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2406.報道比較2015.10.31

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FOMC、日銀、5中全会…結局、どこも凪いだまま、10月の節目を折り返す。アノマリーで動いた人が後悔しない結果になるといいが…

Wall Street Journal
「一人っ子政策」の弊害、今後数十年続く (2015.10.30)

中国共産党が29日に「一人っ子政策」の廃止を決めたことは、世界史上、最悪レベルの政府による「人間の自由」侵害を終わらせる画期的な出来事だ。だがこれは「個人の選択」に関する突然のひらめきではまったくない。中国指導部は遅ればせながら、急速に進む高齢化によって人口動態の危機が差し迫っていることを認めつつあるのだ。高齢化は中国の政治と経済に恐ろしい影響を及ぼしかねない。中国の2010年の国勢調査によると、合計特殊出生率は国全体で1.16人で、北京や上海などの大都市では0.7人に下がる。他のデータによれば、現在は1.56人とされているが、それでも人口置換率の2.1人をはるかに下回る。一人っ子政策の廃止は決まったものの、子供を持つには引き続き政府の許可が必要となる。これだけでも十分ひどいが、計画出産当局は仕事を失うことを恐れて、政策変更への抵抗を続けている。一人っ子政策は中国の生活水準を低下させてきたが、こうした状況が今後数十年にわたり続くとみられる。これは、国民の福祉は個人の自由とは切り離せないことを強く思い起こさせる、としている。

朝日新聞・社説
中国一人っ子 出産規制全廃すべきだ

中国政府が、一人っ子政策と呼ばれた産児制限を緩める。今週開かれた共産党中央委員会の第5回全体会議で、来年からの経済方針である第13次5カ年計画の概要に盛り込まれた。国の富強をめざす習近平(シーチンピン)政権は、労働人口の減少と高齢化がもたらす経済成長の鈍化や社会保障負担の増大にどう対応するか、という問題意識から政策変更に踏み切ったのだろう。その観点から考えても、遅きに失したと言わざるを得ない。新しい5カ年計画には、労働人口を増やす方策として、農村人口の都市受け入れを促すことが盛り込まれた。このことだけでも、農村の土地問題、社会保障や教育の受け皿など、関連する課題が多岐にわたる。こうした人口移動のほか、公害など、いわば日本の高度成長期を圧縮する形で諸問題に直面しているのが、いまの中国の姿だ。習政権の国内改革がめざすべき目標は、13億人とこれから生まれる子どもたちが安心して暮らせる国造りに尽きる、としている。

日本経済新聞・社説
中国社会の変化促す「一人っ子」政策撤廃

中国が全ての夫婦に第2子の出産を認めることを決めた。人口抑制を目的として1979年に導入した「一人っ子政策」は既に見直しが始まっていたが、今回は第2子出産の申請・認可手続きをなくし、一人っ子の奨励策も打ち切るという。思い切った政策転換によって中国の社会、経済がどう変化するのか注視したい。「5中全会」のコミュニケは「一人っ子政策」撤廃を除くと具体策に欠ける。中国は今後、国有企業の抜本改革、民間活力を生かす政策を合わせて打ち出すべきだ。中国が長年、実施してきた「一人っ子政策」には女性や子供の人権侵害という負の側面もあった。強制的な堕胎の横行や、戸籍のない子供が社会的に不利益を受ける問題だ。3人目は認めない産児制限を維持する以上、人権問題の解決にも真剣に取り組んでほしい、としている。

人権面から見れば、欧米の価値観でなくても、一人っ子政策は最悪の手段だろうし、国家に生まれる人口の歪みは、長期にわたって国家形成に影響を与えるに違いない。あまりに人口が多いからといって、許されたのをいいことにダラダラと不毛な制度をつづけたことは、途方もない後悔を招くだろう。人口は抑制されただろうか?そうかもしれないが、それが国家にとってしあわせなことだったのだろうか?もし中国に自由が宿った時、一人っ子政策は、ドイツにとってのナチス、日本にとっての軍国主義時代に通じるほど恥ずかしい過去になるかもしれない。
もし、これに似ているとしたら…アメリカの銃。中国がアメリカを子馬鹿にできるネタには、十分だ。

産経新聞・社説
物価目標先送り 脱デフレへ政策の強化を

日銀は30日の経済・物価の展望リポートで、来年度の経済成長率と物価上昇率をそれぞれ下方修正した。これを踏まえて2%目標の達成時期を先送りした。消費者物価指数は2カ月連続で下落している。原油安の影響を除けば、物価の基調は着実に高まっているというのが日銀の見立てだが、とても楽観はできまい。追加緩和で円安が進めば食料品などの輸入物価が上昇し、消費をさらに冷え込ませかねない面もある。黒田東彦総裁は、必要があれば躊躇なく追加緩和を実施するとしているが、マイナスの影響も踏まえつつ、引き続き、その是非について慎重に検討してほしい。無論、経済再生は金融政策だけで果たせるものではなく、政府の役割は極めて重要である、としている。

毎日新聞・社説
2%物価目標 固執は政策の信用失う

30日の金融政策決定会合では、2%の達成予想時期を再び半年延ばして「16年度後半」とした。記者会見に臨んだ総裁は、それでも「政策は効果を発揮している」「(2年程度で2%達成の)物価目標を変える必要はない」の一点張りだった。黒田総裁は、「物価の基調は改善している」と繰り返す。思いのほか下落幅が大きかった原油価格の影響分を除くと、物価はしっかり上昇しているというわけだ。だが、「日銀が異次元緩和により2%達成への本気度を示せば、企業や消費者がインフレを予想するようになり、賃金が上がって消費も増え、物価が上がる」という日銀の筋書きに沿った結果ではない。円安による輸入品の値上がりが主な上昇要因なのである。経済の長期的な成長力をどのような改革で引き上げるか。そこに関心が集まるべきところ、短期的な金融政策の動向が金融市場を介して経済を左右する主役になっている。いびつな構図は早く正す必要がある、としている。

黒田氏が苦しい対応をしたとは聞いている。ここから先、今までのやり方に固執すべきかは、毎日の言うとおり検証すべきだろう。インフレになってもっとも困るのが国債を抱える日銀自身で、日本政府のはずが、意図的にインフレに持ち込むポーズで資産価格と賃金だけ上げようなど、虫の良過ぎる話だった。原油が安かったのはむしろミスをカバーする幸運と捉えるべきだったはず。
それでも、彼が今までしたことがミスだったと思う人はいないだろう。そして、答えなかったのは政治であり、成長を創出できていない民間だということも。黒田氏の本音は、物価は上がらず、賃金だけ上げて欲しい。設備投資を増やして欲しい。それだけだろう。その基盤を、政治は戦略ではなく圧力で仕立てようとした。応える意思を見せているのは旧体質のマンモス企業ばかりだ。胎動は微塵も感じられない。

人民網日本語版
人民銀が利下げ、銀行に預けておくと資産が減る? (2015.10.30)

中国人民銀行(中央銀行)は24日、金融機関の人民元建て貸出と預金の基準金利を引き下げた。うち、1年物預金基準金利は0.25ポイント引き下げ、1.5%とした。9月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比1.6%上昇したことを考えると、「マイナス金利」と言える。この考え方に異論を訴える人もいる。中国社会科学院財経戦略研究所の何代欣副研究員は、「CPI上昇率を使って比較するのは規範的とは言えない。CPIはインフレ率を代表する唯一の指標ではなく、絶えず変動するデータであり、その変動幅は実際の利率の変動を上回ることが多い」と指摘する。交通銀行金融研究センターの劉研究員は「今回の利下げの重点は、経済成長を推進すること。経済成長の圧力に対応するため、金融政策を緩和した。次は、調整のペースを緩和するだろう。それでも経済の下振れ圧力が大きいなら、預金準備率を引下げる可能性も排除できない。融資の圧力が大きければ、さらなる利下げの可能性も存在する」と指摘する、としている。

打つ手はどれもセオリーどおり、日本にとってはいつか来た道に見える。失われた30年の中にいる先人として経験から言えば、一般の人へのアドバイスは、投資すべきは「自分自身へ」だ。資産は預けていても増えなくなる。肥やそうとしても肥えなくなる。稼げる自分になることだ。仕事がなくなり、挑戦意欲が萎える。日本で着実に安定したのは、自らに投資して学び、新たな挑戦をして新しいスタイルを確立した人たちだ。しがみついた人たちは、みな苦しんでいる。
国家には、通じはしないだろうが、もっとも大事なのは「大胆さと信頼」だ。バズーカは一度しか通じない。そのインパクトで、着実にムーンショットを決めなければならない。決まらなかったとしても、動じないことだ。信じられる次の奇策を次々に撃てばいい。FRBのように。躊躇した日本は、今も沈んでいる。まだ1.5%。先進国にとっては夢のような金利だ。手はいくらでも打てる。やる時は、世界が驚くほどの手を打たなければ、インパクトにはならない。その手を打つべきは、いつだろうか?

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