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2802.報道比較2016.11.24

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グローバリゼーションが向かい風でも、やっぱり世界はオープンな方がいい。そのための努力は、これからも惜しまない。

朝日新聞・社説
被災いじめ 再発防止をめざすなら

原発事故後、福島県から横浜市に避難した小学生がいじめを受けた問題で、市教育委員会が市立の小中高に通知を出した。いじめ防止対策推進法にもとづき、市教委の諮問をうけて今回の問題の調査にあたった第三者委員会の提案を踏まえた。理解できないのは市教委による第三者委の報告書の扱いだ。全26ページのうち公表されたのは答申部分の7ページと目次だけ。しかもあちこちに黒塗りがある。実際にどんな問題行動があったのか。学校や市教委はどう判断し、いかなる対応をとってきたのか。答申の前提となった事実経過はほとんどわからない。それにしても、今回の対応は「配慮」の域を超えている。学校や市教委の失態を隠したい意図があるのではないか、と受け取られてもやむを得まい。報告書の内容を各校が共有し、間違えた原因を掘り下げ、みずからに引き寄せて考え、見直すべき点を見直す。このサイクルが動かなければ、再発防止にはつながらない、としている。

朝日に同意する。オープンこそが、すべてをフェアにする。その模範を大人が示さなければ、こどもは大人と同様の行為をする。こうして教育にかかわる人が、意図的に何かを隠すなら、こどももまた、本当のことを大人に言うかは、都合で判断する。みんなに見られている時こそ、もっとも効果的に立ち回れるのだが、横浜市はそのチャンスを悪い方向に使おうとしている。問題はこれで終わらなくなるだろう。

読売新聞・社説
首相南米訪問 貿易と投資で成長を支えたい

安倍首相がペルーとアルゼンチンを歴訪した。ペルーでは、クチンスキー大統領と会談し、経済・貿易関係の強化のため、租税条約の協議を開始することで合意した。鉱業・情報通信の技術協力でも一致した。高成長を続けるペルーとの連携は、他の南米諸国との関係拡充への波及効果を持とう。日米などが経済・貿易面で支援する環境が整ってきた。マクリ政権がインフラ整備や規制緩和などを進め、国内産業の振興に努めれば、日本企業の投資も呼び込めよう。協力できる分野は幅広い。ペルーに約10万人、アルゼンチンには約6万5000人の日系人がいる。地理的に遠い南米諸国の多くが親日的なのは、現地に根ざして活躍し、社会で枢要な地位にも就く日系人の存在が大きい。こうした日系人のネットワークを活用し、日本企業の進出や、観光、教育など様々な分野での交流を加速させることで、相互の信頼関係を一段と深めたい、としている。

読売に同意する。これだけグローバリゼーションに否定的な雰囲気ができあがると、日系の地球規模のネットワークも確認したくなる。南米の距離感は21世紀になってもかなり遠い。その地で活躍する人たちとの交流は、国家として取り組んでもいいテーマだと思う。オリンピックまでに、より強固な関係はできないものだろうか?アメリカとの関係とは価値観の違う、南米ならではのネットワークはできないものだろうか?興味深い。

人民網日本語版
新時代の中国・中南米関係の方向を示した習近平主席の演説 (2016.11.23)

中国の習近平国家主席は22日にペルーの国会で「同舟相救い、帆を揚げ遠洋に乗り出す。中国と中南米の関係の素晴らしい未来を共に築く」と題する重要演説を行い、中南米各界と国際社会の大きな反響を呼んだ。
第一に、「中国・中南米運命共同体」構築の目標とビジョンを改めて強調した。いわゆる「運命共同体」とは、中国・中南米双方が運命を共にし、苦難を共にし、同舟相救うことを指す。
第二に、「中国・中南米運命共同体」構築に対する中国の立場と原則を深く明らかにした。
第三に、「中国・中南米運命共同体」構築の基本的道筋を系統立てて明らかにした。発展戦略においては、中国の発展計画と中南米及びカリブ諸国の発展戦略の連結を後押しし、中国・中南米関係の発展と世界及び地域の発展を連結する必要がある。実務協力においては、貿易によって新たな成長を牽引し、投資によって新たな発展を促進し、金融協力によって新たな支えを提供し、産業の連結によって新たな原動力を生じさせ、中国・中南米運命共同体という船が「繁栄を満載する」ようにする必要がある。第四に、「中国・中南米運命共同体」実現の外部環境を築くことを厳粛に約束した。習主席は国際情勢がどう変化しようとも、自らがどう発展しようとも、中国は永遠に覇権を唱えず、永遠に拡張せず、永遠に勢力範囲を求めないと強調した、としている。

読売の冷静な社説と比べると、人民網の国家主席への異常な称賛が判る。演説よりは、締結された条約や議論された結果が知りたい。ずいぶん習氏が行き詰まっているように感じる。

日本経済新聞・社説
国閉ざすより変化への対応支援を(米国からの警鐘)

トランプ氏勝利の裏には様々な要因があり、単純には説明できない。だが、金融危機後の大不況や技術革新の波、グローバル競争の激化などによって暮らしの悪化を感じ、先行きに不安を覚える人たちから支持を集めたのは確かだ。「工場の海外移転を止め、輸入品を抑え、不法移民を追い返せば雇用は守られ、生活も良くなる」「環太平洋経済連携協定(TPP)のような自由貿易協定(FTA)を結べば米国の雇用は失われるだけだ」。トランプ氏が説くそんな経済ナショナリズムが、不満を抱えた人々に心地よく響いた。同氏は21日にTPPからの離脱を明言したが、問題はそうした政策が本当に悩める中間層の助けになるかだ。むしろ逆ではないか。中国などからの輸入品に高関税をかければ一番困るのは庶民だ。日常品などが一気に値上がりするからだ。トランプ氏が攻撃する北米自由貿易協定(NAFTA)から米国が撤退し、TPPもご破算となれば、米企業の輸出機会も減り、雇用は悪影響を受ける。経済構造や技術の急激な変化、高齢化の進展など先進国はチャンスと試練の両方に直面している。こうした変化からうまれる新たな需要や課題に即したイノべーションを促して成長力を高める。変化から取り残された人々の自助能力を高め、教育などの機会均等を確実にする。そうした政策に注力することで、中間層の厚みを増していくのが王道ではないか、としている。

悲観的だ。民主主義である以上、トランプ氏の選挙中の発言が検証もなくすべて実行されることはない。日用品が一気に値上がりすることもない。いま、トランプ氏が狙っているのは、雇用を創ることと、アメリカに産業を引き戻すことだ。その目的なら、冷静になればTPPにはネガティブになる。日本は、そこまで真剣に考えて国会で決議しただろうか?まともに検証せずに強行採決する方が、暮らしは悪化する。そう思う人が日本の中にどれくらいいるか、日本の国会は考えたのだろうか?来年の1月のリスクより、棒に振った臨時国会と、日本国内の経済政策が頓挫しそうな現状の方がずっと心配だ。

毎日新聞・社説
鶴保沖縄担当相 資金も言動も問題多い

鶴保庸介沖縄・北方担当相の政治資金パーティーに際し、NPO法人の副代表が上限を超えるパーティー券を自分以外の名義で購入したという一件だ。鶴保氏は「返金した」というが、それで一件落着というわけにはいかない。もう一つの疑問は、副代表がパーティー券購入から5日後に当時、副国土交通相として観光庁を担当していた鶴保氏に副国交相室で面会したと証言している点だ。このNPOはその後、観光庁の補助事業の対象に選ばれている。鶴保氏は「私や事務所が口利きをしたことは一切ない」と述べているが、利害関係者からパーティー券を購入してもらったうえで省内で面会すること自体が適切とはいえない。国交省は面会に同席した職員からきちんと聞き取り調査をすべきだ。政治資金問題といい、一連の発言といい、閣僚としての資質に大きな疑問があるにもかかわらず、菅義偉官房長官は鶴保氏から改めて説明を聞く考えはないという。与党の圧倒的多数をバックに乗り切れると楽観しているのだとすれば、やはり安倍政権のおごりと言うほかない、としている。

こういう話題は社説を使って行うものではない。そういう時代はすでに過ぎた。感覚が古い。事がすべて明らかにできるところまでジャーナリズムとして踏み込んでこそ、社説で主張するに値する。会社としての仕事を先に見せて欲しい。

産経新聞・社説
勤労への感謝 「いそしむ」の意義顧みよ

23日の休日、紅葉狩りや芸術鑑賞などに出かけた人も多かったに違いない。楽しいひとときに日頃の仕事の疲れとストレスを癒やすのは、勤労感謝の日の意義にも十分かなっていよう。この祝日は戦前の祭日「新嘗祭」に由来するものである。宮中では新嘗の祭儀が行われ、天皇が神々に新穀を供えて収穫を感謝し、自らも食することで国に実りをもたらす力を得るとされる。昭和23年、祝日法で「勤労をたっとび、生産を祝い、国民が互いに感謝しあう日」と定められ、今日に至っているが、労働をめぐる現在の風潮を顧みるとき、この趣旨の本来の意味がどこまで浸透しているか、実に疑問である。勤労の勤は「勤しむ」ことであり、「いそしむ」はうれしさに心をはずませる意の「いそいそ」と同根の語とされる。つまり、汗を流す喜びに満たされてこその「勤労」なのである。「楽しく、健康を害しない」ことが勤労の大前提となるような社会であれと願う。企業の経営者はさて、勤労感謝の日を、どんな思いで過ごされたろうか、としている。

よほど書くことがなかったのか?原発推進派として2つの社説の序列を変えてもいいと思えるほど、産経の趣向とは違う。時折、朝日も似たようなことをするが、率直に何の意味もないと思う。この内容なら、社説を休む方がいいと思う。その方が、よほど話題を集められるだろう。

Wall Street Journal
FRB、利上げ巡る見解割れるも12月利上げを示唆 (2016.11.24)

米連邦準備制度理事会(FRB)が11月1・2日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)では、今後入手されるデータが引き続き景気改善を示せば「比較的早期」の利上げが可能だとの見方が示され、12月の利上げを求める声も出ていた。23日公表された同FOMCの議事録で明らかになった。一部の当局者は「次回会合で利上げすべき」と主張した。これは、経済に予想外の展開が起こらない限り、FRBが12月13・14日のFOMCで利上げする方向に傾いていることを示唆している。議事録によると、「大半の参加者はフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を比較的早期に引き上げるのが適切になる可能性が高いとの見方を示した」だが、依然として当局者の見解は割れている。一部はインフレと雇用のさらなる進展を確認するまで利上げを待ちたいとしたが、11月初旬に利上げできるとする当局者もいた、としている。

いま、FRBが見ているのは株価ではなく金利ではないか?ここまで長期金利が上がれば、インフレが加速する。いま、手元にある余力は、ほとんどゼロ。ハイ・プレッシャー・エコノミー?どうでもいいからインフレを止めろと、今のペースなら夏には言われてしまう。このまま株価が上がると観ている人は、誰もいない。ドルはトランプ氏が何か言えばいくらでも牽制できる。心配なのは金利だけ。これこそFRBのもっとも基本的な仕事だ。

Financial Times
中国の毛ガニが浮き彫りにする汚染危機の根深さ (2016.11.23)

香港の食品衛生当局が衝撃的な発見をした。今年の毛ガニの一部に、危険なレベルの発がん性化学物質が含まれていることが分かったのだ。さらに悪いことに、問題の毛ガニは、太湖から運ばれてきたようだった。何年もの歳月と莫大な資金をかけた浄化を経て、中国の環境汚染との戦いのモデルとなった場所だ。過去10年間で、北京中央の計画立案者たちは、工場を閉鎖・移転し、排気を規制し、監視体制を強化することで、スモッグや水質汚染、土壌汚染の問題に対処する青写真を描いてきた。太湖で使われた作戦である。その結果が、水の有機含有量の指標で中国政府の環境目標の1つである化学的酸素要求量(COD)の着実な改善だった。だが、今回、毛ガニに検出されたダイオキシンとポリ塩化ビフェニルは、長江デルタ地域にせよどこにせよ、水浴びする毛ガニが養殖されている場所の規制が行き届いていない廃棄物焼却炉などから来た可能性がある。「もう汚染水ははっきり見えないが、企業はまだごまかしがうまい」。投獄された活動家の呉立紅氏はこう話す。湖の近隣住民はまだ、工場からつながっている水中パイプを見つけることがある。今夏には、湖に浮かぶ島で、上海から運ばれてくる廃棄物の秘密の埋め立て地が発見された、としている

ブランドを詐称するような行為の方は、笑って許せる。中国にはもっと笑える衝撃的な珍品があふれている。退屈凌ぎにGoogleで「ちゅうごく にせもの」で画像を検索してみると…いくらでも笑える画像が出てくる。
笑いにならないスーパー・コピーも中国が叩かれる原因のひとつだが、もうひとつがこの環境問題だ。カニを水に浸けに来るより、汚染されたカニに世界が怒っていることを、中国政府は理解してくれるだろうか?中国は徐々にオリジナルになれる技術を持ちはじめている。数年後に、あらゆる技術を身に付ければ、中国は人の真似になど興味もなくなるだろう。それまでに、環境問題も解決して欲しい。日本にできたのだから、不可能なはずはない。

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