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2701.報道比較2016.8.15

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今年の終戦記念日の社説は最悪だ。思考も仕事も放棄している。昨年の緊張の方が、まだ私たちは考えていた。

朝日新聞・社説
日本の戦後71年 記憶を新時代へ渡す責任

日本は静かに、そして間違いなく、戦争体験者のいない時代を迎えつつある。終戦の前に生まれた世代は人口の2割を切った。戦友会などは次々に活動を終えている。日本人が71年間、厳粛な気持ちで過去と向き合ってこられたのも、あの過酷な時代をくぐり抜けた人びとが身近にいたからだ。その存在があればこそ、戦争は遠い史実ではなく共通の体験として、「戦後」という言葉で間近に意識されてきた。いつ、だれが、徴兵、動員され、どこで、どのように亡くなったのか。こうした記録も戦争の実相を知るのに欠かせまい。だが、地方の役場がつくった公文書の多くが、戦後の自治体合併を経て、廃棄されたり、行方がわからなくなったりした。文書管理のルールを定め、歴史的文書は国立公文書館に移すことを決めた公文書管理法が5年前に施行され、記録を後世に残す態勢はようやく整った。日本が起こした戦争の教訓を思い起こし、そしていまも不条理な紛争が続く世界の姿とを併せて考えることが、グローバル化時代を生きる市民一人ひとりに求められる責務ではないか、としている。

産経新聞・社説
終戦の日 先人への礼欠かぬ和解を 「譲れぬ価値」再確認する時だ

71回目のこの日を迎えるにあたり、2つの変化があった。一つは記憶に新しいオバマ米大統領の広島訪問である。大統領と被爆者が抱擁しあう姿は、原爆を落とした国と落とされた国のわだかまりを少なからず解消した。もう一つは、昨年8月の安倍晋三首相の「70年談話」に連なる外交で、その代表例はいわゆる慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意である。不正常な両国関係の改善に一定の効果をもたらした。国際的なルールを無視し、力ずくで権益の拡大を図るもう一つの国はロシアだ。国連安保理の常任理事国でありながら、秩序の破壊者の顔を隠さない中露両国は、日本を「敗戦国」に押しとどめようとする点でも共通している。日本が国際平和へのより積極的な貢献を目指しても、それを封じ込めようとする力は極めて大きいことを認識せざるを得ない。日本の名誉や国益に関し、譲れない一線を今一度確認しておく必要がある。日本をおとしめる曲解を認めず、嘘を正していく努力はより大切になる、としている。

日本経済新聞・社説
71年目の夏 戦後はいつまで続くのか

戦後71年目の夏である。安倍晋三首相の戦後70年談話の書きぶりが耳目を集めた昨年と比べ、今年のメディアの関連報道はかなり少なめだ。このまま戦後はわたしたちの日常生活から徐々に姿を消していくのだろうか。日本が戦後を語れるのは、あれ以来、戦争をしていないからだ。この先、戦後80年、90年……。戦後はいつまで続くのか。平和が破られるまで、である。戦後はいつまで、には別の答えもある。さきの大戦にかかわる諸問題のうち、解決をみていないものがいくつかある。これでは戦後を店じまいできない。従軍慰安婦に関する日韓交渉は昨年、「最終解決」で合意した。にもかかわらず、合意の具体的な進展に時間がかかっている。日韓双方に言い分がある課題ではあるが、近隣諸国といがみ合いを続けるのは好ましいことではない。靖国神社をめぐるあつれきも解決する方法はないのだろうか。赤紙一枚で戦地に引っ張られた人々を悼むための場所に、誤った戦争へと導いた指導者までまつられていることには違和感がある。高齢化社会といいつつ、戦前生まれは総人口の2割を切った。戦争体験者が急速に減り、世の中には勇ましい発言をもてはやす風潮もみられる。戦後がいつの間にか戦前にならないためにも、日本がなぜ戦争へと突き進んだのかを考え続けねばならない、としている。

毎日新聞・社説
終戦記念日 歴史に学ぶ力を蓄える

戦後71年。終戦時に20歳だった人も91歳になる。殺し合いの最前線で命を守るという、究極の矛盾を体験した生存者の数は急速に少なくなっている。A級戦犯が合祀されている靖国神社を主要閣僚が参拝すれば、再び歴史が強い政治性を帯びる。靖国問題の根底には戦争責任を裁いた東京裁判観の分裂があるからだ。300万人を超す戦争犠牲者への追悼はどうあるべきか。政治家はこの困難な課題を克服する勇気と信念を持ち続けなければならない。戦後70年から71年にかけて特筆すべき出来事に、オバマ米大統領の広島訪問(今年5月27日)がある。オバマ氏は4羽の鶴を折り、それを展示した原爆資料館の来館者は昨年より4割増えた。冷徹な国際政治と広島の祈りとの間の、ささやかだが意味のある懸け橋だ。71年続く日本の平和は至高の財産だ。これが80年、90年と続くようにするには、やはり努力がいる。歴史に学ぶ力を蓄えること。きょうはその大切さを確認する日である、としている。

読売新聞・社説
終戦の日 確かな「平和と繁栄」を築こう

71回目の終戦の日を迎えた。先の大戦で亡くなった310万の人々を追悼し、平和への誓いを新たにする日である。今年5月のオバマ米大統領の広島訪問は、米国で原爆投下を正当化する意見が根強い中での英断であり、17分間に及ぶ声明は多くの人の心を打った。日本側も、非人道的な行為を容認したわけではないが、謝罪を求めなかった。成熟した日米関係を象徴する歴史的な訪問だった。その土台には、自由や民主主義、人権といった価値観を共有する同盟国が長年築いてきた信頼関係がある。日本政府は、戦争に関する様々な史実の歪曲に対し、的確な反論を続けねばならない。国際社会のルールの順守を中国などに働きかけることも大切だ。ロシアとの北方領土問題の解決にも力を入れる必要がある。71年を経ても未解決の戦後処理問題を決着させ、日露平和条約を締結するには、一段と戦略的なアプローチが求められる。各国との建設的な関係を追求して、戦後日本が築いてきた平和と繁栄をより確かなものとしたい。先の大戦で犠牲となった戦没者の思いに応えることにもなろう、としている。

全体に感じたのは、危機感を語りながら、自らの仕事を放棄している新聞というジャーナリズムの無責任さだ。全紙に一貫しているのは「私たちは忘れていっているのでは?」という危機感。そこに抵抗するのは、記録すること、伝達すること、学習することだ。メディアの果たす役割は極めて大きい。だが、日本の新聞の社説はそれを完全に放棄している。
昨年、安保法制への危機感の中、安倍氏が出す70年談話は注目を集めた。いま記憶している人がいないほど、インパクトのないものだった。各紙がした解説など、さらに意味のないものとして葬られている。強い意志がなければ、何事も風化する。嘆く前に、残そうと努力するのが新聞であるはずが、まるでその意志は見えない。
ウォーレン・バフェット氏の言葉を思い出す。「人は、学ばないということを、学ぶべきだ」。私たちは、何度でも同じことを繰り返す。必死で覚えよう、学ぼうとしなければ。少なくとも、メディアは戦前と同じ過ちを繰り返すだろう。すでに、その路線を走っているかもしれない。政治の思惑から言葉を選び、疑念を追わず、責任の回避と怠慢で表現を濁す。3.11以前からつづけている報道比較で、確実に感じるのは、新聞の衰退だ。行政よりも政治は無能になったが、メディアは政治以上に腐った。幸運なのは、メディアは代替が効くこと、海外のメディアがいまは日本でも活動してくれていることだ。8.15深夜、まだ海外紙に終戦を題材にしたコンテンツはない。日本の新聞より、彼らのコンテンツを待たなければならなくなった私たちは、70年前に似はじめているのではないだろうか?

人民網日本語版
世界銀行 初めて中国でSDR発行 (2016.8.13)

中国人民銀行(中央銀行)は12日、世界銀行に中国インターバンク債券市場における特別引出権(SDR)建て再建の発行を認可したことを明らかにした。総額20億SDRを発行する予定で、人民元が決済通貨になる。世銀が中国でSDR債権を発行するのは、今回が初めてだ。人民銀関連部門の責任者によると、「世銀がインターバンク市場でこうした債権を発行するのは、金融ツールとしてのSDRの市場化を推進しようとする有益な試みであり、SDRの利用拡大の一層の促進にプラスであり、ひいては国際金融システムの安定性と強靱さを強化することになる。SDR建ての債権によって単一通貨ツールの金利リスクと相場リスクを回避することができ、中国と世界の投資家の資産配置の多様化をもたらし、中国債権市場の取引商品の種類を増やし、債権市場の開放と発展を促進することにつながる」としている。

中国が待ちわびていた人民元への信任のブランド。条件を整えた中国に、約束どおり世界銀行はSDRに人民元を組み入れた。昨日の上海株が上昇した理由はこれだろうか?これで中国への信頼が増し、アメリカに負けない2つめの世界の経済の原動力になってくれればいいのだが。

Wall Street Journal
クリントン氏支持率、激戦州でトランプ氏引き離す (2016.8.13)

米大統領選の民主党候補、ヒラリー・クリントン氏の支持率は激戦州3州で共和党候補のドナルド・トランプ氏に対するリードを広げ、フロリダ州でも優勢を維持している。コロラド州ではクリントン氏の支持率が46%と、トランプ氏の32%を14ポイント上回った。両党の全国大会前の7月に行われた調査からリードを6ポイント広げた。クリントン氏はさらに、共和党が優位に立とうとしていた南部2州でも支持率を伸ばした。バージニア州で46%、ノースカロライナ州で48%の支持率を獲得し、トランプ氏のそれぞれ33%、39%を上回った。フロリダ州は29人の選挙人団を擁する最重要州の一つで、まだ接戦となっている。クリントン氏は44%、トランプ氏は39%の支持率で、1カ月前の調査でこれより2ポイント低かったトランプ氏がやや挽回した、としている。

クリントン氏には、この優位な状況で、ぜひ勝利の先にあるアメリカの明るい未来へのビジョンを見せて欲しい。いままでの主張では、誰もクリントン氏に魅了されていない。信頼さえしていない。過去に味わった痛みで、冒険がしにくくなっているようだが、誇張し過ぎた夢物語ではなく、着実に4年で実現可能な、誰にとっても価値のある、女性ならではのビジョンが見えれば勝利は確実だ。相手はトランプ氏ではなく、アメリカ国民だ。

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