ORIZUME - オリズメ

1617.報道比較2014.3.5

0

孫子

マーケットは落ち着きを取り戻したが、世界はウクライナから目が離せない。西側の意見には自己正当性の主張ばかりが感じられる。ロシアの言っていることに矛盾が見えたことはないからか?

Wall Street Journal
プーチン大統領の政治的野望、ロシア経済の急所を直撃か (2014.3.4)
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナで政治的・軍事的影響力を誇示することに意欲的だ。このため、新興国市場への投資意欲を失う投資家はさらに増えるとみられる。ウクライナ経済がすでに窮地に追い込まれ、多くの資金運用担当者の対象外となるなか、失うものが最も大きい国はロシアにほかならないようだ。3日の金融市場は、株安、債券高、新興国資産の一段安という典型的な安全逃避に見舞われた。だが、最も厳しい評価が下されたのはロシアの資産だった。ロシア株式市場ではドル建て取引を扱うRTS指数が日中取引で12.01%安と急落。ドル建てのロシア国債は下落し、ルーブルはドルに対して大幅安となった。西側諸国の出方としては、軍事介入より経済制裁の方が可能性は高いように思われる。しかしプーチン大統領は、大規模な貿易制限のようにロシア経済の深刻な不安定化を招く措置には至らないと踏んでいるのかもしれない。ロシアは明らかに、原油やガスの輸出収入に依存している。だが同様に、欧州はロシアからのエネルギー供給を必要としている。シティグループによると、EUが輸入する天然ガスに占めるロシア産の割合は31%、原油に関しては27%となっている。資産凍結や渡航規制といった措置の影響はそれほど大きくないかもしれないが、ロシアの政界および実業界の精鋭が世界の舞台へ進出する昨今、プーチン大統領を悩ませる問題となりかねない。結局のところ、ウクライナを掌握したいというプーチン大統領の政治的野望が、この戦略がもとで間違いなく発生する経済的損失に勝るかどうかはまだ分からない。それが明らかになるまで、投資家がロシアを敬遠するのは当然だろう、としている。

Financial Times
ロシアは新たな冷戦を戦える立場にない (2014.3.4)
ソビエト連邦が1968年にチェコスロバキアに侵攻した時、モスクワの株式市場は暴落しなかった。なぜか。それは当時のモスクワには株式市場がなかったからだ。去る3月3日はこれとは対照的に、ロシア軍の部隊がクリミアを実効支配したとの報道を受け、ロシア株が10%の急落を演じた。世界はもはや、2つの相いれない政治経済体制、すなわち資本主義の西側と共産主義の東側という敵対する陣営には分かれていないということだ。ソビエト体制が崩壊した後、ロシアはグローバルな、そして資本主義の体制に加わった。今では、ロシアと西側の金融、ビジネス、社会の制度は互いに深くからみ合っている。ロシアはエネルギーを国外に売る必要がある。輸出収入の70%を石油とガスで得ているからだ。ロシア政府にとってこうした収入が重要であることから、冷戦のピーク時でさえ欧州向けのエネルギー販売は確実に継続された。過去10年間、プーチン氏とその側近はよく冷戦の言辞を用いながら、一方ではグローバル化の果実を享受してきた。今、彼らは1つの選択を迫られるのかもしれない。プーチン氏らは新たな冷戦を手に入れることができる。あるいは西側の富へのアクセスを手にできる。だが、両方を手に入れることはできないのだ、としている。

ひとまず、世界は落ち着きを取り戻した。凍りついたマーケットは急落から上げ、平静を保った。ロシアの株価も戻りはじめている。武力衝突は回避できそうだとの予感だ。
ここまで、どれもプーチン氏のシナリオの上で動いている。シリアの時と同じ、世界を相手に提案も交渉も心得たものだ。西側の弱みも、自らが譲れないないものも把握している。ヨーロッパもアメリカも、ロシアの目的達成には文句を言いそうもない。恐れているのは武力衝突だけ。結果はロシアが望むものになるだろう。あとは衝突がないことを願うだけ。ロシアもそれを望んでいる。ウクライナの人たちも、それを望むかもしれない。
債務は減ることはない。ウクライナには、まだまだ自由や望んだ国境ができたとしても、試練が待っている。それでも戦争よりはましだ。
ところで、この債務はどうやってできたのだろう?ロシアは、この債務を見た時からシナリオを作っていただろう。これだけの戦略を日本は描いているだろうか?政治とはこういうもののはずだが。
  
  
朝日新聞・社説
日朝協議―したたかに対話重ねよ
日本人の遺骨返還問題を話し合う日本と北朝鮮の赤十字協議と並行して、両国外務省の課長が中国・瀋陽で会談した。非公式とはいえ、1年4カ月ぶりの政府間協議が実現した。ひとまず今後も北朝鮮を突き放さず、だが、のみ込まれることもなく、根気強く説得する作業を覚悟せねばなるまい。とくに拉致問題について北朝鮮の態度には誠意がないままだ。核開発も続けている現状では、国交正常化を求める機運も生まれない。そのなかで芽生えた対話の動きをどう生かすか。まず肝心なのは、真剣に関係改善の歩を進める用意があるかどうかの意思確認と環境づくりであろう。北朝鮮は最近、韓国にも対話攻勢をしかけている。日韓への秋波の裏には、最重視する交渉相手の米国を直接協議に誘い出したい思惑があるはずだ。日韓、日米の意思疎通を緊密にし、北朝鮮に付け入る隙をみせてはならない。したたかに、複眼的な対話を進める日本の外交力が問われている、としている。

産経新聞・社説
日朝協議 「対話と圧力」を緩めるな
日本と北朝鮮の政府間協議が非公式な形ながら1年4カ月ぶりに行われ、日本側は拉致問題を提起した。中国の瀋陽で開催された日本人の遺骨返還問題に関する日朝赤十字会談で、同席した双方の政府当局者が別室で会ったものだ。被害者救出のため、当局者同士の話し合いは欠かせない。こうした機会を、膠着状態にある拉致問題の前進につなげてもらいたい。国連人権理事会の調査委は拉致を含む北朝鮮の人権侵害を「人道に対する罪」と断じる報告書を公表した。17日に理事会へ提出される予定だ。北指導部の責任を追及する決議を採択すべきだ。対話を促すための圧力も重要となる。何よりも、北朝鮮に「日本人拉致問題は解決済み」という主張を撤回させ、拉致問題の再調査を行わせることが必要だ、としている。

ロシアの話をした後だと、日本の戦略レベルの低さに呆れる。この問題を北朝鮮が認めてから12年経過している。本気で解決する気なら、中国や韓国との今の緊張はあってはならない。達成したい目標が決まっていないから、やることは定まらない。そうしていると、10年という時間はすぐに経過する。
  
  
毎日新聞・社説
震災からの復興 地域主導を支える時だ
震災発生からまもなく3年、今なお全体で26万7000人が避難生活を強いられ、このうち10万人はプレハブ仮設住宅の暮らしが続く。自宅を再建できた被災者はまだ、ごく一部である。津波対策の切り札とされる集団移転は震災5年にあたる2016年3月になっても岩手、宮城両県で宅地供給が済むのはなお半分程度だ。同時点で賃貸形式の復興住宅の供給すら8割程度にとどまる。住宅、雇用など暮らし再建の展望が開けないことが被災者にとって一番つらい。この1年で被災3県の集団移転計画が全体の約2割にあたる約5800戸縮小したのも、多くの人が故郷での自宅再建をあきらめざるを得なかった厳しい現実の表れだろう。安倍内閣や与野党が「復興の加速」を本気で目指すのであれば、避けられない2つの政治的な課題を特に指摘したい。ひとつは移転用地の買収に手間取る自治体の窮状の打開だ。岩手県大槌町など用地の複雑な権利関係が障壁となり、取得作業が滞る自治体がなお少なくない。もうひとつは被災地で深刻化する資材などの工費高騰や建設業界の人手不足への対応である。津波で浸水した跡地の有効利用、農水産業の再生や雇用確保などに民間企業やNPOも含めた協力がこれからはますます大切になる。復興庁は大手企業と地元企業をつなぐ場を考えるなどしているが、取り組みはまだ不足している。中央官庁のタテ割りを超え、一体的支援を展開できるか真価が問われよう。復興の行方は明日の社会を映す鏡なのだ。被災地の挑戦がとても大事な局面を迎えるいま、行政のみならず私たち一人一人がこれを支える思いを新たにしたい、としている。

また久しぶりに毎日が良い社説を掲載した。震災を振り返るメディアからのコンテンツが増えはじめる中で、しっかりと提案を行っているものは見たことがなかった。すばらしい。
3年という時間の流れ方を、改めて問い直した方がいいだろう。遅いという部分には、ゴールが見えていない。移転が進まない理由もそうだろう。国家の方針だけで動けない心情も判る。その人たちへのケアが必要な時期に来ている。求められているのは「人とのつながり」だ。もし、街が元に戻らないのなら、早めに言ってあげた方がいい。期待して待たせるだけ、哀しみが増えてゆく。戻せるのなら、直す部分から人のつながりを再生して行く方がいい。またそこに、つながりが生まれる。
民主党時代よりは、格段に見える。このあたりは、今の政権の方が数倍は安定して見ていられる。経験と能力の差が見える。

{{insert_meta NewsAmazon}}

Comments are closed.