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2597.報道比較2016.5.5

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こどもの日。いま、日本でもっとも大切な休日かもしれない。この日を、ここまで真剣に考えなければならない日が来るとは、私がこどもの頃、数年前でさえ想像もしなかった。

朝日新聞・社説
子どもの貧困 学び支え、連鎖断ち切ろう

4月に公表された国連児童基金(ユニセフ)の報告書は、日本の現状を浮かび上がらせた。最貧困層と標準的な層との格差を国ごとに分析しており、日本の格差は41カ国の中で8番目に大きいという。対策としてまず問われるのは、そうした家庭へのサポートだ。日々の生活を助ける各種の手当や親の就労への支援など、福祉を中心とする施策が重要であることは言うまでもない。それ以上に考えなければならないのは、子どもたちに焦点を当てた支援だ。生活の苦しい家庭で育った子が、大きくなってもその状態から抜け出せず、世代を超えて続いてしまう「貧困の連鎖」をどう断ち切るか。「子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る」。2014年に施行された子どもの貧困対策法を受け、政府が閣議決定した大綱がうたう理念だ。
言葉だけで終わらせてはならない。社会保障と教育を両輪に、対策を充実させたい。とりわけ教育分野では、経済規模と比べた公的支出が先進諸国の中で最低水準にとどまる。予算を思い切って増やすべきだ。社会全体で子どもを支える。その合意と負担に向き合う覚悟が問われている、としている。

日本経済新聞・社説
若者と子を見捨てぬ世界と日本に

若者や子どもがしっかりと教育を受け、定職に就く。かつては当たり前だったこのことが、難しくなっている世界の現実がある。きょう5月5日のこどもの日に考えてみたい。持続可能な経済と社会の安定の実現には、若者や子どもを見捨てず、その健全な成長と自立を後押しする必要がある。世界と日本は支援を惜しんではならない。経済危機が起きると若年層は最初に職を失い、景気が回復局面に転じても仕事に就くのは最後になる、といわれる。すでにリーマン危機から7年半あまり過ぎたが、危機の後遺症は若者に重くのしかかったままだ。欧州はその典型だ。ギリシャやスペインの25歳未満の失業率は今も40%を超えている。パリとブリュッセルは過激派組織「イスラム国」(IS)によるテロに見舞われた。実行犯の多くは北アフリカなどからの移民2世、3世だったとされる。日本の子ども・子育て支援などの家族関係支出は、先進国の中でも少ない。社会保障の歳出を組み替え、子ども・子育て支援にもっと予算を振り向けるべきだ。今夏の参院選からは選挙権年齢が18歳以上に引き下げられる。各党は安易なバラマキではなく、骨太な若年支援策を競ってほしい。若者に希望を与えられない世界や日本であってはいけない。各国・地域の政治指導者は勇気を持って、若者受難の局面を変えてほしい、としている。

読売新聞・社説
日比防衛協力 海自機貸与で監視能力高めよ

フィリピンが南シナ海で、中国の一方的な海洋進出と現状変更に直面している。日本は、米国と連携し、重層的な防衛協力を進めたい。中谷防衛相がフィリピンのガズミン国防相と電話会談し、退役した海上自衛隊の練習機TC90を有償貸与することで合意した。最大で5機の見通しだ。操縦士の教育・訓練や関連機材の提供、現地での機体整備などでも協力する。今回の貸与は、フィリピンが要請した。昨年6月の日比首脳会談の合意に基づき、今年2月に署名された日比防衛装備品・技術移転協定の最初の適用例となった。アキノ大統領は、安倍政権の「積極的平和主義」を全面支持し、安全保障法制も高く評価する。2国間関係も強化されよう。米軍と適切に役割分担しつつ、フィリピン軍など当事国の能力構築を様々な手段で支援することを通じて、南シナ海の平和に貢献することが大切である。それが、中国の力による現状変更を認めず、日本自身の海上交通路(シーレーン)の安全を確保することにもつながろう、としている。

こどもの日が、ここまで重く、真剣に考えなければならない日が来るとは、私がこどもの頃、いや数年前でさえ想像もしなかった。そこまで少子高齢化は急速に進み、何の対策もなく国力が衰退している。その歪みと痛みが、母数が少なく選挙権のない若年層に集中している。
この問題は、日本にとって最も大切で、切実な問題だ。すでに国際的な人権団体や、国連が指摘し、政府や省庁に勧告を出している時点で、日本のやっていることは地球上で「直すべき悪い状態」と指摘されたことになる。恥ずかしいの域ではない。間違っているのだ。
利害関係から考えれば、政治がこの問題に真剣に取り組むのは選挙権の多いリタイヤ世代が自分たちよりも子を守れと言うか、こどもがいないと経済か財政が回らなくなるまで動かないだろう。老後世代には期待できないだろう。生活保護の比率も高まり、自分たちだけで精一杯。政治への圧力をむしろ手放したくないはずだ。となると、経済。いまの日本の財政がこどもをどう考えているかは、残念ながら「資産」ではなく「コスト」だろう。やはり、企業、働く私たちが、もっとこどもを中心に据えた感覚にシフトするのが、もっとも早道な気がする。
このあたり、個人的な活動はまだ具体的に発信できる状態にはないが、気づくことからはじめると、案外いろいろなことに取り組めると気づく。育児休暇が取れないと叫ぶよりは、準備できる時間をどれだけこどもに使っているかで考えた方がロジカルだし、休める人たちがこどもを支える仕組みを、家族、地域、知人でつくる方が、保育所をつくれと行政に訴えるよりスピードも早く、自由度も高い。待つこと、意見を通すための努力をつづけることは大切だが、同時に、今できることを、少しずつ前に進めるのは、とても大切だ。
私は、今年、学校も落ち着いてきたこどもにプログラミングを教える。できればそこから、コミュニティをつくりたい。先生に、ITの楽しさを気づいて欲しい。そのために協力できることを、こちらから投げかけている。ここからビジネスを教えることも、海外とつながることも、社会を体験することも不可能ではない。どうしたいかは、こどもたちに任せたいと思っている。
こどもは、常に見ている。世界を、社会を、大人を、自分を。善し悪しを考える前に、吸収し、真似る。何度も私は大人の感覚が間違っていることに気づかされた。せめて、ひとつでも多くの機会を、年を多く取っている世代が、次の世代に渡してあげることができれば、こどもは自ら動く。その可能性に貢献していきたい。

産経新聞・社説
北朝鮮の党大会 未来なき核路線放棄せよ

就任から4年間の実績を誇示し、権威を高める。北朝鮮の金正恩第1書記が36年ぶりに開く朝鮮労働党大会の狙いはそこだろう。最近の北朝鮮は、ミサイル弾頭の「大気圏再突入模擬実験成功」の主張や、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射時の写真公開など、とりわけ内外への宣伝が目立つ。正恩氏は、核開発と経済建設の「並進路線」を掲げているが、核開発を続ける限り、これらの制裁は解けない。経済発展が望めないのは自明のことだ。党大会を契機に、正恩氏が国際社会との対話路線に転じるとの観測もあるが、どうだろうか。緊張を高めた上で相手を交渉に引き出し、見返りを求める「瀬戸際戦術」は、父親の正日氏の常套(じょうとう)手段だった。相手の出方を見誤った国もあるが、国際社会がさらに翻弄される愚を繰り返すことはあるまい。正恩氏という若く特異な指導者は、外国首脳との交流もなく、行動の予測が難しい。
隣国である日本が、政権崩壊を含めたさまざまな事態を想定し、万全な備えをとっておくべきことは言うまでもない、としている。

読売新聞・社説
日比防衛協力 海自機貸与で監視能力高めよ

フィリピンが南シナ海で、中国の一方的な海洋進出と現状変更に直面している。日本は、米国と連携し、重層的な防衛協力を進めたい。中谷防衛相がフィリピンのガズミン国防相と電話会談し、退役した海上自衛隊の練習機TC90を有償貸与することで合意した。最大で5機の見通しだ。操縦士の教育・訓練や関連機材の提供、現地での機体整備などでも協力する。今回の貸与は、フィリピンが要請した。昨年6月の日比首脳会談の合意に基づき、今年2月に署名された日比防衛装備品・技術移転協定の最初の適用例となった。アキノ大統領は、安倍政権の「積極的平和主義」を全面支持し、安全保障法制も高く評価する。2国間関係も強化されよう。米軍と適切に役割分担しつつ、フィリピン軍など当事国の能力構築を様々な手段で支援することを通じて、南シナ海の平和に貢献することが大切である。それが、中国の力による現状変更を認めず、日本自身の海上交通路(シーレーン)の安全を確保することにもつながろう、としている。

こどもの日にはあまり耳にしたくない話題だが、世界の平和は無償ではない。誰かが努力しているから、自分が休めている。その意味では重要な話題ではある。だが、両紙の主張は、大人さえ理解に苦しむ一方的なものだ。こどもに訊かれたら答えられない。
読売や政府は、毎日の視点にどう応えるだろう?私は、毎日の言う「既成事実」という感覚を中国が利用しないかが心配になっている。
北朝鮮のリスクには、私も産経と同意見だ。様々な事態を想定する。これが大人がこどもに伝えるべき大切なことだ。残念ながら政治はこのあたりの情報開示をする意志はない。社会で学ぶには、学校が教えるより、親が教えることではないだろうか?

人民網日本語版
熊本地震 日本の震災救援と復興に新たな特徴 (2016.5.4)

熊本県で4月14日に発生した強い地震は、1995年の阪神大震災、2011年の東日本大震災に続く重大な自然災害となった。この地震は、日本の南西地区にある複雑な断裂帯上で発生したもので、有感地震の回数はすでに1100回を超えた。16日には14日を上回る規模の地震が発生、この地震が本震とされ、専門家の常識を覆した。気象庁はこれを受けて「余震発生確率」の発表を取りやめたほどだ。これほど深刻な災害に、日本の世論は復興が非常に困難になるだろうと予測したが、日本の政府、各地方自治体や企業の努力によって、鉄道、道路、インフラは徐々に回復している。熊本地震の救援と復興では、これまでになかったいくつかの特徴がみられる。
第一に、大企業が集団の強みを活かし、迅速な復旧を実現した。トヨタ自動車は地震後に部品の供給が滞ったため、国内の15工場の生産を一時的に停止した。しかし同社は世界各地の子会社、あるいはパートナー企業から部品を調達し、4月25日より徐々に操業を再開した。また、パナソニック、日本製紙、コカ・コーラなどもグループ会社の協力により、4月末には生産を再開した。三菱電機、ホンダの二輪車、ソニーのデジタルカメラなども5月より生産を再開する見込みだ。、としている。
第二に、政府の直接介入にはプラスの面もあるが、政治的な計算も見られる。阪神大震災後、情報の遅れにより救援が届かず、損失が拡大した。今回、日本政府はこの教訓を活かし、地震発生後直ちに被災者に直接食料・飲料・テントなどの物資を送ることを決定、全国から警察・消防隊員を集め、すぐに現場に向かわせた。
第三に、建築基準の着実な実施と向上が必要であることが分かった。日本は1981年に建築基準法を制定、2000年の改正時に安全基準を引き上げた。しかし、これらの基準は新たに建設される建物でのみ適用されるため、古い建物の耐震性は大きな問題となっている。今回の地震で倒壊した家屋の半数は、建築基準法が発効する前に建てられたものだった。古い家屋の耐震性強化は日本社会の新たな問題となっている、としている。

ここまでの分析を、仮に中国で災害が起きた際に、日本のメディアはこの短期間でできるだろうか?防衛費に脅える前に、情報戦で負けている。収集能力でも、分析でも、操作でも、ハッキングでも、日本が中国に勝てる気がしない。日本の安全保障の方向性は正しいのだろうか?

Financial Times
ブレグジットが意味をなさない10の理由 (2016.4.27)

もし国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めたら、英国はほぼ間違いなく、隣人や最も重要な経済的パートナーの暮らしを体系化している枠組みから永遠に外れる。そう考えると、問題は、離脱する選択肢を今行使すべき否か、ということになる。絶対にすべきでない、というのが筆者の答えだ。なぜそうなのか理解するために、離脱を是とする人気の主張を検証してみよう。
1つ目は、EU加盟はほとんど恩恵をもたらさなかったというものだ。これは間違っている。欧州改革センター(CER)は、英国の加盟はEU諸国との貿易を55%増加させ、生産性と生産高を高めたと試算している。
2番目は、EU加盟は莫大な費用を強いたというものだ。だが実際には、差し引きの財政コストは、国内総生産(GDP)のわずか0.5%にすぎない。
3番目は、統合の度合いを強めるユーロ圏が英国に指図するようになるというものだ。だが、ユーロ圏の完全な政治同盟は、まずあり得ないように見える。また、ユーロ圏諸国は多くの点について意見を異にしており、英国が影響を及ぼすチャンスをもたらす。
4番目は、ユーロ圏の解体が英国経済に損害を与えるから、英国は離脱すべきだというものだ。もしユーロ圏が無秩序な形で分裂したら、最も近しいパートナー諸国に及ぶダメージはかなり大きいかもしれない。だが、EUは無期限に英国最大の貿易相手であり続ける。だから英国は、EU域内にいようがいまいが、ユーロ圏の解体によって損害を被る。
離脱を支持する人たちは、残留によってもたらされる損害と離脱によって切り開かれる機会の幻想を提供している。こうした議論にはどれも正当性がない、としている。

いよいよ本気で、メディアが騒ぎはじめた。アメリカ大統領までが諭しにいくほど、英国民は本気でEUからの離脱を検討している。人に待てと言われると、行きたくなるのが人の性だ。結果はどうなるだろう?ロシアが、そして中国が、偶然の結果のあとに生まれる奇跡を狙っている。

Wall Street Journal
トランプ氏の独走、アジアで警戒-各国の反応 (2016.5.3)

米大統領選の共和党候補指名争いでドナルド・トランプ氏がほぼ独走態勢に入り、アジア諸国は「トランプ大統領」が実現した場合の影響を見極める取り組みを本格化させている。日本の外務省のある高官は、このような状況を想定していなかったと話した。同省では最近になってからトランプ氏の関連発言をまとめ、アジアへ及び得る影響を分析し始めた。だがこの高官によると、作業ははかどっていない。トランプ氏自身の立場に関する情報があふれている一方で、同氏の顧問らがどのような見解なのか、はっきりしないのだという。トランプ氏は中国の貿易政策を厳しく批判しており、中国でも一部の反応は冷ややかだ。中国人民大学で国際関係学を専門とする時殷弘氏は、トランプ氏の姿勢を警戒していると述べた。アジアにもトランプ氏の味方はいる。マニラには56階建ての新「トランプタワー」が今年中に完成する予定。ここで働くフィリピンの建設作業員や警備員は、テッド・クルーズ上院議員(テキサス州)などを相手に繰り広げてきた候補指名争いについて何も知らないながら、トランプ氏へ力強い支持を表明した。現場監督のジェリー・ガルシア氏は「トランプ氏が勝てばフィリピンにとって好ましいこと請け合いだ」とし、「われわれは皆、トランプ氏が好きだ。彼の息子たちもここを訪れたことがある」と語った、としている。

世界が少しずつ、アメリカのリスクに向けて身構えはじめている。もし彼が大統領になるなら…私も保有している米ドル系の資産をどうするかは考える。いつ凍結して没収と言い出すか判らない大統領だ。その前に引き上げる準備くらいはする。私は、注目を集める才覚はすごいと思うが、絶対に信じられない。状況が変わったら、平気で「I love Hispanics!」と笑える人だ。アメリカの大統領が、こういう人になる時代が来るとは思わなかった。
事業をアメリカにどう展開するかもリセットする。いま、私はベイエリアのあまりの物価高騰と、バブルが頂点に達している現実を見て、アイドリングしている。だが、トランプ氏ならアイドリングではない。リバースさせる。私のような零細がこの感覚だ。金融や自動車産業は、すでにスタンバイしているのではないだろうか。政治が分析して答えを出してからでは遅い。政治より先に身構えるべきだろう。鳩山氏が沖縄にしでかした失態どころではない。世界をこの人物ひとりで大混乱させることになる。

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