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2027.Good bye, Frida. Next is…?

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Gucciからフリーダ・ジャンニーニがいなくなる。
私はこのニュースを、ファッション・ニュースより先に金融のニュースで知った。

ハイ・ファッションが日本でもすっかり勢いを失った今、デザイナーの名前まで記憶している人は少ないかもしれない。
フェミニンなグッチを創造し、10年も勤め上げたフリーダ。
私はトム・フォードのグッチが好きだったので、女性的になったグッチとは疎遠になったけれど、トム・フォードの時より社交的で、やさしくなったグッチとうまくやれていると思っていた。
ファッションの世界で10年は、おそらく永遠に近いような長い時間。
原因は、売上低迷だろうが、ルイ・ヴィトンでさえ伸び悩んでいる現在、原因はフリーダだけの問題ではないだろう。
お疲れさま。
また次の活躍を楽しみだ。グッチのようなセクシーでメンズにも強さが感じられるネームよりは、もっと愛に満ちたようなブランドの方が、もっと相性がいい気がする。

Rush

手元に、まだ封を開けていないトム・フォードの作った香水が残っている。
トムがケンカしてGucciを去る数年前だから2002年頃。強烈な香りだった。もう、グッチの店頭からも消えているのだろう。
この匂いが似合う場所…あるのだろうか?日本には思い浮かばない。

注目と、衝突。
このふたつは共存するのだろう。
2000年頃の、Gucciを舞台にしたドタバタは、ファッションの小さな世界を少しだけ越えて盛り上がっていた。
映画にでもなりそうな、まさにイタリアンなドラマ。

このメガネ屋さんの記事がうまく書いてあります。
http://www.ohmyglasses.jp/blog/2013/06/10/gucci-yves-saint-laurent-designer/

何をやっても当たる、天才クリエイティブ・ディレクターと、経営上手なアメリカからやってきた社長。
暗殺、女帝、相続、アラブ人まで登場する創業家。フランスの投資家。
ここにLouis Vuitton、Prada、Yves Saint-Laurentあたりも巻き込んで、ハイ・ファッションはドタバタだった。
昨年まで、Louis Vuittonはエルメスと株式でモメていたりしたけど、当時から比べると色褪せて見えるのは、ラグジュアリー、ハイ・ファッションと呼ばれるだけの世界が、時代としては下り坂に入ったような印象を受ける。
音楽マーケットがたどったような、急速な収縮が起きている気がする。

中国のマーケットがしぼむ中、次の未開拓地は見えない。
アメリカ?経済は伸びるだろうが、当時と同じような狂騒を受け入れる土壌がアメリカにあるだろうか?
日本は、年寄りの国になる。ファッションに浪費するばかりか、ブランドに対価を払う人さえ減るだろう。
ヨーロッパは?もともとブランドを作る側だ。稼ぐ方には興味があるだろうが、買う方には興味がないだろう。
ロシアは完全にしぼんでしまった。当分、消費は復活しない。

ここに、ファッション界にはイヤな存在が。
アップル。
音楽マーケットのルールを変えたプレーヤーが、時計を作るという。
化粧品やジュエリーと並んで、オイシイはずのプロダクトを、時価総額世界最大、ブランド価値世界最大(2014年はGoogleだったようだが)の異業種が、海賊さながらにやってくる。

経営陣のウェブで、社長の次に出てくるのは、バーバリーから転職してきたアンジェラ。
Angela
彼女がアップルに行った時から、アップルを長く知る人は気づいていた。
次のマーケットはファッションだ、と。
アンジェラが時計でうまくやったら、次のアップルのボスは彼女だろう。

トム・フォードとジョニー・アイブ。
どちらが優れたデザイナー?と訊いたら、10年前なら、誰もがトムを選んだだろう。今なら、誰もがジョニーを選ぶ。

さて…次のGucciのデザイナーは誰だろう?
そのニュースが話題になることはあるだろうか?
年が明ければ、ファッションは次の秋冬コレクションがはじまる。
その話題が消える頃…春には、Appleの時計が街に出る。
Appleはファッションから、どれだけ収奪できるだろうか?

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