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2766.報道比較2016.10.19

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困難とは、挑戦して越えていくもの。その感覚を取り戻したい。

日本経済新聞・社説
代替フロンの効果的な削減へ法整備急げ

モントリオール議定書はエアコンや冷蔵・冷凍機の冷媒として使われ、オゾン層を破壊するフロンの規制が目的だ。しかし、代替物質のハイドロフルオロカーボン(HFC)が温暖化の強力な原因物質であるために、新たな規制が必要になっていた。代替フロン規制は議定書の締約国を3つに分類した。規制開始時期は日米欧など先進国が2019年としたが、中国やブラジルは5年、インドやパキスタンは9年遅い。目標達成時期も10年前後遅らせた。各国は猶予期間を無駄にせず削減を進めてほしい。日本も対応を迫られる。温暖化を起こしにくい物質への転換は機器の性能に影響し、改良などのコストがかかる。HFCの中でも比較的温暖化の影響が小さいタイプなどを使いつつ、少しずつ切り替えているのが実情だ。生産から排出まで、温暖化ガス削減効果が最大となるよう法体系の見直しも含め検討が必要だ。新冷媒の開発支援など、国内産業の競争力を高める工夫もほしい、としている。

制約は、イノベーションのきっかけになる。必要は発明の母だ。フロン・ガスでできたオゾン・ホールに世界が恐怖したのはいつだっただろうか?あれから、オゾン層は修復し、穴はなくなった。今回、また次の課題に人類として臨む。競争であり、強力だ。以前に比べると、日本のポテンシャルは下がっている。起死回生となるか、衰退をさらに痛感することになるか…気になる。

朝日新聞・社説
自民党草案 憲法観が転倒している

「改憲勢力」が3分の2の議席を得た参院選を受け、自民党憲法改正推進本部が再開した。草案は自民党が野党だった2012年につくった。戦前を想起させるような国家優先の発想がにじむ内容に対し、民進党などは撤回を主張している。立憲主義に基づく憲法は、国民の人権を守るため、国家権力をしばるルールである。だが自民党草案は逆に、国民に義務を課し、特定の価値観を押しつける思想が色濃い。しばる相手がさかさまなのだ。現行憲法が重んじている個人の人権よりも、集団や国家を重んじる思想が、草案には通奏低音のように流れている。これが自民党のめざす国家像なのだとしたら、安倍政権がめざす憲法改正は極めて危うい。今後、与野党の議論がどう進むかは見通せない。だが大原則は、憲法改正をめぐる議論は国民、与野党の大多数が必要性を認め、納得して初めて前に進めるべきものということだ。自民党が逆立ちした憲法観のままならば、その前提は決して整わないだろう、としている。

毎日新聞・社説
自民党改憲草案 内と外で使い分けるな

天皇の「元首」化、自衛隊の「国防軍」化、非常時の国家緊急権付与などを柱とする草案は、基本的人権の尊重より公共の秩序を優先し、国家主義的で復古調の色彩が濃い。安倍晋三首相は「わが党はすでに案を決めている。党の案をベースに議論したい」と言い、「党内で相当議論して作った草案を大切にしたい」と述べてきた。今夏の参院選の結果、衆参両院ともに改憲に前向きな勢力が3分の2に達し、改憲案を発議する事態もあり得る。しかし、近代民主主義に逆行する改憲草案が数の力で推し進められるのは危険と考え、わたしたちはまず草案の破棄を求めてきた。こうした懸念は多くの野党も共有しており、民進党は「国民の権利を軽んじている」と撤回を求めている。自民党は12年草案とあわせて、保守色が抑制された05年新憲法草案も党内議論の土台とするという。それでも与野党が冷静な議論をするにはやはり12年草案を破棄すべきだ。それが健全な憲法論議を進めるうえでの政権党の責務であろう、としている。

読売新聞・社説
憲法審査再開へ 生産的な改正論議を期待する

与野党が、衆院憲法審査会を月内にも再開することで一致した。審査会で実質的な審議が行われるのは、昨年6月以来となる。憲法は全面改正ができず、項目ごとに改正する。衆参両院の審査会で可決した改正原案について、両院本会議で3分の2以上の多数で発議する。さらに、国民投票で過半数の賛成を得る。草案は、「国防軍」の保持や天皇の元首化を盛り込むなど、保守色が強い。民進党は、憲法改正論議に応じる条件として、草案の「撤回」を要求していた。各党が独自の改正案をまとめるのは当然で、その内容が気に入らないとして草案全体の撤回を求める方がおかしい。自民党が審査会再開を優先し、民進党に歩み寄ったのは大人の対応と言える。今回は、当時のような不毛な論議の繰り返しを避けてほしい。異なる意見にも耳を傾け、生産的な議論を行うことが求められる。憲法審査会には、少数会派の意見も極力尊重し、公平で円満な運営に努める伝統がある。与野党の信頼関係を再構築し、改正論議の環境を整えることが重要だ、としている。

いつもの議論になってない政党の争い。メディアもそれを助長している。各紙の言い分は話としては判るが、頷くには抵抗感が残るものばかりだ。自民党の憲法草案を見たことがある人はいるだろうか?私はぞっとした。他の国に移りたいとさえ思った。世界はこれをどう思うだろうか?これを国民に投票させた時、どうなるだろう?私は、英国でユーロ離脱に反対していた人が抱いた失望感の意味が判った。読売が言う、各党が持ち寄れば良いというのは議論の進め方としては適切だ。何も持たずに、党としての案もまとめずに、相手の言うことを「取り下げろ」と言い放つのが野党第一党では、政党でも政治でもない。撤回を求めたくなるほど時代に逆行しているのは確かで、案と呼ぶにもあまりにおぞましいのだが、手ぶらで議論に参加するとは、国民を代表する議員とは呼べない。
メディアに言いたいことは理解してもらえるだろうか?偏るのをやめてほしいのだ。両方とも違和感のある政党。一方だけを批判するのをやめて欲しい。国民が求めているのは是非ではなく、両者の議論だ。議論を成立させる場の創出を支援して欲しい。

産経新聞・社説
日露60年 「妥結ありき」の交渉排せ

北方四島の返還がなければ、平和条約を含む日露関係の完全な正常化はあり得ない。安倍晋三首相はプーチン大統領との12月の首脳会談で、この原則を堅持する不退転の決意で臨むべきだ。気がかりなのは、安倍政権による交渉がロシアのペースで進むことである。ロシアがウクライナに軍事介入し、クリミア半島の併合を宣言したことに対し、日米欧は経済制裁を加えている。その対象国に大規模な経済支援を行えば、国際社会の足並みを崩しかねない。 日露交渉の行方は、尖閣諸島の奪取を狙う中国や、竹島を不法占拠する韓国も注視している。安倍政権が領土問題にきちんと対応できなければ、南シナ海問題に対する日本の主張を弱めかねないことも銘記しておくべきだ。首相が北方領土問題の解決に並々ならぬ意欲を持っていることに異論はない。日露首脳会談で進展が図れる可能性もある。そこで何よりも優先すべきは、日本固有の領土を取り戻すという断固たる姿勢を貫くことである、としている。

これもまた…頑なだ。一歩も譲らなかったら会談の意味さえない。完全な正常化でなくてもいいから、少しでもいいから進もうと両首脳が言っているのに…北朝鮮のようだ。

人民網日本語版
世界に解決策を示すBRICS協力制度 (2016.10.18)

BRICS協力は2006年の初の外相会議から10年になる。10年間の共同努力とすり合せを経て、BRICS協力はたゆまず確実になり、重要な影響力を持つ国際制度へと発展した。BRICS制度は指導者の会談が先導し、安全保障問題高級代表、外相などの会議を補助とし、BRICS新開発銀行を実体とし、シンクタンク、ビジネス、金融など各分野の協力を支えとする多層的な協力枠組を形成し、グローバル・ガバナンスの革新や持続可能な開発の推進への参与の面で重要な役割を発揮している。BRICS新開発銀行、アジアインフラ投資銀行、「一帯一路」(the belt and road)などはいずれもBRICS諸国がグローバル・ガバナンスシステムの発展に提供する公共財であり、世界にあまねく歓迎されており、世界の構造もBRICS諸国の台頭により深い影響を受けている。「開放、包摂、協力、ウィンウィン」は習近平国家主席が2014年の第6回BRICS首脳会議で打ち出したBRICS精神だ。われわれはBRICS5カ国がこの精神を堅持し、開放の中で相互包摂を実現し、包摂の中で共同発展を実現し、協力の中でウィンウィンを実現し、グローバル・ガバナンスの整備におけるBRICS諸国の協力水準をさらに高めることを望んでいる、としている。

これはBRICSの話ではなく、BRICSを利用した中国のプランだ。話の中に出てくるのは中国の提案ばかり。他の国からの提案はどこにもない。共同体を語るなら、各国それぞれの思いを含めた提案であるべきで、BRICSに開発銀行がありながら、AIIBが存在する時点で、中国と残りのBRICSと呼ばれた国との間には協調できない利害の存在が見える。AIIBのように主導権を握りたければ、それだけのリソースを提供し、リスクを取ればいい。BRICSをリードしたい意志があるなら、その姿勢を先に見せて欲しい。おそらく、簡単に中国の下に置かれることを他の国が受け入れるとは思えないが。

Wall Street Journal
インフレ進む英国、市場の実験室に (2016.10.19)

英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)は、途方もない賭けのように見える。だが世界の投資家にとって、英経済は市場における多くの仮定を試す格好の実験室でもある。今注目されているインフレを例に挙げてみよう。18日発表された9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比1%上昇した。物価上昇圧力は強まりつつある。昨年1年間はCPI上昇率がゼロ付近にとどまり続け、今年前半にようやく少し上昇したばかりだった。これは、つい最近まで低インフレを懸念していた市場にとって180度の転換を意味する。ドイツや日本とは違い、英国の10年物国債利回りは名目でプラス圏にとどまり、ちょうど1%台を回復したばかりだ。だがインフレ率の上昇は、やがて実質利回りがマイナス圏に転落する可能性を示唆する。インフレ高進は金融引き締め観測を強め、通常はポンド高材料となる。だが日本銀行や欧州中央銀行(ECB)がインフレ促進に躍起になる中、実質賃金を押し下げる物価高を望まずして手に入れたイングランド銀行の金融政策は緩和的なものにとどまるだろう。ポンド相場を動かすのは実体経済と政治の決定で、イングランド銀行はまるで傍観者のようだ。投資家が金融危機後の経験則に頼るのは危険だ。インフレが加速する中での英国債とポンドの動きは、やはり物価の上昇が進む米国などの通貨と国債にとっての実験台になりそうだ、としている。

国民がとんでもない決断をした英国は、マーケットを通してみるだけでも、かなりの迷いを見て取れる。通貨も、債券も、乱高下。株価はポンド安が好感されて上がっているが、そろそろ浮ついた雰囲気に警告が出はじめている。

ポンド下落で「英国に恩恵」は誤り by Wall Street Journal

まだ、英国とEUは、席にさえ着いていない。EUには頭の痛い話題がいくらでもあり、英国にも気がかりな問題は山積している。そこにインフレ?日銀やECBが、口先では求めながら、絶対に過度に高まるのだけは絶対に避けたいインフレ率が、英国で上がりはじめている。近い将来、マーケットは英国を金利や株価ではなく、インフレ率で判断しはじめるかもしれない。インフレ率が上がりはじめたら、ブレグジットという選択を、本当に後悔することになる。

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