ORIZUME - オリズメ

2030.報道比較2014.12.21

0


年末を控えてか、国内社説のコンテンツは弛緩している。選挙で体力を使い果たしたのだろうか?読売はタイムリーな話題だが、それ以外は…かなり内容が弱い。

読売新聞・社説
国際市場の波乱 「逆石油ショック」を警戒せよ

原油価格急落を引き金に、国際金融市場の動きが不安定化している。3か月前は1バレル=100ドル前後で推移していた原油相場が、60ドルを割り込み、産油国ロシアの通貨ルーブルは、対ドルで半値以下に売り込まれた。ロシア中央銀行は通貨防衛のために、大幅な緊急利上げに踏み切ったが、効果は乏しく、通貨安と高金利で経済の悪化に拍車がかかる恐れも指摘されている。市場の動揺が増幅すれば、実体経済に大きな打撃を与える「逆石油ショック」に発展する可能性も否定できまい。原油市場や新興国に流入した大量の資金が、投資先を求めて動き回り、混乱が加速している。当面の焦点は、今年10月に量的金融緩和策を終え、来年にも利上げに転じるとされる米国の金融政策の行方である。世界経済を牽引していた中国やブラジルなど新興国の景気は、停滞が続いている新興国が、社会インフラの不足や貿易・投資の過剰規制といった成長を妨げている課題を、自ら解決することも急務だ、としている。

一巡して弱気の話が出るなら判るが、消費国にしてみれば減税効果に値するはずの朗報が、なぜか心配の方が先行している。年明けの決算発表を聞いた時、航空各社、運輸、アメリカは小売まで、この影響が良い方に出るのではないだろうか。シェール産業が被る影響も産油国に比べれば表に出るレベルではないと思うのだが…この不自然さが気になる。
もちろん産油国は大打撃だろう。ロシアよりブラジル、ベネズエラあたりはさらに危険だ。まったく蓄えがないに等しい。キューバとの国交正常化も遠因があるのだろうか?オイル関連は、全体に不自然さが多い。

毎日新聞・社説
集団的自衛権 議論深める工夫ほしい

安倍晋三首相が衆院選の結果を受けた記者会見で、集団的自衛権の行使を認めた閣議決定に支持が得られたとして、来年の通常国会で安保法制の整備に取り組む考えを示した。集団的自衛権をめぐる議論で最大の問題は、これによって何ができるようになるのか、どう歯止めがかかるのか、というイメージが与党内でさえバラバラだということだ。その典型例が中東・ホルムズ海峡での機雷掃海だ。海峡が機雷で封鎖され、原油の供給が滞って日本経済が打撃を受けるという経済的理由のために、遠く離れた中東で、自衛隊が武力行使にあたる機雷掃海活動をすることが可能かどうか。自民党は可能と言うが、公明党は慎重だ。政府は集団的自衛権について最低限のイメージを統一して国民に示すべきだし、野党はそれを追及する責任がある。中東だけでなく、朝鮮半島有事についても議論すべきだ、としている。

選挙後のインタビュー時点で、もう暴走の懸念が見えはじめている。公明党に期待する。選挙結果で、どういう結果になったかを見れば、国民がそう思っていることが現れている。与党として、宗教団体をベースにしている部分がプラスに働くことを期待している。

産経新聞・社説
反日宣伝 黙さず事実で反論重ねよ

南京事件から77年を迎えた13日には、中国江蘇省の「南京大虐殺記念館」で初の国家主催の追悼式典が開かれ、習近平国家主席は「30万人の同胞が痛ましく殺戮された」と根拠のない数字をあげて日本を非難した。言うまでもなく「30万人虐殺」は中国側の一方的な宣伝で、現実にはあり得ないことが日本側の調査や研究で判明している。不当な反日宣伝に対して黙っていては、誤った「歴史」が国際社会で定着しかねない。事実をもって反論を重ねる必要がある。反日宣伝への反論は、さらに反発を招くと腰が引けていた日本政府も、対外発信の強化に転じはじめてはいる。アニメなど文化面を中心とした「クールジャパン」の推進に比べ、こうした誤解を正す作業は手間がかかる。だが、日本の信用と名誉、国益を守るため、客観的事実の地道な発信が欠かせない、としている。

いつもの産経の良くない主張だ。根拠があっても、これでは水掛け論だ。中国が戦略としてこういう手法を利用しているのなら「黙さず事実で」がもっともやってはいけない対処だろう。対処に知恵が欲しい。

Financial Times
怯えるパキスタン市民、残忍な襲撃事件で立ち上がるか? (2014.12.17)

パキスタンにとって不幸なことに、タリバンによるペシャワルのアーミー・パブリック・スクール襲撃が特殊なのは、犠牲となった子供たちの多さだけだ。この虐殺がどの派閥の手によるものかはまだ明らかでないものの、子供を含む無辜の市民を殺害するという行動は、「パキスタンのタリバン運動(TTP)」や他のイスラム教スンニ派の過激派組織がここ数年取ってきた戦術と完全に一致している。タリバンで若者を自爆テロや銃での襲撃に導いている反啓蒙主義のムッラー*1たちは、近代的な教育、特に女子の教育に反感を持っていることでも知られている。今年のノーベル平和賞の共同受賞者であるマララ・ユスフザイさんが、女子教育を擁護しているとの理由でタリバンに頭部を撃たれたのは、つい2年前のことだ。だが今回の襲撃事件については、武装勢力がかなり弱体化しており、最も手近で容易な目標をむやみやたらに攻撃しているのだという解釈もある。より重要なのは、これほど大勢の生徒たちの殺害が、平和と教育と寛容さを支持するパキスタンのサイレント・マジョリティーと見なされる人々を目覚めさせる可能性があることだ。「もうたくさんだ!」――。ワジリスタンの村やカラチの街頭、ラワルピンディの軍司令部にもはっきり響き渡るような叫び声が国民から上がったら、パキスタン史上最悪の部類に入る暗黒の日々の後に、かすかな光をもたらすことになるだろう、としている。

朝日は「ふるさと納税」、日経は「人工知能」を取り上げていたが、残念なレベルだった。他国で起きていることとはいえ、こういう市民の動きをキャッチアップした方が読者の意識に近い気がする
市民が動いた。その勇気や同行は、無関心になりがちな私たちにとって、とても重要な問いかけをしてくれている。動かなければ変わらない。宗教がからんだり、命を落とすレベルの闘いとは次元がまったく違うが、日本の教育現場で起きている理想と現実とのギャップもまた、頭を抱えるほど歪んでいる。どこから手を付けていいか判らないような複雑な問題でも、動かなければ変わらない。マララ氏のような人がいなくても、大惨事が起きなくても気づいて動ければもっともすばらしい。

Wall Street Journal
トレンド先読み―2015年に市場を撹乱するのは (2014.12.19)

現代生活のぺースは速い。ビジネスの世界では、変化が常態になっている。投資家にとって、「次の大きな出来事」を推測するのが、市場に先んじるためのカギだ。ちょっと立ち止まっただけで、適応できないで絶滅する恐竜になってしまう。これを念頭に、S&P Capital IQのマイケル・トムソンと同社の分析チームは2015年向けの10個の「撹乱要因」を取り上げた。S&P500種平均を構成する10業種が対象で、1業種につき1つだ。

  • 金融サービスの撹乱要因:モバイル技術——2015年には2語で始まる。「Apple Pay(アップルペイ)」の2語だ。
  • ハイテクの撹乱要因:ウエアラブルーー2015年にウエアラブル(身につけて持ち歩くことができる情報端末)が主流に躍り出る態勢になる。
  • 一般消費財の撹乱要因:デジタル化——デジタル化がメディア企業全体を席巻すると予想するのは難しくない。TVの一括モデルは、番組配信プロセスのデジタル化につれて、ほとんど不可避的にアラカルトモデルに屈するだろう。
  • 工業の撹乱要因:石油価格——S&Pのジム・コリドー氏は「燃料が主要なコストになる業界や企業は、石油価格の低下の恩恵を受けるだろう」と書いた。
  • 生活必需品の撹乱要因:人口動態——S&Pのアナリスト、ジョセフ・アグニーズ氏は「ベビーブーム世代が老齢化するにつれて、彼らは、ジェネレーションX(1961年から1981年までの20年間に生まれた世代)やミレニアル世代とともに、健康志向に集中した製品需要を拡大している」と書いている。
  • 原材料の撹乱要因:中国経済———中国が原材料の主要消費国であることは紛れもない事実であるし、中国

  • 経済の成長が鈍化していることも明々白々な事実だ。これに伴い、原材料の消費量は減っている、としている。

Apple Payを取り上げたのとタイミングが合ったのは偶然で驚いた。情報では、Apple Payはアジアでは先に中国に着手している。日本をパスしたのではないだろうが、難易度、インパクトから考えても、中国銀聯を優先するのは当然だろう。ITに関わる人間としては、日本よりも上海の方がビジネスになることに気づかされる。取り組んでいた領域の話題が多いのは個人的にはうれしい反面、もう勝負にならないほど打ち負かされる現実を覚悟しはじめた。次のビジネスで目論んでいたのはドローンだったが、この領域も日本より先に中国が伸びそうだ。
このトピックスの中に、日本が、自分が絡める領域がどれくらいあるだろう?もう一度考えてみたいと思う。

So, what do you think ?