ORIZUME - オリズメ

2779.報道比較2016.11.1

2779.報道比較2016.11.1 はコメントを受け付けていません。

世界中で醜いスキャンダル。経済にはまったく影響がないかのように平然としている。いつまで折り込まずにいられるだろう?

Financial Times
原油価格競争の勝者と敗者 (2016.10.28)

石油輸出国機構(OPEC)が原油の減産を決めたことで、2年に及ぶ価格競争の最大の勝者は米国のシェールオイル業界だと宣言する向きが多くなっている。井戸を数多く掘ってきたシェールオイルの採掘業者は、1バレル40ドルという嵐をしのぐためにコストを削減し、事業の整理統合を進めた。その結果、この業界は以前よりも贅肉が少なく立ち直りも早い体質になっており、原油価格の上昇につれて利益を得る公算が大きい。全力で増産するというOPECの戦略は恐らく、狙い通りの効果を上げた。すなわち、米国に加えてブラジルの深海油田、カナダのタールサンド、北極の油田といった高コストなライバルを苦しめるという目論見だ。これと同時に、原油安は世界の需要を数年ぶりのハイペースで増やすことにも一役買っている。原油安が始まる前の需要の年間増加率は、日量100万バレルを大幅に下回っていたが、2015~16年にはほぼ日量300万バレルという高水準に達している。OPECにおいては、市場シェアをめぐる争いが新旧の市場開拓に加え、加盟国と一部の大口顧客とのつながりを強化させることにつながった。例えば、サウジの国営石油会社は中国、インド、ベトナムに石油精製所を建設することになっている。OPECが直面している最大の戦いは、再生可能エネルギー源とのそれだろう。数十年後には石油需要の抑制要因になると見られているからだ。原油安が始まってからで見ても、石油以外の技術への投資を減らすことにOPECは部分的にしか成功していない。この戦いは、石油業界では誰一人勝利を収められない長期戦になるのかもしれない、としている。

今日、楽しめるトピックはFinancial Timesだけだった。他は、アメリカ、韓国、中国…どこも不穏なニュースばかりが話題だ。
原油安での勝者は、中国だろう。備蓄を増やし、石炭から石油へのシフトを進めた。「原油安は減税と一緒」と世界の消費国は言っていたが、産油国に変貌したアメリカが変調すると、なぜか日本は付き合うように原油安の恩恵をマイナスに受け止めた。再生エネルギーへのシフト、原子力との決別、備蓄規模の拡大、産油国になったアメリカとの原油調達提携…いくらでもやれることはあっただろうが、エネルギー政策は足踏みして老朽化した原発の再稼働に執着している。
サウジアラビアは、ついに行動を開始した。切迫している若いリーダーはリスクを取っている。失敗もあるだろうが、今なら、何度でもやり直すカネはある。アメリカは確実に、シェールの利益を再生エネルギーへ投資するだろう。準備がまるで見えないのが、エネルギーを外に頼っている日本とヨーロッパだ。どうやら、売る側が売れなくなる危機感は、買う側が買えなくなる危機感より強いようだ。残念。

人民網日本語版
党内統治の新たな道を踏み出した中国共産党 (2016.10.31)

2012年11月、習近平総書記は第18期中共中央政治局常務委員と国内外の記者との会見で「新たな情勢下、わが党は多くの厳しい試練に直面しており、党内には早急な解決を要する問題が多くある。解決に大きな力を入れなければならない」と指摘した。鉄を打つには自らが硬くなければならない。習総書記は多くの場で「党による党管理はいささかも緩めてはならず、厳格な党内統治は一刻も緩めてはならない」とも強調した。厳格な党内統治の鍵は厳格な指導幹部管理にある。習総書記は質の高い幹部を育成する必要性を強調。良い幹部の基準として「信念が揺るぎない、人民に奉仕する、行政実務に励む、責任を担う、清廉公正」を挙げた。幹部選抜に存在する問題については「良い幹部の登用には、合理的かつ有効な登用メカニズムが必要だ。幹部の仕事の実際と結びつけ、真剣に総括し、踏み込んで研究し、絶えず改善し、基準が整い、合理的で、有効に管理し用いることのできる、簡便で実行しやすい制度メカニズムの形成に努力する必要がある」と強調した。第18回党大会以来の全面的に厳格な党内統治の理論と実践からは、習近平氏を核心とする党中央が党の建設に存在する問題を見極め、問題の背後にある原因を見出し、党内統治の新たな道を踏み出したことが見てとれる、としている。

習氏の懲罰政治の評価は、振り子のように揺れている。最初は喝采された。その後、あまりの恐怖政治の規模に懸念が出はじめ、自分の周辺は対象外になっていると批判され、権力闘争の一環と批判された。そして今、党の浄化をつづけるとの発表に反論は見かけない。だが、賛同は親衛部隊のみの印象だ。この活動が経済、安全保障に直接良い影響を与えることはない。なぜそこまで?と思えるほど、海外には理由が見えない。国内からの声は、まるで聞こえなくなった。恐怖政治、皇帝化は達成されつつある。この環境で、習氏は何をするつもりだろう?くだらない事のために、ここまで準備をしていたなら、失脚は確実だ。

読売新聞・社説
中国宇宙開発 軍主導で天を制するつもりか

中国にとって、米露と並ぶ「宇宙強国」の地位が視野に入ってきたということだろう。日米は緊密に連携し、軍主導で宇宙開発を加速させる中国への警戒を強めねばならない。日米欧などの協力で実施する国際宇宙ステーション(ISS)の運用は24年までで、それ以降については決まっていない。中国が世界で唯一、宇宙ステーションを保有する国となる可能性もある。月面探査を繰り返しているのに加えて、火星探査にも挑戦するなどし、宇宙開発分野における発言権を強める狙いは明白だ。国威発揚に利用する意図もあろう。中国は宇宙の平和利用を主張するが、その言行は一致しない。とりわけ懸念されるのは、宇宙開発を担うのが国防部門で、不透明な軍事予算から巨費を重点的に投入していることである。独自の衛星測位システム「北斗」の構築も進め、20年頃には全世界をカバーできるとみられる。「北斗」は陸海空3軍と、弾道ミサイルを管轄するロケット軍の統合運用に欠かせない。習近平政権は、南シナ海の軍事拠点化を図り、東シナ海でも強引な海洋進出を続ける。制海権と制空権の確保にとどまらず、天まで制しようとするなら、国際社会の不信感を一段と高めるだけだ、としている。

感情的な主張はやめて欲しい。同調する気が失せる。
軍主導ということは、南シナ海同様の行動パターンだ。中国が何をしたいのか、まるで読めない。カネを使いたいだけというのが、もっとも強く感じる印象だ。宇宙は海よりは格段にコストがかかる。中途半端な計画ではじめられることではない。その計画を聞いた記憶はない。ロシアやアメリカでさえ、それなりの説明を経て行ってきている。法を紙くずと言う国に、国際社会が許す範囲は少ないだろう。国内を抑制できたとしても、暴走は許せない。

産経新聞・社説
金融庁の新方針 地域支える「目利き」競え

地域の企業に真に必要な資金を行き渡らせることは、地元の銀行に求められる責務である。ここが不十分では停滞する経済の活性化も難しい。金融庁が新たな金融行政方針で、成長が見込める企業を見極め、前向きに融資するよう促したのも、こうした問題意識に基づくのだろう。大事なのは、銀行が企業と対話し、生産性向上や収益拡大の可能性を判断する「目利き」の力を強めることである。各行がこれを競い、成長分野に資金が流れる好循環につながるのが理想だ。日銀の金融緩和にもかかわらず、企業への貸し出しに勢いはみられない。銀行側は、融資可能な貸出先が少ないと説明する。有望な技術や製品があるのに見逃してはいないか。事業内容を深く理解して経営改善を支援しているか。金融機関はいま一度、個々の融資の是非を精査すべきだ。目利きの力が問われるのは、金利低下による利ざや縮小など、経営環境が悪化していることとも関係している。合併・統合など再編が進む中でも、量的拡大を競うだけでは収益基盤は安定しまい、としている。

そんなに融資ニーズがあるだろうか?地方だからではなく、融資のモデルが崩れている。クラウド・ファンディングのような先進的な発想でなくても、株式による直接投資があり、ベンチャー・キャピタルがあり、海外からの国際金融もある。いま、カネが余っているのは企業だ。融資を増やしている企業がどれだけあるのだろう?すでに銀行のビジネス・モデルが崩壊しているのが現実ではないだろうか?世界で銀行業の将来が危ぶまれ、日本とヨーロッパは短期金利は当分上がりそうもない。投資のノウハウのない銀行には、手数料くらいしか収入源はないだろう。融資を競う体力は、すでに失われているのではないだろうか?

日本経済新聞・社説
グローバル競争を勝ち抜く海運再編に

日本郵船と商船三井、川崎汽船の海運大手3社がコンテナ船事業を統合すると発表した。共同出資会社を設立し、2018年4月から事業を始める。高度成長期の日本では10社以上が定期航路による貨物輸送事業を手掛けていた。その流れをくむコンテナ船は、3社の統合で事実上1社に集約される。海運は輸出入を支えるインフラで、コンテナ船はその中核だ。ただ、足元の事業環境は厳しい。世界経済の成長鈍化や資源安で需要が低迷する一方、発注済みの大型船の竣工が続きコンテナ運賃は歴史的な低水準にある。すでに世界の海運業界では再編が加速している。コンテナ船の世界3強の一角である仏CMA CGMはシンガポールの大手を買収した。中国では国有の海運2社が合併した。今年8月には韓国大手の韓進海運が経営破綻した。コンテナ船事業の統合を機に他の事業で連携を広げることも可能だろう。一方で「オールジャパン」にこだわらず国境を越えてパートナーを求める視点も大切だ。海運に限らず、設備能力の過剰と過当競争に直面する日本企業は少なくない。グローバル競争をにらんだ海運業界の再編を、多くの日本企業は直視する必要がある、としている。

マーケットでは多少のニュースになっていたが、NHKのPodcastではまるで触れなかった。統合しても世界6位とのこと。次は、海外に買われる運命だ。日本という国の位置づけが、すでに国際社会の中で低下しているのが判る。同じことが、様々な業界で起きるだろう。外資系を嫌っても、敗戦のように向こうが乗り込んでくる状況。抗うことはできそうにない。

朝日新聞・社説
朴槿恵大統領 政治の閉鎖性、脱却を

韓国の朴槿恵大統領が、苦しい立場に追いつめられている。旧知の民間人の女性に大統領府の機密文書を渡していたことが発覚した。朴氏は演説づくりなどで助言を受けたと事実を認め、国民に頭を下げた。北朝鮮問題などが緊張を増すなか、韓国の政治が不安定化する事態はアジア地域全体に懸念となる。日韓関係や経済問題にも影を落としかねない。支持率は政権発足以来初めて10%台に急落した。政権を支えてきた与党は、野党と協力しあって構成する「挙国中立内閣」の設置を呼びかけている。求心力の衰えで、内政・外交両面への影響は避けられまい。日韓関係では、昨年末の慰安婦合意に基づく財団の運営や、軍事情報の保護をめぐる協定の締結交渉などの課題がある。朴氏の指導力が長く低迷すれば、そうした課題の行方が見通せなくなるおそれがある。朴政権の任期は残り1年あまり。政治の透明性を求める国民の批判に応えつつ、一日も早く体制を立て直す必要がある、としている。

毎日新聞・社説
窮地の朴大統領 外交の停滞を懸念する

韓国の朴槿恵大統領が窮地に陥っている。支持率は10%台に急落し、ソウルでは退陣を求める大規模集会が開かれた。来年末の大統領選をにらんで、与党内には大統領と距離を置こうとする動きが出ている。朴大統領と知人女性の不透明な関係が発端となった。女性は、大統領との関係を利用して多額の金銭を財界から集めた疑いを持たれている。さらに青瓦台(大統領府)の内部文書が女性に渡っていたという疑惑が発覚した。国民の間では、公職とは無縁の民間人による国政介入だという反発が強い。朴大統領は強い危機感を抱いて日米との連携強化を進めてきた。米国とは在韓米軍への終末高高度防衛(THAAD)ミサイル配備計画に合意し、日本とは軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の交渉再開を決めたばかりだ。しかし、どちらも国内に反対論を抱えている。大統領の求心力がこれほど落ちたままで、難しい国内調整を進められるだろうか。韓国は民主主義国である。政治指導者を巡る疑惑が、厳しく追及されるのは当然だろう。しかし、政府の機能全体がまひするような事態は避けねばならない、としている。

挙国中立内閣という発想には呆れる。さらに政治が空転するだけだ。あと1年程度の中途半端な時期だからかもしれないが、10%台という支持率なら、新しい大統領を選んだ方がいいのではないだろうか?朴氏の政治は、どうやら何の成果も残しそうにない。

Wall Street Journal
FBI長官と闘士クリントン (2016.10.31)

突然、民主党の大統領候補ヒラリー・クリントン前国務長官と同氏の陣営は透明性というものの美点を発見した。そして突然、これまでは民主党員とマスコミから英雄エリオット・ネスに例えられていた米連邦捜査局(FBI)のジェームス・コミー長官が、悪名高いジョン・エドガー・フーバーになってしまった。コミー氏によって引き起こされた政局の変容はあまりにも奇妙だった。コミー氏は28日、クリントン氏による機密情報の誤った処理に関係するかもしれない電子メールを、FBIが追加で発見したと発表したのだ。今後の展開に注目しよう。民主党はコミー氏をホワイトウォーター疑惑の独立検察官ケネス・スター氏になぞらえることで支持者の投票を動員しようとしている。ただ、コミー氏を任命したのはオバマ大統領で、民主党は非常に長く首都ワシントンDCの「聖ヤコブ」としてコミー氏を称賛してきたこともあり、これは簡単には行かないだろう。これに対し、共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏はいつもの過剰反応を示し、証拠がないのに新たなメールが失われた3万3000通なのかもしれないと主張した。ただ、司法省とFBIで起こった法的・政治的失態が、腐敗文化を終わらせるためにこうした行政機関を浄化すべきだというトランプ氏の主張を後押ししている。コミー氏は決して英雄ではないし、クリントン氏につきまとう潜在的な法的リスクに責任を持つわけでもない。クリントン氏は自分自身で偽りと疑惑というキャリアの塔を築き上げたのだ、としている。

投票1週間前になっても落ち着く気配はなく、さらに醜い事態になっているアメリカ大統領選挙。歴史に残る最悪の大統領選挙だろう。ギリギリにワラントでニアピンを両建てしようかと思っていたが、やめた。カネを賭けることさえ不愉快な選挙だ。ここから先の4年が、この醜さの延長になる可能性は…ある。11.8より、その先のアメリカが気になりはじめた。

Comments are closed.