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2801.報道比較2016.11.23

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想定していれば、冷静でいられる。TPPを強行採決しておきながら、想定されるシナリオへの対策がない。典型的な日本の失敗例に合致する。せっかく得られるリセットのチャンスに考えたい。

朝日新聞・社説
東日本で地震 「怖さ」思い出す契機に

きのう早朝に起きた東日本大震災の余震とみられる地震は、忘れっぽい人間の記憶を呼び覚ますものになった。津波は、気象庁の予想とは違うあらわれ方をした。宮城県には当初「注意報」が発令されていたが、仙台港で想定を超える高さを観測し、津波到達後に「警報」に引き上げられた。震源に近い福島県小名浜(おなはま)港よりも仙台港の方が高くなった理由について、気象庁は詳しくはわからないとしている。地震の規模はそれほどでなくても、震源が浅ければ、断層のずれ方によって津波が大きくなることがある。予想には限界があると心にとめて、命を守る行動を取りたい。多くの人たちをひやりとさせたのは、東京電力福島第二原発の使用済み核燃料を保管するプールで、冷却水を循環させるポンプが一時止まったことだ。地震による水位変動を検知し自動停止装置が働いたためで、そのこと自体に問題はない。しかし3・11直後、福島第一原発では、プールの冷却停止による燃料損傷と放射性物質の大量放出が真剣に危ぶまれた。それを考えると、教訓が忘れられていないか心配になる。一つ一つの災害に謙虚に学び、個人も企業も社会も着実に対策を講じる。今日にも起きるかも知れない次の災害に備えるには、それしかない、としている。

産経新聞・社説
津波警報 命守るため迷わず逃げろ

福島県沖を震源とする地震で、東北、関東地方の太平洋岸で津波が観測された。津波に対する心構えを再確認する機会としなければならない。気象庁によると、22日午前6時前に発生した地震は東日本大震災の余震と考えられ、地震の規模はマグニチュード7・4だった。発生直後に福島県に津波警報が発令され、NHKは「ただちに避難してください」と切迫した口調で呼びかけるとともに、「つなみ!にげて!」などのテロップを流し続けた。民放各局も避難を繰り返し呼びかけた。大津波の頻度は数十年、数百年に1度であっても、それが今日、明日かもしれない。だから、「まず逃げる」という意識を一人一人が持ち続ける必要がある。第一に、自分の命を守るためである。第二は避難の呼びかけや救助活動で周囲の人を危険にさせないため。そして第三は、避難行動の積み重ねと継承により、百年後の命を救うためだ、としている。

毎日新聞・社説
津波と避難 教訓更に生かす努力を

福島県沖を震源とする東日本大震災の余震とみられる地震がきのうの朝発生し、沿岸各地や島しょ部で最大1・4メートルの津波を観測した。マグニチュード(M)7・4は、東日本大震災当日を除き最大の余震である。東日本大震災以後の陸側のプレートの特徴的な動きに起因していると考えられる。こうしたタイプの地震は、今後もこの地域で続く可能性があるという。津波への警戒を一層強めたい。自治体の呼びかけに応じ、高台や避難所などに避難した住民は多かったとみられている。大きな津波が住宅地を襲うことはなかったが、津波が河川をさかのぼる映像が見られた。東日本大震災の教訓を生かし、早めの避難を心掛けた被災者は少なくなかったのではないか。今回はテレビ報道も、ひらがなで「にげて」と呼びかけるなど、「簡潔で避難に結びつく表現」を試みていた。適切な情報伝達の方法をさらに考えていきたい、としている。

朝がもっとも効率のいい仕事時間になっている私は、千葉で震度3を味わった。その後、スマートフォンに「福島」「Tsunami」の文字を見たのは久しぶりだった。5年だと、まだ人は記憶に恐怖心も苦い経験をも記憶している。冷静で、判断が適切に行われれば、被害は最小化できる。そのいい事例だ。
一方、過敏な反応は、冷静さを失わせる。その過敏さをメディアが助長していないかは気になる。もっとも大切なのは、正確で、冷静であることだ。伝えることの中で、心を失っているような表現がいくつか見られた。適切な表現のバランスを考えて欲しい。

Wall Street Journal
トランプ版「米国第一主義」、最大の犠牲者は新興国市場 (2016.11.23)

ドナルド・トランプ氏が勝利した米大統領選以降の2週間、市場はトランプ版「米国第一主義」を歓迎してきた。ドルと米国株が大幅高となる一方、米国の雇用を吸い上げているとトランプ支持者が批判する新興国は通貨安・株安に見舞われた。米大統領選の1カ月前には、特にリスクが高い新興国通貨建て債券の直近8カ月の投資収益率が20%を超え、09年の金融危機終了後で最大となった。それ以降は通貨安と利回り上昇が重なり、投資家は8%の損失を出した。米大統領選後に利益の多くが吹き飛んだ格好だ。トランプ氏が掲げる保護主義的な通商政策は、以下に挙げるように厳しい現状をさらに悪化させている。貿易戦争になれば米国をはじめどの国の経済成長も打撃を受けるが、真っ先に被害を受けるのがメキシコと中国だ。米大統領選後にメキシコペソは11%も急落している。中国人民元は18日までの8営業日の下落率が過去20年間で2番目の大きさとなった(トップは昨夏の切り下げ時)。先進国の投資家は貿易戦争に陥るリスクを重視していないが、新興国市場はそのリスクを少なくともある程度織り込んでいる。トランプ氏が通商関連の公約を撤回すれば、新興国市場は間違いなく大幅反発するだろうが、米国を平凡な国にすると提案するのならトランプ支持者の期待を裏切ることになる、としている。

人民網日本語版
RCEPはFTAAP実現の重要ルート 外交部 (2016.11.22)

アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の開催期間中の20日、外交部(外務省)国際経済司の談践副司長は、「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)はアジア太平洋地域の最も重要な自由貿易交渉の1つであり、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)を実現するための重要なルートだ。中国はRCEPの早期妥結が加盟国間の貿易・投資の伸びを促進する上でプラスになると考えている」との見方を示した。「今回のリマでのAPEC首脳会議は大きな成果を上げた。成果は主に次の3点に現れている。1つ目は、開放型経済の構築という大きな方向性が固まり、FTAAPの建設が加速推進されたことだ。2つ目は、経済成長の新エネルギーの発掘に力が注がれ、世界経済成長の重要なエンジンとしてのアジア太平洋地域の役割が固まったことだ。会議では引き続き金融、財政、構造改革など各種の政策ツールを採用して、需要をかき立て、供給を整備し、開放型のアジア太平洋経済の構築に努力することが承諾された。3つ目は、より緊密なパートナー関係の構築が推進され、アジア太平洋地域での協力の見通しと方向性の計画が打ち出されたことだ」という。また談副司長はRCEPについて、「中国はこれまでと変わりなく交渉の各方面と協力していきたい考えだ。中国は交渉を早期に妥結させ、地域経済一体化プロセスに貢献したいとも考えている」と述べた、としている。

読売新聞・社説
トランプ氏表明 「TPP離脱」は誤った判断だ

トランプ次期米大統領が、来年1月20日の就任初日に指示する政策を発表した。大統領選後初めて、環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱する意向を表明した。トランプ氏はTPPに代わり、2国間の貿易交渉に軸足を置く考えを示した。だが、多数国が参加する広域的な通商協定が実現した時ほどの効用は望めまい。米国の消費者に様々な恩恵をもたらすTPPを離脱して国益にかなうのか。大いに疑問である。トランプ氏が方針を転換する可能性は残る。参加国は結束し、引き続き米国に対して粘り強くTPPの意義を説くことが重要だ。同時に考えておくべきは、米国が離脱しても、残る11か国が国内手続きを進めてTPPの枠組みを維持する方策ではないか。トランプ氏が「米国を再び偉大にする」と言うのであれば、現実路線への転換を進めることだ、としている。

安倍氏は「アメリカのいないTPPは無意味」と言い切っていた。読売の意見とは違う。どう判断するかは人それぞれだが、アメリカがTPP離脱に向かった時どうするのか?は、臨時国会で考えるべきテーマだった。強行採決しておきながら、想定されるシナリオへの対策がない。典型的な日本の失敗例に合致する。
もはや世界でTPPがうまくいくと手放しに考えている人はいない。日本の経済界で期待している人もいないだろう。中国との貿易チャネルをどう捉えるか、せっかく得られるリセットのチャンスに考えたい。アジア圏で中国主導の経済圏ができあがるなら、アクセスできる手段は考えたい。もし日本政府が想定しないなら、第三国を経由してでもつながるルートを見出さなければ、無能な判断で日本が孤立する。いまの貿易は、バイアスのかかった政治に任せる方が危険だ。

日本経済新聞・社説
長期化する韓国の政治混乱を憂慮する

韓国の政治混乱は深まるばかりだ。朴槿恵(パク・クネ)大統領の友人による国政介入疑惑をめぐり、検察は友人ら3人を職権乱用などの罪で起訴するとともに、大統領が「相当部分で共謀関係にあった」と認定した。韓国で現職大統領が容疑者扱いされるのは前代未聞だ。大統領は任期中は原則、刑事訴追されないものの、事態の深刻さを改めて浮き彫りにしたといえる。大統領側は起訴内容を「全く事実に反する」と反発し、大統領が公約していた検察の事情聴取を拒否する方針を表明した。政府から独立した特別検事の聴取には応じるというが、より厳しい捜査が予想されるだけに、聴取を先延ばしする口実との見方もでている。政治混乱が長引けば外交への影響も避けられない。大統領はペルーのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を欠席した。来月にも東京で開かれる日中韓首脳会談の出席は大丈夫なのか。北東アジアはとくに、核の挑発を続ける北朝鮮の脅威にさらされている。日韓はようやく北朝鮮などの情報を共有する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を閣議決定し、きょうにも署名する。大統領追及で勢いづく野党側は反対しているが、韓国の国益を踏まえた冷静な対応を求めたい、としている。

昨日から一歩進んだのは、日本との軍事情報共有が閣議決定されたことだ。韓国はあらゆる活動が機能停止に陥りそうだ。1年ほど、身動きのとれない国になる。これ以上の協力は期待しない方がいい。年初にはデフォルト危機もささやかれていた韓国。経済界でもポジティブなニュースの少ない韓国のリスクは相当上がっている。韓国の政治や経済の混乱はいつもの事。北朝鮮や中国が妙な動きにでないなら、静観できる。注視すべき状況には入っている。

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