ORIZUME - オリズメ

2714.報道比較2016.8.28

2714.報道比較2016.8.28 はコメントを受け付けていません。

次の世界の注目は杭州。事前にどれだけの緊張が?

人民網日本語版
外交部、安倍首相の杭州サミットでの習主席との会談希望に関するコメント (2016.8.27)

外交部(外務省)のウェブサイトによると、陸慷報道官は26日の定例記者会見で、ハイレベルでの交流を維持し続けることは中日関係の発展において重要な意義をもつという見方を示した。ハイレベルでの交流を維持し続けることは中日関係の発展において重要な意義をもつ。中国も日本側が必要な行動をとり、必要な条件を作り上げていきたいと確かに望んでいる。G20杭州サミット開催期間中の二国間での会談については、すでに紹介している通り、数多くの国の指導者が習近平国家主席との会談や会合を希望している。そのため、その手配が確定次第、随時公表していきたいと考えている、としている。

いま、世界が気にしているのは、このG20だろう。習氏との会談要請が多いのは判るが、どこかで南シナ海の話題への対応が緊張する。G20の場で話題にするなとの態度でさえここまで世界が揺らいでいる。どちらかに決めなければ会議の場が波乱になる。事前に相応の応酬があるだろう。助け船を出すのは、またプーチン氏だろうか?
別の場所でインパクトがあれば、話題を反らすことは可能だったが、アメリカは利上げを示唆した。ブレグジットの混乱は落ち着いている。経済は、今年で最も凪いでいる状態。中国には逃げる話題さえない。シナ海以外の懸念は北朝鮮だが、こちらも中国は避けたい話題に違いない。思い通りに進んでいない中国外交が、どれも負債のように形を変えて中国の前に積まれている。

Wall Street Journal
北朝鮮の潜水艦ミサイル成功、「けん制」以上 (2016.8.25)

24日に潜水艦から弾道ミサイル(SLBM)を発射したのは、けん制以上のものだった。しかもこの発射実験は成功し、金正恩氏の武器が明らかに進化していることを物語っている。米国と韓国の当局によると、潜水艦から発射された弾道ミサイル「KN-11」は北朝鮮の東海岸沖から日本へ向けて約300マイル(約480キロ)飛行したあと海に落下した。2014年に北朝鮮がSLBMの発射実験を開始して以降、最も飛行距離が長く、今年に入って2回発射実験が行われたSLBMよりも大幅に距離が伸びている。移動式発射台から打ち上げられるムスダンは迎撃が難しい。また、北朝鮮の兵器開発プログラムは中国から助力を得ていることも物語っている。移動式発射車両(TEL)は北朝鮮が2011年に中国の国有防衛企業から入手した中国製トラックだ。この事実は、核不拡散に取り組んでいるという中国の主張と矛盾している。米国は北朝鮮の武器取引や金正恩政権の持続を手助けしている中国企業のただの1社に対しても制裁を発動していない。米国、韓国、日本は地域のミサイル防衛システムを拡大・統合させつつある。だが、防衛は最後の手段であり、高度な技術への金氏のアクセスを元から断つという「拡散対抗戦略」の代わりにはなり得ない、としている。

アメリカに強硬に対等を求めてきた北朝鮮は、自力でアメリカの脅威まで技術を高めてきた。この結果、アメリカが対話の席に着くかは判らないが、実力行使、作戦遂行の可能性は高まる。現実的な脅威になった以上、確実に脅威を排除しするために動く。経済制裁のレベルは上がり、中国への要請は激しくなるだろう。アメリカがここまで時間を使った理由は何だろう?単に慢心だろうか?中国と北朝鮮のパイプの太さを確認するためだろうか?

毎日新聞・社説
アフリカ開発 日本らしい貢献探ろう

日本が主導するアフリカ開発会議(TICAD)がケニアの首都ナイロビで始まった。1993年の初会合以来、5年ごとに日本で開かれてきたが、6回目の今年はアフリカでの初開催である。日本は他国に先駆けてこうした支援会合を始めたが、2000年以降、資源価格の高騰とともにアフリカ諸国の飛躍的な経済成長が始まったことで、中国、韓国、インド、米国が相次いで同様のフォーラムを設置して関係強化を進めている。中国や欧米に対抗意識を持つよりも、技術協力や人材育成で日本にしかできない貢献を探りたい。アジアの経済発展に寄与してきた経験も生かせるはずだ。アフリカは今、イスラム過激派によるテロや感染症など多くの課題を抱えている。アフリカの社会矛盾が拡大することを防ぎ、しっかりした成長軌道に乗るよう後押しをしたい、としている。

一昨日にひきつづき、会議の状況までフォローしたのは毎日のみ。技術で期待に応えられるなら、チャンスはまだあるかもしれないが、今から中国を追い抜こうと目論むのは困難だろう。アフリカを敬遠しなければならなかった理由は、そこまでの余裕がないと判断していた時期が経営にあったのだろう。アフリカの持つ資源やマーケットの可能性よりも、この失われた時間の中で、自信を持って行動できない日本になっている。中国は真逆の感覚だ。金額の問題ではない。

読売新聞・社説
日韓財務対話 通貨協定を関係改善の一助に

ソウルで第7回日韓財務対話が開かれた。麻生財務相と韓国の柳一鎬企画財政相が、日韓通貨交換(スワップ)協定の再締結に向けて、議論を開始することで一致した。スワップ協定は、金融分野における日韓協力の象徴的存在だ。再締結は、両国だけでなく、アジア地域全体の金融市場の安定にも役立つと評価できよう。日韓両政府が昨年末、慰安婦問題の解決に合意したことで、両国関係は着実に改善している。今回の協定再締結も一助となろう。日韓両国が、国際社会の成長を下支えするため、金融政策、財政出動、構造改革など、全ての政策手段を取ることを改めて確認したのは妥当である。両国は、少子高齢化に伴う潜在成長率の低下など、共通の課題を抱えている。生産性を高める規制改革など成長戦略について、建設的な対話を行うべきだ、としている。

中国と韓国の関係が弱まる中、徐々に過去の関係を修復しようとしているように韓国の動きは見える。ずいぶん冷たい主張もしていた読売だったが、常識的な感覚に戻ったようだ。
この話題を早々に取り上げない他紙の姿勢を見る限り、韓国との関係悪化は日本国内にもいつしか浸透してしまった。感情的な思考を増幅させたメディアには、メディア自身が率先して反省を促して欲しい。良好な関係に戻るには、まだ相当な距離が残っている。

産経新聞・社説
地方創生 人口減への認識足りない

来年度から文化庁の一部が京都府に移転することが決まった。安倍晋三政権は政府機関の移転を地方創生の目玉策に位置付け、総務省統計局の一部業務も和歌山県に移す考えだ。だが、政府機関の移転は地方創生とは根本的に異なる政策である。200人余の文化庁が全面移転したところで、京都府に与えるインパクトは限られよう。また、一部の業務だけを切り出すような移転は、かえって非効率とならないか危惧される。人口が激減する地方で地域社会を維持しようとすれば、コンパクトな町づくりが不可欠だ。人が集まり住むことでにぎわいが生み出され、行政の効率化も図られる。地域内での住み替えを促す政策に踏み出すときである。人口が減っても暮らしを立てられるような、特徴ある仕事の創出もポイントとなる、としている。

地方がもっとも安いのは、不動産価格。メリットを感じる業種や業態はあると思うが、公務員ではない気がする。地方に最も求められているのは、雇用。能力に大差がないと思えるなら、都市への集中は企業の発想次第では逆転は可能だ。その気づきを与えるには、政治の動きも興味深い。私は産経よりは前向きに受け止めている。

日本経済新聞・社説
原発停止を求めた鹿児島県知事への疑問

鹿児島県の三反園訓知事が九州電力に川内原子力発電所(同県)の一時停止を要請した。地震に対する安全性が確認されていないなどとして、いったん止めて点検することを求めた。知事には原発の停止を求める法的な権限がなく、異例の要請である。その中身や根拠には疑問が少なくない。九電は定期検査のため1号機を10月に、2号機を12月から一時停止させる計画を立てている。それを待たずに停止を求めるほど差し迫った根拠があるのか。知事はそれを示すべきだ。一方で今回の問題は、原発の稼働で欠かせない「地元同意」の定義や手続きに、なお不備が残ることを浮かび上がらせた。国が安全協定の中身について指針を示し、地元自治体がどんな状況で何を要請できるか、事前に定めておくべきだ。自治体と電力会社、規制当局などが話し合う場を設けるのも、一案だ、としている。

鹿児島の動きに触れたいが、誰もが単純明快な回答を出せない。特に、利害があるメディアの言葉への不信は今でも鮮明だ。今回の日経を見ても、その感覚は十分に伝わる。日経が感じる疑問の根源は、ここまで本質的な議論を放棄して、なし崩しで進めた政治と、感情だけで是非論を展開して社会を二分したメディアの罪だ。なぜ是非論に陥ったか。電力会社の経済力と、民意という消費者の力に、政治とメディアがいつも冷静になれないからだ。ここにも古いシステムの日本の泥が底なしに溜まっている。

朝日新聞・社説
民進党代表選 20年後の日本を示せ

民進党の代表選は、蓮舫代表代行と前原誠司元外相の一騎打ちになりそうだ。ふたりは立候補表明の際に、同じような言葉を口にしている。党の存在意義そのものが根底から問われている――。そんな危機意識がにじむ。確かに現状は極めて厳しい。私たちの暮らし、この国の将来はどうなるのか。不安に思う国民にどう向き合い、安心を感じてもらえる政策を示していくか。民進党が問われているのは、まさにこの点だ。人口減と高齢化が進み、産業構造や地域社会が変容するなか、社会保障や教育をどう支えるのか。負担増からも目をそらさずに制度を設計するのだ。3年余の政権運営の失敗で見放された。人々が安心できる未来図を説得力をもって示せれば、いま一度、国民の信を取り戻せるかもしれない、としている。

いまの民進党に期待する人は、この国にいるのだろうか?自民党に対抗することだけを目指したら、自民党そっくりの政党がもうひとつできあがってしまった。政権を取るだけが目標の、政策も思想もまるで一致しない集まり。それは、社会そのものにも似ている。それなら、社会通念のようにくじ引きで代表を選んでもいいレベルだ。もう国民と呼びかけられても振り向く気にもなれない。

Comments are closed.