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2786.報道比較2016.11.8

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明日には結果が出る。その後、不毛な泥仕合がつづかないことを祈る。英国では、みっともない争いは長くはつづかなくて清々した。アメリカは?

朝日新聞・社説
議会の信頼 富山の混乱を教訓に

政務活動費(政活費)の不正で3割の議員が辞職した富山市議会の補欠選挙が、投開票された。新顔25人が立ち、13人の議員が誕生した。当選した人の多くは、政活費や議会の改革を訴えた党や無所属の候補だった。政活費のずさんな使い方とあきれた釈明の連続に、市民の憤りが現れた結果といえるだろう。まずは政活費の不正使用を防ぐ具体策だ。富山市議会が今月まとめた案によれば、使途を点検する第三者機関を設け、今年度分から領収書をインターネットで公開するという。国会でも、政治資金パーティーで自民や民進の議員が白紙領収書を受け取っていたことが発覚した。こうした領収書の開示を求める制度はあるが、相当な手間と時間がかかる。公金は正しく使い、使途はわかりやすく示す。議員に求めたいのはごく常識的な感覚だ。「我々は特別」といわんばかりに、時代が求める改革を怠れば、政治不信が深まるだけだ、としている。

嫌みな言い方をすれば、無所属の新しい議員は、かなり当選しやすい選挙だっただろう。自分が素人だと言うほど信任されるのだから。新しい方々に、失礼を承知で言おう。新しいことは、潔白とイコールではない。これから先、悪意ある行動をしないことなど意味しない。むしろ経験はリセットされ、今までよりスピードは鈍る。今の新鮮な気持ちが維持されるなら、リセットは悪い話ではない。これから先、どうやって今の洗濯された後のような感覚を維持できるかだ。それが第三者機関で担保されるだろうか?インターネットで公開すれば透明性は保たれるだろうか?しっかり考えた方がいい。
議会とは、本来、知事や役所の業務を監視し、民意を伝えるためのシステムだ。その人たちが監視されなければならないほど、日本のモラルは低下している。オープンであることは、この透明性を高める手法のひとつだが、作為を巡らせば穴はいくつもある。いつでも見られているのだという緊張感を与えるのが効果的だろう。

毎日新聞・社説
電通を強制捜査 企業風土への一罰百戒

東京労働局などは広告代理店最大手・電通の本社と、大阪、京都、名古屋にある各支社を、労働基準法違反の疑いで家宅捜索した。新入女性社員(当時24歳)が過労自殺した問題で、既に「臨検」と呼ぶ立ち入り調査をしている。だが、他の社員も労使協定の上限を超えて違法な残業をしていること、2014年と15年に違法な長時間労働を社員にさせたとして労働基準監督署から是正勧告を受けながら改善されないことも考慮し、刑事処分を求めるための強制捜査に切り替えた。違法な長時間労働を行っているのは電通だけではない。厚労省が昨年4~12月に長時間労働を疑われた8530社を調査したところ、半数を超える4790社で違法な時間外労働が確認された。このうち月100時間を超える残業が認められたのは約6割に上っている。政府は長時間労働から社員を守るための労基法改正にこそ取り組まねばならない。安倍政権の「働き方改革」の真価が問われる、としている。

いまは以前より広告業界とは疎遠になったが、私にとって広告業界は近い存在だ。ITも広告もだが、働き方はたしかに褒められたものではない。たぶん、世界中、どこでもそうなのでは?と思うのだが、頭脳だけをすり減らして成果物をつくっていく。終わりがなく、執着する人は時間を忘れて没頭する。使うのはアタマだけだから、疲労は外に見えにくい。集中力は人それぞれだろうし、執着心や責任感によって、自分の疲労感さえ判らなくなるほど、追いつめられていく。正直、相当に過酷だ。だから時間を決めた方がいいと思うし、管理者は仕事への執着心より、チームのリソースの管理を優先しなければならない。
似た業界は、いくつでもあるだろう。そして、これからの時代、アタマだけを使う仕事はさらに増えるに違いない。しかも、闘う相手が無給で、疲れ知らずに働けるマシンになっていく。最高の成果は、労力に比例しない。チームの生産性を最大化するのがマネージメントの仕事だ。おそらく、電通をはじめ、日本企業はまだこの感覚を持っていないのではないだろうか?

読売新聞・社説
日露経済協力 領土交渉進展に見合うように

世耕ロシア経済協力相が訪露し、ウリュカエフ経済発展相らと会談した。安倍首相が示した8項目の経済協力計画に基づき、12月のプーチン大統領来日までに約30件の事業の具体化を検討することで合意した。省エネ技術を取り入れたロシア南西部での都市開発や、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた技術協力なども進める。ロシアでは、原油価格下落や、米欧などの経済制裁で景気が低迷し、日本への期待が高い。極東発展省は先月、空港近代化など総額1兆7000億円もの経済協力計画案を一方的に発表した。ウクライナ、シリア情勢の混迷を踏まえれば、日本が対露制裁を巡って、米欧との足並みを乱さないことが欠かせない。留意すべきは、日本が経済協力をテコに領土問題でロシアの譲歩を引き出そうとしたが、奏功しなかった歴史があることだ。新たな経済協力や極東開発は、日露双方が利益を享受できる内容にしなければなるまい。領土問題が進展しない状況の下では、本格的な経済協力は難しい。そのことをプーチン氏はしっかりと認識すべきだろう、としている。

NHKも英語のニュースでは報じていたが、ラジオでは詳しくは報じていなかった。日本国内の注目度は高くないようだ。
交渉より、大切なのは合意の内容と、その後の履行での駆け引きだ。韓国でも、10億円を渡しておきながら、慰安婦像は残ったまま。普通の取引なら、逆だ。撤去を見届けてからカネを渡す。または、半分渡して、残りは撤去後。当たり前の手段を、日本政府は怠慢に行う。これは知恵がないのではなく、他人事の甘い感覚が宿っているからだ。プーチン氏と安倍氏が対峙する時も、その甘さを警戒すべきだ。いい顔をしたい願望から、簡単に約束してしまう。カネが先だといわれると、すぐに払ってしまう。日本はあまりに間抜けを演じてきた。安倍氏にその厳しさがあるようには見えない。どう考えても、読売はが進言すべき相手は、プーチン氏ではなく安倍氏だ。

産経新聞・社説
外苑イベント火災 芸術は安全に優先しない

東京・明治神宮外苑のイベント会場で起きた火災で5歳の男児が亡くなった。あってはならない痛ましい事故である。イベントは現代アートなどを展示したもので、警視庁などが事故原因を調べているが、芸術性ばかりを重視し、安全性を顧みない傾向はなかったか。生命に優先する芸術はない。燃えたのは、日本工業大学のクラブや有志が制作した「素の家」と名付けられたジャングルジムのようなオブジェで、内部に木くずが積まれていた。人が中で遊べるように作られた体験型の作品で、オブジェ内部の夜間作業用の投光器が誤って点灯されていた。芸術に先鋭や独創性が不可欠としても、安全性を無視しては存在し得ない。建築物や公園の遊具と違い、法の網を抜け落ちた存在でもあるが、まずアートの担い手が安全第一を肝に銘ずべきだ、としている。

アートの問題ではなく、運用や管理の問題だろう。指摘のポイントがずれている。

人民網日本語版
中国海警局船隊が6日釣魚島領海を巡航、日本側は抗議 (2016.11.7)

中国国家海洋局は6日、中国海警局の船隊が同日(6日)中国の釣魚島(日本名・尖閣諸島)領海を巡航したと発表した。政府発表によると、中国海警局船隊が中国の釣魚島領海を巡航するのは11月以来初めてだ。国家海洋局によると6日、「中国海警2401」「中国海警2101」「中国海警2502」「中国海警35115」が中国の釣魚島領海を巡航した。環球時報によると、中国公船による同海域への進入は今年に入り31回目だと複数の日本メディアが報じている。NHKウェブサイトによると、日本外務省は在中大使館を通じて中国外交部(外務省)に抗議した。日本政府は首相官邸の情報連絡室を官邸対策室に格上げし、情報収集と分析作業にあたる。ジャパン・タイムズ電子版によると、中国海警局の船舶は釣魚島近海を定期的に巡航しているが、日本側は型通りの抗議を今年32回行っている、としている。

抗議は当然。型通りを繰り返さなければ、中国は警告しなかったと言って踏み込んでくる。そうでしょう?

日本経済新聞・社説
車のIT化は利便性と安全確保が両輪だ

いま自動車は変革期にある。ひとつは動力源の多様化だ。ガソリンエンジン一辺倒から電気自動車など次世代技術への移行が進む。もうひとつがIT(情報技術)との融合だ。自動運転車の研究開発や、高度な情報サービスの試みが世界で広がっている。自動車メーカーなどは、これまでにないサービスを編み出し、新たな事業モデルを確立する好機といえる。ネット経由で車から集めたデータを生かせば、故障の前に整備を促すなどドライバーに有益な情報を提供できる。多くの人が効率的に車両を共有するカーシェアなどにも役立つはずだ。同時に重要なのはセキュリティー対策だ。ネットに接続する車はサイバー攻撃の標的となりテロなどで深刻な被害を招くリスクを抱える。走行中の車のブレーキやエンジンを遠隔操作することが技術的には可能、との警告も専門家からは上がっている。自動車や部品のメーカー、IT企業などが一体となって対策に万全を期す体制が求められる。日米欧の交通当局がサイバー攻撃対策で連携する動きも出てきた。官民をあげて取り組むべき深刻な課題だとの認識が欠かせない。人々に支持される「つながる車」は、利便性と安全性の確保が両輪になって初めて実現する、としている。

何を述べたいのか、要点が見えないが、言っている内容は既知のことばかりだが、適切だ。こういう競争になった時は、休みなく改善をつづける事だ。日本人には得意な領域のはずだが、ソフトウェアが絡んだアップデートは、どうだろう?苦手でないことを願う。
テスラは、PCのように、インターネットでOSがアップデートされて機能が改善されていく。それを外部からコントロールされる危機と見るべきだろうか?明らかにノーだ。徹底した防御を重ねてでも、遠隔アップデートの機能は必要になるだろう。なぜ?PCやスマートフォンを見れば明らかだ。いまや、オンラインでないことは、頭脳を持っていないに等しい。ディーラーに行って部品を換える、PCをつないでアップデートするなど…どれだけ競争力を失うかは、すぐに判る。
勝手に暴走するクルマを許容などできないのは当然だ。その競争力がない会社は、もうクルマを作る資格がなくなっていくだけのこと。そして、すでに判りきっていることだが…この流れはクルマで終わらない。家電も、家も、衣服や消耗品さえ、そうなっていく可能性を秘めている。IoTとは、そういう事だ。CPUを埋め込んでネットにつなぐだけで終わる話ではない。

Wall Street Journal
米大統領選後の市場、ブレグジット決定後と酷似か (2016.11.7)

8日に迫った米大統領選は、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の賛否を問う6月の国民投票と驚くほど類似しているとファンドマネジャーらは指摘している。世論調査の結果が拮抗していること、「体制派」の政治への反発、一方の投票結果によって現状維持が破られ、株式相場が大きな打撃を受ける可能性があることだという。今回の場合の結果とは、共和党候補のドナルド・トランプ氏が勝利を収めることだ。ブレグジットの国民投票で痛い目にあった多くの投資家は、世論調査やブックメーカー(賭け屋)を信じないこと、ポートフォリオは短期的な相場下落に備えながらも長期的な信念を貫くことといったヒントを学んだ。大半の投資家は、トランプ氏の勝利は短期的には市場にこれと同様の影響を与えると考えている。現行の貿易政策への反論と同氏の主張は、自身の政策に関する明確さに欠けているためだ。民主党候補ヒラリー・クリントン氏が勝利すれば現行の政策の継続を意味すると考えられている。従って一部の投資家は、ブレグジット決定後の市場の反応に学んで投資スタンスを変え、ポートフォリオを調整して大統領選後に備えている。多くのファンドマネジャーは、株価は回復する公算が大きいとみている。そのため、大統領選の結果にかかわらず米国株の長期的な目標株価は据え置いている、としている。

私の個人的な予想では、クリントン氏が大統領なら、12月くらいまでは明るい。その後、利上げとともに来年から暗くなる。ハネムーン期間を終えた時、今のDOW18000ドルは維持できない。トランプ氏が大統領なら、一時的に暴落する。下落して回復がなければ利上げは見送り。ハネムーン期間を終える頃から、彼の言うとおりの政策をやるなら、株価は上がる。財政はとんでもない赤字を抱えるが。
この予想は、一般に知られたものだ。では、どこでマーケットに関わるか?少なくとも、選挙結果が出るまでは傍観しようと思う。ブレグジットの時はワラントは買ったが、今回はそれさえやりたくないほど、腹立たしい。どちらが選ばれても尊敬できるかは、実績次第だ。夢のように熱狂して、幻のように消えていくオバマ氏の後には、好対照でいいかもしれないが。
さて、明日には結果が出る。その後、不毛な泥仕合がつづかないことを祈る。英国では、みっともない争いは長くはつづかなくて清々した。アメリカは?

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