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2523.報道比較2016.2.20

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春節明けの中国が、想像より落ち着いている理由は、全人代が近いから、だそうだ。少し落ち着けるのは、あと2週間程度。失望だけのG20を越えたら、また嵐が来そうな予感。今のうちに、片付けられる仕事はしておいた方がいい。

人民網日本語版
中国、今年は失業の波がやってくるのか? (2016.2.19)

ネット上で「今年は中国にリストラ・失業の波がやってくる」と噂されていることに関し、国家発展改革委員会政策研究室副室長の趙辰昕報道官は、「現在の中国の経済運行の状態から見ると、失業の波が来ることはない」とし、次のように語った。中国経済は新常態に入り、経済成長のペースはやや鈍化した。だが、世界的に見ると依然として比較的高い水準にある。第12次五カ年計画期間(2011~2015年)、全国の都市部における新規雇用者数は累計6431万人に達し、第11次五カ年計画期(2006~2010年)と比べて11.4%増加した。年平均の新規雇用者数は1286万人で、第11次五カ年計画期と比べて132万人(11.4%)増加した。
(1)経済の安定的な発展というファンダメンタルズが変わっていない。
(2)創業が雇用をけん引する力が絶えず高まっている。
(3)労働力市場が全体的に活発で、過剰労働力が順調に流動的な就業を実現できている。
(4)党中央と国務院がこの問題を高く重視し、様々な措置を講じて過剰な生産能力を消化し、従業員の再就職業務を着実に実施している、としている。

楽天的な発想だ。日本も失業、リストラははじまったのは低迷から数年は経過してからだった気がする。零細が破綻し、中小が悲鳴を上げる頃、地方の金融機関が破綻する。そのあたりから、貸し剥がし、なりふり構わぬ生き残り、そして解雇、リストラがはじまる。
共産主義の中国が、経済は自由主義と都合よく進めた国家運営は、失業率の高まりとともに一気に不満が噴出するだろう。だから、失業率だけは意地でも上げさせない。構造改革、時代遅れな産業と不良債権を減損すると言っているが、解雇の嵐を恐れずに可能だろうか?私は、相当難しいのではと予想している。やがてこの問題が、中国のハード・ランディングやむなしと判断される弱点になるだろう。

朝日新聞・社説
法制局文書 国会提出は当然だ

内閣法制局が内部文書の国会提出を拒んでいる。焦点になっているのは、法制局が国会審議に備えてつくった「想定問答」だ。横畠裕介内閣法制局長官は参院の決算委員会で存在を認める一方、公文書管理法で保存が義務づけられている「行政文書」にはあたらないとの見解を示した。受け入れ難い答弁だ。公文書管理法の趣旨は、行政機関の意思決定の過程を外から検証できるよう文書保存を義務づけるものだ。横畠長官は「担当者から想定ベースの答弁資料の案をもらった」としながらも、使えないと判断して差し戻した文書だから保存義務はないと説明する。しかし、それこそが法制局内の意思決定の過程を示す文書ではないか。行政機関が恣意的な判断で文書を保存する、しないを決めてしまえば、あらゆる政策決定の是非を検証できなくなってしまう。国民の判断材料を奪うことになり、ひいては民主主義の土台を崩す。閣議決定を受けて制定された安全保障関連法は、憲法違反の疑いが極めて強い。民主党など野党5党はきのう、その廃止法案を提出した。内閣法制局が文書の開示を拒み続ければ、閣議決定の正当性に対する国民の疑問はかえって深まるのではないか。これは法制局という官僚組織の問題ではない。政権全体の問題である、としている。

取材では野党と連携してぜひ追い込んで欲しいが、社説ではもう一歩踏み込んだ考察が欲しい。「なぜ出せないのか?」だ。この横畠の言い訳なら、答弁資料が残っていれば、出すことは可能なはずだ。それを今でも出したがらないのは、内容が不適切だからだろう。その点を追求していけば、それはやがて安倍内閣の汚点をえぐることになる。文春が上げたスクープより、安保法制の強行採決より、現政権にとって痛い仕打ちになる。

Wall Street Journal
市場の信頼を脅かすサンダース氏とトランプ氏 (2016.2.19)

市場は通常ならば、米大統領選に大きな関心を払わない。民主・共和いずれの党の大統領も、選挙活動中はさまざまな政治ショーを繰り広げる。だが、いったん就任してしまえば、自由貿易であれ、連邦準備制度理事会(FRB)の独立性であれ、正統的な経済政策を遂行するからだ。今年の大統領選は、こうした前提を放棄するいい機会になりそうだ。2008年の世界的な金融危機がエコノミストをつまずかせたように、今回の大統領選はこの政治的予言を無効にする。サンダース氏は大手銀行の解体や、政府管掌の国民皆保険の導入のほか、連邦最低賃金を時給15ドルに引き上げることを提唱している。一方のトランプ氏は中国やメキシコからの輸入品に大幅な関税を課し、移民の流入阻止のためメキシコとの国境に壁を築くことを主張している。さらに言えば、2人とも何もないところから人気を得たわけではない。議員や国民の多くは、グローバリゼーションや金融への不信感を共有している。だからこそ、環太平洋経済連携協定(TPP)は批准が危ぶまれている。FRBについても、多くの議員は銀行の召使いか、放漫財政の隠れ蓑とみなしている。オバマ大統領は、共和党が下院に提出しているFRBへの監視強化法案に対して、議会を通過した場合は拒否権を発動すると表明している。サンダース氏が大統領になれば、同法案に署名するだろう、としている。

まだ、部外者の私は、サンダース氏とトランプ氏はノー・マーク。彼らが大統領になることは、本気で想定したことなどない。そうなった時は、日本の民主党政権時代に似た、素人のお粗末なリーダーシップで、半年で仕事が止まるだろう。考える必要はまだない。今のまま支持率が高まったら、アメリカは相当オバマ氏に失望し、実際には相当痛んでいると改めて思い直すことになりそうだ。

毎日新聞・社説
原発避難者判決 柔軟な救済への一歩に

福島第1原発事故による自主避難者の救済を後押しする司法判断だ。原発事故で福島県郡山市から京都市に避難した夫婦に約3000万円を支払うよう京都地裁が東京電力に命じた。全国各地で同様の集団訴訟が起こされているが、自主避難者への賠償を認めた判決は初めてという。判決は、原発事故がうつ病などの発症原因の一つと認定し、就労不能による休業損害と事故との因果関係も認めた。「転居を余儀なくされ、安定した生活が失われた」として男性と妻への慰謝料支払いも命じた。賠償額はADRで示された約1100万円を大きく上回り、自主避難者の救済拡大に弾みをつけるものだ。事故から間もなく5年たつ。避難生活の長期化は経済的だけでなく精神的・肉体的に被災者を苦しめる。自主避難者の置かれた現実に見合った救済方法を考える必要がある、としている。

原発の再稼働以外で、もうひとつ見直して欲しいのは、この訴訟の対象が、自治体、国家ではなく民間企業になってしまう状況だ。原発は、発電車が最終責任者であってはならない。この裁判の長期化は、東電にとっても不幸だ。一企業に担わせるべきリスクではない。国家や、承認した自治体が追うべき責任だろう。そうなったとしても、行政は再稼働するだろうか?

日本経済新聞・社説
裁量制の課徴金には透明性が不可欠だ

公正取引委員会はカルテルを結ぶなど独占禁止法に違反した企業への課徴金の制度を見直す。調査に協力する企業は金額を減らすなど、公取委の裁量で課徴金を増減できる仕組みを考えている。近く有識者会合で議論を始める。企業の協力を引き出し、早期に違法行為の実態を明らかにするために、こうした裁量制を取り入れるのは妥当だろう。ただ公取委が恣意的に課徴金を決めていると受け取られるような制度になっては困る。課徴金の額を決定する根拠が明らかな、透明性の高い制度設計を求めたい。裁量制は調査の開始後に企業の協力を促す仕組みで、不正の実態解明を進めやすくなる効果が見込めよう。裁量制の課徴金をめぐっては、問題点として金額の決め方が曖昧になるなどの指摘がある。算定が不明瞭だとする企業による訴訟の増加を懸念する声もある。公取委は金額の増減にあたって理由をきちんと説明できなければならない。課徴金や罰金の決定で当局の裁量が大きい欧州連合(EU)は、どんな場合が減額の対象になるか、ガイドラインを示している。日本も金額決定の基準づくりが欠かせない、としている。

日経の懸念に賛成する。裁量…また今の政権らしいイヤな提案が、ついに経済領域の行政にも迫ってきた。密告者には軽減?司法取引とはかけ離れた、ロシアのような国家運営に近づいている。

産経新聞・社説
野党の安保廃止法 国の安全損なう「連帯」だ

現実の脅威である中国や北朝鮮の動向には目をつむり、早々と参院選向けのスローガンづくりに精を出している。民主党など野党5党による安全保障関連法の廃止法案提出は、その一環としか見えない。事実、5党の党首会談では安倍晋三政権の打倒に向け、国会や国政選挙での共闘を確認したという。5党に決定的に欠けているのは、集団的自衛権によって同盟の抑止力を強化し、戦争の危機を遠ざけて平和と繁栄を保つという知恵だ。これは世界の主要な民主主義国の常識であり、国連憲章も認めている。もはや個別的自衛権だけでは日本を守りきれない。何十年も昔の冷戦時代の憲法解釈にこだわり、眼前の危機に対応しないのは危うい。だから安保関連法が必要になったのである。安保関連法の下での自衛隊の活動について、さらに議論を深めるべき点は少なくない。いかに国民を守るかにこだわる政策を練り、出し直してはどうか、としている。

昨日、私は産経と同じ感覚の野党批判をしたが、そのきっかけを作ったのは、与党の強硬で、野党の案を検討さえせずに採決した与党だ。今のやり方で国の安全が高まったとはとても思えないし、野党の案が国の安全を損なうとも思えない。議論できない国家をつくる方が、よほど国の安全を損ねている。

読売新聞・社説
新聞の軽減税率 公共財の役割に理解広げたい

2017年4月の消費税率10%への引き上げ時に導入する軽減税率の対象に、新聞を含めることについて理解を広げたい。軽減税率の導入を柱とする税制改正関連法案を巡る議論が、国会で活発化してきた。酒類と外食を除く飲食料品のほか、宅配される新聞を軽減対象とする法案に対し、野党は反発している。そもそも新聞を軽減対象に含めるのは、単なる消費財ではなく、豊かな国民生活を維持するのに欠かせない「公共財」と認識されているからだろう。麻生財務相は答弁で、新聞について、「日常生活における情報媒体として、全国あまねく均質に情報を提供し、幅広い層に日々読まれている」と指摘している。無論、新聞社は、報道・言論機関としての責任を自覚し、その役割を十分果たさねばなるまい。欧州では、新聞だけでなく、雑誌・書籍を軽減対象に含める国が多い。日本も、対象に追加することを前向きに検討すべきだ、としている。

Wall Street Journalや人民網、朝鮮日報も軽減税率の対象だろうか?報道比較は震災前からずっとつづいているが、いまの新聞が軽減税率の対象になるだけのコンテンツを持っているかと言われると、私はノーだ。思想には偏りがあり、感情的な主張を振りかざし、建設的に政治や経済に対峙しているとはとても思えない。このクオリティに達していると対価を払うに値するのは、私の感覚ではWall Street Journalだけだ。

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