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2588.報道比較2016.4.26

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平穏な日に思えたが、社説が語る内容は、どれも重苦しいものばかりだった。しかも、長い時間悩まされるような…

Financial Times
難民危機やブレグジット騒ぎにかすむギリシャ危機 (2016.4.22)

欧州の政治家が欧州連合(EU)への難民流入と英国のEU離脱を防ぐのに忙殺されている間に、すべてのEU危機の母であるギリシャでは、マグマが再び静かにゆっくりと蓄積されつつある。ギリシャ政府が次の金融支援を受け取ることができなければ、7月に期限が来る35億ユーロの債務返済でデフォルト(債務不履行)し、「グレグジット(ギリシャのEU離脱)」の可能性が再び高まる恐れがあるのだ。国際通貨基金(IMF)は、チプラス氏が約束を守ると確信できるまではギリシャ支援に参加するか否かを決断しないとの姿勢を明らかにした。チプラス氏は、IMFへの返済をデフォルトした先進国指導者の第1号になったからだ。四半期ごとに行われるはずの第1次評価は、それから2四半期が経過してもまとまっておらず、ギリシャ、ドイツ、そしてIMFとの間の溝は深まっている。ところが今では、シリアやイラク、アフガニスタンからの難民5万人を劣化しているキャンプに押し込めたEU加盟国の今後に、関係者は強い不安を抱いている。ほかのEU諸国は、欧州への移民流入と対峙する前線基地になってくれることをギリシャに期待しているからだ。結局のところ、こうした汎欧州の政治の現実により、ギリシャとの再度の交渉はまとまる公算が大きくなっている。ただし、それが良い内容になるか否かは、また別の話だ、としている。

ヨーロッパは、また同じ過ちを犯した。先送り。4重苦、6重苦と溜め息交じりに苦しさの要素を挙げていたが、どれひとつ解決せずに時間だけを稼いでいた。結果、昨年より事態は悪い。中国経済と同じレベルの恐さをヨーロッパ危機に感じる。メルケル氏が安泰でなくなったこと、ギリシャに難民というさらなる利害が加わったこと、中国もアメリカも、もはや自国で精一杯なこと、ロシアでさえプーチン氏は自らの護衛を固めるほどの余裕のなさだ。こうしてみると、安全通貨の日本円と言われる理由も判る気がしてくる。私たちには財政しかリスクがない。政治など、入れ替えれば済むこと。だが、他の地の難題は…複雑を極めている。繰り返されるギリシャ危機には、もはや予測さえできない。昨年以上に複雑な感情を誰もが持っている。冷静な判断を誰もができなくなっている。アメリカはリーダーをこのタイミングで変える。恐ろしいほどリスキーだ。

Wall Street Journal
チェルノブイリ事故30年、封印される石棺 (2016.4.25)

チェルノブイリ原子力発電所で史上最悪の原発事故が起きてから、26日で30年を迎える。今回、原発周辺に設けられた一般人立ち入り禁止区域に入った。30年前に人々が避難し放棄された村と集団農場の跡を通り過ぎると、原発近くに巨大な輪郭を持った新しい建造物が現れた。約2500人の作業員が建設している鋼鉄製の新シェルターだ。これは原子炉4号機を覆うもので、完成に近づきつつある。4号機は現在、事故後に急造されたコンクリート製の「石棺」に覆われている。計画通りに進めば、高さ350フィート(約107メートル)超、長さ500フィート(約152メートル)のアーチ型シェルターは来年後半、4号機と核燃料の上に移動される予定だ。これにより、少なくともその後100年間は放射性物質を封じ込められるとされている。たとえ資金提供者が不足分を埋めたとしても、チェルノブイリ原発は今後もウクライナの財政的問題となるだろう。同原発の密閉作業にはEBRDのほか40カ国以上が資金を提供しており、海外の資金提供者は、費用負担でウクライナ政府が大きな割合を占めるまでには何年もかかるとみている。ウクライナは東部ドンバス地域でロシアが支援する分離独立派と戦っているために経済が揺らいでいる。チェルノブイリ原発の責任者、イゴール・グラモトキン氏は「ご承知の通りウクライナは現在、(戦争のせいで)財政状況が極めて厳しい。だが私は、ウクライナ経済が回復し、すべてのプロジェクト資金を賄えるようになると確信している」と話した。、としている。

こうして、事故を振り返る日がフクシマにも来るのだろう。30年か。まだ10代だった私にも、人間がしてはいけないことをした、取り返しの付かないことをしてしまったという雰囲気だけは今でも覚えている。その後、ロシアは痛みを忘れたように原発を再開している。昨年末にレニングラードの原発で事故らしき風景も流れたが、大事に至った形跡はない。
ここで、人は過信する。人間が完全でないと認めるなら、事故が起きる確率とともに、起きた際の被害の規模を考えるのが当然だと思うが、原発で失う時間を、知見のある方々はどう思っているのだろう?30年経っても変わらない、忘れることを能力のひとつに持つ私たちは、何度も痛い思いをするしかないのだろうか?

日本経済新聞・社説
パリ協定の早期発効で温暖化を抑えよ

地球温暖化を抑えるための「パリ協定」の署名期間が22日に始まり、日本を含む170を超える国の代表が初日に署名した。協定が効力をもつには参加国ごとに批准のための国内手続きが必要だ。各国が迅速に手続きを進めるよう求めたい。パリ協定は昨年12月の国連の会議で196カ国・地域が合意した。日米欧など先進国だけでなく中国、インドなど新興国にも温暖化ガスの排出削減を求める初の「全員参加型」の国際枠組みだ。発効には55カ国以上、かつ世界の温暖化ガス排出量の55%以上を占める国の批准が必要だ。米中の排出量の合計だけで世界の4割近くに達する。両国の前向きな姿勢は多くの国に批准を促すだろう。ただ、米国は石炭火力発電所からの温暖化ガス排出規制をめぐり訴訟を抱える。連邦最高裁判所は一部の州の訴えを聞き入れ規制の執行停止命令を出したため、排出削減が難しくなる懸念がある。日本は5月に主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を開催する。早期に批准する意思を明確に伝えるとともに、議長国として他国にも批准を呼びかけ、発効への道筋をつくってほしい、としている。

毎日新聞・社説
パリ協定署名式 発効への熱意示された

地球温暖化を抑えるための「パリ協定」の署名期間が22日に始まり、日本を含む170を超える国の代表が初日に署名した。協定が効力をもつには参加国ごとに批准のための国内手続きが必要だ。各国が迅速に手続きを進めるよう求めたい。パリ協定は昨年12月の国連の会議で196カ国・地域が合意した。日米欧など先進国だけでなく中国、インドなど新興国にも温暖化ガスの排出削減を求める初の「全員参加型」の国際枠組みだ。発効には55カ国以上、かつ世界の温暖化ガス排出量の55%以上を占める国の批准が必要だ。米中の排出量の合計だけで世界の4割近くに達する。両国の前向きな姿勢は多くの国に批准を促すだろう。ただ、米国は石炭火力発電所からの温暖化ガス排出規制をめぐり訴訟を抱える。連邦最高裁判所は一部の州の訴えを聞き入れ規制の執行停止命令を出したため、排出削減が難しくなる懸念がある。日本は5月に主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を開催する。早期に批准する意思を明確に伝えるとともに、議長国として他国にも批准を呼びかけ、発効への道筋をつくってほしい、としている。

先進国で、人口も減り、高齢化という成熟した社会になるのだから、エコロジーの面では世界一を目指すくらいの効率的で、やさしい社会を目指す気概を持ちたい。リーダーはそんな話さえする気がなさそうだが、私たち自身がそう生きる楽しさに気づきたい。
何よりも、楽しむことか?急がないことだろうか?省エネルギーといえば我慢という発想を、まずは捨てて取り組みたい。

朝日新聞・社説
ハンセン病 司法の差別、決着せぬ

ハンセン病患者の裁判がかつて、隔離された「特別法廷」で開かれていたことをめぐり、最高裁はきのう、元患者らに「患者の人格と尊厳を傷つけたことを深く反省し、お詫びする」と謝罪した。裁判を隔離した判断のあり方は差別的だった疑いが強く、裁判所法に違反すると認めた。最高裁が司法手続き上の判断の誤りを認めて謝罪するのは極めて異例であり、検証作業をしたこと自体は評価できるだろう。今回の最高裁の検証では、「裁判官の独立」を理由に、個別の事件の判断は避けられた。だが、手続きに問題があれば、裁判そのものに疑いが生じかねない。本来なら個別事件も検証し、被害救済や名誉回復まで考慮すべきだろう。今後、再審請求があれば、裁判所は真剣に対応すべきだ。差別や偏見のない社会に少しでも近づけるために、今回の検証をどう役立てるのか。謝罪を超え、最高裁はさらにその責任を負い続けなくてはならない、としている。

読売新聞・社説
ハンセン病法廷 差別的運用が偏見を助長した

ハンセン病患者が当事者の裁判を隔離施設の特別法廷で行ったことについて、最高裁が調査報告書をまとめた。「ハンセン病患者の人格と尊厳を傷つけた」と謝罪した。1996年に、らい予防法が廃止されるまで強制隔離政策を続けた政府と、法の廃止を怠った国会は、2001年に謝罪している。三権のうち、残る司法が、遅きに失したとはいえ、過ちを認めたのは、大きな節目である。特別法廷の設置を巡る最高裁の運用について、有識者委は、憲法が保障する法の下の平等に違反すると指摘した。裁判の公開原則の観点からも、違憲の疑いが拭いきれないとの見方を示した。裁判官の独立を尊重するため、特別法廷で審理された判決内容の是非については、検証の対象外となった。それはやむを得ないとしても、特別法廷という異例の場で公正な裁判が行われたのか、元患者らの疑念は根強い。差別的運用により、裁判への信頼が損なわれた。そのことに対する最高裁の責任も重い、としている。

謝罪というのは、こういうものではない。最高裁が詫びるのが極めて異例と言われても、避ける部分を残せば、問題は終わらない。法の番人とは、人の心をもう少し判っている人がやっているのだと思った。
トラブルに遭った時、「最初に謝ってはいけない」という人と「まずは謝れ」という二種類の人格がある。先に非を認めると、争った時に不利だからというのが、先に謝罪しないセオリーだ。このロジックは欧米人にも多いが、成立するポイントがふたつある。「この出発点は、非がどちらにあるか不明確な時に限る。」そして、「非があると判ったら、とことん謝る。」考えてみれば当然だ。残念ながら、日本の人格には、非があっても謝らない質がある。前言撤回が苦手だ。そして袋小路に入り、さらに関係を悪化させ、必要以上の補償と無意味な時間を費やす。後味はどこまでも悪い。最悪だ。
小泉氏が控訴しないと決めたのは英断でもあり、当然とも思える。いつまでも禍根を残すより、早く謝った方がいい。同じ国民で、非があったのは事実だろう。たとえそれが大きな賠償になったとして?いいじゃないか。人格者はそう判断する。だから未来が開け、二度と間違えまいと互いで話せる。今回の最高裁は、悪い部分は謝ります、だ。傷ついた人の心が癒えない。争いは終わらないだろう。

産経新聞・社説
「国民の憲法」3年 改正論議を進めるときだ

国と国民の主権が奪われていた時代の産物である現憲法を、国民自らの手で改正し、日本が平和を守り繁栄していくための法的基盤を整える。参院選という国民に広く改正の必要性を問いかける機会を生かし、憲法論議を加速することを求めたい。安倍晋三政権は昨年、憲法解釈を改めることによって、集団的自衛権の限定行使を認める安全保障関連法を制定した。これには日米同盟の抑止力を強化する意義があったが、9条改正が問題の核心であることに変わりはない。憲法改正に対する国民の関心は高く、本紙とFNNの4月の合同世論調査では、62・8%の人が夏の参院選の「重要な争点」と位置付けた。にもかかわらず、このところの国会や与野党の議論が低調なのは極めて残念だ。国民的議論を活性化させるため、安倍首相をはじめ政治家が率先して憲法を語るときだ、としている。

語るのはいいと思う。語りもせずに決めようとする政治よりは、飽きるまで議論した方がいい。ただ、いまの日本人は議論さえできない。意見の異なる人を認めようとしない。他人の話を聞かない。これで議論できるとは思えない。

人民網日本語版
初の「中国宇宙の日」、習近平総書記が重要指示 (2016.4.25)

4月24日、初の「中国宇宙の日」を迎えるにあたり、習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)は重要指示を発表した。習主席は、この60年間にわたり、宇宙事業の発展に貢献してきた関係者たちに敬意を表明した上で、「宇宙科学技術従事者は、戦略的チャンスをしっかりとつかみ、革新駆動型発展を堅持し、科学技術の最高峰を果敢に目指し、中国宇宙事業の歴史に新たなページを刻み、国家発展と人類の福祉の増進により一層貢献しなければならない」と強調した。『中国宇宙の日』を制定した目的は、歴史を銘記し、宇宙事業の精神を継承し、全国民、特に青少年たちの科学に対する尊重、未知の世界の探求、革新の勇気と情熱を喚起し、中華民族の偉大なる復興という『中国の夢』を実現する為に、強い力を集結することにある」と指摘した。中国初の人工衛星「東方紅1号」が1970年4月24日に打ち上げられ、中国人による宇宙の神秘の探査、宇宙の平和的な利用、人類への貢献の幕開けとなった。党中央と国務院は今年3月、2016年より毎年4月24日を「中国宇宙の日」とすることを承認した、としている。

こういう文面を見ると、日本は不自由を感じても自由主義なんだな、と思う。息苦しくて窒息しそうだ。これを国家という組織から押し付けられるプレッシャーがどんなものなのか、想像できない。
宇宙を目指すような挑戦には、たしかに相当な緊張が伴うだろう。イーロン・マスクの下にいたら、受ける罵倒や目指す目標はさらに高いかもしれない。ただ…賞賛をシェアする権利と、いつでもやめる権利だけは保証されている。そして何よりも、目標は自由の中から湧き出てきたものだ。国家が夢を語り、目標を設定して進むものとは、出発点が違う。
いま、地球上に、アメリカと中国という見本があるなら、どうやって自由の上に成功をつくるかを考える方が、やはり人にとっては大切だと再認識する存在しない。中国が間違っているとは思わないが、私は自由を捨ててまで手にしたいものは、ひとつもない。中国の人たちは、どう思っているのだろうか。

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