ORIZUME - オリズメ

2092.報道比較2015.2.3

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新聞には、今日の社説を昨日書いて欲しかった。国民の意識の方が先んじている。使える提案があるだろうか?

朝日新聞・社説
人質事件と日本外交―平和国家の構えを崩すな

過激派組織「イスラム国」による今回の人質事件は、日本の外交・安保政策を考え直す重い機会となろう。「テロに屈しない」のは当然である。だが一方で、その常套句に流され、拙速な結論を導いてはならない。日本は事件から、何を教訓とすべきか。少なくとも、軍事的関与に走ることが日本の安全に直結するとは到底思えない。安倍首相はきのうの国会で、空爆作戦への参加や後方支援は「考えていない」と明言した。「難民の命をつなぐ」ための支援に徹してもらいたい。たとえば、中東安定化のための国際会議の開催に、日本がもっと力を貸せないか。難民支援の独自策を打ち出せないか。アラブ諸国、イスラエル、イランのいずれとも対話ができる日本には、米国にはない独自の立場をとる余地がある。とくに中東では、非軍事こそ日本が進むべき道である。人道外交を重んじる平和国家。その理念を旗印に、テロを許さぬ立場を貫きたい、としている。

産経新聞・社説
邦人保護 救出の法と態勢が必要だ 対外情報機関の創設を急げ

海外で危機にさらされた自国民を救出するという国家として当たり前の対応を、日本はとれない。過激組織「イスラム国」による卑劣なテロにより、改めて想起させられたといえよう。必要な事態に自衛隊を派遣できるようにする法整備を考えたい。テロに対する抑止力にもなる。今回の事件を受け、石破茂地方創生担当相は民放テレビ番組で、対外情報機関の創設について「早急に詰めないといけない」と語った。こうした機関の設置についてタブー視する意見もあるが、国民の生命と平和を守るために必要な組織の創設について、安倍首相の決断を求めたい。政府与党としても検討を急ぐべきだ。2020年の東京五輪に向け、捜査当局に新たな捜査の手段を認めることなども対象となろう。「共謀罪」の創設のほか、テロリスト対象の通信傍受のあり方についても検討を迫られる、としている。

毎日新聞・社説
日本人人質事件 疑問にこたえる検証を

イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)による日本人人質事件が痛ましい結末を迎えたのを受け、日本政府にとって今後、経緯を徹底検証することが重要な作業になる。今回の事件にはわからないことが多いが、検証を要する問題として大きく2点を指摘したい。一つは、安倍晋三首相が、日本人2人が拘束されているのを知りながら、先月中旬、中東歴訪に踏み切ったことと、首相の中東政策に関する演説内容の検証だ。もう一つは、人質解放に向けた交渉の経緯だ。人質解放の交渉内容については、「テロに屈しない」と「人命尊重」の2つの原則の両立を目指す難しいものだけに、これまで非公表だったのは理解できる。だが今となっては、政府は可能な限り情報公開すべきだ。日本政府の情報収集や対外交渉について検証することが、日本の危機管理能力を高め、複雑な国際情勢の中での外交力につながっていくだろう、としている。

読売新聞・社説
人質」国会論戦 対テロで冷静な検証が重要だ

人質事件の再発を極力防ぐとともに、発生時に政府がより効果的に対処できるようにする。国会は、その具体策の議論を深めてもらいたい。政府の危機管理体制を強化するためにも、今回の事件対応を冷静に検証し、分析することが大切だ。どんな情報に基づき、どう対処したのか。政府は国会などで、丁寧に説明することが求められる。集団的自衛権の行使は、各国とも認めており、テロとの戦いに不可欠な日米同盟と国際連携の強化が目的である。日本だけが安全であればいいという考え方は「一国平和主義」に陥りかねない。テロの危険に過剰反応すれば、日本がテロに弱いとみなされ、かえって標的にされる恐れがある。在留邦人の安全確保策を強化しつつ、テロや誘拐に見舞われた際の対応策を検討しておきたい。今回の事件で緊密に連携したヨルダンなど、中東各国との関係を強化することは、在留邦人の安全確保にも役立つだろう、としている。

昨日に続き、新聞の仕事は政治や国民の意識より遅れている。社説に書かれている内容は、すでに国会や会見で回答が出たものばかりだ。シンプルな回答を政府は提示している。すでにアクションにさえ移っている。メディアはいつもの遅々とした対応だと思っているのかもしれないが、意思決定が進めば、行政のスピードは遅くはない。Webに注意勧告が置かれ、現地法人にさえ注意勧告が出ている。置いていかれているのはメディアの方だ。
もう一歩、先の議論を気にしよう。私が気にしているのは、この件でまた国会が経済最優先を忘れる事だ。いま、政治家の意識がほとんどイスラム国を見ている。集中しなければならないはずの課題に、また集中できない。しかも今回は、昨年の安倍氏の個人的な意思ではない。外的要因で、対処しなければならない紛争がはじまってしまった。戦争や災害時のような緊張状態にかすかに近づいた。経済への集中度が薄れた結果が、どれくらい経済再生を遅らせるだろうか?想像以上に、我々の足を遅くさせてしまう気がする。

Financial Times
強い米ドルに潜む危険 (2015.2.2)

ドル高が進行し、輸出の伸びが鈍りつつあるのだ。同じことは米国へのリショアリング(製造拠点の国内回帰)にも言える。その進展が広く予想されていたにもかかわらず、実際には生じていないのだ。
 米国と競争している国のほとんどは金利を引き下げている最中で、その通貨は対ドルで下落している。もしこの傾向が続けば(恐らく、そうなる)、米国の政界が黙ってはいないだろう。ドル高は一般に言われているほど好ましいことではないのだ。ここには2つの危険が潜んでいる。第1に、米国企業の最終損益が次第に強い影響を受けるようになっている。S&P500株価指数を構成する米国の大企業は、売上高のほぼ半分を米国外で計上しており、純利益ではその割合はさらに高い。従って、ドルが強くなればなるほど増益の勢いは弱くなる。第2に、政界で反発が強まっている。先週には共和、民主両党の議員がマイク・フロマン米通商代表部(USTR)代表に対し、為替操作に関する条項を環太平洋経済連携協定(TPP)に盛り込むよう圧力をかけた。日本を主眼に置いた要求だったが、議員たちの真の標的は、TPPに参加しない中国の人民元だった。ドル高のプラス面は、イエレン氏がゼロ金利を大方の予想よりも長い期間維持できることにある。賃金上昇の兆しはまだ弱く、インフレの兆しに至っては影も形も見えない。ドルが強くなればなるほど、輸入コストは低下する。原油価格の下落も追い風になる。強いドルは米国の成功を反映している。だがそれと同時に、願い事をするときはよく考えてからにせよ(本当に叶ってしまうのかもしれないのだから)という格言が正しいことも示唆している可能性がある、としている。

Wall Street Journal
ギリシャとユーロ圏の対立、世界経済最大のリスク-英財務相 (2015.2.3)

英国のオズボーン財務相は2日、ギリシャのファロファキス財務相との会談後、ギリシャとユーロ圏の対立は急速に世界経済の最大のリスクとなりつつあり、英経済にとっても脅威が増しているとの見解を示した。オズボーン氏は声明で「欧州は英国と同様に、今こそ混沌を避け能力を発揮すべきときだ。ギリシャの財務相には責任ある行動をとるよう促したが、ユーロ圏が雇用と成長に関するより良い計画を持つことも重要だ」と指摘。さらに、英国は雇用と成長拡大へ向けた計画を有しており、それを破棄するときではないと主張した。自身の属する保守党が5月の総選挙を控え緊縮財政の継続を訴えている。ファロファキス財務相は、ギリシャの2400億ユーロ規模の救済資金返済をめぐる条件の譲歩を引き出す狙いでユーロ圏諸国を歴訪しており、その一環としてロンドンでオズボーン財務相と会談した、としている。

私は、勝手にまたアメリカが秀逸なシナリオを描いていると思っていた。TPP交渉が終わるまで、ドル高を容認し、駆け引きの道具に為替を使うと。そして、落ち着いた頃に「強いドル懸念」を再燃させてドル安に持ち込む。これをやるのは次の大統領の役目だ。いつドル高への懸念をアメリカ経済界が言い出すかと思ったら、案外早かった。またヨーロッパも日本も、アメリカに「経済再生を急げ」とプレッシャーをかけられる。ヨーロッパはかわすだろうが、日本はまた従う羽目になる。売れるをモノを作れるようになっていなければ。アメリカに。

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