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2799.報道比較2016.11.21

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プーチン氏が卓越したリーダーということは、トランプ氏が言わなくてもみんな知っている。もちろん、トランプ氏よりもすばらしいことも。それでも、すべてどころか、半分もうまくやれていないプーチン氏。脅えて言いなりになるのが、一番危ういのだが…

朝日新聞・社説
日ロ首脳会談 原則を踏みはずさずに

安倍首相とロシアのプーチン大統領の首脳会談が、訪問先のペルーで開かれた。北方領土問題を含む平和条約交渉は進展するのか。注目される12月15、16日のプーチン氏来日を前に、両首脳が直接顔をあわせる最後の機会だ。戦後70年を過ぎ、なお実現しない日ロ間の平和条約。日本の政治指導者として、その締結をめざす姿勢は理解できる。同時に、踏みはずしてはならない原則がある。「法の支配」という普遍の価値観を共有する米欧との協調と両立させねばならないということである。ロシアはクリミア併合で領土をめぐる「力による現状変更」に踏み込んだ。これに対し、米欧や日本は経済制裁を科し、国際秩序への復帰を促してきた。北方領土問題は重要だ。ただその進展を急ぐあまり、経済制裁の足並みを乱すような動きと見られてはならない。どんな局面であれ、日本は国際法を順守し、民主主義の価値観を守る立場にたつべきだ。それが国際社会への責任であり、北方領土をめぐる日本の主張の正当性を強め、説得力をもたせることになる、としている。

読売新聞・社説
日露首脳会談 領土交渉進展は楽観できない

安倍首相は、ペルーでプーチン氏と会談し、プーチン氏来日の準備を着実に進めることを確認した。70分間の首脳会談の半分は通訳のみが同席した。会談後、平和条約交渉について、「解決に向けて道筋が見えてはきている」と記者団に語った。首相は、「大きな一歩を進めることはそう簡単ではない」とも指摘したうえ、「一歩一歩前進していきたい」と強調した。戦後70年以上、北方4島の返還を実現できず、ロシア国内では返還反対論が強いままだ。領土交渉の進展は楽観できない。領土問題にゼロ回答で、大規模な経済協力を期待するのには無理がある。プーチン氏は、自らの来日でさらに大きな成果を目指すなら、領土問題の前進に向けて真剣な努力が求められよう。トランプ次期米大統領は、米露関係の修復に意欲を示している。北方領土交渉の行方には、どんな影響があるのだろうか。ロシアにとって、米国と良好な関係を築ければ、日本に歩み寄り、米欧との分離を図る重要性が低下するとの観測もある。日本は、米露の動きも注視することが欠かせない、としている。

簡単な空想をしてみよう。もし、トランプ氏とプーチン氏が何らかの協議をして、うやむやに経済制裁を緩めたとする。ありそうなのはISの壊滅か、シリアの和平。その実現には、いまの経済制裁はジャマだ、というプーチン氏の提案に一部了承したら…日本はどうするだろう?欧州は、ドイツが反対したら、ノーと言うだろう。クリミアを力で奪った事実は許容できない。これは、うやむやにできない。黙認すれば、ロシアとヨーロッパの国境が危うくなるのだから。
さらに、北方領土を解決するためにはアメリカと同調した経済制裁解除がないと話が進まない、と言われたとする。もし、ここでISの壊滅が現実になっていたら、日本の空気は「アメリカに寄れ」に揺れると思う。これが世界が日本を「最後に裏切るから信じられない」と言わせる、いつもの不愉快さだ。その揺らぎを起こすためにプーチン氏は日本にゆっくりと仕掛けていくだろう。

毎日新聞・社説
税の無駄遣い なぜ一向に減らないか

会計検査院が国の2015年度決算の検査報告をまとめた。無駄遣いや不適切な支出、回収すべき資金の未徴収などの総額は計455件、1兆2189億円に上った。東日本大震災後、検査院は国民生活の安全や、防災関連の検査に力を入れている。減災につながるよう有意義に予算を活用すべきなのに、首をひねるような事案が散見される。たとえば、災害時に住民に避難を呼びかけるため整備された防災行政無線事業で、15都道府県の27市区町で問題があった。日本は災害大国だ。防災施設の整備は、国民の命と安全に直結する。いざという時に機能するよう行政機関は最大限の注意を払うべきだ。法律に従って予算が適切に支出されているのかチェックするのが検査院の一義的な役割だ。それだけでなく、検査院は、事業の効率的な運営や、支出の根拠となっている政策や制度の妥当性にも踏み込んで指摘する権限を持つ。高齢化でふくらむ社会保障費を含め、検査院が洗い直すべき対象は多い。検査院は一層厳しい姿勢で検査に当たっていくべきだ、としている。

会計検査院という組織を有効に活用する発想は、いまの政府にはないだろう。1兆円が出てくるなら、うまく使えば財源に充てられる。無駄を省くのは国民のウケが極めていい。ヘリコプター・マネーより支持率は上がるに違いない。この検査が政治の不誠実さとつながらない広報にさえ努めれば、かなり魅力的な組織なのだが。毎日の表現も硬い。これでは政府は無視を決め込むだろう。

日本経済新聞・社説
「トランプ旋風」乗り越えパリ協定を前へ

モロッコで開いた国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が閉幕した。2020年以降の地球温暖化対策を決めた「パリ協定」が発効して初めての会議で、協定のルールづくりのスケジュールをまとめ削減行動へ一歩ふみだした意義は大きい。米大統領選挙で温暖化を否定するトランプ氏が勝ち、協定の行方には暗雲が漂う。ケリー米国務長官は会場で「米国は約束を守る」と断言し、米政府は50年までの長期の削減戦略もいち早く公表したが、先行きは不透明だ。鍵を握るのは米企業や投資家の動きだろう。協定の発効で省エネ技術などへのニーズが高まるのは確実で、新たな商機を生む。国益を重視し「偉大な米国を」と訴えるトランプ氏の考えと、環境分野で産業競争力を高めることとは矛盾しないはずだ。安倍晋三首相は外国首脳として初めてトランプ氏と会談した。これからも温暖化問題への積極的な取り組みを米国に呼びかける機会があるかもしれない。日本政府の積極的な貢献に期待したい、としている。

日経は順序を間違っている。先に日本政府が承認せよ、だ。優先順位をミスしたのか、いまの日本の立場ではアメリカに提案することも、パリ協定に与することもできない。トランプ氏と逢っただけで浮き足立っているのだろうか?日経はボケ過ぎている。

Wall Street Journal
トランプ氏、セッションズ議員を司法長官に指名へ (2016.11.19)

トランプ次期米大統領は18日、司法長官にジェフ・セッションズ上院議員(共和、アラバマ州)、米中央情報局(CIA)長官にマイク・ポンペオ下院議員(共和、カンザス州)をそれぞれ指名する考えを明らかにした。国家安全保障担当の大統領補佐官には退役陸軍中将のマイケル・フリン氏の就任を求めることも発表した。セッションズ氏は元連邦検事で、1996年に上院議員として初当選を果たした。ポンペオ氏はCIAの路線を大きく変える可能性がある。イランの核開発を巡って米国などが合意した内容を痛烈に批判しており、17日にはこの件についてツイッターで「世界最大のテロ支援国家と結んだ悲惨な合意の撤回を見据えている」と述べていた、としている。

トランプ氏の人選は、共和党そのもの。ブッシュ時代を思い出す。ネオコンと呼ばれた時代がイヤで、アメリカはオバマ氏を選んだ。ブッシュ氏の退任時の支持率は20%以下。アメリカ大統領として最悪だろう。失望とともに去る印象の今のオバマ氏でも、ここまでのひどさはない。トランプ氏への期待は1週間は持った。それは「彼が黙っているから」というジョークをみんなが言っている。人選で、少しずつ共和党の臭いがしはじめている。やがてメディアは、トランプ氏より側近を話題にするだろう。ブッシュ氏の時のように。

人民網日本語版
多国籍企業煙台高層対話会 中国経済を引き続き信頼 (2016.11.19)

山東省煙台市で18日に行われた2016年多国籍企業煙台高層対話会に出席した世界企業上位500社と有名多国籍企業の上層部は、「中国経済の発展に対する信頼感は増大し続けている」との見方を示した。対話には、マイクロソフト、シーメンス、スタンダードチャータード銀行をはじめとする世界上位500社の数十社や多国籍企業の中国駐在の上層部が出席し、協力発展について意見を交換し、協力協定に調印した。「シーメンスは引き続き中国経済を評価し、中国事業の発展に大きな潜在力があると考える。現在、中国は高速鉄道、都市部の軌道交通、クリーンエネルギー、電力網などのインフラ分野への投資を引き続き拡大しており、企業に対して大きな吸引力をもつといえる」と述べた。スタンダードチャータード銀行(中国)有限公司青島支店の陳国華支店長は対話会の席で、「『一帯一路』(the belt and road)の建設が加速的に推進され、中国と沿線諸国との相互投資や貿易往来を促進している。現在、スタンダードチャータード銀行は一帯一路沿線の47カ国・地域にネットワーク拠点を設け、中国企業に特殊なケースの融資、プロジェクト融資、金融市場商品などを提供し、中国企業の海外進出を支援することができる」と述べた、としている。

トランプ氏がアメリカのリーダーに選出されてから、経済のルールが変容に向かおうとしている。トランプ氏が選挙前に言っていたものとは一致しないし、彼が描くとおりの未来かは判らない。少なくとも変化ははじまっている。そのもっとも大きな影響を受けるのは中国になることは、中国自身が理解している。ナンバー1を目指すということ、経済規模でアメリカの次の順位になる意味を、これから体験することになるだろう。
提携や、アメリカ企業との関係強化は、何の役にも立たない。必要なのは、技術で確固たる地位を得ること。経済活動でなくてはならない存在としてのポジションを能力で得ること。日本やドイツは、それを実現できた領域だけは、今でも生き長らえている。仕事や雇用は、やがて奪い合いになる。表面的な能力、誰にでもできる仕事は、コスト競争と政治の圧力で浮遊する。大切なのはユニークネスだ。

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