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2544.報道比較2016.3.13

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政治と国民の距離感が拡大している世界中で印象は強まっている。不満爆発はじわじわと現実になりつつある。

人民網日本語版
「一帯一路」 呼びかけは中国、チャンスは世界のもの (2016.3.12)

外交部(外務省)の王毅部長(外相)は8日、第12期全国人民代表大会(全人代)第4回会議の記者会見で、「『一帯一路』(1ベルト、1ロード)の呼びかけは中国が行ったものだが、チャンスは世界のものだ」と世界に向けて厳かに宣言した。王部長は記者会見で「一帯一路」建設の成績表を発表し、次の4点に言及した。
(1)建設に参加するパートナーがますます増えている。
(2)金融面の支援が基本的に実現された。
(3)相互接続(コネクティビティ)ネットワークが徐々に形成された。
(4)生産能力協力が全面的に進展した。
「一帯一路」は共同で検討し、共同で建設し、共同で恩恵を享受するとの原則に基づき、「モンロー主義」を奉じるのでもなく、拡大主義を奉じるのでもなく、開放主義を奉じる。「人民日報」に発表された論説が指摘するように、開放的で包容力を備えた中国は、世界が中国の発展の列車に乗り込み、発展のための環境作りに積極的に関わることを歓迎する、としている。

Wall Street Journal
中国全人代・政協で飛び出した「独創的」提案 (2016.3.11)

中国の北京では先週から、国会に当たる全国人民代表大会(全人代)と政府諮問機関である中国人民政治協商会議(政協)から成る、年に1度の「両会」が開催されている。今年の「両会」で提案された注目すべき5つのアイデアを紹介したい。
(1)新たな「反日精神」〜〜上海代表団の厳誠忠教授はこの問題を一歩先に進めたがっている。同氏の提案によると、反日文化を扱う作品は現代史だけではなく、500年ほどさかのぼった明や清の時代にも焦点を当てるべきで、そうすれば中日関係に対する国民の理解が一層深まるという。
(2)女子教育は男子より早く開始すべし
(3)スモッグ税
(4)ビルボードは撤去すべし
(5)犬肉と猫肉は市場で販売すべきでない

One Belt, One Road構想は、中国が提案するプランの中でも規模が大きく、完成度が高い。後はどれだけ参加者が増えるか、中国のカネはいつまで持つのか、だろう。シルクロードは、すでに形さえなくなっている場所も多々ある。道とは、想像以上にメンテナンスが必要な資産だ。整備するコストよりメリットが多くなければ、道は荒んでいく。その老廃は中国のパワー・ダウンを象徴するだろう。果たして、つくることさえできるのか、それはどこまでつづくだろうか?
Wall Street Journalが茶化すように描いた中国の発想は、かなりユニークだ。こういうアイディアが和やかに中国自身から語られる日は来るだろうか?そうなれば、中国の未来は明るい。いまの習氏をまつり上げるだけをつづけるなら…あと5年持つだろうか?

産経新聞・社説
被災地の産業再生 将来見据えた人材育成を

東日本大震災で大きな被害を受けた産業の再生は、今も軌道に乗ったとは言い難い。暮らしを支える地元産業の維持・発展に向け、将来を見据えた効果的な支援を急がなければならない。震災から5年を経て、事業者が自立できる復興に向けた課題もはっきりしてきた。その一つが、売上高の回復の遅れだ。東北沿岸部の主要産業である水産加工では、事業の再開を果たした業者のうち、売り上げが震災前の8割以上戻ったのは全体の40%にすぎないという。売上高が震災前の半分以下という業者も2割以上もいる。震災で地域の人口流出が加速したことに加え、休業中に顧客離れが進んだことが大きな要因だ。難しい課題を解決するには、新たな販路の拡大や、事業構造の転換などを通じて事業者の自立を促すことが肝要だ。観光も大きな課題だ。訪日客が急増する中、被災地の宿泊客数は震災前の水準にも戻っていない。観光資源の開拓はもちろん、風評の払拭に向けて官民で正しい情報を発信し続ける必要がある、としている。

毎日新聞・社説
大震災から5年 子供の心のケア 見えない傷に寄り添う

笑顔を見せ、周囲には気丈に振る舞っても、誰にも悩みを言えない子がいる。東日本大震災で親を亡くした遺児は1700人を超える。友だちを亡くし、住み慣れた家を津波で流された子はさらに多い。仮設住宅でのストレス、親の生活困窮も子供たちに深刻な影を落としている。震災当時に保育園児だった子の4人に1人が心の問題で医療的なケアが必要との調査がある。福島大学は医師や心理士を学校や仮設住宅に派遣して「心の教育プログラム」を実施している。子供が見せる症状は似ていても原因はそれぞれ違う。「被災のトラウマ、ストレスや親の不適切な養育の影響、もともと子供が持っている発達障害など、個々に応じたケアが必要だが、専門家によるチーム医療ができる体制にない」と医師は指摘する。適切なケアが受けられないまま小学校に上がると、さらに集団適応が難しくなり深刻な問題行動が生じる恐れがある。長期にわたる継続的なケアが不可欠なのだ、としている。

週末まで震災の反省をつづけたのは産経と毎日。原発以外にも、残された課題は多々ある。挙げられている課題は、阪神大震災でも見られたテーマだ。やはりスピードの遅さが気になる。都市部を襲った地震に比べて、津波や範囲の大きさに違いはあるだろうが、進捗ペースは明らかに鈍い。この遅さの原因は、原発だろうか?高齢化だろうか?リーダーシップの欠如だろうか?分析が必要ではないだろうか。

朝日新聞・社説
女性の活躍 現実に目を向けてこそ

「保育園落ちた日本死ね!!!」と題した匿名のブログが待機児童問題の深刻さとともに、為政者の無理解を浮き彫りにする事態となっている。投稿があったのは先月中旬。保育園の選考に落ちた母親が「一億総活躍社会じゃねーのかよ」「会社やめなくちゃならねーだろ」と、激しい言葉で怒りをぶつけた。国会で野党が取り上げたところ、安倍首相は書き込みが匿名であることを理由に「実際にそれが本当かどうかも含めて、私は確かめようがない」と答弁。与党の議員からは「本人を出せ」などのヤジも飛んだ。こうしたやりとりに、同じような悩みや不安を抱える人たちが強く反発。国会前での抗議活動や、保育制度の充実を求める署名活動へ広がった。世界経済フォーラムの最新の男女格差指数でも日本は101位と低迷したままだ。「女性活躍」を言うのなら、まず現実を直視することから始めてほしい、としている。

空気が読めていない。その危機感を与党は改めて認識しただろうか?国民の心情は匿名側に近い。
週末に自民党は党大会があったようだ。雰囲気は大して伝わってこないが、反省しないと、溝は広がる一方になるだろう。

日本経済新聞・社説
ユーロ圏は金融緩和だけで再生できぬ

欧州中央銀行(ECB)が包括的な金融緩和策を決めた。ユーロ圏の2月の消費者物価上昇率はマイナスに転じた。原油価格の下落が主因だが、賃金などに波及すると物価が長期間低迷するおそれがあった。ECBがこうした事態を避けようと先手を打ったのは理解できる。金融緩和だけでユーロ圏の経済を再生させることはできない。失業率は今なお10%台で高止まりしている。南欧を中心に労働市場の改革は急務だ。域内の銀行貸し出しが伸び悩んでいる背景には、イタリアやキプロスなどで不良債権処理が遅れている事情もある。各国当局は厳格な資産査定を実施し、銀行に自己資本の増強を促すべきだ。日本と同様、ユーロ圏は潜在成長率の低下という課題に直面している。ECBの金融緩和策で時間稼ぎをしている間に、経済の体質を抜本的に強化する構造改革を着実に進めなくてはならない、としている。

読売新聞・社説
ECB追加緩和 金融政策頼みだけでは危うい

欧州中央銀行(ECB)が、市場の予想を上回る包括的な追加金融緩和策を決定した。民間銀行がECBに余剰資金を預けた際に適用する金利を、今の「マイナス0・3%」から「マイナス0・4%」に引き下げる。もう一段の金融緩和を敢行し、企業や個人の資金需要を掘り起こして、経済を下支えしようとするECBの狙いは適切である。ただ、市場では、いったんは追加緩和が好感され、株高・ユーロ安が進んだが、まもなく株安・ユーロ高に転じた。マイナス金利を拡大し続ければ、銀行の収益悪化や、緩和マネーが流れ込む不動産の価格高騰など副作用が深刻化しかねない。欧州と日本が緩和を続ける一方で、米国は追加利上げの時機を探っている。政策の方向性の違いを突く急激な資金移動が市場を攪乱しないよう、各国の金融当局は細心の注意を払わねばならない、としている。

この社説は、そのまま日本に返ってくる。どちらの財政に未来がないか、どちらの低迷期間が長いかは言う必要さえない。指摘はドラギ氏ではなく、黒田氏にすべきだろう。

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