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2431.報道比較2015.11.25

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今週のアメリカは仕事など手に付かないだろう。中国のメッセージは届かない。

人民網日本語版
米国は南中国海問題で言動を慎むべき (2015.11.24)

第10回東アジアサミットがこのほどマレーシアで行われた。東アジアサミットはアジア太平洋地域協力の重要なプラットフォームであり、ASEAN議長国が主催し、エネルギー、金融、教育、公衆衛生、災害管理、ASEANコネクティビティなどを重点協力分野としてきた。だが近年の東アジアサミットでは一部の国が南中国海問題に故意にこだわり、議事日程を揺さぶろうとしている。南中国海問題の当事国である中国は、東アジアサミットおよび関連会議が南中国海問題を議論するのにふさわしい場ではないことを明確に表明している。今回のサミットで中国の李克強総理は南中国海の平和・安定の各国による共同維持について5つの提言を行った。昨年の東アジアサミットでの発言と比べると、今年の李総理の提言は中国の南中国海政策の安定性と継続性を示している。米側は南中国海でいわゆる「常態化巡航」を行うと公然と言い放ち、同盟国を参加させようとさえしている。米側は中国に対する示威と同時に、フィリピンの海上部隊整備を公然と支持してもいる。中国は地域の平和を維持する重要なパワーであり、この危険な趨勢を強く懸念している。東アジアサミットでの李総理の発言は米国に対する厳正な警告だ。米国は南中国海をかき乱すのを止め、真に国際法にのっとって南中国海の航行と飛行の自由を行使し、維持しなければならない。国際社会は道理を重んじる。道義を翻弄する権利はどの国にもない。南中国海問題において、米国は言動を慎まなければならない、としている。

昨日とは手のひらを返したようなアメリカ批判だ。早くアメリカの反応を得たいようだ。今のところ、アメリカは政治も軍も無反応。むしろ批判を強めている。

【社説】南シナ海の軍事化、認めながら否定する中国の屁理屈 by Wall Street Journal

今週のアメリカは木曜がThanks givingの祝日、金曜はブラック・フライデー。火種があれば来週に持ち越すだろう。アメリカが動かないなら意味のない譲歩。早々に手を引っ込めるか、さらに譲歩の姿勢を見せるか?今の中国は前者の可能性が高い。

Wall Street Journal
ISの中国人殺害、無策批判恐れる共産党 紛争地域への関与拡大も (2015.11.24)

自分のことを放浪者でスリルを求めるタイプだと表現していた樊京輝(ファン・ジンフイ)さんは海外でテロの犠牲になるようなタイプの中国人ではなかった。だが、過激派組織「イスラム国(IS)」にノルウェー人の人質とともに殺害された樊さんの事件をめぐっては、中国のネットユーザーから政府に対する厳しいコメントが殺到した。パリ同時テロを受けてフランス当局はISと戦争状態にあると宣言し、米国とロシアはISの拠点を何度も攻撃した。だが、中国政府は樊さんの殺害について、怒りを表明したにすぎないと批判するコメントもある。習近平国家主席は「罪のない命を傷つける暴力的なテロ行為と断固として戦うため」、国際社会との連携を強化すると約束した。中国政府が安全保障に関する次の動きを検討するなかで、政府は世論にもっと耳を澄ますようになるだろう。ISがオンライン機関誌で公表した樊さんの残忍な殺害は、中国と世界の関係の転換点となるかもしれない、としている。

日本も国際化、グローバル化の荒波をかぶり、そのまま流された。欧米がつくった世界のルールに則るなら、出る場所で出て、闘う場所で闘わなければならない。いま、中国もその試練を受けている。個人的には、中国にはアジアのプレーヤーとして、この壁を越えて欲しい。経済、安全保障、知財、人権…まだ山ほど中国には課題が降ってくる。どこまで今の指導力を維持できるだろうか?

朝日新聞・社説
集団的自衛権 容認の正当性が揺らぐ

政府解釈を変更し、集団的自衛権の行使を認めた昨年7月の閣議決定について、内閣法制局が内部での議論の過程を文書に残していなかった。朝日新聞の情報公開請求に対し、該当文書が示されなかったのだ。先の国会で、日本の安全保障政策の歴史的転換となる安保法制が成立した。そのもととなった閣議決定を法的に問題なしとしたのが内閣法制局だ。そこにいたる経緯が文書に残されていなかった事実は重い。解釈変更が妥当だったのかどうか、主権者である国民が検証できないことになるからだ。解釈変更が法制局による組織的な検討を離れ、一握りの政治家らと長官の手で実質的に進められていたのなら、法制局の存在意義そのものが問われる。政府は事実関係を国民に説明する責任があるし、国会は一連の経緯を詳細に検証すべきだ、としている。

いまの政権は、この種の手抜きが散見される。慢心だけでここまで手は抜けないだろう。公務員にも非協力的な人が数多く存在し、抵抗しているのではないだろうか。または…意図を持って残さないようにしている。残すと後で困るほどの雑な手法で事を急いでいる。どちらにしても野党、メディア、裁判所、研究者…抵抗したい人たちにとっては絶好の記録だ。私も反対派。検証を願う。

毎日新聞・社説
1億総活躍 実現への具体策を示せ

安倍政権の1億総活躍社会実現に向けた緊急対策案が出そろった。保育所や介護施設の拡充など「新三本の矢」で示した「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」に関連するものに絞り込まれた内容だ。キャッチフレーズはともかく、実態は高齢者に偏った社会保障から現役世代に軸足を移すという民主党政権が目指したものに近い。介護や保育の職員の給与は全産業の平均に比べて月に約10万円も低いとされる。介護分野だけでも10年後には30万人の職員が不足すると言われており、必要な労働力を確保するには財源確保が不可欠だ。財務省は来年度予算編成で社会保障費を1700億円削減する方針を打ち出している。その中で介護や保育を充実させるには、税や保険料の負担増や経済的に余裕のある層の年金給付の抑制など、国民に不人気な政策も語らねばなるまい。これまでも痛みを伴う施策を政治が実行できず、先送りしてきたのが社会保障改革の歩みだった。来年夏の参院選を控えて本当に実行できるのか。安倍政権の覚悟が問われる。貧困・生活困窮への流れを止めないと、1億総活躍どころか社会が足元から崩れていくだろう、としている。

個人的には、政府には期待しない。危機感が強かった今まで何も出てこなかったのに、緩んだ状況で提案があるとは思えない。さらに選挙が近づけば甘い言葉が踊るのだろう。外圧が頼りだが、来年はアメリカも大統領選挙。人気取りのために叩く相手なら、日本ではなく中国という時代だろう。何も変わらないだろう。
変わらないことは理想的かと言えば、逆だ。挑戦を未だに先送りしている中、蓄えは本当に失われている。借金は本当に増えている。状況はどんどん悪くなっているが、思考はどんどん止まっている。中国の危機がハード・ランディング不可避に見えつつあるが、日本はさらに悪い。

読売新聞・社説
H2A打ち上げ 官民で商業衛星の受注拡大を

国産ロケット「H2A」が打ち上げられ、初の民間商業衛星を赤道上の軌道近くで切り離した。日本のロケット技術は新たな段階に入ったと言えよう。受注の決め手となったのは、人工衛星をより遠い宇宙空間にまで運ぶ技術の改良だ。北緯30度の種子島から打ち上げると、赤道に対して斜めになった軌道を修正しなければならず、早めに切り離された衛星自身が、進路を変える必要があった。この弱点を克服するため、ロケットエンジンの燃焼時間を長くして、静止軌道の近くまで衛星を運搬した。衛星の燃料消費は抑えられ、軌道上でより長く活動できるようになった。宇宙産業は成長が見込まれる有望な分野だ。自然災害に対して脆弱な途上国での気象観測、農作物の広域的な作柄のチェック、鉱物資源の探査など、人工衛星の需要は様々な用途で高まっている。関連企業の技術力を向上させる重要性が一層、高まっている、としている。

日経ではなく読売が取り上げるのが、日本の不可思議だが、それだけ官製の産業なのだろう。宇宙は成長は見込まれるが、アメリカはすでに観測や通信の領域を越えつつある。旅行、流通を現実にしつつある。NASAの入札も最優先はコストだ。火星への移住さえ、すでに夢から現実にしようとしている。日本が追いつけとは思わない。どの領域に食い込もうとしているのか、早めに絞り込んだ方が、ユニークになれると思う。その見極めが、官製手動の産業はいつも弱い。保険をかけているのか、縦割りが原因なのか判らないが、集中こそが、いまの日本にとって必要な感覚だ。個人的には、通信なら、まだ日本の能力が活かせると思うが、他は…どうだろう?

日本経済新聞・社説
世界はパリで結束し温暖化対策打ち出せ

国連の気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)が30日からパリ郊外で開かれる。約190カ国・地域が参加し、2020年以降の地球温暖化対策の枠組みを決める。地球温暖化の影響とみられる異常気象が世界で頻発しており、対策は待ったなしだ。温暖化にブレーキをかけられる実効性のある国際協力の枠組みを、何としてもつくりあげる必要がある。各国はCOP21に先立ち、20年以降の自主的な削減目標を国連に出した。各国の実情に応じ削減の進め方や目標は様々だ。能力に応じた貢献度の違いはすでに明らかになったともいえる。COP21では他国の目標に難癖をつけるのはやめ、目標を相互に認め合い、その達成に向けた努力を促す仕組みを詰めていくのが望ましい。どれほど難しい課題でも、暴力には頼らず話し合いと英知で解決の道を探る。そうした国連のプロセスの価値を、パリで理不尽なテロが起きた今こそ示すべきでもある。会議がテロの妨げを受けないよう、主催国のフランスにはしっかりした警備を望む、としている。

COP21がフランス開催とは奇遇だ。世界のリーダーがパリに集える良い機会だ。残念ながら、この雰囲気ではまた温暖化は上の空になってしまうだろう。環境問題はいつもそうだ。飢えや貧困がなく、経済が安定していて、紛争もない状況でなければ、気候や空気のことは忘れてしまう。手遅れになったかの判断がしにくいのも、行動を遠ざける理由だろう。テロがなければ、今は絶好の機会だった。だが、心が揺れていては、話す余裕さえない。こうして私たちはいつしかボーダーラインを踏み越えているのかもしれない。

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