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2803.報道比較2016.11.25

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仕事は結果。ポピュリズムに抗う方法は、ジャーナリズムではなかったのか?権力を引きずり下ろすのは批判ではない。取材だ。

産経新聞・社説
TPP離脱宣言 米国第一は単なる独善か

トランプ氏が米大統領に就任した初日に、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱を表明すると宣言した。世界経済を牽引する超大国の次期指導者になるという認識はあるのだろうか。参加国が利害を超えてまとめた合意である。一方的にほごにしようとする姿勢は、米国に対するアジアの信頼を著しく損なう。それは域内経済のみならず、安全保障も含むあらゆる面にマイナスの影響を及ぼすだろう。その間隙を突こうとしているのが、米国中心の国際秩序に挑む中国の覇権主義である。国益を追求するというなら、トランプ氏は現実を直視すべきだ。自由化推進で国内に生じる軋轢を乗り越えるのは、どの国も同じだ。国を閉ざすことではない、としている。

読売新聞・社説
軍事情報協定 日韓の対北連携効果が高まる

日韓両政府は、防衛機密を共有する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に署名した。協定では、相手国から提供された軍事関連の文書や画像を「秘密軍事情報」として保護を義務づけることなどを定めている。日本は、特定秘密保護法に基づいて秘密情報を管理する。協定発効で、日本は、北朝鮮西部からの弾道ミサイル発射情報、脱北者から収集した北朝鮮内部の動きなどの入手が可能となる。韓国は、日本の偵察衛星が撮影した北朝鮮の画像や、海上自衛隊哨戒機による北朝鮮の潜水艦展開に関する情報などを得られる。韓国は、米の最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」の韓国配備にも協力してもらいたい。懸念されるのは、朴大統領の友人による国政介入事件の影響だ。野党は「国民の信頼を失った大統領が行うことではない」と署名を批判し、協定の無効を要求する。国会で朴氏の弾劾案を可決し、罷免を目指す構えだ。協定が破棄されれば、北朝鮮を利するだけである、としている。

韓国の議会でしていることは、日本が無理やりTPPを強行採決したのといっしょだ。後で意味がなくなるかもしれないものを、権力を使って既成事実化しただけ。それに何の意味があるのだろう?無駄な努力は外から見ると滑稽かもしれないが、日本の国会は同じ無様さを太平洋諸国に晒している。
妙にTPPを持ち上げる産経には問いたい。参加表明していた国で、そこまで失望を表明している国がどれだけあるのか?トランプ氏でなく、クリントン氏も反対を表明していたアメリカに期待する意味はあったのか?中国を外すTPPに本当に自由貿易圏としての意味はあるのか?それでも意味があるのなら、アメリカ抜きでもやる戦略を日本政府はなぜ検討しないのか?
国内に本当に経済効果があると、どれだけ説明されただろう?元々は自民党全体がTPPに反対していたはずが、いつしか担ぎ上げ、これがなければ構造改革が成り立たないと言っている。その理由を説明して欲しい。TPPに依存しなければならないほど、いつからTPPは日本の中核に位置づけられたのか?その中核が、なぜアメリカ抜きでは考えられないほど、他国依存の戦略なのか。
結局、TPPはスケープ・ゴートなのだ、という疑念がやはり消えない。

人民網日本語版
外交部、韓日軍事情報協力は地域各国の安全上の懸念を尊重すべき (2016.11.24)

韓日両国が「軍事情報包括保護協定」に署名したことについて、中国外交部(外務省)の耿爽報道官は23日「関係国は軍事協力を行う際に地域の国々の安全保障上の懸念をしっかりと尊重すべきだ」と表明した。「中国側はその報道に留意している」。耿報道官は同日の定例記者会見で「関係国が冷戦思考を固守し、軍事情報協力を強化するのは、朝鮮半島の対立と対抗を激化し、北東アジア地域に新たな不安全、不安定要素を増すものであり、平和的発展という時代の潮流に合致せず、地域各国の共通利益に合致しない」と述べた。耿報道官は「現在朝鮮半島情勢は複雑で敏感だ。関係国は軍事協力を行う際に地域の国々の安全保障上の懸念をしっかりと尊重し、平和的発展にプラスの事をするべきだ。その反対の事をするのではなくだ」と表明した、としている。

中国は、牽制する前に自身の北朝鮮への対応の甘さを反省して欲しい。世界中が北朝鮮対策としての中国の役割に期待し、そして失望した。日韓が情報を共有したいほど、事態は緊迫に近づいている。その状況の遠因は中国にもある。THAADの位置への牽制は理解できるが、今回の合意に中国が口を出せる部分はない。

朝日新聞・社説
萩生田副長官 政権中枢の発言に驚く

萩生田光一官房副長官がおとといのシンポジウムで、耳を疑う発言を重ねた。たとえば、強行採決――。「強行採決なんてのは世の中にあり得ない。審議が終わって採決を強行的に邪魔をする人たちがいるだけだ」。そのうえで野党議員の反対を「田舎のプロレス」にたとえ、「ある意味、茶番だ」と批判した。たとえば、首脳外交――。トランプ次期米大統領やロシアのプーチン大統領らと向き合う安倍首相について「お坊ちゃま育ちの割には、不良と付き合うのがものすごく上手です」。首相の外交面でのたくましさを強調したかったのだろうが、外国首脳を「不良」呼ばわりする感覚が信じられない。萩生田氏は一連の発言について、きのうの参院審議で野党から批判されると、国会審議への影響などを理由に、発言を撤回し謝罪した、としている。

政治家を攻撃するなら、批判でなく政策論であり、スキャンダルだ。日本の政治家、特に自民党の議員なら、叩けば埃が出るタイプが多い。今までノーマークで放置したジャーナリズムのミスだ。悔しいなら仕事で詰めた方がいい。そうやって猪瀬氏も、舛添氏も引きずり下ろした。それもメディアの大事な仕事だ。そういう仕事を週刊誌に任せている新聞こそ怠慢だ。

毎日新聞・社説
政務活動費 不正広げた国会の責任

地方議員の政務活動費(政活費)をめぐる不祥事に歯止めがかからない。市議12人が不正受給で辞任し、補欠選挙を行った富山市議会だけではない。宮城県議会で議長が同じ年に2代続けて辞任に追い込まれるなど、異常な事態が続いている。こうした事態を招いた最大の原因は地方議員のモラルの欠如にある。政活費を前渡しする方式の見直しや、領収書の例外無き添付・公開を義務づけるなどの対策はもはや待ったなしだ。ただ、国会にも実は責任がある。法改正で補助の対象を広げ、使い道をゆるめたことが不正を助長してしまったためだ。公金を使う経費の補助について、国会、地方議会の双方が不明朗な制度でもたれあっているようでは問題だ。与野党は政活費の欠陥是正に向けた議論を進めるとともに、文書通信費の透明度も高めるよう、自らの襟を正すべきだ、としている。

毎日も朝日同様、ツメが甘い。すべての地方を調べたらどうだろう?少なくとも情報公開請求している団体は各都道府県に存在する。そのフォローもせずに議員だけを批判するのは、メディアもまた議員や公務員ともたれ合っているに等しい。自らの襟を正す役割の基本は、ジャーナリズムが知る権利を行使するからのはずだが、新聞はまるでその仕事を果たしていない。

日本経済新聞・社説
分断あおる政治に歯止めをかけよ(米国からの警鐘)

トランプ次期米大統領は自身の勝因について「ソーシャルメディアが役立った」との見方を明らかにした。ツイッターのフォロワー数は約1500万人で、民主党のクリントン候補の約1100万人を大きく上回る。「私には数の力がある」と豪語する。やや極端にいえば、人口3億人の大国をひとりの言語力でねじ伏せたわけだ。この事実に躍り上がっている政治家が世界中にいることだろう。ロシアのプーチン大統領をはじめとする強権政治家の多くは、大衆を操ることで自らの権力基盤を築いてきた。当選が決まった直後、トランプ氏は勝利演説でこう語りかけた。政権移行チームの幹部は「選挙モードから統治モードに切り替わった」と説明する。確かに過激とされた選挙公約のうち、いくつかはすでに軌道修正の可能性をほのめかしている。「地球温暖化はでっち上げ」として早期脱退を訴えていたパリ協定は「予断を持たず検討する」と語り、公約撤回に含みを残した。国力が低下したからといって、アメリカ・ファースト(米国第一主義)をよしとしてしまえば、次に来るのはホワイト・ファーストやクリスチャン・ファーストといったさらなる狭量の政治である。大事なのは、話し合いのための共通の土俵をつくることだ。トランプ氏は過去の発言を平然と否定することが多かった。政策論争でも根拠なき楽観論を振りまいた。このままでは有権者は理性的な判断ができない。メディアが極論に走らず、事実の報道に努めることが重要になる、としている。

休日に書いたと思われる、極めて散漫な内容だ。結論もなくまるでまとまりがない。重要な内容だが、読むに耐えない。日経は日によって社説の品質も思想も変わり過ぎる。これで「社説」なら、日経は会社として相当まとまりがない。

Wall Street Journal
サウジ、OPEC総会で最大限の減産目指す (2016.11.24)

サウジアラビアは来週開かれる石油輸出国機構(OPEC)総会で、9月の暫定合意に基づき最大限の減産の実現を目指す見込みだ。全世界の供給量を2%近く減らすため、OPEC非加盟国の説得にも取り組む。事情を知る関係者が明らかにした。関係者によると、サウジが支持しているのはOPECの原油生産の上限を日量3250万バレルとする案。これは10月の生産量より日量約110万バレル余り少なく、暫定合意した生産量(日量3250万〜3300万バレル)の下限に当たる。OPECはロシアなど非加盟国にも日量50万~60万バレルの減産を求めている。これはエクアドルなどの産油量に匹敵する規模だ。実現すればOPEC加盟国・非加盟国を含めた世界の原油供給量が約1.6%減少することになる、としている。

トランプ・ラリーと呼ばれる期待だけの債券安、株高、ドル高に、コモディティは合わせて素材系は上げている。金、プラチナ、原油はそれでも上がらない。金はリスク・オンの意味で興味を失っているようだが、株との逆相関を考えると下げは小さい。プラチナとオイルは、需給バランスがまだ噛み合わないようだ。これでイノベーションが加速するなら、サウジアラビアにとっては苦いが良薬になるのではないだろうか。私は、オイルの上昇よりは、イノベーションが見てみたい。

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