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2809.報道比較2016.11.30

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韓国の政局のインパクトは、世界にはわずかのようだ。外国が気にしているのは、韓国ではなく北朝鮮。韓国は受け流される立場になってしまった。

朝日新聞・社説
韓国の危機 超党派で国政の再建を

韓国の朴槿恵大統領がきのう、自らの進退を国会にゆだねる考えを明らかにした。旧知の友人を国政に介入させた疑惑などに国民が怒り、国会が弾劾訴追に動くなか、追い込まれたかたちだ。判断を一任された国会の責任は極めて重い。ここは与野党が結束して混乱を収拾するための最善の道を急ぐときである。北朝鮮問題などを考えれば、日本など周辺国にとっても、ゆゆしい事態だ。韓国各党は、超党派の暫定的な内閣を組み、早く次期政権を決める大統領選の環境づくりを進めてほしい。国会は野党勢力が過半数を占めるが、前例がないだけに、どんな形式で大統領を退任させる「国会の意思」を示すのか。その方法をめぐってもすんなり合意できるとは限らない。混乱に一日も早く終止符を打ち、公正な選挙を経た正統性ある次期指導者が国政を立て直す。そのプロセスへ向けて、与野党は目先の党利に走る政争をやめて、団結すべきだ。30年を迎えようとする韓国の民主化の歩みの真価が、いまこそ問われている、としている。

産経新聞・社説
朴大統領が辞意 決断を混迷収束につなげ

韓国の朴槿恵大統領が、任期満了前の辞意を表明した。親友による国政介入事件の発覚を受けて支持率は1ケタに低迷し、退陣を求める週末の大規模集会は熱を帯びる一方だ。弾劾訴追案を採決する動きも強まっていた。国民の信頼を回復する見込みはなく、続投にこだわれば混乱にさらに拍車をかける。そう判断したのだろうか。折から、国連安全保障理事会は核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、新たな制裁決議案を近く採択する見通しになっている。新決議への北朝鮮の反発は必至であり、本来、韓国政治の停滞は許されない状況にある。朴氏には、辞任にあたり、ようやく日韓関係改善の方向を向きだした外交路線を無にすることのないよう留意してもらいたい。慰安婦問題解決のため朴政権と日本政府が最終合意したのは昨年暮れだ。防衛協力を進める観点から、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)も締結したばかりだ、としている。

日本経済新聞・社説
韓国の政治混乱収拾へやむを得ぬ決断だ

韓国で長引く政治混乱を収拾するうえで、やむを得ぬ決断だといえるだろう。自らの友人の国政介入疑惑で窮地に立たされていた朴槿恵大統領が任期前の退陣を表明した。大統領は国民向け談話で改めて謝罪するとともに、「大統領職の任期短縮を含めた進退問題を国会の決定に委ねる」と言明した。野党側はなお弾劾を進める構えを崩していないが、国政の混乱を速やかに収拾すべく、朴大統領の退陣と次期大統領選に向けた早期の合意をめざしてほしい。朴氏も国民に公約した以上、国会の決定には無条件で従うべきだ。韓国は今後、選挙モードに突入するとみられるが、大統領の疑惑と朴政権が進めてきた政策は別問題だ。日韓の慰安婦問題の合意や軍事情報包括保護協定(GSOMIA)がほごにされないようくれぐれも求めたい、としている。

毎日新聞・社説
朴大統領 混迷深めた「辞意表明」

韓国の朴槿恵大統領がきのう、2018年2月の任期満了前の退陣に応じると述べた。親友を巡る疑惑で下野を求める世論が高まる中で初めての辞意表明だ。国会での弾劾訴追が現実味を帯びてきていた。国会の在籍議員3分の2の賛成で弾劾訴追され、憲法裁判所で認められれば任期途中で罷免される。過去に例がない不名誉な事態に追い込まれそうになった末の判断だろう。次期政権を狙う各勢力の思惑は食い違っており、協議が順調に進むとは考えづらい。朴大統領は、弾劾訴追を回避しつつ事態の沈静化を待つことを狙ったようにも見える。野党は強く反発し、弾劾手続きを続けていくと表明した。一方で、野党に同調する構えを見せていた与党非主流派には動揺が生じる可能性がある。政局の展望は、さらに不透明になった。朴大統領は先月末から、閣議や首席秘書官会議に姿を見せていない。本来なら取り組むべき課題は安全保障や経済を含めて山積している。長期間の国政停滞は許されないはずだ。しかし、混乱の収拾はそもそも大統領の責務だ。今回の対応は混迷の度合いを深めたと言えよう、としている。

Wall Street Journalを含め、全紙が意識しているのは韓国よりは北朝鮮のリスク。政治の安定への期待さえ薄い。韓国の議員はまだ政局をやるつもりのようだから、仕方ないが。アメリカは過去を振り返り、北朝鮮の侵攻リスクさえ憂慮している。北朝鮮が飢饉状態に陥った過去のような状況なら、さらにリスクは高いだろうが、今のところ、そこまでの危機感は見えない。中国はまるでコメントを出していないが、12月14日の日本で行われる3国の会談に朴氏が来なければ、何か言うことになる。
大統領の弾劾を無関心で受け流されるほど、韓国が世界に与えるインパクトは縮小している。液晶やスマート・フォンでは、主要なプレーヤーだったが、その席は徐々に中国に奪われている。夏のサムスンのスマート・フォン製造停止あたりが、韓国経済が財閥依存で成長してきたやり方の結末のような印象だ。デフォルト危機が常に意識される韓国。政治の混迷は大きな影響を与えているようには見えないが、混迷がつづけば、ドル高で新興国には苦しい環境になりつつある中、対応が遅れて致命傷を負う事になる。

読売新聞・社説
五輪会場見直し コスト抑えつつ準備の加速を

国際オリンピック委員会(IOC)、政府、東京都、大会組織委員会のトップ級会談が開かれ、大会の競技会場の見直し問題を協議した。ボート、カヌー・スプリントは、新設の「海の森水上競技場」で開催することで合意した。「復興五輪」をアピールするために、小池百合子都知事が前向きだった宮城県内の「県長沼ボート場」への変更案は採用されなかった。「海の森」の建設を中止した場合、業者への多額の損害賠償などが必要となり、長沼開催のコスト面での優位性は乏しい。これが見送りの主な要因だろう。小池氏が言うように、会場の見直しは、今回が「ラストチャンス」だろう。現行計画で404億円とされる「有明」の整備費をどこまで縮減できるのか。「横浜」に変更した場合に、警備や輸送などの面で支障は生じないのか。こうした点を見極めた上で、最終決定することが大切だ。大会の総費用について、組織委は2兆円を上限とする考えを示した。IOCのジョン・コーツ副会長は「それに同意したわけではない」と、一層の削減を求めた。テロ対策など重要事項には、予算を重点投入し、無駄なコストは削る。4者が協力して、将来の範となる五輪を実現してほしい、としている。

東京オリンピックの話題を1本目で取り上げたのは読売だけなのは意外だった。最終決定した会場もあり、韓国の政局よりは国民に影響の大きいのは五輪だと思うが。
カネを出す側の日本より、IOCがコスト削減を求めるという奇妙な構図。2兆円を上限と提示したコストは、最初の見積もりとの乖離も、収益が5000億円ほどしか見込めないことも忘れはじめている。すでに今の時点でも、将来の範にはなりそうもない。年内まで会場選びは迷走するようだが、開催まで、まだまだストレスの増える話題が湧いてきそうだ。そうなると、無関心を装いたくなる。徐々に関心は薄れる。それがこの大会にとって、もっとも恐れる事態だが…

人民網日本語版
第14回中日安保対話が北京で開催 (2016.11.29)

第14回中日安保対話が28日に北京で開催された。中国の孔鉉佑外交部長助理(外務次官補)と日本の秋葉剛男外務省審議官が主催し、両国の外交、防衛当局の人員が参加した。双方は世界と地域の安全保障情勢、各々の安全保障政策、中日防衛交流・協力について意見交換した。中国側は「中国は常に近隣と睦まじく付き合い、近隣をパートナーとし続け、親・誠・恵・容の外交理念を堅持し、共通の、総合的で、協調的かつ持続可能なアジア安全保障観を提唱し、実践しており、平等、透明、包摂の安全保障協力の枠組の構築を検討し、共に築き、共に享受する、ウィンウィンの、共に守る安全の道の構築を検討している。中国側は日本側の近年の軍事・安全保障分野の動向に懸念を表明する。日本側が引き続き平和的発展を堅持し、平和的方法で国際・地域の安定・発展・繁栄を維持することを希望する」と表明した。日本側は日本の防衛・安全保障政策を説明し、引き続き平和的発展の道を歩み、「専守防衛」政策を堅持することを表明した。また、中国側との対話や交流を通じて相互信頼を強化し、地域の平和・安定に建設的役割を発揮したいとした。双方は安全・防衛分野の意志疎通や協力を継続し、問題や溝を適切に管理・コントロールし、中日関係の一層の改善を図ることで合意した、としている。

実際、どんな内容が語られているのか見えないが、まだ形式的な対話の域は越えていないようだ。12月14日の会談でも、大きな進展はないだろう。トランプ氏がアメリカ大統領になった瞬間、プーチン氏の日本への態度はつれなくなった。中国には、何もかもが幸運に働いている。もし中国を敵対視するなら、日本の状況はどんどん悪くなっている。中国も日本の足下を見るようになれば、孤立は強まる。現在の国力を考えると、形式的な対話を一歩進める努力をするのは、日本の役目だ。その意志を持った公務員、議員は日本にいるだろうか?

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