ORIZUME - オリズメ

2804.報道比較2016.11.26

2804.報道比較2016.11.26 はコメントを受け付けていません。

アメリカが祝日を楽しんでいるおかげで、マーケットは熱狂を冷静に見られた。落ち着いて乗っていこう。そう全員が思った時、今の上げがきっと止まる。

産経新聞・社説
自民とJA 改革の後退は許されない

先に政府の規制改革推進会議が、1年以内の期限を区切って抜本改革を求めたのに対し、自民党は期限を外し、JA全農の自主計画に委ねる内容に修正した。政府もこれを受け入れる方向だという。農業の生産性を高め、農家の収入増に資するよう、JA全農自らが腰を据えて取り組む。それが本来の姿であるはずだが、改革は遅々として進まない。農家より組織防衛が優先される傾向が強い。JAグループは、自民党の有力な支援組織で、時々の政策をめぐり関係が悪化しても、長年の協力態勢が構築されてきた。だが、今やこの組織の意向に沿って動くことは、日本の農業を守り、競争力を高めることに必ずしもつながらない。農協の存在自体が農業の体質強化を妨げているともみなされはじめている。首相は「全農のあり方を予断なく見直す」との決意を表明していた。今一度、ドリルで穴をあける覚悟を示してもらいたい、としている。

読売新聞・社説
全農改革 まず当事者の覚悟が問われる

自民党の農業改革案が固まった。全国農業協同組合連合会(JA全農)に、農業資材の仕入れ・販売、農産物の販売事業で大幅な刷新を求めた。政府の規制改革推進会議の提言を大筋で取り入れており、妥当な内容だ。推進会議は、あえて短期間に実施を迫る「高めの球」を投げ、全農に改革を促す狙いがあったのだろう。急進的な提言内容にJAグループが強く反発したため、自民党が全農の自主性を尊重しつつ、改革に向けて収束を図った。民間組織である全農に、政府が法的拘束力のない改革案を強制することはできない。自民党案が推進会議の提言を生かしながら、期限を設けなかったのは、実現性を見据えた政治判断と言えよう。問題は、全農自身が大胆な改革に踏み込めるかどうかである。トランプ次期米大統領の離脱表明で、環太平洋経済連携協定(TPP)の発効は見通せない。それでも農業の国際競争力を強め、成長産業に育成する改革は待ったなしだ。政府・与党も農業改革の手を緩めてはなるまい、としている。

農業の改革に期限が重要とは、必ずしも言えない。年に一度しか結果のでない農業で、1年で求める改革とは、さすがに急進的過ぎる気もする。それよりも、改革を全農に委ねた部分が、この先、改革が進むのかに不安を感じる。今の安倍政権を改革主導型と感じている人がいるだろうか?その印象はゼロだ。その政治体制が、さらに保守的な農業改革を全農主体に変更する。時計は止まったと考える方が自然だ。小泉氏には期待が集まったが、まだ期待に応えられる環境はつくれなかったのだろうか。残念だ。

日本経済新聞・社説
官民連携や広域化で水道の基盤を強固に

道路など様々なインフラの老朽化が問題になっているが、私たちの暮らしと命を支える水道も例外ではない。水道管が破裂し、道路が水浸しになる事故も珍しくない。事業規模の拡大や官民連携の加速による水道事業の基盤強化が待ったなしの課題だ。水道サービスの担い手は市町村が中心で、全国に1400近い事業体がある。うち半数は給水コストを水道料金でまかなえない原価割れの状態で、「水道は独立採算」の原則が揺らいでいる。さらに今後は人口減による水需要の減少が見込まれる一方で、高度成長期に整備された水道管や浄水場が更新期を迎え、維持コストは膨らむ見通しだ。問題解決の一つの方策が複数の市町村による広域連携だ。事業規模の拡大によってコスト低減の余地が広がり、投資体力も増す。職場としての魅力が高まれば、専門職員の採用も容易になり、事業基盤は確実に強化されるはずだ。設備の更新費用を捻出するために水道料金の値上げは避けられないという見方が多いが、こうした改革を進めることで、値上げ幅の圧縮が可能になるだろう。官民連携によって国際競争力を持ったプレーヤーが育つ効果も期待したい。インフラの海外展開は日本の成長戦略の柱の一つだ、としている。

水道の危機は以前から言われていた。ライフラインの中で、もっとも重要と思える水道の経営がうまく回らない。日経は最後にずいぶん甘い期待をしているようだが、日本の技術がそこまで高いとは期待できない。課題がメンテナンスということは、生産性であり、日本人が苦手な領域だ。官民で連携した時、日本はうまく行くよりは失敗に近づく。放漫で管理が粗雑になるからだ。民間が確実に適切とは思えないし、水道はエネルギーや通信系に比べて自治体に期待するインフラだろう。問題の論点さえ定まっていない印象を受ける。これは、事態が悪化した時、迅速な対応ができない恐れがある。危うい。

朝日新聞・社説
NHK会長 公共・独立守る人こそ

NHKの次期会長選びが本格化している。来年1月に任期満了となる籾井勝人会長の仕事をどう評価し、公共放送の将来を誰に託すのか。任免権をもつ経営委員会の判断が問われる。経営委の全12委員でつくる会長指名部会は、NHKトップにふさわしい人材の要件として、経営能力だけでなく、▽公共放送としての使命を十分に理解している▽政治的に中立である▽人格高潔であり、説明力に優れ、広く国民から信頼を得られる――をあげている。籾井氏も最近は自重しているようだが、NHKは予算や人事をめぐって政治権力の影響を受けやすいといわれる。その疑念や不信を深めた責任は重い。次期会長を待ち受ける課題は山積している。総務省で検討が始まったネット同時配信には放送法の改正が必要で、受信料制度の見直しにも直結する。4K・8Kの次世代放送への取り組みもある、としている。

早めにNHKに目を光らせたのは的確だと思う。注目を集めやすいNHKの会長、今までも悪い印象が強かったが、籾井氏はさらにひどかった。それは行動よりも価値観や思想に目立った。政治にすり寄り、報道統制もやむなしのような人物が、安保法制を語る3年を受け持ったのはひどかった。今回も、注目すべきは政治側。弛緩が目立つ政治が、憲法改正を意識してどんな人材を推してくるのか。朝日に期待したい。

毎日新聞・社説
中間貯蔵施設 本格稼働へ態勢強化を

東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設(大熊、双葉町)の本体工事が始まった。県が建設受け入れを国に伝えてから2年余り、事故からは6年近くが経過している。中間貯蔵施設は福島復興の一翼を担う施設であり、これ以上の整備の遅れは許されない。県内には現時点でも、仮置き場や民家の庭先など約15万カ所に、1200万立方メートルを超す汚染土が置かれたままになっているのだ。環境省は今年3月、2020年度までに最大で1250万立方メートルの汚染土を搬入可能との見通しを示したが、用地取得の拡大が大前提となる。そのためには、地権者に対し、施設の必要性を丁寧に説明し、了解を得ていくしかない。環境省の用地交渉担当は約110人だが、態勢を拡充していくことも必要だろう。最終処分する時点で、どれぐらいの放射能レベルの土壌が、どれだけ残っているのかを見極めることが先決だ。それを踏まえ、最終処分先や再利用について、社会的な理解を得ていく手続きが求められる、としている。

まるで決まっていないことが、原発には事故処理でさえこの状況。それでも再稼働を推進するのだから、違和感よりも次の事故の心配をしておいた方がいいだろう。インフレが来る。原油が上がり、電気代が上昇傾向になった時、またなし崩しは進むだろう。

人民網日本語版
アジア太平洋発展の「航路図」となった「中国の案」 (2016.11.25)

年末のAPEC会議は2016年の全世界の外交における最終段階の盛大な会議といえ、G20杭州サミットの「中国の案」をどう継承し、世界経済成長の新たな航路をどう切り開くかにとって重大な意義を持つ。今回の会議のテーマは「質の高い成長と人類の発展」であり、G20杭州サミットのテーマ「革新的で、活力ある、連動した、包摂的な世界経済の構築」と同じ流れを汲む。「パートナーシップの深化、発展の原動力の強化」と題する基調演説で習近平国家主席が指摘したように、アジア太平洋は経済統合を促進し、開放型経済を構築する必要がある。コネクティビティを強化し、連動した発展を実現する必要がある。改革・革新を促進し、内生的原動力を強化する必要がある。協力・ウィンウィンを促進し、パートナーシップを深化する必要がある。貿易の活力を高める面では、G20の成果を踏まえてアジア太平洋自由貿易圏の構築を推進した。米国主導の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が基本的に中断した後、アジア太平洋自由貿易圏はアジア太平洋地域の将来の経済貿易構造の構築の原動力となる、としている。

長文すべてが自画自賛。最近の人民網は、報道ではなく政府広報の比率が高過ぎる。習氏に権力が集中する中、報道は完全に力を失い、統制されている。民主主義ではない中国には、直接の危機ではないが、習氏依存が高まり過ぎている。失敗できない緊張が強まっている。

Wall Street Journal
中国、対外投資の規制強化 資本流出阻止へ (2016.11.25)

中国政府は国外への資本流出を食い止めるため、国内企業が海外へ投資する際の規制を強化する計画だ。関係者によると、国務院(内閣に相当)は近く、中国企業が外国企業と結ぶ契約の多くに関して監視を強める措置を発表する見通しだ。ここ数カ月間は人民元が下落の一途をたどり、中国から海外への投資が急速に拡大している。今年初めからの9カ月間では対外直接投資が1459億ドルと、前年同期の1.5倍余りに達した。当局はこれまでに、資本規制を回避して海外へ資金を持ち出す目的で取引を偽装する企業や個人が存在するとの見方を示していた。WSJが確認した書類によると、リミテッド・パートナーシップ(有限責任組合)として行われる対外直接投資や、10%未満の海外上場企業株の取得、中国企業の海外上場廃止に加担する国内投資家も新たな規制の対象となる見込みだ、としている。

中国は、本当に見えなくなってきた。統計の信頼性の低さは以前から言われていたが、さらに政治の介入、言論の統制が真実を隠し、徐々に海外と国内に壁を作ろうとしている。アメリカの保護主義的な言動は、中国のこの方針を助長するだろう。見えない場所に、危機が宿っていく。手遅れになった時に露呈する。中国リスクはさらに見えなくくなってきた。

Comments are closed.