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2641.報道比較2016.6.16

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英国の国民投票にむけて、空気の重さがどんどん増している印象。ストレス。

Wall Street Journal
FRB金融政策、現状維持で利上げ見通し下方修正 (2016.6.16)

米連邦準備制度理事会(FRB)は15日、政策金利を据え置くとともに、今後数年間の利上げ見通しを下方修正した。経済成長がいつまでも加速せずインフレ率が低いため、FRBはどの程度の早さで利上げが可能かを考え直さざるを得なくなったようだ。連邦公開市場委員会(FOMC)後に発表した政策声明では、「経済情勢がFF金利の段階的な引き上げしか正当化しないかたちで展開すると予想している」と、このところ用いている文言を繰り返した。景気判断については、「労働市場の改善ペースが減速した一方、経済活動の伸びは上向いたよう」だとした。個人消費は強まったが、企業投資は弱いとし、インフレ期待に関する市場の指標は低下していると述べた。これはイエレン議長が6月初めの講演でいくらかの懸念を示した情勢だ。FRBは米経済に対するリスクが4月以降はあまり変わっていないとの見方を示した。4月と同様に、インフレ指標と世界の経済および金融面の展開を「注視する」と述べた。これは見通しに強い自信を示す表現とは言えない。政策金利を0.25%引き上げた昨年12月のように自信がある場合には、FRBは経済に対するリスクは均衡しているとしている、としている。

素人投資家の私は、今週のマーケットに相当フラストレーションを感じている。奇妙だ。その状況はさらに進んでいる。恐怖指数が上がるのに、アメリカの株価が無関心を決め込んでいるのを、初めて見た。後付けでも理由が判らない。気味が悪い。

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FRBの考え方には、誰もが納得だろう。とてもやさしい、世界が望んでいた利上げ見送り。そんな中、来週の英国の国民投票に、世界がストレスを溜めこんでいる。
ここ数年、ヨーロッパはこれに似た緊張を何度も体験してきた。幸いにも、今までは危機は悪い方に向かわなかった。ヨーロッパは相当疲れているだろう。英国の国民投票の後、その疲れが、とても気になる。やがて人たちはこの苦しみに「もうたくさんだ」と声を上げるのではないか、と。それは、経済で終わる話ではない。不安がまた漂いはじめている。

Financial Times
ブレグジットが決まれば、英国を穏便に離脱させろ (2016.6.13)

離脱派に傾いた最近の世論調査の変化は、残留陣営が展開している不安作戦がうまくいっていないことを示唆している。もし「プロジェクト・フィアー」――EU残留を訴える運動に付けられた呼び名――が英国で目に見えて失敗したら、よその国が採用することはできない。欧州統合支持派はその場合、EUを是とする前向きな議論を展開せざるを得なくなる。これは多くの人が難しいと思っていることだ。だからブレグジットは、加盟国が次々と英国の後に続いてEUから出ていくことを決めるドミノ効果を引き起こす恐れがあるという。残留陣営が勝った場合、ほかのEU諸国の政府はデビッド・キャメロン英首相と結んだ合意を守ると筆者は見ている。EUはどんな状況下でも、英国が「絶えず緊密化する同盟」から免除されることを許す条約変更を受け入れるべきではない。そんなことをすれば、欧州連合の趣旨そのものが荒唐無稽なものになってしまう。特にフランスで条約変更への意欲がないことを考えると、それが起きる危険はないと思える。だが、国民投票の結果がどうなろうとも、英国が欧州の未来を形作るうえで積極的な役割を果たす可能性は極めて低い、としている。

「恐れるほどのインパクトはない」と言えるのは、準備ができた人だけだろう。そんな人がいるのだろうか?弱気の私は、事が過ぎ去ってからでないと笑えない。随所に見える根拠なき楽観には、私は違和感があるが、最後の一文「国民投票の結果がどうなろうとも、英国が欧州の未来を形作るうえで積極的な役割を果たす可能性は極めて低い」には、頷いた。もう英国の心は欧州にはない。どんな結果でも、ギリシャの時より後味の悪い結末になる。心が共にない人たちが、形式的にいっしょにいてしあわせになれるだろうか?かなりの努力が必要になるのが普通だ。その努力を英国はする気が見えない。

朝日新聞・社説
参院選 各党の公約 これでは物足りない

参院選の主な政党の選挙公約が出そろった。どんな政策を、どんな優先順位でめざすのか。有権者との「契約書」だ。安倍首相が消費増税の再延期を表明した翌日に、政府が介護・子育て支援の拡充など「1億総活躍プラン」を閣議決定。その翌日、プランの具体策を盛り込んだ公約を発表した。驚くのは、以前から強調してきた社会保障事業がずらりと並んでいることだ。増税延期によって、国・地方をあわせて年に4兆円を超える税収が見込めなくなる。どう穴埋めするのかと思ったら、公約には「赤字国債に頼ることなく安定財源を確保して」とある。一方、民進党は増税を延期しても一体改革による社会保障の充実策は予定通りに実施するとしたほか、保育士らの月給5万円引き上げや給付型奨学金の創設も掲げた。財源は行財政改革などで捻出し、不足した場合には国債でまかなうと言うが、それが責任ある姿勢なのか疑問が残る。財政には限りがあり、政治の取り得る選択肢は多くはない。そんな時代の政党の公約にとって死活的に重要なのは、何を実現し、その代わり何はあきらめるのか、政策の優先順位を示すことにほかならない、としている。

読売新聞・社説
民進党公約 TPPや「辺野古」に及び腰だ

民進党が参院選公約を発表した。経済、子ども、社会保障など11の重点政策を掲げた。経済政策では、「アベノミクスは失敗」と断じ、「分配と成長の両立」を訴えて「人への投資」を強調する。具体的には、保育士給与の月5万円増額や、給付型奨学金の創設、最低賃金の時給1000円以上への引き上げなどを挙げた。疑問なのは、岡田代表が社会保障充実の財源を赤字国債で賄うと主張したことだ。代替財源を十分に検討せず、安易に「借金」に頼るのは避けるべきだろう。憲法に関し、9条改正には反対する一方、「未来志向の憲法を国民とともに構想する」との玉虫色の表現にとどまった。党内の改正推進派、慎重派の双方に気兼ねする構図は相変わらずだ。民進党など野党4党は公約とは別に、市民団体と政策協定を結んだ。この中で、米軍普天間飛行場の辺野古移設工事の中止を求めたことは理解できない。移設問題の迷走は、民主党政権が一時、県外移設を模索したことが要因だ。その後、辺野古移設を支持する立場に転じたのに、今になって「沖縄の民意を無視している」として、再び移設に水を差すのは、無責任に過ぎよう、としている。

舛添氏よりは確実に重要な参議院選挙に軸足を移した朝日・読売は正しい。各政党の公約の品質が悪いなら、提言と訂正を正式に依頼して欲しい。自民党も民進党も、無責任に社会保障を並べている。議論になっていない。これでは選べないと、メディアも主張をつづけて欲しい。
日本の未来を、本気で考えていない。選挙で当選することだけを考えている。そういう人を選ぶわけにはいかない。それくらいのことは18歳でも判る。無責任な人たちの公約では、参加する人は減るだろう。今のままではどちらに転んでも日本の財政は破綻する。そのための準備に時間を使った方が良さそうだ。
財政破綻は、来る時は一気に来る。日本への信任がなくなれば、日本への海外投資は一度、一気に退く。日本円で海外のものは買えなくなる。その時、日本は敗戦と同じくらい、自らの無能さと、戦略のなさをまた悔いるだろう。年金も、貯金も、消えてなくなる。海外に資産を逃がすなど、無駄な努力だ。人が死なず、焼け野原にならないだけしあわせだ。手に仕事があり、信頼される関係があれば、すぐにでも食える。能力が高ければ、海外でも仕事はできる。安くなった日本人の価値は、グローバルな場にいくほど戦いやすくなる。
大切なものの本質は、なにひとつ変わっていない。人の役に立ち、人がして欲しいことを、言ったとおりにしてくれる人なら、またやり直せる。日本は70年前に、そういう人たちがつくってきたのだろう。リセットの日はそう遠くはない。いま健康な人たちは、確実にその日を見ることになる気がする。大地震よりは、そうなる確率は確実に高い。備えよう。

産経新聞・社説
舛添氏の辞職 五輪の顔に清新な選択を 傷ついた都政の信頼取り戻せ

東京都の舛添要一知事が、政治資金をめぐる公私混同問題の責任をとる形で辞職願を提出した。決断は遅きに失したが、都政はこの問題をめぐって停滞していた。辞職は当然だろう。新知事にまず求められるのは、清新さである。3代続けて政治とカネの問題で都政をかき回すわけにはいかない。その上で、山積する課題を一つ一つ解決していく真の実務能力が問われる。舛添氏は抜群の知名度の高さが買われ、自民、公明の都政与党が「勝てる候補」として担ぎ、知事に就任した。そうした安易なやり方は、もう許されない。単なる人気投票の弊害は、十分に思い知ったはずだ。出直し知事選は、7月末か8月の投開票が予定されている。政治資金に対する倫理観を持ち、意欲と指導力を持った候補の選定に向け、各政党は改めて責任の重さを感じてほしい、としている。

日本経済新聞・社説
混乱を深めた舛添知事の遅すぎる辞職

東京都の舛添要一知事が21日に辞職する。参院選を控えて都議会与党の自民党、公明党からも不信任決議案の提出を突きつけられ、続投を断念した。都政の混乱を深めた今回の舛添氏の判断は、遅きに失したと言わざるを得ない。問題の発覚以降、都政の停滞も深刻になった。都庁の担当窓口に寄せられた苦情や意見は3万件を超す。都議会では知事が都政の重要課題に関して答弁できない事態になり、任期が切れる副知事の後任人事も一時、決められない状況に陥った。東京五輪に向けた競技施設の整備はこれから本格化する。深刻な待機児童の解消、超高齢社会への対応、環境対策の推進など、都政は依然として様々な課題を抱えている。日本経済のけん引役として東京が果たす役割も大きい。13年12月に辞職した猪瀬直樹氏に続く、「政治とカネ」問題での都知事の退場になる。4年間で3度目の都知事選というのは異常事態としか言いようがない。今度こそ、政治資金にきれいな候補者を選びたい、としている。

毎日新聞・社説
舛添都知事辞職 苦い経験を次に生かせ

舛添要一東京都知事が辞職願を提出し、議会も同意した。舛添氏は、今辞職すればリオデジャネイロ五輪・パラリンピックと選挙が重なることを理由に、不信任案の提出を待つよう議会に要請した。だが、信頼を失った知事が国際舞台に登場することの方がむしろ東京の不利益になる。週刊文春の報道に端を発した一連の疑惑は「公と私」の区別に対する感覚がいかに世間とかけ離れているかを浮き彫りにした。今回の混乱劇は、知名度競争選挙の苦い教訓になった。人気投票に終わらせず、どんな知事を後継で選ぶべきだろうか。2代続けて都知事が政治とカネで失脚した経緯を踏まえれば、政治とカネにクリーンで、公私の区別に厳しいことは最低限の条件となる。政党は今度こそ慎重に、重責にたえる人材を有権者に示すべきだ、としている。

この件で学べることなど、特になかった。また日本のブランドが棄損した。東京オリンピックへの海外の目は、もう疑心の方が強いのではないだろうか。これは先進国の姿ではない。

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