限を上げる。世代間の過度な不公平を是正するため、高齢者にも一定の負担を求めるのは妥当だ。個人消費低迷の一因は将来不安である。増税を延期しても、医療・介護などの社会保険料の負担増は家計の可処分所得の伸びを抑えている事情もある。政府は社会保障負担を見直す度に、実体経済への影響試算を必ず示すべきだ、としている。

これならカジノ解禁を1本目にした方が良かったのではないか?何を言ってるのか、複雑で判らない。整理がつかないまま原稿にしてしまった印象だ。今回の法案で、どれくらい財政負担が軽減される予定で、それが期待にまるで到達していないことを明示して欲しかった。そこが判れば、シンプルに「仕事がまだ足りない」と主張したかった要点は伝わる気がする。
やはり2020年あたりに、日本は大きな節目が重なる。自民党が安倍氏をもう一度総裁で担ぐなら、私は大賛成だ。今のままなら、彼の去り際は、とんでもない破滅に陥る。増税を2度も先送りし、数で圧倒できる支持率と議席を得ながら、まるで仕事をせずに憲法をいじり回していたことに責任を取ることになる。以前、私は2020年を節目と思っていたが、消費増税の先送りで、前倒しになったと感じている。2020年を迎える前には、本当の戦後の終わりが、悪い意味で来そうだ。もはや戦後ではないと高らかに言った日から貯め込んできたものを、すべて使い果たしてしまう日が。

人民網日本語版
改革開放以来累計7億の貧困人口を削減 中国 発展権白書 (2016.12.2)

中国国務院報道弁公室は1日、「発展権:中国の理念、実践と貢献」と題する白書を発表した。白書によると、改革開放以来、中国は、「人類史上過去に例を見ないスピードの大規模な貧困削減」を実現させ、現行の農村貧困基準に照らし合わせると、累計7億以上の貧困人口を削減した。この数値は、米国・ロシア・日本・ドイツ4ヶ国の総人口を上回っており、貧困発生率は5.7%にまで低下した。これにより、中国は、国連ミレニアム開発目標を世界で一番先に達成した国家となった。2015年末の時点で、中国農村部の貧困人口は5575万人にまで減少した。このうち、内蒙古(モンゴル)、広西、西蔵(チベット)、寧夏、新疆維吾爾(ウイグル)5自治区および少数民族が集中して居住している貴州、雲南、青海3省の農村貧困人口は、1813万人にまで減少した。白書によると、都市部・農村部各世帯のエンゲル係数は、1978年の時点では都市部が57.5%、農村部が67.7%だったが、2015年になると、都市部が29.7%、農村部が33.0%と、それぞれ低下している、としている。

すばらしいの一言。ぜひそのまま邁進して欲しい。ということで…もう発展途上国ではない?日本は関税免除を終わらせていい時期だろう。ダブル・スタンダードはもう通用しない。

Wall Street Journal
「高圧経済」示す米雇用統計、12月利上げを確実に (2016.12.3)

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は最近、「高圧経済」の恩恵について発言してきた。高圧経済では労働市場で強さが増して失業率が低下し、賃金が上昇する状況を金融当局者が容認する。2日発表となった雇用統計は議長の言葉通りとなった。11月の非農業部門就業者数は前月比17万8000人増加し、予想にほぼ一致した。しかし労働市場の需給がひっ迫する中で失業率は4.6%と9年ぶりの低水準となった。民間部門の平均時給は前年同月比で2.5%上昇した。これでFRBが13・14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げすることがほぼ確実となった。ただ12月FOMC後の見通しはあまりはっきりしない。経済を過熱気味にするとのイエレン議長の目標は、自分に適した仕事を探すのを諦めた労働者を再び市場に取り込むことで市場のスラック(余剰資源)を縮小するというものだった。イエレン議長の高圧経済が奏功するために、FRBは労働市場に復帰する人が増えている兆しをさらに確認する必要がありそうだ、としている。

12月の利上げは、これで障害はすべて消えた。マーケットも折り込んでいる様子。昨年と同じ平穏な利上げになりそうだ。High Pressure Economyとやらは、何のことなのかまだよく判らない。身動きのできないFRBより、お騒がせ新大統領への期待の方が、ずっと景気には良い影響を作っている。できればこの期待を、FRBはなるべく延命するように努めて欲しい。期待を過剰に膨張せず、過剰に悲観させず。

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