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2526.報道比較2016.2.23

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人民網は政治の話をしない方がいい。すばらしいコンテンツだった。いや、アメリカも、日本も、世界中がみんなそうだ。政治から遠いほど、人生は楽しい。無関心は許されないのが、哀しい。

人民網日本語版
年画、切り紙細工などの中国伝統工芸は閑古鳥 若者に合わせた工夫が必要 (2016.2.22)

北京のデパート・新世界百貨の崇文門店の前にある広場「民俗一条街」は春節(旧正月、今年は2月8日)が終わった今も、ランタンが風に揺れ、商売繁盛を祈る歌声が響き、外にいる民間アーティストもそれに合わせて声を上げるなど、春節ムードいっぱいだった。しかし、オープンした昨年にここに店を移したという麻成貴さんにとって、外のにぎやかさが逆にむなしさを倍増させていた。麻さんによると、春節に合わせた7連休中のうち、2日はほぼ開店休業状態。ここ数年、北京伝統のお正月グッズを販売しているという麻さんだが、「数年前はまだよかったが、今年は本当に売れない」と肩を落とす。しかし、伝統文化の詰まったこれらお正月グッズに、多くの人は見向きもしなくなったのかと言えばそうでもない。今年の春節期間中、中国の有名芸術品企業「雅昌」傘下の生活サービスプラットホーム・ARTPLUSは、「西遊記」をテーマにした「猴王無忌」という名前の伝統ガウンを発売。伝統と現代の要素を融合させた年越しグッズで、約1000元(約1万7千円)もするにかかわらず、ネット上で売り切れ寸前の人気となっている。北京民俗専門家の高巍氏は、「民芸品がこれまで長く伝わり、歴史で生き残ってきたのは、庶民に歓迎されてきたから。ただ、今の時代とは少し隔たりがある。その隔たりは親近感。今の消費の中心層は若者で、民芸品に興味を持ち始めている。お正月用品の影響力が薄れたのではなく、それをどのように今の時代に合わせるかがカギ」との見方を示す、としている。

すばらしい記事だった。アメリカや日本への対抗や、習政権と共産党の礼賛記事より100%有益だ。こういうコンテンツばかりになれば、人民網はWall Street Journalのようになれる。日本国内紙などすぐに追い抜けるだろう。
民芸や伝統品だけの話ではない。ネットに出せば売れるというのでもない。ニーズが多様なら、提供する側も多様であるべきで、無理をせず、学びながら進化していくことが、どんな業界にも求められている。きっとこれは、いつの時代でも変わらなかったのだろう。まだ王政の時代でも、印刷機が生まれ、ラジオやテレビが登場し、電話が、PCが…正解はどこにもない。新しいものが常に勝つわけでもない。考えない人、挑戦しない人、変われない人が取り残されていくのは、いつの時代も同じだ。見つけたと思ったら、もう時代が次に向かっている。これを苦しいと思わず、楽しめる人がしあわせだ。

朝日新聞・社説
衆院選挙制度 政権党の身を切る責任

一票の格差の是正を迫られている衆院の選挙制度改革を、どう進めるか。きのうの大島理森衆院議長による各党見解の聞き取りで、仕切り直しの各党協議が動き始めた。過去3回の衆院選は、いずれも最高裁に「違憲状態」と判断された。選挙区によって一票の価値が2倍以上も異なる不平等を正すため、いまの国会で必ず制度改正をやり遂げなければならない。有識者による調査会が1月に衆院議長に出した答申は、アダムズ方式による定数配分の見直しと選挙区6、比例区4の定数削減などを求めた。これを受けて自民党がまとめた案は、まずは都道府県内の選挙区割りの変更にとどめ、都道府県をまたぐ定数配分の見直しと削減は2020年の大規模国勢調査以降に先送りするとの内容だった。アダムズ方式が完全なやり方ではないにせよ、自民党がただちに導入に応じれば、おおむねの合意は形成できる。自民党が否定的なのは、より多くの現職議員が定数減の影響を受けるからだ。自ら約束した身を切る痛みを引き受け、合意につなげる。これこそ政権党の責任である、としている。

毎日新聞・社説
衆院選挙改革 答申を骨抜きにするな

自民党は定数削減を2020年以降に先送りする方針を示してきた。しかし、安倍晋三首相が先の衆院予算委員会で削減時期を前倒しする考えを表明。これを受けて同党は、近く発表される15年の簡易国勢調査に基づいて、小選挙区の区割りを見直し、定数を小選挙区で6、比例代表で4減らす--との見解を22日、大島理森議長に伝えた。先送りに対する国民や野党の批判を恐れた安倍首相が党側を説得して方針転換した形だ。同じ与党の公明党は「アダムズ方式」の採用に賛成しており、民主党と維新の党は「アダムズ方式は答申の根幹だ」と強調して、答申の全面的な受け入れを表明している。一方、共産党は定数削減に反対し、比例代表中心の制度を求めている。これまでの経過を踏まえれば、答申通りに与野党協議をリードすることこそ、自民党の責任だ、としている。

読売新聞・社説
衆院選制度改革 アダムズ方式を先送りするな

衆院の選挙制度改革では、小選挙区の「1票の格差」の是正を優先すべきだ。各党の意見集約を急ぎ、今国会で立法措置を講じねばならない。民主、公明、維新の各党などは有識者調査会の答申を基本的に受け入れた。自民党は、定数削減には応じるが、都道府県定数の再配分は先送りする考えを示した。自民党案は、1票の格差を2倍未満に抑えるため、2015年の簡易国勢調査に基づき、小選挙区定数を6減らし、区割りを見直す。比例選は4削減する。安倍首相の指示で、原案を修正し、定数削減を前倒ししたものだ。定数を減らせば、選挙で多様な民意を反映しにくくなる。法案審議などを通じた立法府の行政監視機能も低下しかねない。日本の国会議員は人口比でみれば、欧州諸国などより多くない。議員が「身を切る」姿勢を示す必要があるなら、定数を減らすのでなく、政党交付金の削減などで対応するのが筋である、としている。

安倍氏が、政権が押されている。この雰囲気が夏までつづけば、18歳が参加するはじめての選挙は、相応の盛り上がりを見せそうだ。風向きの変化が形となった現実に、これから先、さらに自民党と政権が追いつめられていく予感がする。
選挙改革を、自民党は押し返せるだけの論理は持っていた。削減を恐れているのでもなかったはずだ。数か月前なら、定数削減は与党より野党にとって不都合な話だった。だが、今年に入ってから変化は確実になりつつある。重要閣僚が堕ち、経済の失策は明白で、メディア統制には綻びが見えている。この弱みに、野党は定数削減への取り組みを政権の虚偽、不信に置き換えることに成功している。宿題をやり残したことを、安倍氏は相当後悔しているだろう。さらに、経済や改革を行うより、支持率にかまけて自分の趣味を優先したことを後悔することになる。アメリカは、リーダー選びに忙しい。日本の野党も、暴れるなら今がチャンスだ。

日本経済新聞・社説
首都圏空港はなお一層の拡充が必要だ

日米航空交渉が決着し、羽田空港発の米国便が拡充されることになった。現在は深夜に発着する便しかなく、行き先も米西海岸とハワイだけだった。今秋からは、昼間の時間帯に就航し、米東部のニューヨークなどと結ぶ路線も登場する見通しだ。都心に近い羽田の路線網拡充は利用者にとって朗報だ。乗り継ぎの利便性も増すだろう。これを機に日米の往来が一段と活発になり、ビジネスや観光に好影響を及ぼすことを期待したい。ただ、首都圏の空港はなお一層の整備が欠かせない。経済がグローバル化し、国境をこえた人の交流が盛んになるなかで、世界と日本を結ぶ空港インフラの充実は優先度の高い課題である。新規ルートの真下には新宿や渋谷などの繁華街もある。騒音や落下物に対する住民の不安に真摯に向き合い、説明を尽くすことで、早期の合意形成につなげたい、としている。

渋谷や新宿にも、住んでる人はいる、との訴えは、理解はできるが、空港という議論からだけ進めたら、確実に経済合理性と、利便性、生産性が優先されるだろう。日照権並みに置き去りにされるしかないほど、居住区よりは商業区だ。これは、過密と高齢化も含め、世界でも類を見ないほど巨大に、東京だけに一極集中していることが原因だ。人口減で、利便性を考えれば、それでも東京に集めるという選択はノーではない。ただ、いまの集中は、無計画に進んでいる。関東平野の地震や、一極集中が失われた時のリスクを考えると、すでに集め過ぎの状況は超えている。それでも無計画に走る。どこかで一気に失うまで、気づいていても止まらないのだろうか。

Financial Times
株価が追跡調査なら、政治的リスクの値付けは過小 (2016.2.21)

バラク・オバマ大統領のレガシー(遺産)は今後何十年も議論されることになる。批判する人にも擁護する人にも、たくさんの材料があるだろう。だ が、オバマ氏には1つ、偉大さを主張する明確な権利がある。代々オーバルオフィス(大統領執務室)を占めた人物の中で恐らく最高の株式市場評論家なのだ。 「今皆さんが目にしているのは、もし株式投資に対して長期的な視点に立つのであれば、利益と収益率が、株式購入が潜在的に良い取引になる水準に到達し始めている様子だ」とオバマ氏は述べた。だが、株式市場を追跡調査として見ると、投資家が米国大統領選を扱っている様子について心配になることが明らかになる。政治的なリスクの値付けが著しく低いように見えるのだ。より穏健な共和党候補の誰かが勢いを取り戻せば、市場は喝采するだろう。だが、サンダースかトランプ、クルーズの勝利の確率が高まれば、市場にとってマイナスだ。今後数カ月間のどこかの段階で、そうした良くない結果の確率が高まるだろう、としている。

翻訳のせいだろうか?何を言いたいのかが曖昧だった。最近のFinancial Timesには悩むことが多い。日経の買収に原因を見出したくはないが、昨今のコンテンツ・パワーは明らかに劣化している。アメリカの大統領と株価の因果関係をジョーク交じりに語っても、おそらく両者は無関係。Sell in Mayのような有名なアノマリーよりも信憑性が低い。
これなら、自国イギリスとヨーロッパの関係を話して欲しかった。落ちていくポンドと政治家のメッセージは、まるでギリシャの時のような火種をイギリスがつくり出しそうな気配だ。
歴史は繰り返す。だが、そっくり同じ結末はひとつとしてない。学ぶことはできても、倣うことはできないのが過去だ。いまのイギリスは、アメリカよりはギリシャの過去に学んだ方がいいのではないだろうか?

Wall Street Journal
アップル、iPhoneロック解除で政府に委員会設置要請 (2016.2.22)

米アップルは、テロ事件容疑者の使っていたスマートフォンのロック解除拒否をあらためて主張すると同時に、暗号化がもたらす問題を検討する委員会の設置を政府に要請した。カリフォルニア州サンバーナーディーノ郡で昨年起きた銃乱射事件のサイード・リズワン・ファルーク容疑者が使っていた「iPhone(アイフォーン)」について、検察当局はアップルによるロック解除を裁判所に申し立てている。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、従業員宛てのメールや自社ウェブサイトを通じ、検察当局が請求を取り下げるよう強く呼び掛けている。アップルは、デジタルセキュリティー技術が「法執行や国家安全保障、プライバシー、個人の自由に与える影響」を機密情報、技術、市民権に詳しい専門家グループが議論する際には「喜んで参加する」意向を示した。クックCEOは電子メールで「政府が保護するはずの自由が中心となっている議論で、政府の反対側に立つことは正しくないように思える」としながらも、この問題は1台の電話に限ったことではない点を強調し、他の端末へのアクセスにつながる「危険な前例」になり得るとの考えを示した、としている。

日本が、この話題で盛り上がっている印象は受けない。相当、厄介で、尾を引く問題だ。
Appleは、決してマーケティングとしてこの懸念に立ち向かってはいない。デジタル・ワールドのプライバシーの脆弱さを理解しているからだろう。この問題への反応が、リトマス試験紙のように他のIT企業のトップに課されている。
私の意見は、Appleに賛成だ。日本だからかもしれないが、通信の自由や秘密は保証されるべきだと思うし、法的な捜査にも盗聴や傍受は受け入れにくい。移民国家のアメリカが同じ環境になるのは難しいかもしれないが、自由のために不自由を受け入れるにしては、代償が大き過ぎる。このパンドラの箱は、開かないことを願っている。

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