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2395.報道比較2015.10.20

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中国の統計は、不思議なほど世界のマーケットに何のインパクトももたらさなかった。マグマが蓄積されたように感じる。

日本経済新聞・社説
中国の安定成長に欠かせぬ民間の活力

中国の7~9月期の国内総生産(GDP)は物価変動を除く実質で前年同期比6.9%増となった。成長率は4~6月期から0.1ポイント鈍った。心配なのは輸入の大幅減少が続いていることだ。9月のドル建ての輸入額は前年同月比20.4%減った。1~9月の累計でも前年同期比15.3%減だ。鉄鉱石、石炭など資源のほか工作機械も落ち込んだ。企業の活動実態を映す卸売物価指数も下落が止まらない。共産党トップに習氏が就いて3年がたつ。習指導部は持続可能な成長を掲げているが、実効性のある政策に乏しい。安定成長を目指すなら、民間の活力を生かす大胆な具体策が必要だ。中国では国有企業を優遇し、民間企業や個人経営者が割を食う「国進民退」が問題になってきた。「5中全会」ではこれを打破する議論が欠かせない。民間の力を生かせなければ、新たな成長の芽は育たず、持続可能な成長もない。中国の株式市場の混乱や人民元不安はいったん収束しつつあるものの、先行きは不透明だ。民間活力を重視する経済改革や金融市場改革を進めることで、政策運営への信頼を取り戻すことも重要だ、としている。

微妙な数字に、世界のマーケットはどこも反応さえできなかった。どう受け止めていいか、これから判断するという印象だ。悲観的に言えば、もう中国の公式統計は誰も真実とは受け止めていない。数々の作為を経て出てきているものと誰もが思っている。ということは、公式なレポートは何も制御できていない、実態を把握するには役に立たない。次に中国に大きな経済転換がある時、そのトリガーは政治とは別の場所から出てくるだろう。

Financial Times
アフガニスタンの泥沼にはまり込んだオバマ大統領 (2015.10.19)

米軍はオバマ氏の大統領の任期が終わった後もアフガニスタンに残ることになった。これがどこで終わるのかは誰にも分からない。ベトナム戦争との対比は大げさかもしれない。1968年のベトナム戦争のピーク時には、米国は50万人以上の兵士をベトナムに配備していた。一方、アフガニスタンには現在9万8000人の米兵が駐留しており、オバマ氏はほぼ来年いっぱい、この水準を維持する構えだ。いまだに、言及に値するようなアフガニスタン空軍は存在しない。一方、米国が訓練を施したアフガニスタン軍では、相変わらず任務放棄が多発している。誰もタリバンを訓練していないのに、タリバンはアフガン全土で領土を奪還し続けている。アフガニスタンはオバマ大統領に厳しい教訓をいくつか与えた。アフガニスタンは米国の政治的な思惑に一切配慮しないということだ。オバマ氏は、アフガニスタンとイラクでの戦争を終わらせるという公約に基づいて政権の座を手に入れた。米軍の兵士は全員帰国すると約束していた。先週、大統領はこの公約を撤回し、勇気を見せた。オバマ氏が退任する時、アフガン、イラク両国に数千人の米兵がいることになる。オバマ氏の大統領在任期間はむしろ、イスラム主義との世代的闘争における――善意から出たとはいえ――混乱した小休止として記憶される可能性が高い、としている。

オバマ氏が苦渋の決断だったことは想像できる。彼が大統領になる時に、彼自身と世界が期待していた平穏は、イラン、イラク、パキスタン、アフガニスタン…どこにも訪れなかった。むしろ混乱は広がった。これはアメリカが世界の警察をやめると言ったこととは、私は無関係だと思う。世界の平和がアメリカによって制御できないのと同様、世界の平和をアメリカがもたらすのでも保証もしない。支援さえできなかった。実際に平和をつくるのは、やはりそこに住む人たちなのだ。誇らしく、そのことを言う権利が日本にはある。私たちはそれを成し遂げた。その視点から、アメリカを支援し、世界の平和に貢献するなら、私たちの役割はとても重要になる。今の日本の政権がやっているのは真逆のやり方だが。世界の平和に貢献できる才能を、私たちは先人から受け継いでいる。アメリカに違う形での支援を提案できるリーダーは日本にはいないのだろうか?

Wall Street Journal
中国にすり寄る英国、米から批判も (2015.10.19)

英国は、中国の政府と民間投資家を自国の巨大プロジェクトに引き付けようと、躍起になってきた。中国の習近平国家主席は19日から英国を初めて公式訪問するが、中国に対する英国のこうしたご機嫌取りは、英国内からだけでなく、米国をはじめとする同盟国からも批判を集めている。米国では当局者から、英国のやり方をめぐって懸念の声が上がっている。米中政府の対立が深まっているように見えるなかで、英国が中国との関係構築に意欲的なことから、中国には米国以外の欧米の強国である英国との関係を築く機会が生じている、とロンドン大学東洋アフリカ研究学院(通称SOAS)チャイナインスティチュートのディレクター、マイケル・ホックス氏は指摘する。中国からとされるサイバー攻撃(英企業も標的になった)や、南シナ海での中国による人工島の建設など、議論を呼んでいる問題について、英国は米国と違って多くを語っていない。英議会の情報・安全保障委員会は13年に、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を英通信産業の主要企業に採用することで、英国はサイバー攻撃や中国国家が支援するスパイ行為の攻撃を受けやすくなっていると指摘した、としている。

人民網日本語版
中英関係の「黄金時代」を展望する (2015.10.19)

習近平国家主席の初の公式訪英を前に、人民日報は19日「協力・ウィンウィンの『黄金時代』を切り開く」とする「国紀平」と署名入りの論評を掲載し、今回の訪問が中英関係、中国・欧州関係の発展推進に与える重要な意義を展望し、中国・欧州関係の世界的影響力について論述した。過去10年間に中英関係には人々を勇気づける収穫が多くあり、期待すべきさらに多くの進展を得ることが予想される。英国は対中協力において「西側初」を次々に創造し、中英関係の緊密性、世界性、模範性が次第に明らかとなっている。英国政府は、中国の発展が英国にとって挑戦ではなくチャンスであることを繰り返し表明している。中国の劉暁明駐英大使が指摘したように、中英関係の「黄金時代」を切り開くのは一朝一夕の成果ではなく、「水到りて渠成る」だ。人々は中英関係が新たなまばゆい一里塚を築くことを切に期待している。北京とロンドンは8000キロメートル余り離れているが、平和、成長、改革、文明の懸け橋が双方の国民の共同努力の下で築かれつつある。まさに今英国でわき上がっている切なる期待は、昨年3月の習主席の欧州大陸訪問時の熱意を再現している、としている。

英国と中国が仲良くするのは、アメリカにとって相当腹立たしいことのようだ。打算的なイギリスが中国の機嫌を取るのはいつものことだ。中国はうまくイギリスの性格を利用している。ただ、この状態から中国がアメリカとの関係を深めたいと思っているなら逆効果だろう。アメリカもドライな計算をする国だ。だが、その価値観は経済だけではない。

読売新聞・社説
携帯料金軽減策 消費者利益につながる競争を

携帯電話料金の負担軽減策を検討する総務省の有識者会議が初会合を開いた。年内に報告書をまとめる。携帯電話市場の競争を促進し、料金の引き下げにつなげたい。2014年の家計の通信費は04年比で2割以上増え、月約1万7000円に達した。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手3社の料金やサービスは、ほぼ横並びで、国際的に見ても料金は高めだ。背景には、大手3社による市場の寡占化がある。甘利経済再生相は、「(携帯3社は)ほとんど変わらないような料金で揃えている。競争が適正に働いているのか、疑問を国民が持っているのは確かだ」と指摘している。現状は、格安スマホを提供する携帯会社へ移ろうとしても、中途解約に高額な違約金を課す「2年縛り」が障害となっている。2年ごとに携帯会社や端末を変える契約者に対しては、通信料や端末の販売代金の割引が手厚い。一方、同じ機種を長く使う人は、割引原資となる高い通信料を払わされている。総務省は、こうした市場が抱える課題を整理し、携帯電話各社が自主的に改善策を講じるように要請しなければならない、としている。

私も2年縛りがイヤで、ペナルティを支払ってでも他へ移るつもりだ。他の先は、ここに挙がった3つのキャリアではない。格安スマホと言われているMVNOだ。もう現場はそうなっているのではないだろうか?少なくとも、Appleはその流れを読み切っているし、主導権を握ろうとしている。総務省がどう思っているかは判らないが、隙を見せたらデバイスだけでなくモバイル・ビジネスの大半は外資に渡るだろう。発展するなら国籍などどうでもいい私は、うれしくて仕方ない。ただ、普通は行政なら国策として守りたい領域のはず。なぜここを?アメリカから規制緩和でも求められたのだろうか?数々の疑問を感じる。

産経新聞・社説
1億総活躍社会 時間軸で政策の区分けを

「1億総活躍社会」とは、どんな社会を指すのか、いまだにはっきりしない。安倍晋三首相は「誰もがもっと活躍できる社会をつくる」と説明する一方で、「50年後も人口1億人を維持する」と語った。だが、2つの政策は取り組みの方向性や必要な時間も異なる。短期に成果を挙げるべき課題と中長期的に取り組む課題とに峻別し、国民に丁寧に説明するよう求めたい。政府は各府省との調整を行う「連絡会議」の初会合を開いたが、予算や人事権が不明瞭な担当相が縦割りを排して指導力を発揮するには強固な後ろ盾が不可欠だ。首相がバックアップしなければ、担当相が「活躍」できないという笑えない事態に陥る。懸念されるのは、政府・与党内に「総活躍」を来年度予算増額のための「錦の御旗」にしようとの動きが出ていることだ。間違っても参院選対策や目先の人気取りのためのバラマキ政策に矮小化してはならない、としている。

結論は「何も考えずに言いました」ではないだろうか?アベノミクスの成長戦略、地方創生と同様、キャッチフレーズだろう。徐々に変わっていくのだという人もいるが、とても政治が起こしたリーダーシップとは思えない。期待するだけ無意味だ。1億人の中に安倍氏が活躍する国をつくれると思っている人も、ひとりもいないだろうが。

朝日新聞・社説
臨時国会 召集の求めに応じよ

安倍内閣は、この秋の臨時国会の召集を見送る方向だ。これに対し民主党はじめ野党がきのう、早期の召集を求めることで一致した。当然の要求であり、安倍首相はただちに応じるべきだ。首相は第3次改造内閣を発足させ、GDP600兆円などを目標とする「新3本の矢」や「1億総活躍社会」を掲げた。ただ、その実現可能性や「総活躍」の意味について、首をかしげる国民も多い。首相はまず所信表明演説でめざすところを明確にし、質疑を通じて国民の疑問に答える必要がある。また、安全保障関連法制について首相は「国民の理解がさらに得られるよう丁寧に説明する努力を続けたい」と語った。言葉通り、今後どのような運用を考えているのかなど、いっそうの説明責任を果たすべきだ。政府側が早期の国会に及び腰なのは、野党の追及をできるだけ遅らせたいからではないか。そう見られては首相としても不本意だろう。野党の要求を待つまでもなく、安倍内閣はみずから臨時国会召集に踏み切るべきだ、としている。

政府はなぜ国会をやらないつもりなのか?それだけは明確に説明して欲しい。その説明で来年への投票準備をはじめればいい。慢心はないと期待していたが、意味不明な昨年の解散総選挙以降は、与党は呆れるほど横暴になっている。私はもう期待さえしていない。いま、徐々に勢いをつけているのは共産党の志位氏だ。やがて焦りが与党から見えはじめれば、そこで本当の姿が見えるだろう。

毎日新聞・社説
首相と米戦闘機 発信には細心の注意を

安倍晋三首相が神奈川県沖の相模湾で米海軍の原子力空母ロナルド・レーガンに乗艦し、艦内を視察した。現職の首相が米空母に乗艦するのは初めてで、艦載機FA18(スーパーホーネット)の操縦席に乗り込み、写真撮影に応じた。米海軍横須賀基地に新たに配備されたロナルド・レーガンは、東日本大震災で米軍による災害救援「トモダチ作戦」の主力艦だった。いわば日米同盟の絆を象徴する船だ。首相には、この空母に乗り込むことで、日米の軍事一体化を進める決意を示し、中国や北朝鮮をけん制する狙いがあったと見られる。だが、タカ派的なイメージを持たれがちな首相が、米戦闘機に乗り込む姿は、対外的に誤解を招きかねない。結局、日本の外交・安全保障にプラスにならないのではないか。法成立から1カ月たったが、今月初めの毎日新聞の世論調査で57%が法制定を評価しないと答え、反対デモも続いている。そんな中での今回の首相の言動は国民の理解を深めるよりも、国論の分断を拡大させかねないことを懸念する。首相は自身の発信に細心の注意を払ってほしい、としている。

私はこの映像を見ていないが、意図を持ってやったことだろう。プラスとマイナス、両方の効果があったはずだ。それだけ今は強硬に見せる方がいいと判断したようだ。さて…どういう結果になるだろう?どんな効果もうまなかったとなれば、マイナスだ。図に乗って同じ行動を取った時、やがてどこかで破綻する。

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