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2488.報道比較2016.1.16

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2016年のマーケットの不安定の原因は、FRBでも中国でもない。誰もが浮かれていたことに気づいたんだろう。人のせいにせずに、麻薬漬けの信用を元に戻すべきだろう。

Wall Street Journal
FRB、金利正常化を加速すべき (2016.1.14)

先週の急激な株安により、長年に及ぶ非伝統的な金融政策が生み出した脆弱性というものを、あらためて思い知らされた。事の発端は中国株式市場の混乱にあったかもしれないが、人為的につり上げられた米国の株価がいずれ下落するのは不可避だった。S&P500種指数は先週大きく下げたが、それでも過去平均を依然として30%上回る。調整が終わったと考える理由は何もない。割高な株価は、米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和政策の直接的な結果だ。多くの資産が過大評価されていることは間違いなく、FRBが金利の正常化を進めるにつれ、こうした価格は下落するだろう。それが原因で08年のように金融や経済の不況が広がるかは判断が難しい。ただ、極度の低金利が続けばシステミックリスクは高まり、経済の安定が崩れる恐れも強まる。FRBは「雇用の最大化」という目標を事実上達成したことと、インフレ率が近い将来に2%の目標に達することを認める必要がある。短期金利の正常化をもっと急ピッチで進めた方が米経済の役に立つだろう、としている。

勇気ある主張の寄稿。イエレン氏が読んだら心に響くのではないだろうか。
年明け早々の不安定なマーケットの原因をFRBや中国に転嫁するのは簡単だ。それでは問題は何も解決しない。中国経済の見通しが暗いのは3年以上前から指摘されていたし、FRBは0.25%の利上げに1年のコミュニケーション期間を労した。事実、利上げの日にはマーケットは何ひとつ動じなかった。それを今になって責任者にされるのは哀しい。FRB擁護派にしてみれば、だから株やハイ・イールド債は割高と警告した、利息がイヤならローンはやめておけ、という猶予期間が1年はあったはず、ということだ。
私も、麻薬漬けから少しでも早く抜け出し、カネを借りるには利息があり、利息より利益の出せない債券など存在価値がない、債券より収益の出せる企業でなければ評価されない、という時代に戻るべきだと思う。無税の国、誰でも社会保障が受けられる国、永遠に国際を発行できる国などない。あるなら、それはいつか破綻するだけの虚構の上で運営されているだけだ。日本はいま、その虚構を演じることが許されているだけ。猶予期間はそろそろ終わる。

日本経済新聞・社説
中国主導の投資銀を透明化するために

中国が主導する初の本格的な国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)が北京で開業式典を開く。創設メンバーに名乗りを上げた57カ国は、曲折を経たものの、全て設立協定に署名した。AIIBは当初予想より大きな影響力を持つ可能性があり、その現実に正面から向き合うべきだ。AIIBに望むのは運営面の透明性である。資本金1千億ドル(約11兆8千億円)のうち中国の出資額は約30%に達する。議決権比率でも26%を得て、重要事項を単独で否決できる。だからといって中国の対外的な影響力拡大を狙った恣意的な運用は許されない。日米両国はAIIBに参加の意思を表明していない。環太平洋経済連携協定(TPP)に見られたアジア・太平洋地域での米中両国の経済的な覇権争いや、南シナ海問題も絡む。とはいえ最も重要なのは各国のインフラ整備への円滑な資金供給だ。対立だけでは未来は開けない。日本企業には、AIIBへの非参加国には案件の情報が入らず、不利になるとの懸念がある。ADBは蓄積したノウハウを生かし、協調融資などでAIIBと積極的に協力すべきだ。建設的な関与は、AIIBの運営透明化と健全な育成に資すると同時に、日本企業の懸念払拭にもつながる、としている。

読売新聞・社説
金融市場大荒れ 中国発の不安連鎖を断ち切れ

中国経済への不信を震源とする世界の金融市場の動揺が続いている。東京市場の日経平均株価は一時、1万7000円を割り込んだ。その後は、やや持ち直したが、年明け以降の株価の下げ幅は1800円にも達した。習近平政権は、投資中心の成長から消費主導の安定成長に移行する「新常態」(ニューノーマル)を目指しているが、その道筋は明確になっていない。当面の景気の急減速を防ぐ手立てを講じる。さらに、国有企業改革や地域金融機関の不良債権処理などを具体化する。こうした政策の工程表を明示すべきだ。相場急変時の取引停止制度や株の売却規制をめぐる場当たり的な対応を改め、市場と丁寧に対話する努力も欠かせない。日本は、現在の国内市場の動揺が実体経済に悪影響を及ぼさないようにすることが重要だ。何より必要なのは、政府の成長戦略を強化することだ。新事業の創出や雇用機会の拡大を進めて、経済の底上げを急ぎたい、としている。

年初からの混乱とAIIB。結局、2008年以降の世界経済は中国を中心に動いていたと認識させられる。読売が指摘した金融について。連鎖自体は止められないだろう。日本への投資も、最近流行のインバウンドも、実体経済でさえ世界の需要が日本経済の一部をつくっている。日本の投資資金が、世界経済の一部を担っている。世界最大の成長国であり、大量消費を覚えはじめた世界最大の人口のマーケットが弱りはじめている。連鎖を断ち切るという発想ではなく、連鎖があり得る時に、どう対処するかを考えるべきだ。
生産者なら早々に在庫調整、生産調整すべきだろう。AppleのiPhoneの生産調整はこれだろうか?人民元を政府は安く誘導したがっているように見える。日本円も下落誘導のようだが、人民元も下がるなら早めに購入を促せる。だから今のうちに日本に来ているなら、インバウンド需要の寿命は短い。円高とともに一気に潮が引く準備はしておいた方がいいだろう。
AIIBも同様だ。日経は読売と違って協調、柔軟を期待している。この発想こそ正しい。人民元が安く誘導されれば、中国は投資負担が想定より増大する。様々な場面に軋みが出てくるだろう。手を差し伸べるいいチャンスだ。

朝日新聞・社説
株安と安倍政権 経済政策に「百年の計」を

株式市場で年初から波乱含みの展開が続いている。日経平均株価は大発会から6営業日連続で下げた。これは戦後初めての事態だ。年初来の下げ幅も合計で一時2000円を超えた。中国経済の減速など海外要因が理由とはいえ、政権3年間で株価が2倍以上に上昇したことを「アベノミクスの成果」と誇る安倍政権にとっては痛手だろう。だからと言って政府や日本銀行が目先の株価対策に走るようなことがあってはならない。小林慶一郎慶大教授は「“短期楽観”を強調する政府の姿勢そのものが厳しい現実を見ていないことを露呈し、かえって企業や消費者を“長期悲観”に陥らせている」という。超金融緩和がもたらしたカネ余りの時代は終わりを迎えようとしている。「名目3%、実質2%成長」という楽観に楽観を重ねた政府の経済見通しと、それに基づく中期財政計画は早晩、行き詰まる。さえない経済の時代が長く続くことも想定した現実的見通しに基づいて財政再建を進めていくことが、最重要課題になるはずだ。もっと先も見据え、日本の国家運営の「百年の計」を考えて財政再建に取り組む姿勢がいまの政治にほしい。政権のエネルギーはそこに注ぐべきだ、としている。

安倍政権とは相容れない朝日が、安倍氏の長期政権を肯定するかのような主張だ。百年の計を安倍氏に託せば経済など置き去りで憲法改正に走るだろう。行き詰まるというなら、そろそろ末期だろうか?安定政権と言われはじめている安倍氏は経済に何をもたらしただろう?混乱だけのようだ。

産経新聞・社説
スキーバス事故 惨事には必ず原因がある

惨事はまたも繰り返された。東京・原宿から長野県内のスキー場を目指した大型バスがガードレールを突き破って転落、横転し、スキー客ら多数が死傷した。格安をうたう1泊3日の夜行バスツアーで、深夜の事故時は、多くの客が車中泊の就寝中だったとみられる。現場にはブレーキ痕もなかったという。2人の運転手も死亡した。関越道での事故後、国交省は運転手1人の最大運転距離を従来の670キロから日中500キロ、夜間400キロに変更するなど規制を強化したが、26年3月に富山県内の北陸自動車道で夜行バスがトラックに衝突するなど、悲惨な事故は後を絶たない。国交省は今回の事故を「特別重要調査対象事故」に指定し、事業用自動車事故調査委員会が調査を始めた。長野県警も自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで捜査している。悲劇をこれ以上繰り返さぬために、業界自身が安全第一を誓わなくてはならない、としている。

早々にこの話題を各紙取り上げた。産経のみ1本目。不明点が多いため、まだコメントはしにくい。産経の言うとおり、ひとつの事故の原因と対策ではなく、社会や業界の構造、意識の変化が必要だと思う。このままでは、格安の深夜バスというサービス自体の可能性がなくなるだろう。

人民網日本語版
釣魚島情勢のエスカレート、日本はいずれ苦い結果を味わう (2016.1.15)

日本メディアは、中国軍艦が釣魚島(日本名・尖閣諸島)周辺海域12カイリ内に進入した場合、日本側は自衛隊の艦船を派遣して中国側に速やかな退去を要求すると報じた。日本側のこうした発言は警戒に値する。第1に、日本側が釣魚島問題を再三騒ぎ立てるのには悪巧みがある。日本政府は、少し前に釣魚島周辺を航行した中国海警局の船舶が初めて「武器」を装備したと主張し、日本が釣魚島問題を再び大げさに騒ぎ立てる原因となった。実際には中国外交部(外務省)報道官が述べたように、中国海警局の船の装備は標準的な配備であり、各国が実際にやっていることと違わない。第2に、日本は「新安保法案」の釣魚島への適用のためにひそかに地ならしをしている。日本の「自衛隊法」によると、いわゆる「海上警備行動は」自衛隊が人命もしくは財産の保護または治安の維持のために海上で講じる必要な行動だ。第3に、日本側が「海上警備行動」を妄言するのは無責任な挑発だ。釣魚島及びその附属島嶼に対する中国の主権には疑いの余地がない。われわれは日本側に対して、いかなる挑発または事態をエスカレートさせる行動もしないよう忠告する。さもなくば、全ての結果は自らが負うことになる、としている。

お互い、主権を主張するなら、裁判するのが一番ではないだろうか?日本政府にも中国政府にもそう感じる。共同開発する調和もないのなら、早めに紛争の火種はお互いに摘んだ方がいいのではないだろうか?それがイヤだというなら、やはり何か意図があって緊張させておきたいのだ。それは北朝鮮が原爆の実験をしているのと発想は大差ない。迷惑なだけで、後で嗤い者にされるだけだろう。

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