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2607.報道比較2016.5.15

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政治の醜聞が多く聞こえはじめた。選挙が近づき、臭い話題が飛び交うようだ。夏の選挙は醜くなりそうだ。私たちが見ているのは、能力。人柄?政治に何の意味があるのか?

日本経済新聞・社説
G7は中国の「市場経済国」認否で結束を

中国を世界貿易機関(WTO)協定上の「市場経済国」と認定するか否か。この問題で日米欧は結束して対応してほしい。欧州連合(EU)の欧州議会が、中国を市場経済国と認めるのは反対との決議を賛成多数で可決した。決議に法的拘束力はないが、日米も無関心では困る。WTOは生産活動や為替などを統制してきた国を「非市場経済国」と位置づけ、そこと貿易する国がダンピング(不当廉売)を認定しやすくしたり課税率を厳しく算定したりすることを認めている。仮に中国を市場経済国と認めると、反ダンピング措置を発動しにくくなる。不当な安値競争への歯止めがなくなり、「雇用に悪影響が及ぶ」と世界の鉄鋼メーカーは反対している。大事なのは、中国の改革を前進させる視点だ。中国は本当に市場経済国の名に恥じない経済になっている、といえるだろうか。少なくともサービス分野では、WTO加盟時の自由化の約束を十分に果たしたとは言い難い。今月の主要7カ国(G7)の首脳会議(サミット)はこの問題を議論し、方向性を見いだす絶好の機会である。議長国として日本に求められる役割は大きい、としている。

一紙、かなり重く、深い話題を提供している。スキャンダルに騒ぐ政治オタクとは一線を画した形。このままのクオリティが維持されるなら、日経に価値を感じる人たちは増えるだろう。私もそのひとりになるに違いない。
得られる利益から呑み込まれることが多かったヨーロッパが、中国の経済運営にノーと言いはじめた。ルールやマナーには厳格な国たちだ。ようやく本来の姿にまとまったとも言える。中国経済には、この週末にも悲観的な統計値が出てきた。まるで日本のバブル経済崩壊と同じような、不動産だけが上昇している。改革は進んでいるだろうか?

人民網日本語版
全人代外事委の責任者「南中国海はいかに現在の局面に至ったか」 (2016.5.14)

中国全国人民代表大会外事委員会の傅瑩・主任委員と中国南海研究院の呉士存・院長はこのほど、『中国新聞週刊』と米国『ナショナル・インタレスト』に、南中国海問題に関する共同署名記事を同時に発表した。南中国海情勢の緊張が始まったのは2009年からだ。それ以前も各種の摩擦はあったが、南中国海の情勢は全体としてはコントロール可能なものだった。情勢が複雑さを増した転換点は2009年に訪れた。「200海里を超えた大陸棚の限界」についての国連大陸棚限界委員会への情報提出期限(2009年5月13日)ともある程度関係している。米国のアジア太平洋戦略の調整も大きな刺激要素となっている。2013年1月22日、フィリピンは、中国に対する仲裁を国際海洋法裁判所に正式に提起した。中国外交部(外務省)はこれに対し、繰り返し声明を発表し、「フィリピンと仲裁裁判所は、仲裁案件の実質が領土主権と海洋境界画定、その関連問題にあることを無視し、中国が2006年に『国連海洋法条約』第298条の関連規定に基づいて行った適用除外宣言を故意に避けている」と指摘し、中国側の「承認せず、参加しない」との立場を強調してきた。フィリピンの開始した仲裁に対し、中国側は完全否定を貫いている。主権・資源・戦略安全に基づく現実的な利益の衝突も原因となっているが、相互認識における歴史的脈絡のなさと情報の一貫性の欠如、相互の戦略的意図と政策目標への憶測から来る疑念も大きな原因と言える。中国が南中国海において訴えているのは、国家の領土主権を保全しなければならず、地域の平和と安定を守らなければならないということである。未来の情勢がいかに進展するかは、各側の認識と選択による。もしも協力を選択すれば、多方面の利益となるかもしれない。もしも対立を選択すれば、行き詰まりさらには衝突に至り、どちらも完全な受益者とは成り得ないだろう、としている。

中国の主張は一貫しているのは認める。ブレはない。だが、世界の反応もこの件では一貫している。法廷が裁く権利はないとの主張を貫徹したいのだろうが、世界はそれを認めないだろう。協力の選択肢の案を中国は持っているだろうか?全体に中国への風当たりは厳しくなっている。

読売新聞・社説
ビキニ被曝提訴 国の情報開示があまりに遅い

中部太平洋・マーシャル諸島のビキニ環礁で1954年、米国が水爆実験を実施した。その際、周辺で操業していた漁船の元乗組員や遺族ら45人が、高知地裁に国家賠償請求訴訟を起こした。問題の水爆実験では、静岡県のマグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員23人が被曝し、半年後に1人が死亡した事件が広く知られる。だが、それ以外の日本漁船の被災実態は判然としていない。第五福竜丸事件を巡っては、55年1月、米国が法的責任とは無関係に慰謝料200万ドルを日本側に支払うことで政治決着した。原告側が被災の根拠とした国の資料には、延べ556隻の船体や船員の被曝状況に関する調査結果が記載されている。こうした資料の存在を、政府が86年の国会答弁などで「見つからない」と否定してきたことも看過できない。一転して見つかった経緯については、「徹底的に捜索し、倉庫で見つけた」と釈明した。国の資料によると、元乗組員らの被曝線量は、国際放射線防護委員会が、事故時に許容されるとしているレベルを大幅に下回るという。そうであっても、国は納得のいく説明を尽くす責任がある、としている。

最悪だ。この時の「国」はどの組織だろうか?厚生労働省の領域のように見えるが、読売の社説からもはっきりしない。はっきりせずに「国」と言うと、行政は逃げる。国会など、選挙を越えれば面々が変わる。そうでなくても年を越えれば閉会し、話題から消える。戦うなら、相手を特定した方がいいのではないだろうか。読売も、一度限りの批判で終わらせて欲しくない。

産経新聞・社説
五輪招致に疑惑 潔白の証明にはほど遠い

五輪招致をめぐり、多額の資金が国際陸連前会長側に送金されていたことが明らかになった。フランスの司法当局が公表し、当時の招致委員会理事長で日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が送金の事実を認めた。竹田氏は「正規の海外コンサルタント料であり、招致活動はフェアに行ってきた」と述べたが、説明は不十分である。仏司法当局は汚職や資金洗浄の容疑で捜査しており、不正の疑いを持たれた以上、まず、自らの手で調査を尽くして公表すべきだろう。セネガル人の国際陸連前会長は東京五輪開催の決定時、国際オリンピック委員会(IOC)委員として投票権を持っていたほか、アフリカ票のとりまとめ役として日本側が頼ったとされていた。疑念は多々あり、何も解消していない。招致委員会はすでに解散しているが、事業を引き継いだ組織委員会が解明の責任を持ち、政府も強く指導すべきだ。
 希望の象徴として期待した東京五輪は、新国立競技場計画や大会エンブレムをめぐり、負の話題ばかりに覆われてきた。荒療治による出直しが必要ではないか、としている。

産経の言う「荒療治」とは何だろう?組織を変えれば直るようにも見えない。日本再生の大切な目標に位置づけられている五輪。現政権が奇跡のように開催獲得を演出してきたが、真偽に関わらず、ブラジル以上に国民のモチベーションは下がる。これで開催を盛り上げるためのあらゆる活動に、また抵抗心が生まれるだろう。結束のためのイベントが、分裂の象徴になりそうだ。このスキャンダル以上に、その兆候に不安を感じる。

朝日新聞・社説
舛添都知事 公私混同も甚だしい

次々と浮かぶ問題から露呈したのは、市民感覚からかけ離れた舛添要一・東京都知事の公私混同ぶりと、公金を使うことへの鈍感さだ。これが都政のトップの感覚なのかとあきれる。知事就任前の2013年と14年に千葉県のホテルで開いた会議費約37万円は、実際は家族4人の宿泊費だった。いずれも正月に訪れ、プールも利用した。舛添氏の説明では、宿泊の間に衆院選や都知事選について事務所関係者と会議したので政治活動にあたるが、「誤解を招いた」ので返金するという。見苦しい言い訳だ。本人分だけならまだしも、家族の宿泊費までも政治活動費と称するのは強弁がすぎる。家族との旅行先でビジネスマンが緊急の仕事を処理したとしても、丸抱えで出張費になるはずがない。常識の問題だ。今回の一連の問題は、法律や都のルールに直ちに違反しているとまでは言えないかもしれない。しかし舛添氏が都知事に就いたのは、前任の猪瀬直樹氏が選挙資金疑惑で辞任したことを受けてだった。「政治とカネ」に注がれた都民の厳しい目を、いま一度肝に銘じるべきだ、としている。

毎日新聞・社説
舛添都知事 会議の人数が「機微」か

舛添要一東京都知事に私的なホテル代を自らの政治団体から支出した疑惑が浮上している。舛添氏は記者会見で「家族と泊まった部屋で会議をした」と釈明したが、会議の参加人数の説明を拒むなど、納得を得るには遠い内容だった。政治資金収支報告書に私的な会食の支出が含まれていたことを認め、収支報告書の訂正や返金を表明した。舛添氏は謝罪と同時に知事を続投する考えを示したが、これでは公私混同の疑念を抱かざるを得ない。ホテルで開いたとする会議について、舛添氏は参加者数を聞かれたが「政治的な機微に関わる」として、明らかにしなかった。参加者名はおろか、人数の説明すら拒むような対応は理解できない。都知事としての行動をめぐっても舛添氏は公用車で都庁などと神奈川県湯河原町の事務所兼別荘をひんぱんに行き来していたことや、海外出張の際の旅費の高額さも批判されている。公私の区別や公金の使い方をめぐる感覚が問われていることを重く受け止めねばならない。20年東京五輪はもちろん、超高齢化や待機児童問題など都政の課題は山積しており、停滞は許されない。舛添氏は「批判を真摯に受け止め、都政を運営したい」と強調した。だが、本当に疑惑を払拭したいのであれば、まずはホテルでの会議の状況を説明すべきだ、としている。

舛添氏の問題を最初に目にしたのは、私は週刊誌ではなく、Huffington postの、おときた駿氏の記事からだった。

おときた駿さんによる記事一覧 by The Huffington Post

私が目にしたのは、舛添氏の海外出張の記事だった。彼は都議会議員。知事の出張のあり方を指摘すべき立場にあり、民主主義としてワークしていると思って見ていた。その後、出てきた数々の醜聞。選挙近し、の様相がはじまった。
スキャンダルで政治に一般人のカネの感覚と違う指摘される時は、今までは自民党とは逆に支持が流れる時に起きていた。それだけ自民党はカネと政治をリンクさせて動かしてきたのだろう。舛添氏の感覚は、発覚したスキャンダルにしても、会見にしても、に有権者から支持を得られるものにはなっていない。攻撃は十分に機能した。この感覚を、自民党とリンクさせることはたやすい。そして自民党にしてみれば、バラマキの論理武装がやりにくくなった。
ただ、アメリカでパナマ文書が出るようなレベルに比べれば、日本の攻撃はどれも規模が小さく、引っ張り合いのパワーも、社会にインパクトを与える程でもない。さらに、最終的に政策論争、人格やリーダーシップの見極めと、建設的に話題がシフトするならいいが、いつまでも是非論、資質、好き嫌いで終わってしまう。だから政治家も謝罪と辞任でケリがつく。数年経てば忘却の彼方、だ。これがリーダーシップなら、能力の差異になり、結果か、その後の成長のエビデンスが必要になる。下野でこれだけの再生を行った、政策としての検証を行ったと民主党がいま示せるなら、私たちはチャンスを与えるだろう。自民党への批判、是非論、アベノミクスの失敗だけをあげつらうなら、彼らは成長していないと判断する。
私たちが見ているのは、能力と結果だ。人柄?最初からそんなものに期待して票をいれている人は、ゼロだ。舛添氏に必要なのは、説明の能力と、結果の証明だった。ファースト・クラスに乗れる人物としての結果は、私は見たことがない。バッジを外して、エコノミーからやり直す時期だろう。

Wall Street Journal
「ドル安・株高説」の真偽 (2016.5.13)

ドルの重要性に関して、今年は「ドル安が株価を押し上げている」という説が支持を集めている。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ観測を後退させ、ドルの2年間に及ぶ上昇局面を終わらせたことで、世界の市場を救ったというものだ。この説はほぼ全ての投資家が信じているようだが、株価が年初の急落から持ち直していった状況と整合を図るのは難しい。しかも、少なくともこの数週間は事実と全く異なる。確かに、この説通りの展開になった時期もあった。1カ月前、ドルと米国株が正反対の方向に動いた回数は、2012年以降で最多に上った。ドルが下落した日には世界的にリスク選好意欲が高まり、株価は上昇した。反対にドルが上昇すれば株安となった。S&P500種指数は3月から4月初めにかけて、ドル安を背景に約5%上昇した。ドル安が株価の支援材料だったのは過去の話だ。ドル安が株高につながった説明として、以下のような話がよくされる。「ドル高によって国際金融市場の流動性が低下し、世界中から準備通貨が吸い上げられ、ドル建てで資金を調達していた人々、特に新興国の借り手が打撃を受けた。FRBが年初の国際市場混乱に懸念を徐々に強めていく中、トレーダーが利上げ予想を後ずれさせ、インカムゲイン狙いでドルを保有する妙味は薄れた。その後、FRBが年内の利上げ規模を縮小するとの見方が広がったことでドルが下落した。これが市場のリスク選好意欲を高め、株価を押し上げた」現時点では、早期利上げについて何らかの示唆があれば、それが景気拡大期待を背景にしたものであっても株価の悪材料(ドルの支援材料)になるという感じがする。だが、確かなことは言えない。米国株とドルの連動性はこの1カ月で失われ、ドル安・株高説から示唆される以上にずっと不安定になっている、としている。

この主張の趣旨は「アメリカ株高には、気をつけろ」だろうか?この3か月、急速にアメリカ株は下落から回復した。だが、昨年の高値は越えられそうもない。業績による上昇ではない。だから誰もが脅えながら上げている。一部に「誰もが悲観する時が上昇のはじまり」との声も出はじめたが、私はWall Street Journalと同じ恐怖を感じている。必死にドル安を維持したいアメリカ政府の意図は理解できる。3年も円安メリットを享受した日本が、そろそろやり方を変えるべきだとも思う。どの理由も、アメリカ株を買う理由との相関性はない。上げたら、手放す方がいい時期だと思っている人は多い。果たして?

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