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2719.報道比較2016.9.2

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今日のアメリカの雇用統計を気にしている人は多い。その後、G20。オバマ氏がその後、フィリピン大統領に逢うとは知らなかった。さすが、アメリカ。外交を知っている。

人民網日本語版
改革を鋭意進め、相乗効果を 中国の新たな役割

国内総生産(GDP)の規模で世界2位となり、世界の経済成長に対する貢献度が25%を超えるエコノミーの中国は、これから国際経済金融ガバナンスで新たにどのような役割を演じ、どんな働きをするのか。中国の政策的主張と調整コントロールモデルが、体制の異なる国家にどのような参考例とヒントを与えることができるのか。まもなく行われる主要20カ国・地域(G20)首脳会議(杭州サミット)で回答が出されるのを、各界が期待している。世界的にみて、単純な政策的金融緩和がますます力を失い、一部の国では金融緩和がすでに限界にきており、財政政策は債務負担の重圧に耐えかねている。世界経済を活性化するなら、これまでのやり方ではだめで、構造改革と革新による成長から推進力を得て、系統的な調整によって経済発展の「相乗効果」を生み出し、これによって国内では雇用と所得の回復を促し、対外的には投資と貿易という2大エンジンを再燃させ、ひいては持続可能で理性的な繁栄を実現するしか方法はない。ある意味では、中国が直面する経済の鈍化と企業の抱える負担は、各国共通の「心配事」をしばしば構成する。中国が調整と改革によって得た経験は、世界各国が「経済成長への焦り」から抜け出す上で方法と変革の参考を提供するものになる、としている。

ここまで中国経済がうまくいっていると思っている国は、この週末に招かれたG20と呼ばれる国々ではひとつもないのではないか。むしろ抑え込んでいる時限爆弾はいつ爆発するのか?と訊きたくなるような難題を先送りして、飾られた統計値だけが出てきている印象だ。ホスト国とはいえ、ここまでモデルになるほど成功しているなら、もう少し人民元を高くしろ、ダンピング同然の鉄鋼価格を是正しろ、と言いたくなる。南シナ海の棚上げに成功したつもりなら、ぜひ経済問題の課題には答えて欲しい。
ちなみに…オバマ氏は、G20後にラオスでフィリピン大統領と逢うらしい。

フィリピン大統領が初外遊 米大統領と「南シナ海」協議へ by 日本経済新聞

中国に抑え込まれたわけではない、というメッセージ。これが外交だ。他の招かれた国々は、何をしている?

Wall Street Journal
トランプ氏、過去にマフィア関係者との取引も (2016.9.2)

米共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏は若くて野心的だった1981年、マフィアが横行する米ニュージャージー州アトランティックシティーのカジノ業界への参入をもくろみ、連邦当局者と話し合いの場を持った。トランプ氏はそのまま計画を実行し、アトランティックシティーにカジノリゾートを建設した。最終的には、4つのカジノを所有するまでになった。 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がトランプ氏の経歴について検証したところ、同氏はアトランティックシティーとニューヨークの不動産開発において、時として犯罪組織とつながりがある人々と取引を行ったことが明らかになった。トランプ氏はインタビューで、犯罪組織に関与していたかもしれない人々と取引したこともあると認めたが、浅い付き合いでしかなかったか、当時は関係性を認識していなかったと主張した。「みなが私のようであれば、モブ(マフィア)は存在しない。私はそうした駆け引きはしない」と述べ、自らが「最も潔白な人間」であると主張した、としている。

今回のアメリカ大統領選挙にアメリカ国民が冷める理由が判る。数日前、クリントン氏の財団の不誠実さがWall Street Journalには載っていた。

【オピニオン】ヒラリー氏が築いた「米クリントン省」 by Wall Street Journal

どちらも信じられない。どちらも嫌い。日本の政治に風景が似てきている。もし、日本と同じ道をたどるなら、この先、社会は政治に無関心になり、国民のベクトルはカオスのように分散する。結果、税は活きず、公務員は保身にばかり情熱を燃やし、国民の意見は集約されず、分断は際立つ。これが移民国家で起きた時、どれほどのインパクトになるか、想像できない。
経済だけが強くても、自由があるだけでも人はしあわせにはならない。力を合わせて、何かを成し遂げる。その集団に参加している感覚。どちらが大統領になっても、アメリカでこの感覚が4年間失われるのは確実だ。その4年は、中国どころか、ヨーロッパや日本よりも無残な4年間になるかもしれない。

日本経済新聞・社説
大きな一歩を踏み出したインド経済改革

インドの上院は8月、州ごとにばらばらな間接税を全国的に一本化するための憲法改正案を承認した。具体化にはなおハードルがあるが、インド経済の飛躍に向けた前進として評価したい。産業界や市場はかねて一本化を求め、2014年に発足したモディ政権は経済改革の目玉の一つとして取り組んできた。与党が多数を占める下院では昨年に憲法改正案が通過していたが、上院の多数派工作には手間取っていた。今回の上院の承認はモディ首相にとって大きな政治的な勝利といえる。インドの4~6月期の国内総生産(GDP)は前年同期に比べ実質で7.1%拡大した。1~3月期よりは減速したが、資源安のため多くの新興国が景気低迷に苦しむなか、わりあい好調だ。原油をはじめ資源の輸入国なので資源安はむしろ追い風になってきた。持続的な高成長の実現には、税制にとどまらず一層の改革が求められる。かつての社会主義的な経済政策の名残といえる外資規制や、税制に劣らず複雑な法体系など、課題は多い、としている。

モディ氏がリーダーになってからのインドは、注目に見合うだけの進化スピードではないが、着実に前進している。なにより悪い話が出ない。今回の報が、日経が他の話題を置いてでもしたいことほど価値があるのかは、判らない。私など、インドをマーケットとニュースからしか見ていない。その立場からすると、これがどんな効果を発揮するのかは不明だ。次の中国にあたる成長を期待される国だけに、開かれたマーケットを期待している。

産経新聞・社説
泉田知事「不出馬」 この撤退理由は通らない

10月に投開票の新潟県知事選で4選を目指していた泉田裕彦知事が、地元紙、新潟日報の報道に対する不満から、不出馬を表明した。知事の政策運営に対して、各報道機関が厳しい目を注ぐのは当たり前である。報道ぶりが自分の思い通りにならないからといって、県政を司れないかのような言い分は耳を疑う。首長の退陣にあたっては明確な説明が求められよう。泉田氏は県民の強い支持を得ていたが、最近は市町村との関係が悪化し、県市長会などが氏の手法の検証を求めていた。次の知事選には、森民夫長岡市長が立候補を表明し、これまで泉田氏を支持してきた自民党が、森氏支持を検討していたという。泉田氏は東京電力福島第1原発事故を受け、県内の柏崎刈羽原発の再稼働に厳しい条件を付けてきた。原発の安全確保は当然だが、東電と建設的な話し合いをしないなど、その姿勢を疑問視する声は経済界から強く上がっていた、としている。

新潟の投票者がどう感じているかは判らないが、部外者の日本国民の感覚は、産経に近いだろう。国や電力会社を徹底して追求する姿は立派だとしても、報道への不満を、次の出馬断念の理由にする感覚は、表現の過激度の差はあるが、トランプ氏やドゥテルテ氏に近い。せっかくの功績が台無しだ。

朝日新聞・社説
築地移転延期 説明尽くし不安解消を

11月に予定されていた築地市場の移転を、東京都の小池百合子知事が延期した。既定路線にも疑問を投じ、都議会との摩擦も辞さない――。そんな「小池都政」のスタイルが見えてきた。延期する理由のトップに知事が挙げたのは「安全性への懸念」だ。築地は、1日で計2800トンもの水産物と青果物を扱う世界有数の市場だ。食の安全を重視し、調査を最後まで見届ける必要がある、とした小池知事の判断は一理ある。都知事選で小池氏は、移設について「立ち止まって考える」と訴えており、公約に沿った判断だとも言える。豊洲市場をめぐっては、膨れあがった建設費や設備の使い勝手の問題も指摘されている。移転延期で生じる時間は、こうした疑問の解明・検証を進める好機だが、豊洲に店子が入らない間は、都の財布から1日約700万円が消えていくという。小池知事は、こうした自身に不利な情報も公開し、考えを明らかにしてほしい。関心をよぶ施策については判断の根拠を示し、都民の疑問に答えながら丁寧に進める。今回を、そうした都政への第一歩とすべきだ、としている。

毎日新聞・社説
概算要求101兆円 政治力を改革に生かせ

2017年度予算の概算要求が8月末で締め切られ、要求総額は101兆円台と、100兆円の大台を3年連続で突破した。景気下支えを名目とした与党の歳出拡大圧力は強いが、国の借金は1000兆円を超し、財源は限られる。公共事業を抱える省庁が要求を大幅に増やした。国土交通省は公共事業費を16年度当初予算比16%増の6兆円要求した。防災に重点を置くが、従来型の道路整備なども目立つ。農林水産省も農業の土地改良事業費を20%増の4584億円要求した。民主党政権時代に大幅に減額されたが、自民党が復活を図ってきた。政府は年末に向けて歳出を絞り込む方針だが、踏み込み不足に終わっては困る。強い政治力があれば、水膨れした歳出にメスを入れ、痛みを伴う社会保障改革にも取り組めるはずだ。首相はそれを実行するため、指導力を発揮する必要がある、としている。

読売新聞・社説
台風10号被害 なぜ高齢者を守れなかったか

岩手県岩泉町では8月30日夜、小本川が氾濫し、グループホームで生活する認知症の高齢者9人が濁流にのまれて死亡した。岩泉町は30日午前、避難準備情報を出したが、施設側は入所者を避難誘導しなかった。その日の夕方、川の水位が急上昇した。施設は濁流に浸かり、自力では避難できない入所者が犠牲となった。そもそも、河川の脇に、施設を建設したこと自体に問題があったのではないか。氾濫すれば、すぐさま水が押し寄せることは、十分に予測できたはずだ。町の対応についても、検証が必要だ。避難準備情報を出した後、小本川の水位が上昇しても、避難勧告や避難指示に切り替えなかった。施設側に切迫した状況が伝わらなかった可能性がある。災害発生時には、地域住民の手助けも必要になるだろう。日頃の訓練などを通して、協力態勢を確認しておきたい。日本は災害列島だ。先例のない災害にも備えねばならない、としている。

この3つのトピックは、昨日の別の新聞が取り上げた話題だ。新聞のワークフローなら、いくら担当が複数だとしても、他紙を見てから社説を準備するだけの時間はある。ならば、ここまで酷似した内容になるなら、他紙への言葉があってもいいのではないか?読売の内容は、状況のフォローがあるため違和感はないが、朝日と毎日はコピペ社説に近い。中央の政治が動かなければ、まるで論点がない。海外や経済の話題には、まるで対応できない。これが現在の国内紙社説の現状だ。旧体質を改めて欲しい。

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